「説明を廃した異様な緊張感がほぼ全編にわたってみなぎる」ジェントル・クリーチャー 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)
説明を廃した異様な緊張感がほぼ全編にわたってみなぎる
多くを語らない主人公の女性の疑問と怒りに満ちた表情と、説明を廃した異様な緊張感がほぼ全編にわたってみなぎり、見ている者は無意識に奥歯を食いしばっていることに気づくでしょう。全体主義国家の腐敗や不条理に翻弄されるとはいったいどういうことなのか。市民=個人の自由や人権よりも、国家や民族の意志や利害が優先される政治思想に対し、ウクライナ出身のロズニツァ監督の沸点ギリギリの熱い思いが伝わってきます。
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