宮松と山下のレビュー・感想・評価
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存在感
映画そのものの内容は凡庸。
記憶を失った理由も、少々陳腐。
おそらく現(うつつ)と幻(まぼろし)の境を分からず彷徨(さまよ)っている人間として描くために、エキストラでの役柄と、現実の生活の境目をぼかして演出したものだと思われました。
ただ、その意図が活きている編集だとは思わなかったし、わかりにくさにつながっているように作用してしまったと感じたけれども。
しかし、本作では何より(人間性はさておき)香川照之の存在感と演技力は何者にも代え難いな、と実感。
香川照之といい、(本作には関係ないが)東出くんといい、女でしくじるのはもったいない。
擁護する気はなく、やったことは許されるとは思わないが、あんなことさえ起こさなければ……と惜しむ気持ちが湧きました。
香川氏には。暴力やセックスへの依存症の疑いを感じるので、カウンセリング受けつつ、謝罪の上でひとつひとつ仕事を積み上げて、信頼の再獲得(回復は無理)によってまた大きな役柄に復帰してもらいたいものです。
製作委員会のメンツを見てなんとなく、本作は今まで世話になった恩義を感じながらまたその才能を惜しむ、電通やTBSが、復帰のきっかけを与えたようにも感じたりして。
好感度が重要なテレビCMはもう無理としても。
カマキリ先生はできないとしても。
今後、脇役・悪役が中心にならざるをえなくとも。
俳優・香川照之は見たいですね。
ショートホープの夢
自分の本当の名前さえ判らない、12年前以前の記憶が何一つ無いエキストラ俳優の話。
時代劇の斬られ役に始まって、飲み屋に入ったら、えっ!これも役?wお次はロープウェイの整備&運行…ってこれは役じゃないんかいっ!!と何ともふざけたオープニングだけど、実はちゃんとしたヒューマンドラマ。
どこまでが仕事でどこまでか仕事??とキツネにつままれた様な空気感を纏いつつ、12年前の出来事に。
そしてみえてくる真実は、案外シリアスな哀しい男の話しというね。
かなり先が読めてしまうところもあるし、 坦々とした感じは狙いであるのだろうけれど、ふざけた設定のおかげで堅苦しくなりすぎず、ユーモラスでシュールでファンタジーの様でファンタジーじゃなくて、なかなか面白かった。
香川照之の演技で締まったのだが
香川照之の演技には感心したのだが、それを作品の評価にしてしまっていいものかどうか。
最後の(正確にはその一つ前の)シーンでたばこを吸うのだが、そのときの表情が「恐ろしい」。それまではぼんやりした表情で目の焦点も定まらないのだが、一転何かを見つめ、狂気を感じさせる表情に変わる。「憎悪」は人に生きる意味を与え、生き生きとさせるのだと言うことを示している。果たして、この物語に続編はあるのだろうか。香川は演じる場所を無くしてしまっているのだが。
香川の力量あってこその映画
ちょっと予想と外れたが…
渋い!
変わった作りかたの作品なんだろうがイマイチ
エキストラ俳優の宮松は、時代劇で刀で斬られたり、弓に射られたり、ヤクザとして路上で撃たれたり、と、名もなき殺され役を演じていた。実は彼は記憶を失い、自分について何も思い出せないままエキストラ俳優とロープウェイの仕事をしていた。ある日昔の仕事の同僚だった男が宮松を訪ねてきて、元タクシー運転手の山下だと言った。そして・・・てな話。
途中まで、今芝居の役?なんて興味深く観ていたが、同じような繰り返しで飽きてきて、野波麻紀や中越典子が出てきて、またちょっと興味持ったが、やはり淡白なストーリーだから眠くなった。
エキストラの斬られ役など、時代劇よく観てたから、何度も斬られるのは当然で、あんなもんだろうし、顔覚えられちゃダメでしょ、って思ってるから、最初から違和感。
記憶喪失ってあんなのでなるの?とも思った。
イマイチだった。
行間がありすぎる
予告からこういうストーリーかな?と思っていましたが、ちょっと下回る感じでした。
なるほどそういう話なのね、、、うーん。
また、心の移り変わりをセリフなしの表情などで伝わってくる、、、という、行間を読めないと理解しにくい映画ですが、行間が多すぎ長すぎで、見ているのがちょっと辛い。そんなに長く間を取ります?タバコ吸い終わっちゃいますよ?と。
表情や目線だけでストーリーを展開するような、行間を読む映画はもともと好きですが、これはさすがに行間取りすぎ。変な間のシーンが多すぎて、どこに注目して良いか分からない。
香川照之さんは流石の存在感です。もともと好きな役者さんなので復帰を応援しています。
でも、どうしてもあの問題が頭をよぎってしまう。公開前から映画の評判が悪いですが、それを差し引いてと単純に映画としてもちょっと薄味。
静かな香川さん
静の香川照之を撮った 新しい映画
佐藤雅彦さんとの仕事はいつも徹夜になる。
完徹をした翌夜 眠たかったが文化会館小ホールに室内楽を聴きに行ったら、そこに佐藤さんがいて 元気ですか? と表情を変えずに訊かれた。 まあ 佐藤さんは そんな人だ。
でも その冷徹な表情の中で蠢いている遊び心に 何度も何度も感嘆して来た。
明治のチェルシー 湖池屋のドンタコス ピタゴラスイッチ どれも 誰も気づかなかった魂のスポットをおちょくる遊びばかり
だから 佐藤さんは嫌いになれない。
名優 市川中車を撮った この映画
東京藝大の佐藤研究室から生まれた手法の斬新さに驚くばかりで、面白い事この上ない
この時代を体現する才能を埋もれさせては行けない
香川照之よ 早く戻って来い!
香川照之さんじゃなきゃ到底ムリな作品。
仕事の境界線と記憶喪失とは?
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