「【”混沌と狂乱からの衰退。”サイレントからトーキーに移行していく時代、サイレント俳優の変遷をアーティスティックに描いた作品。デイミアン・チャゼルのサイレント&トーキー映画への敬意が溢れた作品である。】」バビロン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”混沌と狂乱からの衰退。”サイレントからトーキーに移行していく時代、サイレント俳優の変遷をアーティスティックに描いた作品。デイミアン・チャゼルのサイレント&トーキー映画への敬意が溢れた作品である。】
ー 時代は1920年代のアメリカ、ハリウッド・・。サイレント映画全盛期、ジャック・コンラッド(ブラッド)は豪勢な宴を開き、我が世の春を謳歌していた。
そこに現れた、貧乏で名もなき、けれど気の強き女優の卵ネリー・ロライ(マーゴット・ロビー)と未だ何物でもなき男マニー(ディエゴ・カルパ)。
やがて、ネリーは偶々映画の役を貰い、見事なる涙の演技で、スター女優を蹴落とし、マニーもジャックに気に入られ、彼の付き人の様な立場になって行く。
が、時代は徐々にトーキー映画に移っていった・・。-
◆感想
・サイレントからトーキーに移行していく時代、サイレント俳優だった男が落ちぶれて、トーキーで成功した女性が彼を救う「アーティスト」をチラリと想起させるが、この作品の持つ”混沌”と言っても良い程のゴージャスで破綻し掛けている世界観に徐々に呑み込まれて行く。
ー サイレント映画での戦争シーンなどや、象がのし歩くジャックによる豪勢な宴のシーンなどは圧巻である。-
・だが、時代が進みサイレント映画が下火となり、トーキーに移行して行く中、サイレント映画俳優のジャックやネリーの姿。
ー ジャックが新しき演劇出身の妻に、映画の大切さを激しく語るシーンは沁みたなあ・・。
”誰もが演劇を観れる訳ではない!だが、映画は誰もが何度も観れるんだ!”
だが、ジャックが、満員の観衆が自身が主演しているトーキー映画での本来なら涙するシーンで大笑いしている姿を劇場のドアからそっと見ている姿。
ある女性評論家は、ジャックの時代は終わったというエッセーを雑誌に記載するが、ジャックに対しては、”貴方の演技が悪いわけではない。時代が変わっているのよ・・。”と呟くシーンは印象的である。
更に、ネリーもその”蛙声”を揶揄され、賭博や薬に取り込まれて行く。
■この辺りの映画の描き方が、エログロ&アーティスティックであり受け入れられない人もいるかもしれないな・・、と思いながら鑑賞続行。
・そして、ジャックは会談ですれ違ったホテルマンに多額のチップを渡し、部屋の浴場で拳銃で命を断ち、ネリーも又、賭博での負けのためにマニーの助けもありつつも、一人夜の街にフラフラと歩き消えて行く。
ー そして、新聞の片隅に載っていたネリーの死。且つては、スター女優だったのに・・。ー
■今作では、ブラッド・ピッドの演技は勿論であるが、個人的にはマーゴット・ロビーの目力とスターダムに駆け上がる様と没落していく様を見事に演じた姿が、印象的である。
<ラスト、家族を持ったマニーが且つて、重役にまで上り詰めた映画会社の門の前で守衛と交わす言葉。
前半の混沌たるサイレント映画時代の熱気と、中盤から後半にかけてのトーキー映画の波に乗れなかった俳優達の哀切なる姿が印象的な作品である。>
NOBUさん、何時も温かいコメントありがとうございます。
初めてのチャゼル作品で採点は高くないのですが、ハリウッド黄金期の一大叙事詩として力作と思います。監督37歳のエネルギーが画面から溢れていますね。映画の歴史を研究してみて、今のコンプラやポリコレのない自由奔放で個性豊かな制作が出来た時代への憧憬を強く感じました。チャゼル監督の自分のためのハリウッド歴史探求レポート。できれば5時間でも8時間でもカメラを回したかったと想像します。見方を変えれば、現在のハリウッド映画界に対するアンチテーゼとも取れますね。彼の心境は、(夏草や 兵どもが 夢の跡) でしょうか。
コメントいただきありがとうございました。
〝映画は誰もが何度も観れるんだ〟私もその言葉をきいた時、涙が溢れてきました。
今日のズル😁は、何を心に受け取るのか…たのしみですね♪
いってらっしゃいませ。
すみません。レビュー内の文でネリー「ラロイ」が「ロライ」になってます!!(・・;) m(_ _)m
元々の姓はロイでネリーが「ラ」を付け足したって事でしたが、
チャゼル監督「ラ」「裸」好きが激し過ぎないか?!f^_^;
クソ連発でクソ最高でしたね!^ ^
チャゼル的ニューシネマパラダイス=バビロン!って事なんでしょうか
タランティーノラブでクソ連発&先の読めない展開に乗せて、
「雨に唄えば」リスペクト!
キャメロン監督リスペクトも忘れず!なんつーごちゃ混ぜ具合!
ララランドメロディのリピートは
そんな自作好きなの?って感じで
そこは謎ですが、ビッグバンドアレンジ、ペットソロも昔風だけど
リズムは最新!クソ最高でした!!