ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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羽化
導入の音楽と湿地の描写で催眠術をかけられたような感覚だ。不思議な空気の中を漂ってた。
嫌いではない。
なんか書く事が多すぎてなかなか文章がまとまらない。大前提にあるのは、1人の女性が人としての生活に馴染んでいく成長譚なんだけど、このキャラ設定が巧妙で…童話の主人公みたいなのである。
もうどんなドラマを背負わせても成り立つような設定で、彼女の半生を追っかけていく事になる。
その過程で起こる事件の犯人探しが、もう一つの柱。
冒頭は彼女の2人目の彼氏が死んでいる所から始まる。その容疑者として糾弾される主人公。
ここにも設定は強烈に活かされてて、偏見や疎外感、他人への恐怖、拒絶そして邂逅なんかが盛り込まれてる。
その弁護人への説明という形で、彼女の生い立ちが紹介されていく。
DVとか初恋とか、孤独とか帰る場所とか、開放感とか隠れ場所とか、人の温もりとか…彼女が人と交わる事で知る、全ての感情が瑞々しい。
現在の時間軸に戻る頃には彼女にゾッコンだ。
犯人探しが終わってみれば、生存戦略とか捕食とか擬態とか、おおよそ人以外の動物が当たり前のようにやっている生命維持活動なわけで、彼女の言葉を借りると「善悪ではなく、知恵」なのだと「他者から身を守る為に身につけた知恵を行使するに過ぎない」と。
そんな倫理観が根底に潜んでた。
だからなのかなんなのか、彼女は人に満たない存在のように見えてた。
だからこそ神秘的だったり、幻想的に思えてたのかもしれない。人の感性とは違う感性で動いている彼女。いずれにせよ、そんなキャラを作り上げた役者にも演出にも拍手喝采を送りたい。
タイトルの指すものが分からない。
そもそもザリガニって鳴くのかと疑問にも思う。
鳴くならその場所がどこかにはあるのだろうし、鳴かないなら現実には存在しない場所である。
ラストになって、母親の幻が現れる。
そん時になんか奇妙なSEがあった様に思えて、それがザリガニの鳴き声だとするなら、その場所は母の腕の中なのかもしれない。
もしくは考えられない程の静謐が存在する場所なのだろう。日常生活からは連想できないし、切り離さないと生まれてこない場所にも思う。
このレビューのタイトルを「羽化」にしたのはそのまま成長という意味合いなのだけれど、彼女には「羽化」の方がしっくりくるように思え…自然界で羽化する事は、弱肉強食の世界を生き抜いてきたという事で、その為に他者を殺害していった成果とも捉えられる。
幼体から成虫に変態する生命の神秘の裏側には、須くそういった行為が行われている。
人間の法を犯してはいるものの、自然界の摂理には反していないなんて言う、とても危険な感想を抱いた。
それもこれも、彼女のキャラ設定によるものなのだろう。
■ 追記
偶然「woke」という単語を見つけた。
最近のディズニー映画への批評の一つだった。
woke…簡単に言うと、社会に根強く残る偏見や先入観に目を向けて是正もしくは排除していこうとする事なんだとか。ネットのスラングらしい。
この視点が生まれた事で、なんだか輪郭がしっかりしたように感じた。
彼女単体は素敵で魅力的な女性であるが、肌の色も人種も違わないけど、そのコミュニティからしたら異質な存在として描かれてる。
まぁ、そう捉えてしまう歴史があった事は否めず、彼女に非がないとも言い切れないのだけれど、彼女が自ら招いた結果にも思えない。
人格形成の大部分を担う幼少期にある大人の存在だ。分かりやすく嫌悪感を抱きやすい人物像ではあるが、この世界に先に生まれ既存の価値観を受け入れ継承してきた存在がある。日常的に彼女に流れ込んでくる価値観は止めようがない事の象徴でもあるのだろうか。
極めて難しい事ではあるけれど、他者への理解の深度を深めるって事なのかと思う。
伝統や慣習に隷従するのではなく、ちゃんと個人として向き合える社会って事なのだろうか。
オレンジのドレスを着た彼女は、とても愛くるしい。そのドレスを纏う姿が滑稽に映るのも意図的なサインなのだろう。
その土地を離れ、彼女への偏見が無いコミュニティに参加している時の彼女は、ちゃんと受け入れられてる。
彼女に問題があるわけではなく、彼女を取り巻く環境への問題提起でもあるのだろう。
言動に違和感はあるものの「作家」としての特異性が、それらを肯定しているようにも思う。
なんか、そんなこんなでとても複合的なメッセージを含んだ作品でもあった。
ただ、そんな膨大で複雑なメッセージをミステリーという視点で束ねた本作は、やはり見事だと思える。
物語として途切れる事もないし、突出するものもない。作品を的確に表現してみせた俳優陣や演出には賞賛しかない。
■ 追記
成長譚とは書いてみたものの、彼女にとってコレは成長なのだろうかとフと思う。
妥協ないしは順応なのかもしれない。
自分が育ってきた経緯から成長と捉えはするが、彼女が認識するものは違うのかもしれない。
そう思うと、既存の価値観を覆すと言えば聞こえはいいが、破壊に等しく…多様性を重んじる風潮ではあるものの、暗黙のルールの存在は否めず、その暗黙のルールが様々な人にとって受け入れやすいものである事を願う。
Jumpin' Marsh Girl KYA
小学校高学年の頃、川縁でアメリカザリガニ獲りが流行っていた。捕まえて水槽に入れて飼う生徒もいたけど、無残に殺してしまう奴もいた。今思い出すと、小学生の残忍性しか感じられないけど、危険外来種と教えられ、戦争でアメリカに敗れた日本人の復讐心がザリガニに向けられたのかもしれない。そんな少年時代。ザリガニが食べられるものだとは知らなかった。
爆竹とともに爆破させられたザリガニ。殺した理由は少年がゴジラ映画の見過ぎだったせいかもしれません。エビラなんてエビというよりザリガニっぽかったですもんね~。大人たちもよく言ってました「ザリガニなんて汚いもの触るな!放射能に汚染されてるかもしれないんだぞ!」と。いや、それも映画の見過ぎですね・・・まぁ、とにかくザリガニに関する記憶はこんなもの。それが「鳴く」というのも驚きでしたが、「sing」だって?!
さて、そんなザリガニ。映画には登場しませんでした。せめて鳴き声だけでも・・・と思ってたけど、ストーリーにのめり込み過ぎたためラストまで忘れてしまってました。まずはmarshとswampの違いなど、英語の勉強もさせてくれたこの映画。俳優たちの発音もチェイス(ハリス・ディキンソン)聞き取りやすく、わかりやすい。そして、子役たちが皆良かった。もちろん弁護士役のデビッド・ストラザーンの演技も最高。
主人公カイアの語りから、いきなりの変死体発見シーン。女ったらしのボンボンなんだから、誰でも殺意持つやろ!的な被害者。事故死かもしれないけど、それじゃストーリーが面白くない。どうせなら『スタンド・バイ・ミー』のように子どもたちに発見させてやれ的な展開だ。湿地帯にて1人で育った少女というから、もっとオオカミ少女みたいな主人公だと思っていたのに、服装は洗濯が行き届いていて綺麗。しかも、言葉もまともだし・・・。そんな彼女を人間らしく変えたのが兄の幼なじみでもあったテイト。学校に行かない彼女に文字を教え、鳥や魚など小動物の知識を交換したりする。そして恋人同士へと発展。羽根を見ただけで鳥の名前を当てるなんて、鳥マニア必見の映画でもあったと思う。ハクガンの群れのシーンは印象的だ。と、トンビ、ワシ、タカの区別がつかないkossyが言っても説得力なし。
容疑者として捕まったカイア(本名キャサリ・ダニエル・クラーク)に接見する弁護士ミルトン。彼の前で自身の半生を語るシーンと法廷でのシーンが同時進行する。母、そして兄、姉たちが湿地帯の自宅から逃げていき、ついにDV炸裂の父までもが去ってしまう幼少期。そして、黒人夫婦のジャンピンの店の手助けを受けながら1人で生活した過去。こっそり種やガソリンを渡していたテイトとの再会から恋人へ。そして別れ・・・別れる前に、テイトは彼女の描く絵を出版社に送れとアドバイスをくれた。
数年間また湿地帯の一軒家で一人暮らしだったカイアだったが、目の前に現われたのが胡散臭いチェイス。2人の映像がメインとなるため、そんなに悪い奴じゃなさそう。2人は恋人へと発展。住み慣れた一軒家を守るため滞納していた税金を払わなければならなくなり、思い出したように出版社に描きためた絵を送り、採用される。だけど、チェイスには婚約者がいるとわかり・・・
殺人事件(単なる事故かも)が起きたのが1969年。カイアが誕生したのが1945年。そして判決後から現代にいたるまでの幸せな日々をスピーディに描き、判決の感動も収まらないまま、驚愕のエンディングを迎える。見つからなかった貝殻のネックレスがこんなところに!
それにしても犯人はてっきり生死さえ不明だったテイトかと思っていたのに、そんなラストを持ってくるか!ホタルの話が絶妙に生かされてるなぁ。本当の交尾の誘いと嘘の誘い。まだ他にも伏線になる小動物の話があったかもしれない。再鑑賞する際にはチェックしなきゃ・・・
ストーリーそのものよりも湿原地帯の暗いながらも美しい風景やカイアの描く小動物画の数々が心和ませてくれた。また、音楽も良かった。テイラー・スウィフトの曲もいいけど、エンドクレジットで気になったバンドメンバー一覧で、楽器に「Sea Shell」って項目があった。音楽も要チェックだなぁ♪
最後のどんでん返しに絶句!
タイトルの「ザリガニの鳴くところ」は、安心安全な場所だという意味でした。ヒロインにとって、いつまでも愛する場所だったということなのでしょうか。最初は、これでもこれでもかと不幸は続きます。軍隊生活のトラウマを持った父親が、家族を虐待したため、家族のみんなが出て行きます。そして本人の父親まで出て行きます。残ったヒロインは、村八分の状態の中で、湿地帯を愛し生き続けます。その少女の姿を見ているだけで涙が溢れてきます。一人暮らしの彼女は、貝を取り、生物の絵を描きながら生活していくうちに、テイトと恋をしますが、一旦裏切られます。続いて、チェイスと恋をしますが、この男は暴力を振るう男性です。この男性が亡くなったことによって、その犯人としてヒロインに嫌疑がかけられ、法廷闘争が行われるというのが、この作品のミステリーの部分です。ヒロインを守ろうと弁護士が活躍しますが、その有能さは秀逸です。そして、ヒロインがついに勝った時には、思わず小躍りしてしまいました。その後、最初の恋人のテイトと復縁し、やっと幸せの人生を歩み出すのです。それからはまるで夢のような幸せな時間なのです。ヒロインの幸せそうな顔が画面の中で溢れたときには、泣くしかなかったです。やっぱり人生は前半と後半があるのでしょうか。前半が不幸でも後半は幸せになるということは、多分セットで人生はできているのでしょう。だから、前半の不幸に見えることも、全て幸福の一部なのだと私は確信しました。ところがです、最後のどんでん返しには絶句でした。なんとも言えない終わり方に、不思議な感慨を味わいました。追記 背景の湿地帯はとても美しくてずっと癒されてました。
【良かった点】 たった一つの事件を基に、主人公の少女の人生を振り返...
【良かった点】
たった一つの事件を基に、主人公の少女の人生を振り返る作りをとっており、切り替え方によっては観づらいものになるがこの映画は切り替えが見事でとても観やすかった。過去と現在が繋がっていく快感があり、見応えも抜群。ラストシーンの真犯人の場面は、ラストまでこちらも騙された。邦画にありがちな実際に殺人を犯すシーンがなかったのもお洒落。
【良くなかった点】
特になし。
沼地の娘の湿地帯
動物学者のディリーア・オーエンズが69歳で出した処女長編フィクション小説が原作。それに惚れて、映画製作契約を申し出たのはリング・オブ・ファイヤーで有名なジョニー・キャッシュの自伝映画、ウォーク・ザ・ラインでオスカーに輝いている女優のリース・ウィーザースプーン。監督はやはり女性監督のオリヴィア・ニューマン。
おまけにエンディングテーマ曲はカントリーの歌姫、テイラー・スイフトとオール女性。
プロミシングヤングウーマンのようなズシンと重い映画でした。
1952年のノースカロライナ州の沿岸部が舞台。アメリカ大陸に初めてヨーロッパ人が上陸し、ネイティブアメリカンと対峙した土地。
原題は Where The Crawdads Sing。
ザリガニは鳴かないんじゃないの?
特定外来種ミシシッピーアカミミガメも出てきた。ワニも気持ちよさそうに半身浴。
映像がすごくキレイ。
ムール貝は海の貝。
沼地の娘?
淡水なのか塩水なのか?
気になって仕方ない。
調べたら、沼地のロケはルイジアナ州の Blue Bayou の舞台だったミシシッピー川下流の入り江。大きな塩水湖があるあたり。
Watchtower の下に町のボンボンのチェイスの死体が発見されて、沼地にひとりで住む若い女が容疑者として逮捕される。
死体に群がるザリガニの映像が見られるかと思ったが、なかった。町の老弁護士が弁護を買って出てくれて、女の過去が次第に明かされる展開。雑貨店の黒人夫婦以外、ヒトから隔絶した生活を送るカイアだったが、入り江にボートを出して、一番仲の良かった兄のジェイブの釣り仲間のテイトに再会する。テイトは学校に行かなかったカイアに読み書きを教え、図鑑を与え、自然生物の精緻な絵を評価し、出版社も紹介してくれた。その才能を開花させてゆくカイア。ワシと白鳥の羽の交換日記のような初々しい清らかなお付き合い。そして湖に飛び込んで泳ぐカイアのワイルドな美しさ。湖で抱き合う美しい男女のシーンはとてもいい。テイトのボタンダウンのシャツの匂いを嗅ぐカイア。いとおしさが溢れる。
生物学者志望のテイトは遠くの大学に進学。絶対帰ってくるといいながら帰って来なかった。約束の場所の夕陽は悲しいほどに美しかった。花火もひとりで見た。とうとう夜があける。裏切られたと思い込んだカイアにちょっかいを出してきたチェイス。マッチョのイギリス人俳優。テイトとは対照的。チェイスに湿地帯を開発されてしまうカイア。チェイスは結局父親と同じDV野郎たった。決定的なのはレイプと本の印税で綺麗にリフォームしたカイアの家をめちゃくちゃに。大事な絵や標本もぐちゃぐちゃ。ストーカー行為に怯えるカイア。カイアの縄張りに土足でズカズカ踏み込んだチェイスにバチが当たった。
出版社との打ち合わせに行った日のアリバイはかなり強力だった。
いつの間にか戻ってきていたテイトの毛糸の帽子の赤い繊維が証拠になってテイトが捕まってしまうのか?
テイトとチェイスの喧嘩の仲裁をして、毛糸の帽子を自分のデニムのオーバーオールに擦り付けていたジャンピン?
警察官になって戻ってきた兄のジェフがカイアを護るためにチェイスを殺害したのか?
陪審員たちが沼地の娘への蔑視や先入観に囚われずに正しい判断をしてくれるのか?
しかし、
細工された本に封印されていたサクラ貝のネックレス。
貝愛の秘密。
ガーン😱
カイアが最後に見た夢。去って行った母親が戻って来た儚い夢。
自然児だったカイアの女一代記。
一途で頑固なカイアへの畏敬。
カイアって名前。川崎さんちの麻世君の奥さんもカミツキガメ並みに獰猛でタフだった。
原作のディリーア・オーエンズ。長く添った同じ動物学者の夫と熟年離婚している。そして、この小説を書いた。
何があったのか劇場。
気になって仕方ない。
殺す代わりに小説を書いた?
ベストセラーになって、印税、映画契約金など全部でいくらになったのか?
元・旦那は悔しくて寝れないね。
2022.12.1 追記
二回目を昨夜観ました。気になった映画は何回も観た方が自分のためになると思います。動機は雑貨屋のジャンピンが怪しいと思ったからです。戻ってきたテイトが桟橋でカイアの痴態を友達に話し笑いものにするチェイスとつかみあいになる場面。ジャンピンが中に入り止めます。テイトの赤いニット帽を拾って自分のオーバーオールでホコリを拭く場面がありました。年取ったテイトがカイアの死んだあとにめくる日記にはサクラ貝(イタヤ貝)を首にかけたチェイスの絵があって、カイアが捕食する相手としたことが明らかにされているので、カイアが深夜の一時間の間にやったんだということになりますが、やはりカイアひとりでは難しい気がしました。テイトの驚愕した表情からはテイトは関与していないことは明らかですが、カイアを実の娘のように思っていたジャンピンと兄のジェイクがカイアのアリバイが成立する時間に合わせて共謀した可能性は充分にあると思いました。ジャンピンは墓場まで持っていったんでしょう。この映画は女性と黒人に寄った作りが明らかですが、ノースカロライナが舞台であることから、ネイティブアメリカンに対する動物学者の作者の思いも感じられました。アメリカザリガニは日本では外来種です。カイアは町の人間からすればよそ者だと弁護士のおじさんも法廷で明言していましたので、人間の都合で連れてこられたり、排除される外来種に対する同情やアメリカ大陸のネイティブアメリカンにとっては侵略者であるヨーロッパ人はまさしく外来種ということになりますから、なかなか深い暗喩がこの映画には込められていると思いました。そこのところが世界中で売れた要因だと思います。アメリカの混迷はまだまだ続きそうですね。
美しい自然とその裏にある生き抜くための知恵
ラストの展開は予想の範囲内でしたが、あそこまで引っ張ると思っていなかったので「このままではいい話で終わってしまう……」と多少焦って見ていました。
しかし、あそこまで引っ張ることで、裁判後の生活自体がテイトへの復讐であり、強きものの庇護に入る自然の掟に従った行動であることがわかります。
まさにカイヤが語る「自然に善悪はなく、生きるか死ぬかだけ」というお話でした。
一部レビューや感想で「恋愛もの」としてのみ評価してる方が多いのは、ネタバレを避けるためなのでしょうか?
ザリガニの鳴くところで生きるカイアの物語
映像も美しく、とても面白い映画でした。
サスペンス映画として裁判からの回顧シーンで物語は進行していきますが、仮にサスペンスの要素がなくても6歳の時に親に捨てられて、ただひとり湿地で生きてきたカイアの物語としてだけでもじゅうぶんに面白い。
湿地でひとりで生きてきたからといって野性的なだけでなく知性や母親譲りの絵の才能も持ち合わせ、そしてとてもオシャレなカイアはとても魅力的でした。
カイアがひとりで生き抜くうえで、文字を教えてくれた恋人のテイトと、生活のサポートをしてくれた雑貨店のシヤンピン夫妻の存在も大きかったですね。
カイアを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズは知らない俳優でしたが、とても良かったです。
ラストシーンは衝撃的ですが、納得はできるものでした。カイアは学校や社会で学んだのではなく自然の摂理から生きる術を学んだのですから。
つまらん
キッスとエッチを連発するだけ。
安ぽいなぁと思ってしまいました。
湿地帯に住める?殺されてもおかしくない場所で昔からの家族の棲家を守っていたのか?命がけだなぁと。テンポが良くないから好みに分かれる映画。見終えた後気持ち悪いってなりました。グロい感じはないのに、レビューで楽しかった。恋愛映画ってあったから、ときめきがあるのかと思っていたら、設定に無理があり過ぎて何故恋に落ちるのか?いまいちわからない。やっぱり遊びかと納得したりして、最後は幸せを掴めて良かった。
彼女は、罪を犯したけど無罪になりました。優秀な弁護人のお陰か?謎?
最後のシーンで怖って思いました。
告白と迷ってこちら選んだけど、どっちもどっちだったかも?
湿原は観察すればどこまでも美しい自然なんだ
湿原とか沼は今までのイメージでは陰湿で暗くて怖い所だった。いや、そうではないんだ。
光、水、動物、植物。みんないきいきしていた。
ラストはやはりそうだったのか!
弁護士さんグッドジョブ。
心震えるラブストーリーの秀作
原作未読の予備知識なしで観たため、サスペンスだと思っていたら、いわゆるラブストーリーで意外でした
ストーリーは特に目新しさや驚きもなく淡々と進みますが、作品自体はアメリカのノースカロライナをバックにした重厚で美しい映像と緊張感漂う上手い演出で、結果とても高い品格を備えた見応えのある秀作として完成されています
幼少期に親兄弟に見捨てられ、沼地で孤独に生きてきた少女カイヤが成長し抱くピュアな恋心が見ていて切なく、それを弄ばれた事が判った時の絶望感がたまらなく悲しかった
そして自然界では善悪が無く、雌カマキリは身を守るために雄を殺す、と劇中 口にする様にカイヤは雌カマキリと化して自分を弄び暴力的になったチェイスを葬ったのでしょう、私の中でもアリな選択です
その主役のカイヤを演じるデイジー・エドガー=ジョーンズさんが役にピッタリハマっていてエネルギッシュな確かな演技で魅せます、それに加えとても綺麗で素敵な女優さんでした、今後の活躍に期待です
最後はカイヤは人生を全うし、"ザリガニの鳴くところ"でママと再会し逝く
とても見応えのある秀作でした
信じられない
あまり事前情報は入れずに観た。
雄大な自然の中で物語が進み全体的に静かな雰囲気。
そして観ていくうちにカイアに知らず知らずのうちに惹き込まれていく。
僕は後半裁判が終了する頃には、「この物語はミステリーというよりはこの事件を通してカイアの成長を描くヒューマンドラマなのかな」と思っていた。
ただ最後の10秒でこの作品がミステリーであることが思い出される。
自分にはこの展開は予想できなかった。
というか、カイアが魅力的すぎてそういう発想にならなかったというべきだろうか。
映画が終わった後もなんだかんだ理屈をつけて受け入れようとしない自分がいることに驚いた。
作品の中の人物にそこまで惹かれていたのかと。
そういう意味で言うとこの衝撃は日本の“イヤミス”と称される作品群と似たようなところがあった。
ザリガニの鳴くところに行き着いた彼女は、そして湿地となった。
ザリガニが鳴くなんて聞いたことがない。おそらくこれは一種の比喩的表現だろう。ザリガニの鳴き声が聞こえるような世界、それはまさに人知を超えた自然界の奥深くを言うのだろう。
主人公カイアが幼き頃、湿地に建つ家で家族は仲睦まじく暮らしていた。しかし、ベトナム戦争帰還兵の父はPTSDで心を病み、家族への暴力が絶えなかった。家族はやがて幼い彼女だけを残して離散し、そして父もまた失踪する。
一人残されたカイアに対して偏見に満ちた世間の目は冷たく、雑貨屋の黒人夫婦を除いて誰も手を差し伸べるものはいなかった。彼女を受け入れてくれたのは自然豊かな湿地だけであり、その自然の宝庫に囲まれた家で彼女は生きる術を身に付け、たった一人生き抜いてゆく。
世間からの冷たい仕打ちに貝のように心を閉ざした彼女だったが、幼馴染のテイトは彼女をなにかと気遣い文字まで教える関係になる。
深い絆で結ばれた二人。しかし外の世界を拒絶し湿地から離れようとしないカイアへの思いと、外の世界とのはざまで揺れ動くテイトはカイアを裏切ってしまう。
愛する人を失ったカイアの心の隙をつくように現れたチェイスにカイアは身をゆだねるが、それも所詮はチェイスにもてあそばれただけであった。
家族を失い、唯一愛した人にも裏切られた彼女は更に世間を拒絶し、その心は湿地へと傾倒してゆく。孤独を紛らわすかのように湿地の自然観察に没頭する彼女はいつしかその自然と同化していった。
そんな時、チェイスの遺体が発見されカイアは容疑者として逮捕されてしまう。果たしてチェイスの死は事故か、カイアによる殺人なのか。
正直、出版社の人間との会食中の会話でラストの落ちは読めてしまうが、本作のテーマはもっと深いところにある。
身寄りのない幼い彼女に手を差し伸べず、狼少女だの、人と猿のあいのこだのと蔑み、拒絶した世間が今度は人間たちの尺度で彼女を裁こうとする。しかし、彼女にとって世間のいう善悪など関係ないのだ。彼女は世間からつまはじきに会い、世間とは隔絶した世界で生きてきたのだから。そんな彼女を今更、自分たち人間社会の尺度で裁くなど、彼女にとっては理不尽以外の何ものでもない。
開発によって住むところを奪われた野生動物が人里に降りてきて、農作物をあさったり、人を襲うことがある。彼らにしてみれば生きるための至極当然の行為である。しかし、人間は彼らを害獣と呼び、駆除してしまう。
自然に善悪などない。みな生きることに懸命なだけである。しかし、人間はそれに対して自分たちの尺度で善悪の区別をつけたがる。
彼女が犯したのは人間社会でいうところの殺人である。しかし、自然界では生き抜くための至極当然の行為だった。
たった一人社会から隔絶した世界で一人生き抜き、人間社会ではなく自然界に生きる彼女を人間の尺度で裁くことに一体どんな意味があるだろうか、と考えさせられた。けして殺人を肯定するわけではないけど。
本作のラストは確かに衝撃的だが、逆に妙に納得のいくものでもあった。後、弁護士さんは最高。
湿地の映画
ストーリー、映像共に素晴らしかったです!!
両親に捨てられ、町の人からは避けられ、湿地で1人になった少女カイヤ。
唯一優しくしてくれた雑貨店の夫婦からもらったドレスを大事そうに撫でているシーンは胸が打たれました…ちゃんと女の子なんだなと。
湿地の中で一人という特殊な環境で生きてきたカイヤにとって、人間も湿地の生態系の一部に過ぎなかったんだろうな。ただ、出版社との会食のシーンで、カイヤが語っている言葉は、自分に言い聞かせているのかなとも感じられました。
それは、生き延びるための必然
ノースカロライナ
アメリカ合衆国東海岸の中部
山岳・平野・海岸の分布がまんべんなく
気候も温暖で済みやすいため
全米第9位の人口である
今作はそのノースカロライナの
自然の中でもボートでの移動が
当たり前のような湿地帯が舞台に
書かれたディーリア・オーエンズの
ミステリー小説の映画化
でどうだったか
小説原作だからというわけでも
ないでしょうが画面外の
インフォーメーションが多く
常に見る側の裏をかいた展開は
最後までハラハラ見れました
わりと一本道で退屈な洋画の
ミステリー映画と違い
ほうと思わせる部分もあり
面白かったです
どことなく不自然なところは
あちこちあるんだけど
なんだろう
日本人には合ってるかも
しれません
1960年代が舞台
湿地帯で見つかった地元の名士の
息子チェイスの死体を子供が発見
警察は近くにあった物見小屋からの
転落死と断定
しかし警察や地元住民はあたかも
特定の「湿地の娘」がやったに違いない
と決めつけるような噂を広め
遺留品に残っていた赤い繊維が
その「湿地の娘」と言われる娘
カイアの家にあったニット帽と
一致するとそこから
逃走するカイアを逮捕し拘留
殺人容疑で告発されてしまいます
「帰りたい 死刑でも何でも関係ない」
頑なに口を閉ざすカイアですが
弁護を申し出たミルトン弁護士が
少しずつ彼女から話を聞いていきます
湿地の娘とは何か?
カイアは元々兄弟で大自然の中で
仲良く暮らしていましたが父親の暴力に
耐えられなくなった大好きな母親が失踪
他の兄弟も家を去りカイアは
兄のジョディからお前も出ろと
進められますがカイアは
「窮地になったら
ザリガニの鳴くところへ逃げろ」
と母に言われたことを忘れず
父との接触を避けながら母が
帰るのを待っていました
学校にも行かせてもらえないカイア
でしたが周辺にはテイトという
同い年くらいの少年もおり
支えになっています
おそらく戦争の後遺症で
他人を極端に信じなくなっていた
父との距離感がわかってきた
カイアに父は少し優しくなりましたが
そんな二人のもとについに母から
手紙が届きますが父はその手紙を
見るなり燃やして父まで
いなくなってしまいます
カイアは一人になってしまいますが
ここから凄いのが彼女
ムール貝を採りに行き前から
ガソリンなどの取引をしていた
ジャンピンとメイベルの
黒人夫婦の営む店に交渉に行くと
聖書に教えに忠実で優しい
メイベルは事情を察して
一人になったカイアを色々
手助けしてくれます
カイアは学校もなじめず
一人になった家で母が描いていた
動物や植物を観察しては
ひたすら絵を描く毎日
そんな生活をしながら
ティーンに成長したカイアは
他人との接触を極端に避ける毎日
ですがある日青年に成長した
テイトに再会
読み書きができないカイアに
テイトは少しずつ教えていき
カイアは家にあった書物を
読めるようになっていきます
テイトは家にあったカイアの
絵に感心し二人はプラトニック
ながら恋が芽生えていきます
このように
テイトは漁師の息子ながら
非常に頭がよく
父からは大学に行って立派に
なることを期待され自分も
望んでいました
そして大学に合格し喜ぶ
テイトですがそれはカイアとの
別れを意味します
カイアはやはり悲しみますが
必ず迎えに来る
6月の花火を一緒に見ようと
約束しテイトは去ります
そしてテイトはメモを渡し
カイアはその言葉を信じ
6月におめかしして約束の
場所で待ちますが・・
テイトは来ませんでした
カイアはやはり人を信じなく
なってしまいます
その後湿地で遊んでいる
「いいとこの子」チェイスが
カイアとひょんなことから出会い
積極的に言い寄ってきました
最初は避けつつも心に隙間があった
カイアは受け入れてしまいます
そんな折に町に
テイトが戻ってきてその様を知り
チェイスだけは絶対ダメだと言いに
カイアの家に来ますが
まぁ顔も見たくないですわね
どうもテイトは自分の元へ
来てほしい気持ちはあったようですが
何を言ってもカイアは
湿地から離れることはないだろうと
達観し会いに来れなかったのです
それを打ち明け懺悔すると
カイアはすこし態度を和らげます
確かにチェイスはどうも合いそうな
人間ではないのは自身もわかって
いたのでしょう
一方でカイアは
家の土地の所有権を得るには
未納の税金を納めなければならなかった
事でテイトの残した出版社のメモへ
自分のイラストを送ると
すぐさま本にしたいと返事が来て
5000ドル(1960年代当時で180万円?)
を手にし税金も納めて所有権を
手にし改装してきれいにするなど
自活能力に磨きがかかってきました
その後チェイスは予想通りカイアに
力づくで強引に迫ってきますが
カイアも強いのでボコボコにやり返すと
自宅を荒らされたり仕返しが
ひどくなってきました
そんなところへテイトが来て
チェイスに殴られた顔では
出版社のところへ行けないと泣く
カイアに負けるな行けとテイトは
強く言います
そしてカイアはテイトに言われるまま
ジャンピンの店でバスの時刻表を
メモさせてもらい朝一のバスで
町を出ていきました
その晩の未明にチェイスは
死体で見つかっています
ここで裁判シーンに戻ると
検察はカイアをチェイスの殺人容疑を
陪審員に訴えます
チェイスの母親も息子が大事に
していた貝の首飾り(カイアが贈った)
も付けていなかった
この娘が殺して奪い返したのだと
訴えます
しかし決定的な証拠はなく
ミルトン弁護士は先入観にとどまらず
湿地で一人でたくましく生きてきた
カイア境遇もかんがみて
犯行時のアリバイもある彼女を
決めつけで判断しないで欲しいと
陪審に訴えます
その結果
カイアは無罪を勝ち取ります
その後カイアは図鑑出版を続け
テイトと結婚し子供ももうけ
湿地で幸せな日々を過ごし
途中世話になった黒人夫婦の
ジャンピンの死も経験し
ついには老婆になります
そこでふと夜中にボートを
こぎ出した先で
カイアを引き取るつもりだった
のに手紙を破られ思いかなわず
病気で死んでいった母の幻影を
見ます
その後戻ってきたボートに
駆け付けたテイトが見たのは
事切れたカイアでした
家にある書物などから
思い出にふけるテイトですが
「生存するためにしかるべき行動をとる」
と描いた本に描かれたチェイスと
その首に付けられた珍しい貝の
ネックレス
そのネックレスがその本に
忍ばせてあったのです
テイトはそれを見て
戦慄するのでした
これが何を意味するか
わかりますね
ジャンピンも墓場まで秘密を
持って行ったのですね
この映画の面白いところは
結局父親の忠告もテイトの言うことも
素直に聞いてそれが正しかった部分が
あったという部分
その中で生き抜いたカイアが
自然の中で見つけた教訓
「生物が生き延びるためにする
行動に善悪はない」
これが人間社会の裁判という形式で
決して越えられることはなかった
という皮肉と重なってる
とこが個人的に面白かったです
海外での評価は高くなかったらしいけど
説明不足と思われるのかなこういう
造り?
「誰も私を見なかった」
カイアという女がいた。湿地に暮らす彼女に家族が居なくなったのは随分昔のこと。暴力を振るう戦争帰りの父親がすべてを壊し、母、兄弟、遂には父親も彼女を見捨てた。カイアを見ていたのは湿地だけ、カイアを知ってるのも湿地だけ。10余年たった独りで湿地に引きこもって生きてきた。
そんなカイアの魅力に溺れる男がふたり。幼い頃、まだ家族がいた頃からカイアを気にかけていた優しいテイト。カイアもテイトも湿地を愛していたので意気投合する。しかし、湿地には何も無い、仕事がない…と、彼は去る。そこへやって来るのが町一番のクォーターバック、チェイス。いわゆるカーストの頂点にいる町の人気者。こいつがドヤ顔でハーモニカを吹き鳴らし、カイアを口説く。でも実はこのハーモニカ男には婚約者がいた。町で鉢合わせてその事実を知ったカイアは、自分勝手で暴力的なチェイスに追われるようになる。「違うんだ、説明してやる」何も違うくはない。カイアは知っている、DV男の生態を。カイアは知っている、湿地で生き抜く術を。ホタルの光が2種類あるように、カマキリのメスはオスを食べるように、自然に生きるものたちは、ただ生き抜くために。そこに倫理はなく、罪もない。部屋いっぱいの鳥の羽根、果たして彼女は学者か魔女か…?遺された彼女の絵日記には、湿地の生き物たちが。危なかったら「ザリガニの鳴くところ」まで。カイアはそうやって生きた。
原作者のディーリア・オーウェンズは生物学者。美しくミステリアスなノースカロライナの湿地と言葉、それだけで価値があると思う。そして実は法廷シーンにカメオ出演しているらしい。かわいい。
映画館で見るべき美しい映像
野生児、、。
犯人は元彼?
で、彼をかばっている??
と思ったけど、彼女はそんな人間臭くなかった。
裁判では自分たちとは違う人間への偏見や思い込みで有罪に傾くが
こんなピュアな人間が犯罪なんてできるはずがない、と、裁判ではひっくり返る。
そう、本当に彼女はピュアだった。
狩りもする、逆襲もする野生動物だったのだ。
悪意のない純粋な人間は殺人などするわけがないという思い込み。
湿地に生きる野生動物のような美しい彼女。
最後はもうストーリーとかそんなのどうでも良くなった。
映画のテンポ、画、トーン、演技=総てに魅了された 人里離れた自然の中の湿地帯の一軒家でDVされ、一般社会風土からは阻害され孤独となった少女が生きる術を備えていく姿を、裁判をとおし顕に・・・
ミステリーモノと思い鑑賞してましたが、映像と共に物語に引き込まれました。
主たる登場人物は、少女カイア、子供時代よりのテイト、遺体で発見されたチェイス、雑貨屋夫婦、弁護士。
物語は、裁判を通じ少女の関わったものを見せていく
(人柄、人格、家族、社会)
誰にも心許さないように教えられ生きていて心許したテイトとチェイス。が青春のよくある苦難に遭遇しながらも湿地帯の自然で癒やし、自らの才能と助言で苦境を・・。
この映画のトーン(流れ)が私的にハマってしまいました。
映像(自然の生態系)(カメラワーク、映像のテンポ、描写)、絵、ドラマテンポ、人物描写、音楽など。
描いているのは1960年代時代のアメリカ社会、アメリカの闇ともいえる事柄、マイノリティ、人種差別、DV、格差社会、戦争帰還兵、陪審員裁判制度の危うさ・・・。
が、しかし、そんな暗いドラマの中に、少女と共に共感出来る【救いの映像】湿地帯の自然、生態系(鳥、虫、貝)と少女の絵。外の世界では雑貨屋夫婦の自分の立場がありながらも応援する姿勢。徐々にわかってくる弁護士の動機と姿勢などえがかれ、苦難が何度とも訪れる度に美しい映像と共にリセット。それをのりこえ、たくましくもなっていく生きざま。
最後の展開は、ある部分よりドウそれを出してくるかに・・考えを巡らせながら見るに至りました。
⭐久々の秀逸な作品
単純にホラーとかサスペンスとか青春も入りの、人間ドラマ、社会はドラマ、生涯モノとか 枠に入らない・・入れたくない・・
出版社との食事時のカイアの昆虫と同じ行動行動をとったで、「そこに 善悪はない。ただ生きるために必要なことをするだけ」のエピソードが、大自然の湿地帯でDVや社会から阻害された中育った少女の、
【生態系の保身術を使っただけ】
がこの映画ドラマを構成する真髄の要素をしめているように感じました。
★Digital5.1CH鑑賞
★重低音 ─
★音圧 ─
★移動音 △
★分離度 ○
★サイド(左右、後、活躍度) △
★サラウンド △
スクリーン画面側は、左、中、右、それぞれに音を振っています。湿地帯、密林で、密林の自然音(環境音)
ほぼ全編、スクリーン側がメイン
静かな、大自然に染まり行く映画
一人の孤独だった女性の映画、というのが全てです
オチについてはあるシーンのセリフで想像が付いちゃいましたが、ただ、オチを成立させるためのミステリ的な考え方をしだしたら、
1.どうやって誘い出した?
2.証拠はどうやって拭い去った?
みたいな細部がやや気になってしまう感じですね
後、最初のシーンも急にボートによる逃走とか、トリック成立のための要素かもですがイマジナリーラインを踏み越えててかなり気になりましたね
まあ、てな感じでミステリとしては微妙ですが、一人の人生、静かな湿原の生活は、ターシャ・テューダーを想起させる穏やかさと厳しさがある、大自然がとにかく美しい映画になっていたと思います
正直、殺人に係る話を丸々カットで、湿原で暮らした女性の物語として見るだけでも全然アリだった気がしてます
その意味でも、情景とその生き方を見るだけでも、価値ある映画だと思います
あ、ラブシーンはちょっとくどい気がしましたね
人生に入り込んできた男達に振り回されて…
幼い頃、父の暴力により家族がバラバラになり、
湿地に1人残された少女は
そこでたくましく、1人、生きる。
もし、
かまってくる男性達がいなければ、
カイアは1人、
それなりに幸せに生き抜いたのかも…
カイアの人生に
入り込んできた男性達によって、カイアの人生は
乱された…
あれは正当防衛にならないの??
そうじゃないといつか、
逆に殺されてたかもしれないよ…
理不尽だわ…
良くやった、
最後まで逃げ切った‼️
ずっと待ってたお母さんが
最期は迎えにきてくれたね。
やっと解放されたね。
安らかに。
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