映画 イチケイのカラスのレビュー・感想・評価
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【”大切なモノを守るために。”コメディかと思いきや、現代日本が直面する過疎化、防衛問題を絡めつつ、どの様な状況下でも真実を追い、正しきリーガルマインドを持つ事の大切さを描いた作品である。】
ー 私はTVドラマは見ないのだが、今作は竹野内豊演じるお茶目で型破りな裁判官入間みちおと、真面目過ぎる黒木華演じる女性弁護士坂間千鶴の掛け合い漫才の如き遣り取りも面白き映画であり、TVを見ていなくても全く問題が無かった。(フライヤーに人物関係相関図を載せていてくれたのも、僥倖であった。)-
◆感想
・序盤はコメディテイスト強めで物語は進む。
が、”お婆さんのゴールド免許剥奪か!”と思われた岡山の小さな町を支えている大企業が”何かを運んでいたトラック”との交通事故も、見事な伏線になっていたとは。
・入間みちおは、正義感が強すぎる坂間千鶴の事を、娘の様に思っているんじゃないのかな、と思いながらクスクス笑いながら、鑑賞続行。
ー 入間みちおは、坂間千鶴に、矢鱈と絡んで来るし、何だかんだと言いながらも坂間千鶴も入間道夫を頼っている。子供用の変な鮫みたいな寝袋を入間から借りた千鶴の寝姿が可笑しい。-
・だが、イージス艦に貨物船が衝突し、転覆した真実が入間みちおにより、解明されてくる辺りからシリアス要素が強めになって来る。
ー 何かを隠している、岡山の小さな町を支える大企業。
だが、今作で一つ引っ掛かったのは、”汚染土の廃棄は分かるけれど、それが漏れ出た事で船員が全員意識不明の中毒になるかなあ・・、数年前までは合法な化学物質だったんでしょ?”と言う点だが、私は、こういう場合は敢えてスルーして鑑賞する。
入間みちおが、地域住民から情報を仕入れ、真実を追求する姿は、名探偵のようである。ー
・人権派弁護士月本(斎藤工)の本当の姿が分かったシーンからの、ヤッパリ良い奴だった・・からの雨の階段転落シーン。
ー ココも、突っ込み処ではあるが、後半明らかになった、月本から入間に届けられた写真の”楽しそうな町の子供達”のシーンで良しとする。-
・史上最年少の防衛大臣(向井理)も”日本にとって大切なモノ”を守るために、様々な隠蔽工作をする。
ー そして、岡山の小さな町の人達が、”自分達にとって大切な町”を守るために、長年誤った行為をしていたことが明らかになっていく過程は、日本の過疎化していく多くの町の実情が脳裏を過り、切ない気持ちになる。シャッター商店街の風情は悲しいよ・・。-
<今作は、序盤はコメディ要素強めに進み、途中から徐々に現代日本が直面する過疎化や、防衛問題を組み込みつつも、どの様な事情が有ろうとも、真実を追い求め、正しきリーガルマインドを持つ事の大切さを描いた作品である。>
司法は私たちの生活をを守るための砦
元弁護士裁判官の入間だからこそ法とは何かを理解していたところがあります。弁護士への挑戦、弁護士としての坂間はまた別の視点で法で守り切れないものを知ることができたと思います。ドラマから続いているイチケイのカラスを締める作品として、相応しい作品でした。
田中亮監督の演出においての細かい部分やエンドロールのおまけの作りは好きです。
今回はエンドロールでふるさと納税返礼品の協力自治体の部分は好きでした。
坂間千鶴恐るべし
沈没事故がおこったあと、いろいろな事がおこります。大いなるちからによる圧力、ある人物の裏切り、あるグループぐるみの
隠蔽など。
でも、坂間千鶴は法律の精神にのっとり一直線に突っ走ります。
その精神にうたれてある人物2がてをさしのべます。
ある人物が殺されたとき真実が明かされます。
坂間千鶴はうちひしがれますが、ある人物2の助言により立ち上がり、そして法廷で
たたかいます。
ある人物2は助け船をだします。
そこで明らかになる最大の真実とは?
街、国を巻き込んだ秘密とは?
是非とも劇場にて真実を解き明かしてください。
坂間千鶴大活躍でした。
設定変更が無理やりだが、話の面白さで許せる
原作コミックスは未読であるが、テレビドラマは鑑賞済みである。コミックスの設定では坂間は男性で、入間は中年のメタボなオッさんだそうだが、ドラマ化に当たって原作者の了解を得て変更されたそうである。各人物のキャラ設定などは一切説明されていないので、ドラマの最初の方だけでも見ておくのがお勧めである。
弁護士が主役のドラマや映画は多いが、検察や裁判官が主役の作品は昔からあまりなかった。2001 年に「HERO」で検察官に注目が集まったのは画期的であったが、裁判官が主役というのは更に 20 年待たねばならなかったということになる。入間のキャラ設定は非常にユニークで、HERO の久利生に匹敵する。竹野内豊のハマり役で、実に魅力的なキャラクターになっている。
坂間千鶴を女性にしたことで話の幅が広がっており、キャラ変更は非常にうまく行っていると思わざるを得ない。特に、この映画では必須であったと言えるだろう。話の性格上、東京での話にできず、岡山の架空の都市が舞台になっており、入間は2年前から異動して来ており、坂間は裁判官の他職経験制度により、弁護士として2年間働き始めるという設定になっていて、検事の井出まで異動して来ているのはかなり無理やりな気もするが、話の面白さに免じて余裕で許せる範囲である。
とにかくエピソードがてんこ盛りで息つく暇もないという贅沢な出来上がりになっていた。息抜きのシーンもコンパクト化されていて、テンポが非常に速く進んでダレるところが無い。良く出来た脚本である。ドラマの脚本も全て同じ人が手掛けているために、キャラ設定などに揺らぎがない。真実が明らかになっても当事者が必ずしも救われないという話もリアリティがあった。
この話では、真実を見て見ぬ振りしなければ多くの人が生活の基盤を失うという重い話である。弁護士や裁判官が真実を追求することにあらゆる妨害があるという事情は察せられるが、放火や殺人は重罪である。だが、そもそもの原因が工場で従来使っていた有機溶剤の法改正による使用禁止ということであれば、コストが跳ね上がっても代替の物質を使えば良いだけであって、事情を本社に話せば、やむを得ないコストの上昇ということで、製品価格を引き上げれば済む話であろうと思われるので、事件の発端としてはやや弱い感じを受けた。
また、大気に晒した汚染物質であれほどの健康被害があるのであれば、土壌調査をした坂間も危なかったのではないのか、というのが気になった。また、話の重要なポイントである防衛大臣に関する重要な映像があるなら、観客にも見せるべきだったと思う。その点がやや詰めが甘かったようで惜しまれる。
竹野内豊と黒木華のコンビは相変わらずいい味を出しているし、現場にいない小日向文世や桜井ユキも上手い具合に絡んで来ていた。斎藤工はシン・ウルトラマンより人間味のある役どころで見せ場も多かったし、また、見慣れない役者がいると思ったら宮藤官九郎だったのに驚いた。庵野秀明もチョイ役で出ていたが、相変わらず素人演技で笑った。
音楽の服部隆之は HERO と同じで、人のしがらみを感じさせる重い曲と、事態が解決した時のカタルシスを感じさせる曲の使い分けが見事であった。演出のテンポの良さと、事件の重さや各人物の胸の内を感じさせるところは見応えがあった。テレビドラマを見て来た人には非常に楽しめる映画であると思う。
(映像5+脚本5+役者4+音楽4+演出5)×4= 92 点。
イチケイのからす
全くの空想だよ。裁判は検察と弁護側で証拠を出し合い裁判官がどちらが勝ったか判断するところ。裁判は事実を争うところではありません。判事が物証を確認しには行かない。弁護士の時給,弁護費用,訴訟費用分かってるのか?
坂間千鶴の成長物語
完成披露試写会で鑑賞しました。ドラマとは違い千鶴さんが弁護士としての立場で町の人達に尽力するストーリーでした。みちおさん側の事故と千鶴さんが抱えた町の問題が上手く絡み合い、そして最後に真実を見つけたときに千鶴さんの成長が見られたような気がしました。
てんこ盛り
複数の同時進行する事件が回収されていくのは面白いのですが、とにかく内容が2時間の映画では詰め込み過ぎ!涙あり笑いあり、政治に企業に人間関係、etc、ドラマシリーズ何話かでやった方が良かったのでは。。(観ていませんでしたが、元はやっぱりフジ系のドラマだそうです)
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