ミセス・ハリス、パリへ行くのレビュー・感想・評価
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ゆるふわ女子は永久不滅ポイント
主人公のマダムは、まあマダムなんだが、それを上回るちょっと天然風味のゆるふわ女子っぷり。これがまぁモテるわけで。「はわわー、ほよよー」は世界共通なんだなぁ、と思った次第。んまぁ「はわわ、ほよよ」までは行ってないけど。
一方で、そこに食いつく男子勢の方もなかなかの枯れっぷりのいい男達。個人的にはそちらが眼福でしたね。上唇に沿わせるエロ細髭は大好物です。
物語的には「ちょっと天然だけどバイタリティに溢れる主人公が、みんなの悩みをずばっと解決」的な。少し日本のテレビドラマ的と言うか。職業的なアレもあり、某ミタ的ではありましたね。
大落ちから逆算したんであろう、ラストに向けた脚本のバタバタ感はご愛嬌。良質なベタ物語です。いい意味で普通に面白いです。
実は無神論的実存主義に貫かれた物語なのにシニアの恋物語としても完璧な愛すべきドラマ
1957年のロンドン。エイダは未だ戦地から帰ってこない夫を待ちながら半地下のアパートで待ちながら家政婦として黙々と働いていた。ある日ある家の清掃中にご婦人が夫に内緒で買ったというディオールのオートクチュールのドレス“魅惑”を見つけた彼女はその美しさにたちまち心を奪われてしまう。自分もディオールのドレスが欲しい、その思いに駆られた彼女はせっせと貯金を始めるが・・・。
タイトルが示す通り、ロンドンとパリを舞台にした物語なので半分フランス映画の雰囲気。しかしながら本作で描かれる1957年のパリはエイダが駅で出会った浮浪者が“労働者達がこの街の王だ”と嘯くほど労働者のデモが街の至る所で起こっていて道路には堆くゴミが溜まって腐臭を放っている。そんな荒廃を傍に見ながらエイダが辿り着いたディオールの本店は貴族をはじめ裕福な人々しか集まらない世界。労働階級のエイダは早々に屈辱を味わうが、無二の親友バイ、馬券売りのアーチー、会計士のフォーベル、モデルのナターシャ、女優志望のパメラ、シャサーヌ侯爵、そしてハウス・オブ・ディオールを支えるスタッフ達との交流を経てドレスが出来上がるまでの短い休暇で人生観をごっそりひっくり返すような経験をする様がとにかく微笑ましくて美しいです。
本作が非常に特徴的なのは物語の根幹をサルトルの無神論的実存主義が支えていること。1957年のフランスはアルジェリアの独立運動が盛んとなっていた時期とも重なり、サルトルらがそれを熱烈に支持していた時代。エイダがフォーベルに窮地を救われるのも彼女が持参した現金目当てだし、劇中でもフォーベルとナターシャがサルトルの『存在と無』について語り、即自や対自という言葉も出てくるわけですが、確かにエイダはどんなに過酷な状況であっても神に祈ったりしないし、運命を神に委ねたりせず自分の意思で困難を乗り越えていく。エイダは劇中で何度も何度も“透明人間”扱いを受け彼女もそれに甘んじますが、これはまさしくエイダが“無”として生きてきたことを示していて、即自を象徴するものがディオールのドレスであり、対自はエイダを始めとするあるべき自分の姿を見つけることの出来た全ての登場人物そのもの。清貧に徹し黙々と働いてきたエイダが人生で培った経験と知恵で小さな革命を起こしていく様が当時のパリの空気とシンクロしていく清々しさに魂が震えます。
そんな背景に気付かなかったとしても本作は十二分に魅力的で、何者でもない主人公が階級を超えて人々を覚醒させていく物語は『アニー』のそれとなんとなく似ていて、満を辞して用意されるクライマックスには"I Don't Need Anything But You"を被せたい欲求に駆られました。そして何よりシニアの恋物語としても完璧で、『輝ける人生』にあったのとよく似た切なさと清々しさが印象的です。
主演で製作総指揮も手がけるレスリー・マンビルのキュートさがとにかく輝いていますが、イザベル・ユペール、ランベール・ウィルソンといったフランス映画界の重鎮の演技も見事。登場人物は皆素晴らしいですが、ディオールの看板女優でありながら自分の生き様に疑問を持ちエイダと心を通わせるナターシャを演じたアルバ・バプティスタの儚くも健気な美しさに心を奪われました。
意地悪な人が見れば116分丸々ディオールのプロパガンダということになってしまうかも知れませんが全然そんなことはなく、様々な感情が揺さぶられた後にがっつり涙を搾り取られる物凄く分厚いドラマです。
人生は挑戦、冒険の日々
旦那さんを失くしても前向きな夫人がステキだった。なんかお手伝いしたくなる、かわいさのある女性ですね。せっかくオーダーしたドレス、なかなか他人には貸せないですよね。とても高価なドレスですよ。あたしならちょっと躊躇してしまう。
やさしい人ですよね。だけど戻ったドレスみたら悲惨な姿に。(泣)
でも、結果、最後良いことが起こり、最後の赤いドレス姿とてもキレイでした。年を重ねてもキレイでいられたら、ステキですよね~
刺さる人には刺さる映画。
洋服大好きな50のおばさんにはぐいぐい刺さりました。そうそう、何処へ着ていくのよ?って言われてもいーんです。歳をとっても自分に正直に生きてる姿にうるっときます。現実にはそうはいかなくても、こうありたい、こう生きてみたい、と思えます。
最後のダンスパーティーでドレスを身に纏ったハリスの美しいこと…!泣けました!
ただ、コレ、若い世代とか男性には刺さるんだろうか?平日ということもあるのでしょうが気づけば周りもほぼ同世代女子だったような…。
明るい映画
ロンドンでお金持ちの家政婦をして生計を立てる女性ハリス。ある日、仕事先でディオールの洋服に魅せられ、資金を貯めてパリに行く。
序盤はご都合主義的なところもあったけど、
終盤、ハリスが持ち前の明るさ・前向きさで周囲を巻き込んで変えていく姿は爽快でした。
最後のサプライズも良い。
明るい気持ちになれる映画です。
要所で助けてくれる伯爵。どこかで見た事あると思ったら、マトリックスのメロビンジアン役の方でした。。
楽しかった
わくわくしました!
個人的にオートクチュールは縁遠く着心地も悪そうで欲しくないけど、いくつになってもおしゃれは大事だなと思わせていただきました。ミセス・ハリスには最初にみたあのドレスを着せてあげたかったてす。
とても心が温かくなる物語。
慎ましく過ごすハリスが夢であるディオールの服を買うためにお金を貯めパリに旅立つ。
彼女が出逢う人々とのふれあい。そしてディオールの服を買うだけではなく、お店の方々と交流することで喜びを分け与える。
人との触れ合いを大切に生きようとする人の物語が観た私の疲れた心に潤いを与えてくれた。
ドレスは未亡人を少女に変える
すごくワクワクしながら観た。
主演のレスリー・マンビルは『すべてが変わった日』の怖い女主人と同一人物とは思えないほどチャーミング。特にディオールのドレスをうっとり見つめる表情は、まるで少女のように可愛らしかった。
フランスの大女優イザベル・ユペールは、高飛車支配人から疲れた主婦に。役者って凄いな。
フランスといえばストライキというくらい、労働者が声を上げる国のイメージ。
「オートクチュールは虚栄心の塊」と、ご婦人たちを見慣れた人は思うのだろうけど、ミセスハリスにとっては、心が華やぐ憧れのもの。
フィクションとはいえ、そういう想いがディオールさえも変えてしまった。
ダサい言い回しだけど、魔法のような映画。
一緒にディオールを夢みて過ごしたような時間
夢をみてそれを手に入れようとする最中でわくわくしたり落ち込んだり、夢が手の中に入ってまたわくわくして落ち込んで、夢をみるってこんな気持ちだったなと思い出させてくれる映画。
どんな人でも夢をみられるし、どんな人にもリスペクトを。そして革新は素敵で伝統を守る人もまたなくてはならない人。
夢をみるほどなにかに魅了されたくなる。
ハリスの旋風
ポール・ギャリコの大ファンだけど、このシリーズは未読。早く見ないと終わってしまいそうなので、不本意ながらひとまず先に映画化作品を鑑賞することに。
ひとことで言えば夢物語だけど、ギャリコならではのストーリーテリングで、文句なしに暖かい気持ちにさせてくれる作品。主人公が出会う人々が皆善人すぎるとは思うけど。雇用問題とかストライキでごみだらけのパリとか、ところどころ苦味が効いているのも相変わらず。
ハリスおばさんを演じた女優は、タレントの千秋が20年ぐらい年とった感じだ。
原作では、このあとハリスおばさんはニューヨークに行ったりモスクワに行ったり国会に行ったりするみたいだけど、映画も続編があるのかな?
幸せな気持ちになれる映画
実写映画でここまで幸せな気持ちに包まれる映画も珍しい。
終始ハリスさんの言動に画面の中の登場人物のみならず観客側も救われていた。そんな気がする。
御伽噺みたいなお話だとは思うもののなんだかちょっと前向きになれる。
ふんわりと包んでくれる。
そんな映画。
ドレス素敵
途中結構モヤモヤしたのは、このラストのためだったのねって感じ。親切でお人好しだからいいように使われ、だけどそれ以上に親切が返ってきてくれる…。そうでなければやってられないよね。
購入した緑のドレスも素敵だったけど、正直、この人向けか?と思ってたけど、なるほどと思いました。
些細だけど気になった
橋の上でコイントスして失敗して川に流したのに、戦死したご主人の大切な遺品をまた橋の上で弄り出した時はどんだけ学習しないの?ってイライラ…したのはともかく、ユーモアや品のある人間性が国境を越えるのは真理ですね。
Netflixの「エミリーパリへ行く」の恋人役の俳優さんがまたしても外国人を優しく手助けする役なのが興味深かった。
基本ディズニー映画的
夢を追う話しなので、対比の現実はもっとリアルに描いた方が面白かったのではと個人的感想。
基本ディズニー的、お婆ちゃんの「シンデレラ」+「メリーポピンズ」といったところ。
深さには欠けるが、誰もが楽しめる暖かい作品。
CMなの⁉️原点回帰への意思表示なの⁉️
映画comイチオシセレクション。
ハイクオリティヒューマンドラマを期待してました。
その期待には全く合わなかったのですが、
ブランディング戦略としての映画の価値に気付かされ、
大きな学びを得る作品となりました。
制作意図はこれ以上なくハッキリ。
パパ活ブランド化して本来の顧客層が離れたディオール。
コロナ後不況で不振です。
自分で稼ぐチカラを持つアッパーミドルクラス女性客を取り戻したかったんですね。
それで、ほんわかしたドラマでイメージアップ⤴️
若い子が金持ちおじさんに買ってもらうブランドじゃないんですよーと。
ドロドロ劇のグッチとは全然違うハイクラスメゾンなんだ❗️ってメッセージ発信📩
ブランドの再定義がしたかったディオールと映画産業がコラボ‼️
ハッピー展開一辺倒で甘過ぎた為、
視聴直後は拒否反応がでましたが、一晩寝てみると面白い新しいカタチだなって😁
リブランディングほど難しい仕事はありません。
この5年間の暴走の後ならなおさら。
映画でささっと取り返せるという甘い考えをお持ちなら、ディオールは廃れるでしょう。
シナリオにあったように、現場とお客様が着るシーンを大切に出来る原点回帰がキモ。
CM映画でしれっと元のお客様にアピってるだけなの⁉️
本当に原点会議する宣言なの⁉️
これからのディオール次第でコマーシャル映画という新しいジャンルの価値が変わりそうな作品でした。
ファッション&映画好きとしては、映像作品を介してのソーシャルコミュニケーションは大歓迎。
映画の新しい可能性にカンパイ‼️
イギリスのおばさん
最近こういった良作に巡り会えなかったので、見た後に心豊かな気分になれてとても良かった。
映画会社の売り上げ的には厳しい作品かもしれないけれど…
個人的には、こんなドレス買ってどうするの⁈来ていくところもないないだろう?
と、思ってしまうがこれが女性のわからないところかな。
普通のおばさんの夢とても素敵でした。
幸せってあるんだ、そしてその予感。
何もオーダーしていないのにとびきりの料理がどんどん運ばれて来て、その美味しさに思わず泣き笑いしてハッピーなひとときを過ごしたかのよう。
全く退屈しなかった!そんなオートクチュールな至福をあなたへ。
絶対お薦めsir!
人生は一度きり🌹
夢や希望は何歳になっても持ち続けるべきだとハリスさんに改めて教えてもらった。
それを叶えるためには自ら行動を起こし、時に周囲の人を巻き込んでいくのが良い。
やるべきことをやったらあとは待つしかない、あとは運。
正直で他人に献身的なハリスさんはとても素敵だった。
ブラボー!!!
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