劇場版モノノ怪 唐傘のレビュー・感想・評価
全61件中、41~60件目を表示
個人的には良かった
公開初日から観てきました。
モノノ怪は一番最初の化猫からテレビシリーズまで全て見てきた思い入れのある作品です。
だから今回の映画化は素直に嬉しく思いましたし、これを機にまた新たなモノノ怪が見れるようになっていったら良いなと思っています。
さて、実際のレビューに関してですが他の方のも読ませていただき評価が真っ二つに分かれているのを感じました。
その中でも私は良作だと感じた側です。
確かに今作は観客の解釈に任せすぎている節はあります。
恐らく、考察しつつ観ることに慣れていない人達が見ると………で、結局なんだったの?となってしまうかもしれませんね。
昔のモノノ怪も考察しないと分からない回はあったので、この辺りは個人的には気にならなかったですね。
もっと大奥特有のドロドロが欲しいって意見もありましたけど、OVAではなく大衆向けに描いた作品なので私は今回くらいの描写が丁度良いと思いましたよ。色んな年代の方が見に来るわけですしね。多分この辺りの意見は過去作品の化猫とかその辺りと比較してどうしてもそういう意見になってしまうのかなという印象。
ストーリーについては他の方が書いているので割愛しますが、
カメにイラつくという意見がちらほら見ましたね。
私もイラつきました笑
でも彼女は大奥の女性、そしてアサとの比較のためにあえて最後まで彼女は彼女のままで描写されたのだと思います。
カメは物語序盤から潔く大切なものを捨てるんですよね。
でも観賞後感じたのは、誰よりも何も捨てていないのはカメだったんだろうな。と。
男であれ女であれ社会に生きていくためには純粋さ子供らしさを捨てて、社会の中で必死に生きていかなくてはならない。
子供のままではいられないわけですね。
でもカメは頑なに捨てなかった。
だからこそ大奥という社会から最後は出ていくことになった。
(ここら辺もったいないというか、もっとこの子を生かしたストーリー作りでも良かったんじゃないかと思うわけですが)
多分アサを主軸に描きたかったのか、カメはイラつくキャラクターという印象で終わってしまいましたね。
彼女は今でいう発達障害とか、そういう子なのかもしれない。顔は良いけど仕事はできない。仕事ができないから罵倒される。自分にだって何かできるって証明したいのに……こんな葛藤がカメにもあったのかもしれないと思うと少しだけ切ない気持ちになりました。
反対にアサは聡明で仕事が出来て頭が良い。すぐに仕事も任されて位が上に上がっていく。それを見た周囲の嫉妬、妬み、恨み……この辺りを丁寧にもっと描くとドロドロをわざわざ描かなくてももうちょい胸に響くものが出来たかもしれないですね。
映像や絵に関しては個人的には良かったです。
薬売りさんは相変わらず美しくて、後半で動き回る姿は目を離せなくなりました。
気になったのはカットというか、切り替えが早すぎて
ん、今の何?みたいなシーンが多かったことですね。良く見ていても切り替えが早すぎて分かりづらかったのでもう少しおさえめにしてくれたら嬉しかったです。
お水様って何?あと金髪の人と双子の子達の謎が一切明かされなかったのがもやついたのですが、ラストで次回に続くとなったので良かったです。
また薬売りさんが見たいので無理やり詰め込むのではなく、分けてくれた方が私は良いと感じました。
最後に、
今回の映画は小説版を読むことでより理解が深まる作品であるようです。
観たあとに小説を買って読みましたが、こちらの方がより丁寧にキャラクター達の心情が描かれています。
映画観てより深く知りたい方は小説を読むと良いかもしれないです。
文章も読みやすくておすすめです。
あと、なぜ唐傘だったのかという意見がありましたが。
あくまで個人的解釈になってしまいますが、
唐傘自体が妖怪としての伝承があまり残っておらず、絵として描写はされているけどどんな妖怪だったのかは実態があまり良く分かっていないようです。
なので題材的に選びやすかったのかなというメタ的な意味と、
あとは、傘を差すというのは愛情を示す行為として示されることがあったようですが、
大切なものを手放してしまった者達へ、唐傘は現れて彼女達の悲しみのという情念の雨に傘を差してあげたかったのかなと思いました。
人間に対して哀れみという愛情を感じてくれたのかもしれないと。
モノノ怪は恐ろしいものもいますが、それだけじゃないのが魅力的なところで、私はテレビシリーズののっぺらぼうという話が大好きです。
あの話のラストで、薬売りさんがのっぺらぼうがお蝶さん(この話のメインキャラ)に恋していたんでしょうって言葉をかけていたのが印象に残っています。
今回の話も大奥の女性達の情念に唐傘が慰めの傘を差してくれたのかなと思いました(あくまで妄想です)
以上長々すみませんでした。
次回作も楽しみに待っています。
追記
同時購入したパンフレットを読んだのですが、
今回のモノノ怪は監督さん的に表現したかったことがあったようです。
それを表現するためにあえてキャラクターをいっそ不要なくらいたくさん出していたのかなという印象を受けました(興味がわいたらパンフレット買ってみてください。神谷さんのアテレコ中の苦労話とか、悠木さんと黒沢さんのインタビューとか個人的に面白かったです)
ただ難しいのが監督のやりたかったことと、視聴者側(特に歴代のファンの皆さん)の観たいモノノの怪に齟齬があったことでしょうかね。
ファンからしたら昔のモノノ怪がやっぱり観たいし、監督の表現したいことなんて正直どうでも良いというかモノノ怪でやらないでくれというのが本音になってしまう気がします。
ただ、他作品で原作無視して監督がやりたい放題した映画もありますしそれと比べればまだ今回のモノノ怪はマシという感じです。
タイトル通り私個人は今回のモノノ怪は良かったと思いましたし、また機会があれば観てみたいですしね。
最後に、
パンフレットに書いてあったのですが今回の薬売りさんはちょっとだけ人間よりというか、優しい薬売りさんだそうです笑
以前の薬売りさんはどちらかというと周囲の状況を把握しきってから行動するタイプの薬売りさんでしたが、今回の薬売りさんはモノノ怪に人が襲われそうになっていると危険な状況でも助けにいくタイプの薬売りさんだそうです。
確かに今回の薬売りさんは優しいという言葉が不思議と違和感なく入ってきました。声優の神谷さんにもそういう風に演技するように指示があったようなので、なんとなく映画版薬売りさんは以前みたいに人を茶化すシーンもあるけど内面は真面目というか優しい印象を受けますね。
映画観たあとに、久々にテレビシリーズのモノノ怪が見たくなって視聴しましたが、こっちの薬売りさんの毒舌具合を再認識しました笑
テレビシリーズの薬売りさんは薬売りさんで、人間が愚かでどうしようもない生き物だって理解していて、若干お説教も兼ねて厳しくしているけど不意に優しさを滲ませる時もあるというイメージですかね(超個人的な解釈です)
もしモノノ怪ファンの方で、薬売りさんの声優変更とかで視聴迷っている方、もし良ければ参考にしてください。
性格も上記したように別の薬売りさんなので若干違う印象を受けますが、違和感があるというほどでもないのでそこまで気にしなくても大丈夫かなと思います。
感情入り乱れた話
今回、一人一人の悲しみというよりは、大奥にいる女性たちそれぞれの悲しみが涙になって唐傘を産むと言うような感じでした。
大切な物を捨てなかった羨み、自分より早い出世の妬み、望まぬ夜伽、選んでもらえない悲しみ…
大奥に負けて乾いた末に、本当に一番大切な命を井戸に捨ててしまう。
井戸の水は涙でできていて、きっとそれを毎朝飲むのが慰めで鎮魂で継承のような物だったのだと思います。
心を大奥に落とし、大切な物を失った表現が顔のぐるぐるなのは見ていて切なかったです。
アサも少しずつ染まりゆく…カメとの関係にドキドキしました。
梶裕貴さんの三郎丸。
井戸の中で姉の末を察した叫びに胸を打たれました。
自分の立場(役職)がありながら救うことのできなかった悔しさ、家族を失った悲しさがすごく伝わってきたので、本当に素晴らしい役者さんだと再確認しました。
いつもより憎しみ悲しみの場面は少ないように見えますが、今回は一人が産んだ妖怪ではなく、大奥で一番大切な物を失った人たちで出来た唐傘なので当たり前に思います。
むしろ全編ほぼ憎しみ怨み妬みが散りばめられていて、具体的に事細かに書かれたら見ていられません笑
モノノ怪は重たい話も少しコミカルで可愛く表現して、己の想像で理解させるのがアニメ時代からなので変わらずで嬉しいです。
今回は、アニメ版の薬売りとは違う薬売りの話でしたが、アニメ版より感情がある感じでよく動くのでこの人の話をもっと見たいと思えました。
次回作も同じ薬売りかな?
3人目の薬売りの話も見てみたいです!
全編和風、和紙のような質感、千代紙の日本伝統の絵柄を模した凝ったビジュアルが圧倒的だが 只々過剰でもあり、ごちゃごちゃとうるさくチカチカして目が痛くなってくる
この過剰修飾で一方的に主張してくるビジュアルが本当にうざい。
引くことを知らない美術は、日本の伝統的な荘厳な美しさとは違う。
悪い意味で中華的に映る。
その品の無さゆえに、舞台はてっきり「吉原」だと思っていた。
決して「大奥」ではない。
常に過剰な情報が垂れ流されているので、話がなかなか頭に入ってこない。
騒がしい中、消化できないままで進行していった感じ。
面白いところもあるはずなのに実に残念。
わかりにくいビジュアルから、大奥の間取り、位置関係も良く分からない。
最後にとどめで、延々と同じビジュアルを繰り返すエンドロールの長さに辟易する。
誰か何分あったか計ってほしい。
次回作に期待
一応のクラファン勢として楽しみにしていたが、期待値が高過ぎた。
ayakashi化猫始め、作品としての完成度が高いテレビ版と比較すると未消化感が残る。
キャラデザや声優云々の前にストーリーがわかりづらい。個人の理解力の問題はあるが、それにしても真と理が釈然としなかった。
「このわかりづらさがモノノ怪」という声もあるが、それではあまりに観客に委ねすぎていると思う。
多少のわかりにくさはあっても(むしろそれが活きていた)テレビ版は物語としてすっきり見届けることができたので、次作に持ち越される伏線にもやもやして終わった。
1つの作品として完結したものを観たかった気持ちが大きい。
舞台設定も今作だけ見れば大奥の意味はそこまでない。大奥という設定から人間の醜悪さゆえに生まれるモノノ怪を期待していたのであれ?という感じ。
大事なものを捨ててはいけない、というメッセージもこれまでのモノノ怪を知ってると何だか陳腐に感じてしまった。
そもそもカメちゃんにイラつく時点で自分には向かない話かもしれない。
好き勝手書いたが、映像美はさすがの一言。スクリーンで見るべき作品。時間が経ってもこうして続編を作ってもらえたことが嬉しい。
好きな作品だけに辛口になってしまったが、次回作も楽しみにしている。
やはり不安的中
テレビ版を何周も観るほど気に入っていた作品なので劇場版制作発表から楽しみにしていた作品。
オリジナル版の主人公薬売りの声優さんの降板が決まり、神谷さんが引き継ぐことになったのは不安と期待はありました。
そして、映画を観る数日前に知ったのですが、オリジナル版のキャラクターデザイン担当の方も諸事情で降板と知り、不安のほうが大きいなかで映画鑑賞させてもらいました。
まず違和感を感じたのが元々は日本画の浮世絵や貼り絵とクリムトなどの洋画家のオマージュを融合したような独特の世界観があったが、劇場版は少し画風のレベルが落ちた?のか現代風アニメが色濃く感じたのが残念だった。
そして、やはり主人公の台詞回しや飄々としているが少し重苦しいのが作品の世界観に没入出来ていたテレビ版に比べると、代打で作品を仕上げてくれた神谷さんには罪はありませんが、ただ軽い性格の男というキャラクターに感じてしまい、化物語の主人公をどうしても連想してしまいました。
作品の内容は形・真・理が揃って伏線回収して物語を終幕へと導くのが「モノノ怪」の真骨頂だと自分は思っていますが、その内容が希薄で説明不足。
真と理に感動するドラマがあってのモノノ怪退治で締めくくられるから余韻に浸れるのが、劇場版では端的に強引にエンディングまで持っていかれてると自分は感じました。
他のキャラクターも何かを抱えている事案を紐解きながら物語を感慨深いものに作りあげていた作品なのに、劇場版は有名声優さんを揃えて一人一人のキャラクターが濃く、悪い意味で目立って物語の中で調和が取れていなかったような。
エンディングロールもクラウドファンディング出資者も流す義理堅い演出は良いのですが少し長すぎる気もしました。
モノノ怪は大好きな作品なので、続編を匂わす演出もあったので、次回作はそれらの違和感を払拭するような凄い作品になることを期待して観させて頂きます。
見たかったモノノ怪ワールド全開
色は眩しいし、背景は情報過多だし、怪異は気持ち悪いし、薬売りさんはカッコいい。
『モノノ怪』独特のカオスを浴びる事が出来た。
感情や匂い、過去などなど本当は目に見えないものを見せてくれるのがおしゃれで好き。
しかも次回予告付きで嬉しすぎた。
唐傘って結局、大事な物と一緒に人間性とかまで捨ててしまった悲しみとか惜しさとかやるせなさとかが凝り固まって産まれたモノノ怪ということかな。
大奥というシステムに対する反抗みたいにも思えた。
唐傘の真が判るまでのあの大奥の淀みが凄く嫌だったな。
仕事が出来ない新人に苛ついたり仕事が出来る新人に苛ついたり、二人で一緒にスタート切ったのに一人だけどんどん出世しちゃってギスったり。
覚えがないわけじゃないだけに。
でもアサちゃんとカメちゃんの関係性は良かったなぁ。
次回はどんな話になるのだろう。
刺さって抜けない余韻。登場人物と物語にも注目してほしい。
モノノ怪で多くの女たちが捨ててしまったのは大切にしていたモノに付属する思い出や自分を形作っていた芯や幼い頃の心の支えなのだろうと思いました。
モノだけじゃなく、モノから連想される想いまで捨ててしまったんだろうなと。
自分を失くした女たちは大奥という組織で生きていくために染まらなくてはならない。
大奥で戦うには隣人は蹴落とすもの。
きっと、大奥に来るまでは持っていた思いやりも誰かにありがとうと言うことも、アイデンティティも何もかも無くなって
組織にとって都合の良い人間に変えられてしまうのが大奥のシステムなんだろうなと。
登場人物のアサちゃんとカメちゃんが比較されるように描かれていて、
アサちゃんは幼い頃見た御祐筆に憧れて、筆の腕を磨いてきました。
大奥初日、「大切なモノを捨てろ」と迫られた時は「捨てられないモノはございません」と返答します。
アサちゃんは大奥の在り方に染まりながらも、自分の願い、やりたいことのために取捨選択している様でした。
性格・素養の違いがあったとしても、
アサちゃんが強くいられたのはカメちゃんがいたからというのがグサグサ刺さります。
カメちゃんは大荷物で大奥へやって来て、
「捨てられないモノはおばあちゃんから貰った簪、おばあちゃんが大奥の人と食べなさいと握ってくれたおにぎり」
モノよりモノに宿った想いが、カメちゃんにとっては最初から大切だったんだろうなと。
カメちゃん、大奥の在り方を「臭い」と受け入れられなかった人で。
皆が毎朝飲む(おそらく死体の腐臭のする)(情念コミコミ)水を、途中から飲まなくなる。この時のカメちゃんの表情が、彼女の意志を感じて好きです。他の人と違うことをするって怖いですよね。格好良い。
憧れた場所である大奥に残りたい気持ちはあったけれど、アサちゃんの指示で辞める事になりました。
アサちゃんがカメちゃんを辞めさせた理由は目障りだからではなくて、カメちゃんの性格・素養が組織でやっていけない事を分かって逃がしてあげたんだろうなと。
アサちゃんはカメちゃんにずっと笑っていてほしかったのかも知れません。
アサちゃんは自分の願いのために、やりたいことのために取捨選択できる、臭い組織にも染まれる強い人であり、アサちゃんが心を失くさずに済んだのは、優しすぎるし比較グセのあるちょっと鈍臭い純粋なカメちゃん、というところが刺さりました。
カメちゃんに「アサちゃんの大切なものって何?」と聞かれて、頬を染めながら「言えない」って返すんですよ。くッ刺さって抜けません。
井戸にカメちゃんが落ちる幻覚を追いかけて手を伸ばしたアサちゃんが、現実に井戸に落ちかけて、現実のカメちゃんがアサちゃんを踏ん張って引き上げるシーンなんて、「今でもあなたは私の光〜♪」と今後何年後でもアサちゃんが思い返すんだろうなと。
一番に思い返すのはカメちゃんの笑顔だと思いますが。
アサちゃんは大奥で。
カメちゃんはカメちゃんが笑っていられる場所で。
カメちゃんが笑って辞めていった最後、おそらく髪飾りを交換してるんですね。
カメちゃんの髪飾り(このシーン以前にどこかのシーンで映っていたのかどうか覚えていません)だけ輝いていたのは、モノに宿るアサちゃんとの絆を示して、またもしかしたらカメちゃんの真っ直ぐな心を象徴して、キラキラ輝いていたのかなあと感じました。
唐傘というモノノ怪は、大切なモノ、想いを捨てさせられた女たちの情念がこもってできたのだろうけれど、その核になっていただろう北川さんがまた良かったです。
アサちゃんとカメちゃんの「もしも」の物語が北川さんと一緒に入ってきた過去の女中さんで。
最初に迷いなく大切なモノを捨てて、仕事ができて出世の早い北川さんと、
同期だけど不器用で仕事と場に慣れなかったであろう女中さん。
北川さんは目障りだから辞めさせたけど、それを後悔する。
きっと心を捨てたのはその時だったんだろうと気付く。
これを映画では「私は乾いてしまった」と表現していました。
唐傘が斬られて、アサちゃんが「北川さんは恨んでいません」と言ったのは
北川さん自身が死んでしまったのは、大奥というシステムのせいであって。システムにより自己を失くし他者を蹴落とす事でしか生きていけなくなった女たちのせいではないからかなと思います。見守っていたのでしょうか。
薬売りさんは格好良くて可愛くて、不思議で華美な万華鏡のような映像・迫力ある音響はもちろん最高ですが、登場人物と物語も最高でした。
刺さる人にはグサグサに刺さって余韻が抜けなくなります。
語り切らず想像の余地を残しているのが良かったです。
内容が薄いし、アニメファンだからこそガッカリさせられた
評価できるのは、声優と極彩色の映像美のみ。
アニメファンだからこそ、ストーリーの浅さに残念で仕方がない。
まず、今までのアニメでは『どんなモノノ怪なのか』事前にキャラなどからの説明、または有名なものならなんとなく想像がつくような映像があり、そこからさらにモノノ怪の『カタチ・マコト・コトワリ』に迫っていく。だが、今回は『唐傘』とはどういうものか?という説明も意識させる映像もなくストーリーが進んでいく。そのため、実際なぜそれが起きたのか、いまいち視聴者に丸投げのような形になっている。これでは今までのモノノ怪のようなミステリーを紐解いく魅力が大変損なわれており、残念・期待はずれという感想しか浮かばない。
そして、謎を解いていく途中で、モノノ怪の原因に関係しているキャラクターの人間性、人としての醜い本性が明らかになるという流れがあるが、これがまた浅い、浅すぎる。大奥でのストーリー・女の情念・嫉妬・憧憬などが題材なのであれば、モノノ怪になってしまった女性や他キャラクターに対する壮絶な過去の一つでも用意しておいてほしかった。味噌汁にネズミを入れられるとか、身体の見えないところに傷をつけられるとか、着物を裂かれるとか、、もっとあるだろう、、やる方もやられる方も、、、。これではドラマの大奥のがよっぽどモノノ怪が出てきそうな背景設定だ。結局なにを伝えたかったのか?一人ひとりに対するエピソードが浅すぎて、こちらに察してくださいとでも言いたいのかと思った。こんな浅い内容であれば約二時間も使う必要はないのではないのだろうか?精々、1時間でいい出来だ。
そして、最初に天子様もろもろが出てきたのは何のためだ?いらないだろう、続編で登場するから〜というよりかは、天子様と女性がお互いに水を飲ませ合うシーンは今回の『唐傘』には必要ないところだろう。あくまでも、表の話ではなく、裏方の女中の話なのだから。ここで、今作のメインキャラクターが天子様に見染められて〜とかならまだわかるが。
映像化は嬉しいし、動く薬売りさんを見れたのは非常に喜ばしいことだが、これでよくGOを出したなと思う。スポンサーに何か弱みでも握られているのか?それともよくある原作者と脚本家とのアレか?
期待値が高かったぶん、残念でほかならない。続編があるとのことだが、この分だと期待なんぞは小指の爪の垢ほども期待しないほうが良いだろう。
どゆこと?
テレビアニメ「モノノ怪」の劇場版らしいですが、未視聴なので内容は知りません。とりあえず、劇場アニメはなんでも好きなので、公開初日に鑑賞してきました。率直な感想としては、絵はすばらしかったけど、話は難しかったという印象です。レビュータイトルは、前席の女子高生3人組の鑑賞後の第一声です。
ストーリーは、大奥に新人女中として入ったアサとカメが、そこでの儀式に違和感を覚えながらもお役目に精を出すが、何やら怪しげなものの存在がちらつき、続けざまに犠牲者が出る中、この事態を予見して待っていたかのような謎の薬売りが、モノノ怪に精通した知識と呪術で収拾していくというもの。
本作で最も印象的だったのは、その独特の世界観です。江戸時代が舞台とはいえ、ほとんど異世界としか思えない独創的なデザインとビビッドな色づかいに目を奪われます。しかも、それが和紙に描かれているような映像表現が、絶妙に効いています。これほど不思議な異空間なのに、その完成された世界観を前にして違和感が働かず、むしろこちらに染みてくるように、いつのまにか引き込まれます。
その中で、個性的なキャラがいきいきと魅力的に描かれています。中でも薬売りは、圧倒的なビジュアルとアクションで魅せ、背景の読めない怪しげな存在として、強烈なインパクトを放っています。細部まで緻密に作画された大奥を背景に、縦横無尽のカメラワークで魅せるアクションシーンは必見です。その一方で、完全に記号化された人物や表情を無機質に描き、今回の騒動の根底にある負の感情を演出しようとする意図も感じられます。
しかし、肝心のストーリーがイマイチよくわかりません。アサとカメが大切なものを捨てさせられ、お水様の生臭い水を飲まされたのは、“己を殺してお役目に生きる“という忠誠を誓わせる儀式なのだと思います。これに染まった者たちは、表情をなくし、画一化したコマのように描かれます。アサも時折そのような表情を見せ、水を臭く感じなくなったのは、そちら側の人間に近づいたということなのでしょうか。そんなアサの前に現れて“乾いてはいけない”と忠告するのが、かつて似たような境遇にあった北川です。生きる意味を大奥に吸い取られたような人生を歩んでしまった彼女の後悔が、そこにあったのでしょう。結果、アサはすんでのところで踏みとどまることができた、いやカメが踏みとどまらせたのかもしれません。初日に「捨てるような大切なものはない」と言ったアサですが、カメとの間に芽生え始めた友情は、捨てられない大切なものになったということでしょうか。と、こんな感じで物語を受け取ってみたのですが、果たして本当のところはどうなんでしょう。
なんとなく「蟲師」に共通するようなイメージを感じますが、薬売りの正体も意図も目的もわからず、もやもやします。所持している退魔の剣も、モノノ怪の根源的なものを把握することが使用条件になっているようで、このあたりの説明も特になかったのでよくわかりません。エンドロールも、塔のようなオブジェを延々と周回しながら見せられ、これが意味するところも全くわかりません。他にもいろいろとスッキリしないところが多い作品で、他の方のレビューが気になるところです。
キャストは、神谷浩史さん、黒沢ともよさん、悠木碧さん、小山茉美さん、戸松遥さん、花澤香菜さん、梶裕貴さん、福山潤さんらで、豪華声優陣が顔を並べます。
薬売りカッコ良すぎ。テーマも刺さった。
前知識なく、なとなく見たが衝撃を受けた。
映像が凄い。それはもちろんだけど、
私にはテーマがクリティカルヒットだった。
「お前は何を捨てた?」
そう薬売りに問いただされる。
大事なものを捨ててしまうこと、乾いてしまうこと、認められたい承認欲求。
それらを否定的に描くのかと思いきや、そんな描き方はしない。
大事なものを捨て、乾いてしまった権化のような歌山。
その歌山がこの物語の主人公に見えた。
それくらい歌山はカッコよく描かれる。
華やかな餅弾きの表舞台を、裏で支える官僚的組織。
そういうものが実際に日本社会を支えてきた。
そこに渦巻く情念。
「仕事が出来ない人」の世話をさせられる「できる人」。
出来る人は認められ出世し、そして乾いていく。
圧倒的に不条理で不平等な世界。
でもそんな世界を肯定的に描くことに成功していると思う。
致命的な問題点を強くあぶりだしておきながら、
肯定的に描くというのは本当にすごいと思う。
登場人物の描き方も素晴らしい。
薬売りは超カッコいい。
カメとアサがとてもかわいい。
でも二人を決して聖女のように描かない。
ただの「ダメな奴」としても描かない。
ちゃんと存在する人間として感じられる。
最後にカメはアサのもとを去る。
そしてアサは、組織の中で前に進む
涙が出た。
たぶん、刺さる人には刺さるのだと思う。
(泣いてたのは私くらいだったからよくわからないけど。)
よくわからないシーンはたくさんあった。
でも、とにかく私は満足感に満たされて劇場を出た。
CGでそれっぽく誤魔化した手抜き作品
アニメ版の大ファンでどれほどこの作品を待っていたか。映画公開初日に先入観無しで見に行きました。
最悪です。薬売り以外は最初から一から作り直せと言いたいレベルでした。
2007年に当時放送されたアニメはまさに今改めて見ても画期的な芸術センスと美しさ。素晴らしいストーリー展開で毎回感動させられる最高の作品です。正直アニメ版が良すぎたんだなと再確認させられます。
今回の映画版を見ましたが、アニメの雰囲気も守りながら作ってますが作画量の違いと言いますか、同じカットの使い回しが目立ちます。そしてキャラデザも変に目が大きくて絵が雑で気持ちが悪い。下手な少女漫画でしょうか、嫌悪感が凄くて登場人物を先ず好きになれない。
更には大奥という内容だから登場人物も多いですが、顔ありのキャラの中で不必要な子が多すぎます。人が多いけどそれぞれの掘り下げがないから、ただ纏まりのなさだけが目立ってどこに焦点を持っていくべきか分からない。数人の男たちも出ましたが彼らは要りましたか?ストーリーは分かりやすくていいのですが、スタートからゴールに至るまでのそういう無駄の多さが目立ちました。
それとやはり見所となるモノノ怪もアニメ版に比べてホラー的な描き方も掘り下げも少ないので恐ろしさも情念も足りない。
良かったところを探すとオープニング曲と、薬売り役の神谷さんはよく頑張ったと思いました。それだけです。周りで見ていた女子達は、薬売りさんの出番少なくなかったー?って怒ってました。でしょうね、薬売りさん目的の人も居るでしょう。エンディングロールは酷かった…同じシーンをずっっっっと見せるだけ。時間の無駄使いも上手でした。最低です。続きがある予定らしいので次はもっとちゃんと作ってください。
星1だと思ってますが、もう一個は薬売りの神谷さん分です。
映像が期待以上だった
モノノ怪の売りは程よい不明瞭さだと思ってます。はっきり描きすぎず、されどなげやりにしすぎずみたいな。でも本作品はかなり不明瞭で、え?つまりどういうこと?ってなることが多かった印象です。
あとアニメシリーズの方は人の醜い感情を描くのがとても上手く、「人は醜いが、それでこそ人だ」と思わせてくれる演出には富んでいると思います。
私はそれを知ってるので、映画だとより一層腹が重くなる演出が来るのだろうと思っていました。舞台も男子禁制、女人政治の大奥とのことなので。しかし意外と爽やかで軽い雰囲気だったのが驚きでした。でもこれは、わたしがそこにあまりに期待しすぎてただけかも知れません。
第2章の話がでてましたが、これは変わらず舞台が大奥の話なのか、それともこの薬売りの話としての第2章なのかは私はわかりませんが、もし後者なのであれば、キャラが多すぎるかも?と思いました。予告編などで明らかにキーマンのように見せられていたキャラが実はそれほど登場しなかったり。
舞台の大奥を演出する及び説明するためにかかせない立場のキャラを作るのは仕方がないですが、ストーリーの本筋に関わってこないのがもったいないと感じました。
(追記:↑ですが、一緒に見に行った友達と改めて話したところ、次も大奥ではないかという考えに至りました。もしそうなのであれば、顔見せ程度で本作品では影が薄いキャラがいるのも頷けますし、話が重々しくないのも、これは愛憎渦巻く大奥の序の口でしかないからと、色々自分のなかで納得がいきました。次回も大奥であることに期待を込めて評価をあげたいと思います。)
最後のエンディングシーンですが、和風らしく縦書きで横に流れるのは斬新でした。ただ、文字が少し見にくかったし、文字は慣れない横に流れる動きをするし、変化があれど背景はずっとぐるぐる回っているのですこし目が回ってしまいました。
映像やキャラデザは変わらず綺麗で、これぞモノノ怪!と思わせてくれました。アサやカメはとても可愛いし、薬売り以外の男性陣も珍しくイケメンが多かったですが、それぞれキャラが立ってて良かったです。敵である唐傘をあそこまで強そうに、かっこよくできるのは流石としか言えないです。本体の登場シーンもとてもかっこよかった。
とても面白かったし楽しめました。何度か見に行く予定です。その中でしっかり物語を理解できたらと思います。
でも、アニメシリーズの海坊主編よりも長いのだから、もう少しまとめられたのではないか?とも思えました。
考察
まず、大前提としての薬売りの事。
作中でも公式でも明言されているが、テレビシリーズの櫻井声の薬売りとは別人である。
デザインが異なり、装飾(退魔の剣、天秤、薬箱、衣服)が異なり、声が異なる。
普通に考えれば別人なのだが、本放送から大きく期間が空いた事と某スキャンダル(俺は既に許している)のせいで中々気付けないものである。
なので神谷だから減点は宜しくない。
以下つらつらと
大奥と水と大切なもの
大奥の本来の目的は子供を授かる事である。
吉原や花街で水と言えば水子である。
人形とは人の代わりであり、古くは埴輪と同じ起源である。
つまり、あの井戸に落とされた多くの大切なものとは、井戸の底にあった多くの屍の意味するものは…。
子を無くしたために権力に固執したのか、権力の為に子を手放したのか。
まぁ、そんな事を考えながら観ていた。
唐傘
特徴的な一つ目、片足は産鉄民の暗喩であり(長い舌は不明)、唐は中国の事なので、次の火鼠との関連なのか…。
本作単体では水を避ける傘以上の意味を見出だせなかった。
無念である。
演出
天秤の動きが焦れったい。
ゆっくりカタン、カタンでは無く、怪異の接近を煽るようにカタカタカタカタと動くテレビシリーズの演出が好き。
被害者の姿を一部しか見せないのは配慮かも知れないが、映画なのだから悲惨な様を見せつけても良かったと思う。
エンドロール
長い。
なんだろう、CG自慢かな?
素直にナツノハナ流した方が何倍も良いよ(別に本作の曲が悪いとは言ってない)。
最も強い感想
最後の最後にカメちゃんは足取り軽く、大奥の境界線を飛び越え帰って行く。
その瞬間が「怪~ayakashi~(化猫)」の珠生さんが猫と屋敷から出て行くシーンと重なって感慨深かった。
俯瞰の物語
文句なしのアートワーク
ストーリーは賛否あると思います。
まず大奥が舞台ということで化猫同様の悲哀やドロドロを予想していた人にはラストが釈然としないものだったかもしれない。
以下個人的な考察です。
・大事な物を捨てる儀式
大奥に入った以上かくあるべしと圧をかけられ皆アイデンティティーを捨てるが、その先にあるものは…
・渇いた者は同じく渇いた者を愛さない
ここが物語の肝で、将軍も役目を果たすため心が渇ききっていて、夜伽に求めるのは自分を潤してくれる存在。
つまり渇いた者には出来ないので、真面目に勤めてる人ほど選ばれないという罠。
・物の怪が形を成したタイミング
物の怪の理が人への直接的な怨恨ではなく、システム自体への絶望だったと読み取れる。
・物の怪の描かれ方
人によって見えている物が違う。
怪異そのものよりも万華鏡や手毬などのアイテムに怯えていることから、被害者を追い詰めたものの正体が垣間見れる。
・ストーリー全体の考察
滅私奉公を強制されていたのに、結局選ばれ愛されるのは個性を捨てなかった人。
自分に鞭打ちひたすら耐え忍んだ先にあったのは心を失い歯車に成り果てる未来だった。
自分はこんなに我慢しているのに、あいつはズルばかりしていつか天罰が下ると思っていたのに、突き進んだ結果残ったのはずるいあいつが寵愛を受ける現実と空っぽの自分だけだった。
あの時捨てた大事なものは己を否定する象徴になってしまった。
全てに気付いた時、自分や他人に強いてきた犠牲が報われることなく取り返せもしない事に耐えられなかった。
憎悪や怨嗟など相手に向かうものではなく、後悔や絶望など己に向かってくる負の感情。
唐傘は自分のようになるなと伝えたかった。
唐傘が現世に顕現したら手が付けられなくなるのは、今まで捨ててしまった大事なものが元の所有者に絶望という形で戻ってくるから。
ラストの微笑みはシステム自体は変わらず物の怪の脅威は依然としてあるものの、新人の心の有り様に希望を見出したから。
あくまで個人的な考察ですが、周回して色々な発見をしてどんどん面白くなるストーリーだと思いました。
あと薬売りさんは問答無用で素敵なので観て損はないです。
映像が美しい。ストーリー的にも面白かった
映像は豪華絢爛、美麗の二言に尽きます。
ですが予備知識が無いと鑑賞がかなり厳しいと感じました。
ここからは完全に私事なのですが、私自身、モノノ怪の存在を知りはしていたのですがしっかりと観てハマったのは公開直前のアニメ版48時間限定公開の時です。
アニメを一周してかなり気に入りこれは劇場版も観たいということで、知識不足で楽しめないということが無いように配信サイトでアニメを周回して、監督のお話や設定などもほぼ全て観て、自分の見解や考察もまとめてから鑑賞に臨みました
が、ボリューミーな映像と人物間の関係、伏線(?)を前にすると楽しむことはできましたが答え合わせをしたいところや腑に落ちないところが多々ありました。
これはただの私の勉強不足で済まされる話ではあると思うのですが、「一度映画館で観た映画を再度観に行くことは無い」私が人生で始めてもう2回から3回は観に行く事を決意した映画です。
いい意味では見ごたえのある、悪い意味ではわかりづらい映画でした。
個人的にはエンドロールまで予告を入れられているのがらしいなと感じました。
(あと2本、火鼠含め劇場版かアニメがあるのかなとわたしは考えています)
アニメ版の大ファン故、今回は残念でした
確かに絵や雰囲気はアニメ放送のまま、さらにインパクトはあるかなと思います。ただストーリーが、、、。何人かの方がコメントを残していますが、色々な人の思いが出てきてとっ散らかります。だけどその一つ一つが深いかというとそうでもない、、、。(誰かに感情移入すべきかと思いましたが、アサは特殊だし、他のキャラはすぐ死ぬか、出番少ないし、、、。バックボーンも展開が早くて記憶に残らない。結局はカメしかいないのか、、、)
伝えたいことはシンプルで「大事なものを捨てるな、捨てた先に待っていたのは自己の崩壊と虚しさだった」だけかなと、、、。
何でそもそも今回は唐傘なの?(唐傘ってどんなお化けだっけ?)臭い水は結局何に作用してるの?途中から薬売りだけでなくアサも全て気がついていて妙に冷静だからこのポジションは2人もいらないのでは?とツッコミが止まらず余計集中できなくなってしまいました。
大奥の「燃え尽き症候群の女中の恨み」という感じで男女の色恋のドロドロはほぼありません。設定もキャラクターもデザインも声優も良いだけにとにかく1発目は「残念」でした。続編を見て伏線回収ならば劇場で見るには結構しんどい内容です。
あと、とんでもなく長いスタッフロールもっとなんとかならなかったんでしょうか、、、。クラファンの方の名前もあるので長くなるのはわかりますが最後まで辛かったです。
音も空気感も華やか
前作、TVシリーズから一転、とても賑やかで画面も人物もよく動きます。
前作のジメジメした雰囲気がお好きな方は、拒否感があると思いますが、監督がどこかで仰っていた「テレビ版は陽だけど陰キャな感じになったので、劇場版の陰の薬売りさんは陽キャで」の言葉が全てじゃないでしょうか。
前作には前作の良さがありますし、今回の陰の薬売りさんは動きに茶目っ気があって好きです。
色々トラブルがあったり、キャラデザが変わったりで、正直否定的な感情でおりましたが、鑑賞してこの薬売りさんも好きになれました。
神儀の姿も前作とガラッと変わっていますが、神々しくてそれもまた良しです。薬売りから神儀の姿へ移る時の演出はテレビ版よりも丁寧に描写されいてワクワクしました。
内容ですが、皆さんおっしゃっているように少し難しいです。
大筋はすんなり入ってくるのですが、察してくれという様な細かな仕草やセリフ、仕掛け、伏線のように感じる所が沢山あります。それらが全て解決する訳では無いので少々複雑に感じるのかなと思います。
ただ、最後のサプライズ?で今回の話の中で解決しきれないことも全て納得です。
御水様の紐は3本あったので三部作ですかね?とても楽しみです。
スタッフロールの映像も、なぜあの場所の絵なのかとモヤモヤされている方が多く見受けられますが、あそこが大奥を取り巻くの歪みというか、怪異の大元なのではないでしょうか?
今作では井戸の底の場所については特に深堀はなく、御水様について多くの疑問が残りました。きっと今後の鍵になってくる場所だと思ってます。
公開初日と2日目の計2回見ましたが、1回目で話の流れを掴んで、2回目で細かいところの答え合わせというか、再確認みたいな感じで見ました。まだまだ見逃しているところもあると思うのでまた見に行こうと思います。
誰の行動に感情移入出来るかで評価は変わると思われ
まず最初に、ノベライズされたものは読んでません。
なので映画のみの感想です。
視聴してみてカメやアサの言動の真意を理解しようとしましたが結構苦痛で、出来ませんでした。
私の理解不足なのでしょうが何で唐傘として害を為すようになったかわかりませんでしたし、何かありげな井戸の底や登場人物も沢山出てきますが、今回の件だけならオチに全然絡まないので、多分三部作だと思うのですが、全部観なければわからないのかも知れません。
何となく形と真と理が揃ってない感じなのに抜けちゃった今作の退魔の剣はゆるゆるでした。
全く予備知識なしで鑑賞
映像が綺麗!和紙に絵を描いたように下の模様が見えていて、そのまま静止画でも良い画なのにこれが動くんだからまぁ、手間のかかる事!
お城の内部の壁紙も現代アートを取り入れて見ていて全く飽きない。アウトサイダーアートもあったな?美術館に通うのが好きな人は見た方が良いですよ。
焼き味噌入りオニギリの匂いを表現するのに、幾何学模様の四角のエフェクトを使っている表現は初めて見たけど、オニギリ美味そうだった。食い物を美味そうに見せるってかなりテクニックいりますね?
「 この部屋、天井はどうなっているんだろ?」 と気になったが、部屋の中に雲が浮かんでいたし、あまり気にしなくてもいいか。
大奥内部の内輪揉めに巻き込まれた、女の子二人が「 ロールシャッハみたいな、顔がうず巻いている異形の化け物達 」 に囲まれているうちに、霊感に目覚めて、謎の薬屋さんと共に妖怪唐傘お化けと戦うお話し。
お薬屋さんが、謎の刀を持って戦うんだけど、その時の変身した姿が元の姿よりも格好良くないのはご愛嬌。
もっと、妖怪をばっさばっさ切り捨てると思ってたんだけどラストで一体だけだったのは残念。とはいえ、妖怪を探知するヤジロベエみたいな玩具とか、妖怪を斬る剣とか小道具もいちいち手が込んでいて見飽きない。
続編もあるそうなので、次回はもうちょいアクション多めでお願いします。TVアニメを見てなくても楽しめる作品でした。
来年の3月14日に続編が公開される事が決定しているようです。
生臭いみず…。
男子禁制の場、女性でも交通手形が必要な大奥、その大奥で新人女中として来たアサとカメと薬売りの話。
大奥に潜む怪異、消えた独りの女中の謎と…、モノノ怪の気配を感じた時に静かに座り待ってた薬売りが動きだす。
アサとカメの女中がメインで事が起こらない序盤、正直ストーリーよりも本作の色彩感の凄さと鮮やかさに見いっちゃってストーリーが何か入ってこない。
モノノ怪の気配を感じ動きだした瞬間に流れたBGMのカッコ良さと少し覚醒する薬売りがカッコ良く、本作アニメの下地に見える和紙?柄も効いてて渋さ増し、覚醒変身の草売りにはさらにカッコ良く興奮。
あとアニメキャラのわりにアサとカメが可愛いしキレイだし色気あり。
余談ですが私服は基本モノトーンかネイビー、しか着ない私ですが本作観ると、色の組み合わせに決まりはないんだなとも思わせてくれました…、とは言ってもかなり計算された色の組み合わせにも感じたし真似してもあの色のバランスは出せなそう。
第2章楽しみにしてます!
全61件中、41~60件目を表示