ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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上質な切ないラブストーリー
秀作とはこの作品の事。 シナリオが素晴らしい。飽きさせない展開と切ない2つのラブストーリーを織り交ぜながらの展開。年代の良い、一見するとありえない話なのだが60年代であればまだ福祉制度等が行き届いていないので納得する。設定も良い、この作品が山奥の話ならもっとつまらなくなっていたのかもしれない。湿地という珍しい環境だからこそ飽きずに観られる。ボートが移動手段など中々観れない。
人間は自然の中で生きている事を忘れるが、主人公は自然の中で育ちそれを学んだからこそのラストなんだと思い知らされる。
背筋がゾワッとするラストは必見であり、見ごたえもある。
ダーウィンが来た。
自然の中での人間という野生動物のお話
原作小説未読で鑑賞でも映像化が困難なお話だというのはわかりました。この映画はロマンス映画でもミステリ映画でもなく自然の中で鳥、昆虫と同様に人間が動物行動学的に本能の赴くまま「ザリガニの泣くところ」つまり湿地の奥深くで生きたらどうなるか?という自然ドキュメンタリー映画。
なので主人公は感情に身を任せ生きる、それが自然界では当たり前なので、保護者(協力者)は生きる為に必要なものとしか見てないしオス(恋愛)は精神を安定させる為に寂しさを埋める生き物としか見てないので自分を害する人間を殺しても罪悪感がない様に見える、人間に育てられずに自然に育てられてる為それも仕方ない、強かに生きなければすぐ命を落としてしまうので。
映像から読み取れない部分が多い作品ですので原作小説は読んでみたいと思います。抑揚がない時間がゆっくりと流れていく不思議な映画ですが最後まで飽きさせない名作でした。
恋愛映画だったのか
ミステリーと思って見たら恋愛映画だったので、おおっとって感じ。
最後はミステリー風に終わってしっくりこない。結果もどっちかだろうから、あまり驚きがないし。この結果を少し残念に思うのは自然は美しいものであってほしいと言う気持ちの現れなのかな。でも、「湿地に罪はない」。
主人公の孤独が胸に迫って本当に良かったけど、そこがテーマではないのかともやもや。
自然の風景も美しい、彼女を支えてくれる人々も美しい、犯人をミスリードする部分などミステリーも良かったとは思うのだけれどもバラバラになっているように感じた。
映画の中で描かれている主人公はただ運命に翻弄されているだけだけど、実際には主体的に選択し行動し多くのものを勝ち取っている。
ミステリーだから仕方がないけれど、そこがあまり描かれてないのも感情移入しづらいのかも。しかし、あそこまで周到な犯人が、どうして貝のネックレスを持って帰ったんだろう。
あと昔の日本のDV男に対する対応が容疑者xの献身で、今のアメリカのDV男に対する対応がこの映画と思うと、本当に良かった。いやー良かった。
DV男と付き合う時ってあんな感じなのかな。DVする側も貝のネックレスを大事にしたり本人なりに愛情はあるんだろうな。主人公はずっと父親にもらった鞄を大事にしてる。などいろいろと描かれていない所も多そう。
原作も読んでみようと思います。
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他の方のレビューでこの映画はドキュメンタリーという話で腑に落ちました。
ストーリーではなくドキュメンタリーなのか。だからバラバラなのか!
母親以外に強い執着をしない。それぞれの男は孤独を埋めるために見える。
彼女は愛の言葉を語らないけど父親からの鞄、貝のネックレス、に彼女にもどうにもならない気持ちがあるだろうな。切ない。
すごい映画
×ミステリー映画 ◯ロマンス映画
ミステリー作品としての期待値が高かった分、肩透かしを喰らいました。
原作未読です。全世界で1500万部以上売れたと言うのであれば、原作はかなり面白い展開なのでしょう。
あくまで個人的な意見ですが、湿地帯の女性に惹かれる性質真逆の男性2人とか、主人公に(親愛的な意味で)好意的な弁護士とか、正義感強めの店主夫婦とか。
なんかこれ、他の作品で見た気がするんだけど。
…そんな感想が拭えなかったです。
良かったことは、エンドロールのテイラー・スウィフトの歌と湿地帯の光景くらいか。
主人公が湿地帯で単身生活を続けているにも関わらず、わりと文明的な分別や知識がある(例:学校に行っていなかった設定なのに大学がどういう場所か理解している等)という時点で、そもそもリアリストの自分には合ってない作品だったと言うか。
それとも原作ではちゃんと描写されているけれど、映像に起こすと微妙な感じになってしまったのか。
まあ、うん。映画に関してはちょっと微妙の余韻の残るロマンス映画でした。
ラストシーンに鳥肌
ロマンス✕ミステリー
変わったタイトルに惹かれて原作も読んだ
どうやら時間軸が飛ぶ作品を掴んでしまうらしい 1950年代と1960年代と交互にジワジワ核心に迫る作品 湿地で独りで逞しく生き抜いてきたかに焦点、この辺りはいかにも動物学者さんの作品ぽい
marsh girl=湿地の娘になってましたけど、原作のニュアンスは中々伝わらなさそう 本当はいろいろと訳アリの人達が最後に辿り着く吹溜りみたいな場所
子供の貧困、親切に面倒みてくれたのは雑貨屋の黒人夫妻(かなりオマケしてくれてたのではないかと)、無関心で差別したり偏見を持つコミュニティとかそういう問題も描いているんだと思う
ミルトン弁護士の終盤の弁護が見事、そして裁判では主人公以外結局皆真実を喋っていた 真相はカマキリ、ホタル、貝のネックレスがヒント 女(雌)は怖い、墓場まで持って行くってやつです
衝撃の人生と美しい湿地
面白い!
偏見や差別といった社会問題、主人公の成長と恋愛を描きながらのミステリー。
散漫になりそうですが、丁寧に描かれていて面白いです。
真犯人は予想通りでしたが、証拠の品をそこに隠すとは、、、。
犯人がわかってとしても、裁判の判決まで丁寧に描かれるので、ストーリーに引き込まれます。
景色もきれいで、最初から最後まで楽しめました。
予告のあらすじが間違ってる
法廷で主人公は一切喋りません。
ミステリーでなくラブストーリーです。
その辺抜きにしても湿地の自然美はとても良い。
小説は買ってあるので、これから読みます!
落とし前
クラクラするくらい面白かった
2022.82本目
シナリオも絵もキャストさんも素晴らしく良くて、引き込まれた…!終わった後、情報量と衝撃に頭がクラクラして、なかなか立ち上がれなかったくらい…!
父親やチェイスのDVシーンや、街の人々からの差別等々、見ていて苦しくなる要素がたくさんあり「そろそろ救われてほしい」と何度も思いました。
が、「重く苦しい映画だった」とはならなかったのは、つねに湿地帯の美しい自然とともにこの映画があったからかなぁと思います。
カイア自身も、聡明で勇敢で、湿地帯とともに生きるという意思の強さがあり、その美しさと強さに圧倒されました。カイアの発する神聖さは、畏怖のようなものも感じさせて、それもまた自然に似ていると思いました。
裁判シーンのやり取りも、純粋に面白かった!
話の展開も、常に緊張感があって良かった。
オチは、全く予想だにしていなくて、衝撃や余韻が強くて最高だった!
テイラースウィフトの歌うエンディングソングが、歌詞と曲の雰囲気がカイアにぴったりで本当に良かった。テイラースウィフトは原作小説のファンで、この物語のために曲を製作したそう。リスペクトに溢れているのが伝わってきました〜!
墓場まで持っていく秘密
ジャングルクルーズに乗ってるみたいな湿地帯、沼地、河川、海。なんと美しい自然、生き物達、ノースカロライナ州の湿地帯はこんなに美しいのかと目を見張る。そんな処に家族に捨てられた女の子が独りで生き抜いて行くお話。雑貨店を営む黒人夫婦や弁護士先生とのヒューマンドラマ‥では有りません。誰しも墓場まで持っていく秘密って一つや二つは有りそうだけど、特殊な生い立ちのヒロインの場合は特別。そして彼女の生命力は凄い。テリトリーを犯す者はなんびとであろうと許さない、昆虫や、動物の雌の本能に近いモノを感じ怖くなる。先般観た(ラム)もそうだが、女は怖い。同性でも怖くなる。ヒロイン役が清楚で大人しそう容姿なので更に怖い。今年観た映画の中では秀逸。
【11/27追記】 「ザリガニの鳴くところ」とは何か?/映画の趣旨上、採点内容でネタバレを含みうる可能性があるので安全のため伏せています。
今年335本目(合計610本目/今月(2022年11月度)22本目)。
他の方も書かれている通り、ある事件について容疑をかけられた女性が無罪を証明できるか?という趣旨のお話で、ジャンルとしては「法廷もの」という扱いかと思いますが、その背景としては職業差別や偏見などが見え隠れしています。
日本でいえば、刑事訴訟法の知識があればかなり有利ですが(立証責任はだれが負うのか、等の論点)、日本では司法試験(=弁護士になるための試験)以外では扱いませんし、一般の土日のドラマものでやっている範囲で一応足りますが、アメリカですので、やや応用的にみる知識も必要です(それでも何がなんだかわからない、ということにはならない)。
さて、圧倒的に不利な状況から彼女は無罪を主張し、それが認められるのか…。そこが問題になってきます。
この部分、そして「何が」トリックになっているのか等はどうしてもネタバレになってしまうし、ネタバレありにしようがどうしようが、映画の趣旨的に「書いちゃダメでしょ」ですので省略します。
さっそく採点いきましょう。
「日本での」(×アメリカの)法律系資格持ちの観点で気になったのは下記の部分です。
どうしてもこの部分は気になるのですよね…。しかもいくら文献調査(at 大阪市立中央図書館)しても出てこないという…。
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(減点0.3/日本の似た制度との比較において、理解に妨げが生じる)
・ 日本には陪審員制度はありませんが、重大な刑事事件の第一審(地裁)においては裁判員制度が設けられていることはご存じの通りです。すべての方が最終的に選ばれるわけではないので、ある程度余裕をみて「多めに」選ばれています。
しかしこの映画のように、「その事件の有罪無罪を扱うにあたって、明確に先入観が入ってしまう」場合、多めに呼ばれた「候補」の中からはずされるのが普通です。そうしないと公平な裁判にならないからです。また法律上、検察官・弁護士側も「理由を示さず」数名までは(通常は4人、特例3人)除外できます。これはどちらにとっても「公平な意味での裁判員制度」を目指すためのものです(裁判員法36条)。
ただ、日本は裁判員制度の導入からそうなっていますが、映画内ではそうなっておらず、「明らかに利害関係がありすぎる人」、換言すれば「有罪無罪について思い込みが最初からもう決まっている人」がずらずらっとならんています。要は「同じ町に住んでいる人」で「この被告人、嫌な人だったなぁ」というような感じだからです。
この点については、アメリカの陪審員制度においても日本と同じく同趣旨(明らかに利害関係のある人の除外や、理由を示さない除外等)があるのかないのかが不明で、その部分がわからないとこの映画、「評価がやや困難」になってしまいます(最悪、陪審員がついているとはいえ、裁判そのものが不公正であり成り立っていない」という考えも可能)。日本のそれと同じなら構いませんが、全く異なる(つまり、利害関係のありすぎる人が普通に来るというような状況も「起こりうる」ということ)のなら、それは追加で説明を入れないと、映画の趣旨・評価が大きく変わってしまうのです。
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(参考/減点なし/「地目」って何?)
・ 映画の中で、土地のやり取りが描かれますが、そのときに「地目は何にしようか」というセリフがあります。
行政書士の資格持ちというよりは、むしろ宅建よりの事案かなと思いますが、土地などの「使用用途」のこと(例えば、「宅地」や「畑」など)です。
(参考/「ザリガニの鳴くところ」とは何か」)
・ 日本には圧倒的に文献がなく、26日(土)に大阪市立図書館で調べてきた内容(英語を翻訳した内容)によります。
この映画はもとは小説(ディーリア・オーエンズの小説)ですが、彼女は小さいときからいじめを受けており、親(母親とされるが、父親とする資料もあり)、「いじめられたらいじめ返すのではなく、とにかく(殴り合いになるのではなく)逃げなさい」と教えられていた過去があります。
このことが、この「ザリガニ~」の小説にも色濃く残っています(この映画の小説はかなり分厚いです)。そのなかのいくつかのチャプターに、「ザリガニの鳴くところまで逃げる」と(映画内の主人公の関係者が)教えている部分があります。ザリガニは当然鳴きませんから、結局これは「何か不当なことがあったら、(当時の差別事情などを勘案して、まともにとりあうよりも)「どこまででも」逃げたほうがよい」という考え方があったようです。
※ 参考:大阪市立図書館
ちゃんと映像で見せてほしい。
結末は正真正銘の衝撃!
タイトルなし
映画化されている事を公開の数日前に知って公開初日のレイトショーで観てきた。
原作は凄く気に入っているが映画の情報を調べても監督や役者の実績等が少なかったので期待は低かった。しかし自分でハードルを下げたからなのか、ただただ作品が良かっただけなのかは判らないが本当に素晴らしい作品だった。
特に主人公が孤独で潰されそうになる演技が子役含めて良かった。文章でジワジワ伝えてくる原作とは違い役者の演技で槍を突き刺すような勢いで伝えてくる。辛くて涙が出そうになった。これが家族、初恋テイト、悪者チェイスが離れていった時の計3回。
自分の中では印象の強かった幼い主人公が釘を踏んでしまうエピソードが無かったのは残念だが良いあんばいでエピソードが取捨選択されている作品。
主人公が描く自然の絵が原作を読んでいた時に自分が想像していた絵の10倍綺麗だった。
バランス抜群
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