「人生は死ぬまでの暇つぶし」イニシェリン島の精霊 どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は死ぬまでの暇つぶし
ロバが大好きな主人公パドリック(コリン・ファレル)の話が、音楽を愛するコルム(ブレンダン・グリーソン)にとっては 関心がなくなってしまい 縁を切ろうとして指を切りました。コルムにとってパドリックは、話し始めると無駄に長く、恐らく独占欲も強くて 重く感じる相手だったのだと思います。
ロバ等の動物たちと一緒にいるコリン・ファレルを見ると『ロブスター』(2015年)を思い出します。コリン・ファレルは ダメ男の役が似合います。
ドミニク(バリー・コーガン)がパドリックの妹シボーン(ケリー・コンドン)の裸に言及したり、家に招待する場面は、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2018年日本公開)を彷彿とさせます。
シボーンの結末と ドミニクの結末も 対照的でした。
死神のような老婆が、「二人死ぬ」という予言をしていました。もう一人は誰になるのでしょうか。
四面楚歌になって闇落ちしたパドリックは、これからどう生きていくのでしょうか。
名言が沢山あり、考えさせられる良作でした。
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