ミセス・ハリス、パリへ行くのレビュー・感想・評価
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何も考えず素敵な物語の中に浸ることが秘訣。
一着のドレスに魅了され貯めたお金を持ってパリへ
家政婦ミセス・ハリスの心に乗っかって物語を見ると
こちらも喜んだり落ち込んだりを沢山経験する。
出会った人を一瞬に虜にするチャーミングな女性。
彼女の夢に付き合う、その時間が愛おしいこと。
最後の予想は出来たけど、人の優しさに胸が詰まる。
何といってもディオールのドレスが素敵。
そしてメゾンと働く人の姿も素敵すぎる。
※
親切は返って来るというお話?
前半はマンガかお伽話のような話。
ドレス👗にあそこまで執着を持つのは女なら理解できます。
しかし、パリまで行くのは、それだけヨーロッパ中の憧れの的であったり地形やアクセスも関係するのでしょうね。
戦後すぐのお話でしょうか。
まだオートクチュールのみの経営の時代。
オフィスビルは壁の色とか雰囲気がDiorそのもの。
確か最近のドキュメンタリーで映し出されていた内部の様子とほぼ同じか、よく似ていました。ホワイトとグレーの色調を基本に内装されています。
ですから、最近のお話かと思ってました。
マダム•コルベールやアンドレやナターシャの外見雰囲気がDiorそのもの。
お針子さんたちの雰囲気や衣装も実際に働いてられる方々が出演かと思う程。
ただDiorの方々が親切過ぎるのはでき過ぎ、と感じました。
オートクチュールの注文会場なんて、よほどの顧客しか招待されず入れない筈。
シャサーニュ侯爵のおかげ。だけど恋はここにはありませんでした。
幸運にも素敵なドレスに目をつけることができました。
せっかく数日通って採寸してもらいやっと手に入れたドレス👗。
あろうことか、仕事に行っている女性に貸してしまいました。•••••サイズ合うのか問題勃発、あれだけ細かく採寸したのに。 ← お話なので気にしない、みたい。
どこまで優しいというか親切というか。
その女性、わざとか事故か、Dior のドレスを焦がしてしまいました。人間性疑います。
ハリスさん、取り返しに行きあまりの酷さにショック状態。
そこを救世主のようにDiorが助けてくれます。
注文主のキャンセルで
一番好きだったワインのドレスを贈られてとても素敵に着こなしパーティー会場に登場。
どこの貴婦人か、見紛う程の美しさ。
さすがDior❗️とても品よく美しい。
ミセスハリスさん、めでたしめでたし🎀
ディオールに魅せられる
主人公(レスリー・マンビル)は戦争で夫をなくし、訪問家政婦としてロンドンで働いている。
訪問先でクリスチャン・ディオールのドレスに魅せられ、お金をためてパリに買いに行く。
親切なフランス人はいるのだが、厄介なのは支配人(レスリー・マンビル)で頭が固い。
主人公は人間的な魅力で工房で働く人たちを引き付け・・・。
こういう手抜きなしの、ほんわかとした映画は大好きだ。
ディオールのドレスの、美しさたることよ。
ネタバレ
めっ……ちゃ!素敵な映画だった。
ロンドンの家政婦がディオールを夢見てパリへ。
華やかなディオールのドレス、どれも素敵だった…。美しかった…。
目閉じても素敵なドレス思い浮かぶわ…。
ナタリー可愛すぎん??
可愛すぎて可愛すぎて、ナタリーのドレス姿見るだけでも価値あったわ(>_<)
歳を重ねるごとに着れない服もあって、諦めたり。
けど歳を重ねたからこそ似合う、もしくは今までとは違った新しいものと出会える楽しさもある。
けど、好きなデザインを着れない悲しさもある。
ハリスを見たら夢を持ち続けてもいいのか、
好きなものを着ても良いのか、と勇気づけられた。
いつでもどんな時でも他人を思いやれるってすごいなあ。
リボルバーリリーに続く良作だった。
それにしてもパリの道汚すぎて草。
1957年のパリ再現されてるのかな。
糞尿の匂いが残ってる時代かな。
香水シュッとしてドレス包むのいいなあ。
ブランド店行ってリッチ体験したい…。
映画だから見せ方がうまいのか、ドレスが綺麗に見えたわ。
本当に素敵だった…。
23.8.11 スカパー
87番のワインレッドのドレス
生真面目な人にはいつか、いいことが起きる!
感情表現に優れた良作♪
冒頭、数分この主演おばあちゃんを見ただけで、好きになれる様な人物描写が抜群イイ♪
軍から届いた訃報に、泣き崩れるのではなく、気丈に平常を装うも目からは大粒の涙が・・。 (本物か目薬なのかは判断出来ないが、自然な好演技に見える)
が、その後運命が好転したかの様に、次々とイイ事が♪
近隣の女友達が、"なべ" を "しゃもじ" で叩いて一緒に喜ぶ姿が、見る者も嬉しくさせる♪
この作品は、常に登場人物の"心が動いている"。
だから物語が進むだけでなく、見てる者の感情も常に動いて飽きさせない。
そして生真面目な家政婦さんが、「ディオール」に憧れて、パリに行くだけの物語にとどまらず、ディオール社の運営にも関わってしまうという、脚本の多彩な面白さもこういう作品には珍しい驚き♪
唯一、ドレスが○○してしまうシーンだけ、唐突感が僅かに沸いたが、全体を通して上手く練られた物語に休憩なく引き込まれた。
主演おばあちゃん のレスリー・マンヴィルは名前も知らない役者だったが、どこかで見た顔・・。 過去視聴の「ファントム・スレッド」「マレフィセント」に出ていた。が、どんな役だったかは憶えていない。
超遅咲きの、スポットライトであろう。
素晴らしいドレスや、脇役の存在感も皆しっかりしていて、見所多数。 オススメです♪
一言「うふふ、いいねえ」。
「1人のおばあちゃんが、洋服を買いにパリへ行くだけの話」(@W座)。
なんですが、夢のディオールのドレス、500ドル。どうする?。
主人公の諦めない気持ちと、持つ前の明るさ、強運。
いろんな要素が噛み合っていく様が、ちょっとドキドキ。
予想と反した展開になっていくのが、あれれだったり。
見てて忙しく、かつ目が離せない。
いろんな経験をしてきて、分別がつくようになった同世代女子。
きっと主人公のそばにいるような、もしかしたら自分?。
そんな夢を見ることでしょう。
個人的には、主人公の役者さんがタレントの千秋さんに、似てて。
余計親近感が湧きました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「助けてあげる、でもまず(自分で)立たないと」。
美しいものを手中にしていく 登場人物たちの愉快な連鎖
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「旅上」 萩原朔太郎
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背廣をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。
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1957年のおはなし
『ディオールのラメのドレス』を目撃して、Mrs.ハリスは自分に魔法をかけます。
エイダ・ハリスは貧しい家政婦。
夫の戦死が、彼女にとって認めざるを得ない事実と判りました。独り身に戻ったエイダは新しい人生に踏み出さなくてはなりません。
そんな失意と傷心の中で、偶然見かけたのが、500ポンドのディオールのドレスだったのでした。
【この映画には特徴が2つある】
①ディオールの映画といえば、他にも何本もありますが、この映画では顧客限定での内覧会=「オートクチュール見本会」がハイライト。
エイダ・ハリスならずともモデルの登場には思わず声が出てしまいます。そのエレガンスが目を奪います。
ドレスそのものをしっかり観たい人にはとても良い映画だと思います。
そして更に面白いのは
②これは「労働者階級」を描くことに長けている「イギリスの映画」である ということ。
「おやっ?」と、その点に 気付いたのは、「家政婦がやってきた」と聞いたときに(ナターシャだけでなく=ここ重要)、モデルたち全員が控室から飛び出して来て、戸口の暖簾からエイダを親しく観察したシーンでした。
主たる舞台はパリであっても、登場人物すべてに「労働者」としてのキャラクターを持たせている。これは意識して脚色されていると思います⇒後述。
あと、新しく作られた映画としては「有色人種の登用」について、コンプライアンス重視がはっきり感じ取れました。
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先日 僕はディオールのフレグランスをふたつ買いました、
ひとつは自分用にお気に入りのDior Homme 2005年版Original、
もうひとつは友人=チェック映画館の支配人さんへのプレゼント。お世話になっていますからね。
出たばかりの新作香水 DIORIVIERA。
思い返せば、僕がディオールに惹かれるようになったのも、この映画の主人公同様 人生にへこたれていた時期だったかもしれません
だから ”やらまいか精神“ のMrs.ハリス=エイダさんには親近感をグッと覚えて応援をしたくなるのかもなぁ。
そして僕のDior推しは「5時から7時の恋人カンケイ」で、あの 棘のリングを見つけてからでしたね。
で、それ以来手に入れたのは、身の回りにはジャケツがひとつ、
きかん気な我が娘にはビジューのネックレスと、ローズ色のハット、そして小さな腕時計を。もちろんUSEDですがね。
そして今回はパルファムを求めたのです。
ディオールには独特の“粋人の世界”があります、
媚びない、自立した人間のためのファッションだから。
ちょっと不良で意地っ張りの、冒険者のアイテムだから。
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【下請けの労働者が主人公】
主演は レスリー・マンビルでした。
「ファントム・スレッド」で居丈高なマネージャーを演じた、加賀まりこ似のレスリー・マンビルが、本作では下町の家政婦のおばちゃんに大変身。柔らかな面持ちと 背中を丸めてちょこまか動くコメディエンヌぶりで、こちらの目尻はもう下がりっぱなしでした。
劇中、ハリス旋風に巻かれて乗り気になった人たちは=ハイブランドメゾンの社員であろうとも、警官やバスの車掌さん、そしてドッグレースのダフ屋たちであっても、
そして最後にはあのイザベル・ユペールでさえも、実は誰にも知られずもう一つの役割のために働いていた《社会の透明人間》だったこと。全員が下働きの労働者で、みんな同じ立場であったことが示されます。
物語の中で、彼らそれぞれが貴い労働者であり、愛すべき庶民であることが繰り返し繰り返し提示されました。
「大変な仕事ね・・」とエイダは事あるごとに口にしていました。メゾンでも、キャバレーでも。
それ、お気づきでしたか?
《ディオールのお針子・経理の男性・モデルの女の子たち》も皆んなおんなじ労働者として描かれています。
ゆえに全員が家政婦の冒険に興味津津。
即席応援団を結成して、ロンドンから来た“仲間”に駆け寄り、手を貸し、知恵を貸し、家政婦ハリスの夢をみんなでなんとか叶えようとするのです。
これ、昔のディズニー映画・・そうだな、《善意》というものにみんなが信頼を寄せていた頃のメリー・ポピンズの味わいなのです。
そしてなんでだろう、
こんなあり得ないおはなしなのに
親切な人たちから惜しみなく無尽蔵に繰り出される怒涛の優しさに 涙が溢れます。
映画の流れは、それはまったくもって非現実的な“おとぎ話”なのだけれど、でも、「詐欺」と「邪悪」と「脅迫」が満ちるこの悲しい世の中にあって、こういう映画でまるで子どものように笑ったり信じたり、そして夢の世界に踊ったり固唾を呑んだり・・
そういうかつての「子供心」を取り返すことって、大人になった僕たちも軽視しちゃあいけませんよね。
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後日談:
DVDを観たあとちょっと買い物に。
財布と靴を探しに行きました。(Diorではなくてイトーヨーカ堂ですよ)、
フロアで働いている人たちに売り場を尋ね、何気ない会話や声掛け、そして買い物が済んでから、こちらからの改めてのお礼を言いたくて先ほどの売り子さんを探し、双方に思いがけないほどの笑顔の花が咲きました。
楽しい一日を過ごさなきゃいけません。
この映画には、
確かに
《魔法の力》がありました。
そう、ドレスよりも美しいものが。
愛すべきミセス・ハリス
主人公のキャラクターがいい。戦争から帰らぬ夫を待ちながら、癖の強い複数の雇い主のもとで掃除婦を掛け持ち。本人はいたって朗らかで人が好く、仕事にも誇りを持ってあたっている。もうこの時点でこの人に幸あれ、と思ってしまう。
ある日、雇い主の美しいドレスに心を奪われ、どうしても自分でも手に入れる決意をしてパリの一流メゾン、ディオールに出かける。次から次へと障害が現れるのだが、知らず知らずに助けの手が差し伸べられて、夢のドレスに近づいていく。そして、もちろん、正義心から自分とは関係のないお針子達の雇用問題にも首を突っ込んで人助け。それが経営難に陥っていたメゾンをも助けることにもなり、ディオールからも感謝される。
他にも、恋のキューピッドになったり、やっとできたドレスを雇い主に貸してあげたりと善行をするのに、自分は失恋したり、ドレスが焼けてしまったり、何度も心が折れそうになる事が起きるので、余計にミセスに声援を送る。情けは人のためならずのことわざは欧米にはあるのだろうか、最後には救いの手が差し伸べられるのでよかったぁ、と安堵でき、カタルシスの味わえる作品。
女性の夢を叶える!! 家政婦が貴婦人に姿を変えていく作品♥
服(福)来る
服が福を呼び?念願だったクリスチャン・ディオールのオートクチュールを買い求めに、ロンドンからパリにやって来たMrs.ハリス(レスリー・マンヴィル)。メゾンを仕切る支配人イザベル・ユペール 扮するコルベールに開口一番こう尋ねられるのです。「ディオールのオートクチュールを着てどこにいらっしゃるおつもりなの?」お金持ちは社交界のパーティに着て見せびらかすためにディオールを買い求めるけど、家政婦であるあなたには高価なドレスを着た姿を見てくれる人なんていないでしょ無駄じゃない、ってことを多分いいたかったのです。
「ディオールは私の夢なのよ」とMrs.ハリスは答えます。劇中でも言及されているサルトルの唱えた実存主義において、意識を持たないドレスは即自存在だと言えますが、それがクリスチャン・ディオールがデザインした世界に一着しかないオートクチュールとなると、人間と同じ“対自存在”へと限りなく近くなるのではないでしょうか。メゾンの看板モデルであるナターシャが、服を買ってもらうためにお客の前で人形のように振る舞う自分を本当の自分ではないと言って、胸のうちの苦悩を打ち明けます。モデル業が即自存在ならば、哲学科の学生が対自存在というわけなのです。
あるアパレルに勤める方がこんなことを言っていました。「マインドが服を高めることがあっても、服がマインドを高めることはない」意識が高い方はたとえユニクロを着ても高級品のように見える、ということなのでしょう。逆に、自分が金持ちであることを見せびらかしたいだけの人は、どんな高級ブランドを着ても服に着られているようにしか見えないのです。そのマインドの高低を本作は、フェミニズムや階級格差、しいてはストライキによるゴミ放置問題へと(強引に)結びつけているのです。
シナリオの随所にご都合主義が散見されるため、その演繹表現は必ずしも成功しているとは言い難く、フランス人労働階級のマインドが高いことの証明には必ずしもなっていないような気がします。シャサーヌ公爵(ランベール・ウィルソン)の自分に対する好意が学生時代のコンプレックスの裏返しであり、Mrs.ハリスを対等な女性としてではなく“お針子さん”としか見てなかった事実に(ドレスを失った以上の)大きなショックを受けるのです。ディオールを着れば公爵に相応しいレディに近づけるのでは。自分のマインドの低さに思わず打ちのめされるのです。
しかし、焼け焦げにされた服(階級に対するコンプレックス)を捨てることによって(これが何度目になるのでしょうか)Mrs.ハリスに福(服)がおとずれるのです。旧軍人が集まったパーティに、ディオールのオートクチュールを身に纏ったMrs.ハリスが現れます。しかし、会場にいた軍人さんたちは別にその服に見とれたわけではありません。あくまでもMrs.ハリスの内面から溢れだす美しさにやられてしまうのです。その人の持つマインドを正直に写し出す鏡、それがブランド服の持つ真の魔力なのかもしれません。
めげないおばあちゃん「ここにあり」
美しい人情映画
ミセスハリスの善人おばちゃんっぷりが最高…!
戦争に行って帰ってこない夫を待ち続けたのに、知らされたのは戦死の通知。
だらしなかったり、不倫してたり、金持ちなのに賃金を払わない不貞な野郎達の家政婦をこのまま続ける人生なのか…と思ってただろう矢先にディオールの500ポンドのドレスを見ちゃって、心に火がついたハリスさんの高揚したお顔がまぁ美しい。
見栄や虚栄心じゃなく、単純に美しいものを美しいと感じられる素直な感性が周りのフランス人達の心を鷲掴みにしたのよね。
所詮ハイブランドだって中で働いている人は一般人なんだから、そりゃハリスさんを応援したくなるよね。
途中侯爵といい感じになるのかな〜と思いきや、結局小さい頃のお手伝いさんと重ねてるだけやん(要するにマザコン)と受け取ったけど、そもそも生きてきた環境が違いすぎるだけで愛情に違いはない気もするけど、、ラブよりライクなのかな。
最後は、だらしない顧客の女優の卵にドレスを貸しちゃって嫌な予感…と思ったら、想像以上にヤバめな子で、ドレス燃やしちゃうなんてあああああ〜ってなったけど、ディオールの粋な計らいで本命ドレスが手元にやってくるという伏線回収もバッチリ。
ああ、ほんとに良かったね、ハリスさん。
でも、ドレスは川に捨てずにお直しに出してほしかった…。
あと「エミリー、パリへ行く」のリュカが会計士アンドレ役で萌えた。メガネかけて冴えない男役でも色気がだだ漏れでやばすぎる。かっこよすぎて鼻血でるわー!
ドレス着た~い
しあわせを着飾って
第二次大戦後のロンドン。
夫を戦争で亡くしたばかりの家政婦のミセス・ハリス。
勤め先の家で見たクリスチャン・ディオールのドレスに一目惚れ。
何とかお金を集め、ドレスを買いにパリへ行く。
時代も国も性別も違う。ましてやドレスどころか服にも疎い。
そんな私が見ても魅了され、心地よい幸福感に浸らせてくれる。
それもこれも、ミセス・ハリスの魅力や人柄。
言ってみりゃあ、平凡なおばさんが本場の超高級店に赴き、「ドレスを作って下さいな」。
上流階級の人でも常連客でもなく、コネも無い。普通だったら門前払い。
だけどミセス・ハリスの明るく前向きでお人好しな性格が、不思議と周りを惹き付ける。
運もその人の善行と言うなら、その通り。
ドレスと出会ったのは何かのお告げ。
懸賞金に大当たり。
運が重なってパリ行きやドレスが買えるお金が集まる。
当初は門前払いを食らうが、会計士やモデル、侯爵が助けに。
また、ミセス・ハリスの行動力や夢を諦めない気持ちが、周りをも変えていく…。
おとぎ話のような物語。
でも、全てがそうじゃない。
夫を戦争で亡くした悲しみ。一番の心の傷。
お金を増やす為に賭け事を。が、一瞬でスッてしまう…。
支配人の見下しや上流マダムの傲慢。
そのマダムに一番に望んだドレスを奪われてしまい、2番目のドレスを依頼。(しかしこれ、最後の最後に素敵なサプライズに!)
夢のパリを満喫経験し、ついついワインを飲み過ぎてしまい、寸法に遅刻…。
時々凹んだり、失敗する所も我々目線。
だから、そんなミセス・ハリスが憎めない。
出会いがあってこそ。
ミセス・ハリスの親切に助けられたモデルのナターシャ。モデルとして多忙を極めるが、ミセス・ハリスに心を開き、彼女もまた自身の夢を追う…。
会計士のフォーベル。ミセス・ハリスに親切にしてくれたのは現金払いだからかもしれないが、かえってそれが。自分のアイデアあり、ミセス・ハリスに尻を叩かれ…。
密かに惹かれ合う若い二人。その指南役も。
ところが、自身の方は…。紳士な侯爵に惹かれるが…。
若者カップルを結び付けるも、自分は失恋。女寅さん…?
支配人のコルベールがとにかく嫌み。「あなたには相応しくない」「ドレスを買って何処に着飾って行くの?」「あなたは透明人間」…。
美しいドレスを作る人(=お偉いさん)や着る人(=上流階級)が、内面はそれに相応しくない皮肉。
でも従業員たちは別。ナターシャやフォーベルも。
彼らを率いて改革。ストライキ!
確執あったコルベールとも…。
様々な出会い、親切、助け合い、変えてくれた。
終盤、ミセス・ハリスに思わぬ事件が…! あのバカ女!
さすがに落ち込む…。そんな彼女に、夢のようなサプライズ…!
親切と助けと変えてくれたミセス・ハリスに、今度は彼らが無償の敬愛と感謝を…。
レスリー・マンヴィルがチャーミングに好演。誰もが彼女に魅了される。
イザベル・ユペールらパリで出会った人々、ジェイソン・アイザックスら地元の友人、周りも好助演。
旅行気分を堪能出来るパリの美しい風景。
演出や音楽もお洒落。
やはり目玉はドレス。物語やキャストたち、作品そのものを華やかに彩る。
アカデミー衣装賞は本作が受賞すべきだったのでは…?
ちょいと現実離れ。何事も上手く行き過ぎて、ありえないやツッコミ所も多々。
でも、そんな“ファンタジー”な展開さえ許しちゃうこの不思議な魅力。
リアルな作品もいいが、たまにはこんな夢物語に心を委ねてもいい。
…いや、いい事をすれば、いい事がある。
実は、そんなちゃんとしたメッセージが込められているのかも。
出会って、親切に、助け合って、行動力を持って、夢を諦めないで。
しあわせを着飾って。
オートクチュール
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