世界は僕らに気づかない

劇場公開日:

世界は僕らに気づかない

解説・あらすじ

生きづらさを抱える青年が母や恋人との関係を通して愛に出会うまでを描いた青春映画。「フタリノセカイ」の飯塚花笑が監督・脚本を手がけ、トランスジェンダーである自身の経験をもとに撮りあげた。

群馬県太田市でフィリピン人の母と暮らす高校生の純悟。父については何も聞かされておらず、毎月振込まれる養育費だけが父とのつながりだった。純悟には同性の恋人・優助がいるが、彼からパートナーシップを結ぶことを望まれても、自身の生い立ちが引け目となり決断できずにいる。そんなある日、母が自宅に恋人を連れて帰り、再婚したいと話す。見知らぬ男と一緒に暮らすことを望まない純悟は、実の父を探すことにするが……。

主演は「東京リベンジャーズ」の堀家一希。芸能事務所レプロエンタテインメント主催の映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」でグランプリを受賞した企画の映像化作品。

2022年製作/112分/PG12/日本
配給:Atemo
劇場公開日:2023年1月13日

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(C)「世界は僕らに気づかない」製作委員会

映画レビュー

4.0変わる日本の姿

2023年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

芸能事務所レプロエンタテインメントが主体となって、こういう社会派的的とも言える映画を製作していることに驚いた。群馬県を舞台にフィリピン人の母親とそのゲイの息子の葛藤を描く本作は、日本の今を活写している点で非常に貴重な作品だ。舞台となる群馬県太田市が外国人労働者が多いことで知られる。工場労働者の多くが外国人で、この映画の主人公の母親のようにスナックで働くフィリピン人女性も多数いる町らしい。主人公は日本で生まれ育ち、父親は日本人らしいが会ったことがない。フィリピン人のカルチャーと日本人のカルチャーの狭間で自分は何者かと悩む主人公のリアルな実像を見事に捉えている。
ジェンダーとカルチャー、経済など様々なマイノリティの問題が交錯する本作だが、すでに日本でも多くの人がそういう現実を生きている。本作はそれらを特別視することなく、当然のようにそこにあるものとして見せることに徹している。この作品は、日本社会の一側面を確かに捉えている作品だ。役所広司主演の『ファミリア』と合わせて観るといいかもしれない。

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杉本穂高

5.0フィリピンハーフ家庭の描写がリアル

2025年6月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

斬新

私が日本人の父とフィリピン人の母のもとで育ったハーフなので、
レイナをはじめとするフィリピン人達の言葉遣いや、純悟とのやり取り、家の中の雰囲気や出来事など、色々なことが懐かしく感じました。
しかも描写がやたらリアルです。
監督は調べてみた限りでは純日本人のようですが、フィリピンハーフの人達へ綿密な取材をしたに違いないと思うくらいのあるあるの連続と、高い再現度でした。

この作品は「外国人」と「LGBT」の二つが、双璧と言えるくらいの軸となるテーマであると感じました。
レイナ目線で言えば、日本で生きる外国人が経験する生活の苦しさ、異文化で生きていくこと、一部の人たちから受ける差別的な言動が描かれていて、
純悟目線で言えば、ハーフという周りとは違う背景をもって日本で生きていく上でのアイデンティティの苦悩、学校で受けるいじめ、家庭問題が描かれています。
そして、その親子もまた何度も衝突し合うのです。
耐えない喧嘩の中に、それぞれの生々しい愛情が見え隠れする所が、観る方の心に訴える人間ドラマでした。
「愛」って、それが真剣であればあるほど、いつも温かくて気持ちの良いものではない。そんなことを思い出しました。

一方、息子の純悟がハーフであると同時にゲイでもあり、
物語後半から登場するアセクシャルの女の子、
パートナーシップや同性カップルの生活など、LGBT要素も柱のテーマにしているように感じましたが、
こちらは上記の外国人やハーフの柱に比べるとやや弱く感じました。
LGBTの人物や価値観、社会制度が色々と登場はしますが、それに対してキャラクターが苦悩や成長を経験するとか、そういった描写はなく、
「存在することが特別ではなく、当たり前のもの」として描かれているように感じました。
実際、LGBTへの偏見や差別の描写は、子供の悪ふざけ以外ではほぼほぼありせん。
むしろ、ゲイの純悟に対して周りの人物が驚いたりすることもなく、誰もがすんなりと、当たり前のように受け入れます。
そういう意味では少し不自然であり、ファンタジックです。
ここら辺は現代のリアルというよりは、理想の社会を描いたように感じました。
こんな社会になるといいな、という制作者の願いの投影なのでしょうか。

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Omi

0.5なんのジョークですか!?

2024年1月9日
iPhoneアプリから投稿

能年玲奈を干したレプロが「生き辛さ」をテーマにした映画を制作するとか、なんのジョークですか!?としか…ww

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ぱんちょ

4.0どうせ幸せになれない

2023年11月5日
iPhoneアプリから投稿

2023年劇場鑑賞8本目 優秀作 70点

凄く良い作品には変わりないですが、いまいち乗りきれなかった作品

物語として何が言いたいのかはよくわかるけど、恐らく脚色?が少し違和感あったかも

終始親子のにらみ合いとすれ違いを、父についてや母の職場での素行について、新たな恋人との再婚、彼の同姓の恋人についてなどを交えて描いていきますが、ヒューマンドラマでそれもリアル系なのに何処かズドンと来ないというか、迫真のぶつかり合いや悲壮感も魅せているを表現してる感というか、逆に演技演技してる風に感じました

まあでも彼と母の心境はよく理解できるなあ、多分こういう感想は実際のおふたりがたに対して失礼というか冒涜かもしれませんが、それでも僕の母は一人しかいないし母は母なんだけどと思う彼と、自分が息子からどう写っているかある程度想像できながらもそういった側面も含めても私を認めて愛し合いたいと思う母の構図なんだなと思います

配信来たらまた見返して理解を深めたいです

是非

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サスペンス西島