劇場公開日 2022年12月9日

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「直に啼き止むことを知っている。」夜、鳥たちが啼く はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0直に啼き止むことを知っている。

2022年12月16日
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鑑賞方法:映画館

感情をコントロールできず恋人に逃げられたスランプ中の小説家慎一。旦那の不倫が原因で離婚し夜な夜な出歩いては寂しさを埋めるシングルマザーの裕子。

古い一軒家とその隣に建つプレハブ。夜になると断末魔のような鳥の啼く声が静寂の空を割る。お互い深く関わり合おうとしない2人が、それぞれの痛みに触れ少しずつその距離を縮めてゆく。

松本まりかの為の映画であり、山田裕貴の新たな一面を見届ける映画でもある。つまりのところ2人が素晴らしい。山田裕貴は本当に色んな役ができますね。慎一は目の前の人物によって表情も違って見えるような多面的な性格ですが、見事な演じ分けでした。どの慎一が本当の姿なのか。裕子とアキラがいつかその答えを知るのだろうか。

この2人を見るだけでもけっこう痺れます。ストーリーはちょっと単調ですが私はこのくらいの感じ好きです。

はるたろう