劇場公開日 2023年7月21日

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「物語の展開などにいろいろ意見は出るとしても、まずはこれだけ映画ファンのために身体を張ってくれるトム・クルーズに感謝したい一作」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0物語の展開などにいろいろ意見は出るとしても、まずはこれだけ映画ファンのために身体を張ってくれるトム・クルーズに感謝したい一作

2023年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作では、割とこれまでのシリーズのキャラクターあるいは過去作のエピソードと関係のある人物が登場するんだけど、もちろんそんな前知識なくても、160分越えの長尺を存分に楽しむ仕掛けに満ちています。

本作に限らず本シリーズの特に近作は、まずトム・クルーズとクリストファー・マッカリー監督が話し合って撮りたいアクションを決め(今回では特に実際の列車を使ったアクションに重点を置いたとのこと)、アクションシーンをつないだ後から物語の筋をくっつける、という制作方法をとる傾向にあるらしいのですが、そんな作り方でよく過去作と関連づけた筋立てを思いつくな、とむしろ感心してしまいます。

予告編でも登場するスカイダイビングや手錠を使ったアクションの迫力は言わずもがな。CGもスタントも使わず、迫力とエンターテイメント性を極限まで追求するトム・クルーズの姿勢には感謝しかありません。脇を固める俳優陣も、アクションに負けないキャラクターの立ち方をしていますが、特に注目に値するのは謎の暗殺者パリスを演じたポム・クレメンティエフ。狂気に満ちた笑顔と雄たけび、そしてなぜか異様にファッションセンス度が高い彼女は、ほとんど台詞がないのに尋常じゃない存在感を放っています。

結末まできて実は前編だったことを知らされ、「まだ続きがあるんかい!」となる大作映画がちらほらある中で、堂々と「パート1」を謳っているところも好感度高いです。とにかく劇場で観ないとほぼ意味のない本作。映画でもストライキ問題でも身体を張り続けるクルーズに、作品の賛否はともかくひとまず心の中で感謝してから鑑賞しましょう。

yui