近江商人、走る!

劇場公開日:

近江商人、走る!

解説

江戸時代、大坂や伊勢と並ぶ日本三大商人に数えられた近江商人たちの活躍を描いた時代劇。現代の経済においては「裁定取引」(アービトラージ)と呼ばれる取引方法に着目した近江商人たちが、そろばん片手に知恵をふりしぼり、商売で勝負に出る姿を痛快に描く。

ある近江商人との出会いから、大津の米問屋・大善屋で丁稚奉公することになった銀次は商才を発揮し、店の仕事はもちろん、ケガをして働けなくなった大工を救済する方法を考えたり、閑古鳥が鳴く茶屋に客寄せのアイデアを出したりするなど、さまざまな方面で町の人たちを助けていた。そんなある時、悪らつな奉行の罠で大善屋が千両もの借金を背負わされてしまう。銀次は店を守るため、大津と15里(60キロ)離れた堂島の米の価格差を利用した裁定取引を思いつく。飛脚でも半日かかかる距離を越え、情報を迅速に入手するため銀次は仲間とともに作戦を練る。

銀次役は「許された子どもたち」で注目された上村侑が務めた。銀次の先輩・蔵之介役に「ちはやふる」シリーズなどで活躍する森永悠希、銀次や蔵之介とともに働く楓役に「アルプススタンドのはしの方」の黒木ひかり。監督は「老人ファーム」「鬼が笑う」の三野龍一。

2022年製作/114分/G/日本
配給:ラビットハウス
劇場公開日:2022年12月30日

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(C)2022 KCI LLP

映画レビュー

2.5展開は楽しめたが

2024年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

単純

人間関係や設定言葉運びが貧弱
配役は良い

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hoo

3.5勧善懲悪、義理・人情の物語、嫌いではない。 茶屋娘の人気投票のくだ...

2024年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

勧善懲悪、義理・人情の物語、嫌いではない。
茶屋娘の人気投票のくだりはちょっとしょうもなかったが、取引所における米の価格差を利用した売買はなかなかのやり手だ。

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省二

2.0時代が追いついていなかったことの不幸

2023年12月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
堂島の価格を手に入れていたことは、事実です。
しかし、「生き馬の目を抜く」相場の世界で、人より早く活きた情報を得ようとするのは、当たり前のこと。断じて不正などではございません。

飽くまでも賄賂(まいない)を拒否する態度は、賄賂というものは、商いのコストをそれだけ引き上げることになるわけですから「買い手によし」の精神に反し、「世間によし」の精神にも違(たが)うということなのでしょう。
大膳屋が編み出した裁定取引は、今でこそ資本主義社会での自由競争の一環として当たり前の取引手法として是認されているものの、当時は、「抜け駆け」としか理解されなかったのかも知れません。
その意味では、今、時代がやっと大膳屋の取引手法に追いついたとも言えるのでしょう。
その意味では、本作の題名は、近江商人が「走っていた」のは、時代の最先端であって、時代の方が、その「走り」に追いついていなかったことの不幸を意味したのだろうと理解しました。評論子は。

総じて、出る杭は、いつの世にも打たれるものなのかも知れません。
「エンタメ作品」とは謳いつつ、そういう箴言も含まれているのであれば、そこそこの良作には仕上がっていたのではないかと思います。

(追記)
それにしても、この結末は、スッキリしません。評論子には。これじゃあ、まるで、「水戸黄門」「遠山の金さん」の世界じゃあないですか。
日本を始めとして、当時(明治時代)のプロシアの法体系を採用した国々では、法律の組立てとして、権力は「善」であることが前提とされています。
言い換えれば、下々の木っ端役人が、その地位を利用して不正を働いたとしても、要所を押さえている高官は、最後には必ず「善」をなして、これを是正できるという考え方です。
実際、奉行クラスの役人が悪さをしても、黄門さまという最高権力者が、弥七やお銀という諜報機関を通じて常に正しい情報を把握し、自身は手を下さないまでも、助さん・角さんという執行機関を通じて、常に正義を行うー。
(遠山の金さんの場合は、自身が裁判官(=裁判機関としての機能)と証人(=裁判機関の判断材料)を兼ねてしまうという、もっとハチャメチャな構図)
英米法を基調とする国家では、権力は常に悪をなすものと考えて、権力(国家)に関わる諸制度の設計に当たっては、如何にしてその暴走を抑えるのかに腐心します。

もう経済のパイが大きくなることは望めず、(多少の不正・不合理があっても)代償として経済の成長分で満足が得られるということができなくなりつつある昨今、ますます「社会の質」が重要になってきます。風土として、日本人も、そろそろそういう思考様式を取り入れても良い頃ではないかと思うのは、果たして評論子だけでしょうか。
本作は、そういう製作意図によるものではないのかも知れませんか、その意味では、もしそのように善意に解釈できるのであれば「痛快ビジネス時代劇(エンタメ)」という本作のキャッチフレーズは、あながち「外れ」でもなかったように、思います。評論子は。

(追々記)
大坂商人、伊勢商人と並び「三大商人」とも言われた近江商人(今で言えば滋賀県辺りを本拠地とする商人)の哲学は、「堪忍」という言葉に象徴される「苦しいことを我慢して堪え忍ぶ」とか「怒りを堪えて他人の過ちを許す」という、いわば「堪忍(我慢)の哲学」であったようです。
実践することはなかなか難しく、その数分の一も実行できていないところが口惜しいところですが、評論子はも心がけたい事柄です。
○商いをすると、しないとに関わらず、一度でも会った人の顔と名前は絶対に忘れないこと。
○商いをするには七度まで通って人を説き、たとえ成功しなくても、他日を期して態度を変えないこと。
○腹が立っても笑顔を看板とし、音声は常に低めを心がけること。

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talkie

1.0『近江商人』である必然性がなかったぞ!

2023年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年の映画初めの映画として、私は他の映画を推していたのですが、時代劇好きな父親のたっての希望で仕方なく、この映画を選んで観に行きましたが、「近江商人」である設定の必然性の微塵も感じられない作品で、謂わば映画のタイトルによる詐欺案件とも言える映画。

冒頭の幼少期に銀次と薬屋の喜平との出会いと別れ辺りの流れは、泣かせようとしているのが見え見えではありはしましたが、なかなか良かったし、エンドロールで確認するまで気が付かないほど薬屋の喜平役を好演されていた漫才師・とろサーモンの村田秀亮さんの演技を評価して★ひとつ分を加点はしました。

ただ、眼鏡職人(前野朋哉さん)との絡み辺りから妙におかしな具合にお話しが展開してると思ったら、地下アイドルの握手会に、「L・O・V・E」って叫び応援するヲタ芸に最終的にはミニコンサートを披露するなど、時代考証があまりにも、ぶっ飛んでいるし、コメディ時代劇にしても羽目を外し過ぎて観るに堪えなかったですね。
時代劇を愚弄するにもほどがあると思いました。
なので、最低限の時代考証は守って欲しかったです。

また方言指導もなっていないし、標準語と関西弁がゴチャ混ぜ状態で、滋賀(近江)弁を話している配役が一人もいないといった有り様。

お話しの展開も強引すぎるし、そもそも「近江商人の三方よしの精神」の用い方自体が間違っているしで、あまりにも残念な出来映え過ぎて、あの渡辺裕之さんの遺作にしておくのが可哀想なくらいの酷い作品でした。

いくらコメディ時代劇だとしても、この映画に高評価を付けている人の感性を疑います。
この映画の関係者の人たちのみで仲間内で喜んで観ているかのように感じました。
いくらご当地映画を謳った作品とはいえ、中身が伴っていない映画ですので、滋賀県内のイオンシネマ草津やイオンシネマ近江八幡で上映延長をされるのは犠牲者を増やす一方なので、今一度考え直して欲しいです!

これならば、韓国のパニック映画『非常宣言』を観ておくべきだったと後悔しきりでした。

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HALU
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