天間荘の三姉妹のレビュー・感想・評価
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遠浅
あの世とこの世の間にある町三ツ瀬という町の旅館天間荘に、長女で若女将ののぞみ、イルカトレーナーの次女かなえの腹違いの三女たまえがやってくる話。
臨死状態の客がやってきて、あの世に行くかこの世に戻るかを決めるまでの時間を過ごす天間荘という設定だけど、町の住人は皆この世には戻れない=死んだ人。
ってことは成仏出来ていない人ということですね。
面倒臭い婆さんとかヤサグレギャルとかを絡
めつつ、家族という存在と過ごせる喜びや素直に生きる素晴らしさみたいなものを伝えてくるよは良かったけれど、匂わせ程度で色々明かさずに展開して行くのに、住人の思い出的に生きている人まで登場させちゃうから解り難いところもチラホラ。
祈り子の夢的な?
全部人のせいにする思想がなんちゃらと言っておいて、そこに対する変化が良くみえなかったり、ファンタジーだからご都合主義的なのはツッコミ無用とはいえ、なんで?と思うところが結構あったりもしたけれど、まあ前向きで良いのかなという感じ。
えっ、ここからまだ1時間もあるの?とは思ったが必要な時間だった
2022年劇場鑑賞252本目。
漫画も釈由美子版スカイハイも観ていないので、正直地獄少女みたいな悪人が死んだ後裁かれる怖い話だと思っていました。
「おいきなさい」というセリフとともにドーン!って地獄に叩き落されるみたいな。
全然違いましたわ!
生死の境をさまよっている主人公が現世とあの世のはざまにある旅館に案内されるのですが義理の母と母違いの姉二人が住んでいるという。えっ、全員?そんな年齢でもないのにどういうこと?と思っていると他にも人が大勢いて普通に生活を送っているんですね。じゃ無理にここから出ていく理由なくない?と思っていたらその理由が明かされて来て・・・という話。
残念ながら事前に○○のシーンがありますとネタバレされたおかげでそれは読めちゃうんですが、それでもやっぱり泣いちゃいました。
のんが魚を扱っているとどうしてもさかなクンに見えちゃいますね(笑)
『のん』と海の相性の良さを、思い知らされるのは幾度目か
「天間荘」は天上と地上の狭間に在る
古風な宿屋。
そこは臨死状態にある人の魂が辿り着き、
疲れを癒しながら、天上に旅立ち死を迎えるのか、
それとも地上に舞い戻り再び生きる決意をするのかを決める一時投宿の場所。
しかし、滞在期限は決められておらず、
随分と長い間逗留する人も居る様子。
そんな場所にある日
『小川たまえ(のん)』がやって来る。
彼女が何故臨死になったかは触れられぬが、
既に「天間荘」で働いている二人の姉妹の
腹違いの妹であることが冒頭に示される。
ここで我々の世代は、最早ニヤリとしてしまう。
彼女等の名前って
〔欽ちゃんのどこまでやるの!〕の三つ子の設定だよね?
原作者の『髙橋ツトム』も同年代でしょ(笑)。
さはさておき、
では宿屋の人々、或いは「天間荘」が在る町「三ツ瀬」の住人は
一体どのような境遇なのとの疑問は当然の如く湧き上がる。
これにも幾つかのヒントはあり、
中途で「ははん」と思い当たるのだが、
やはりその設定は相当に切ない。
物語は、「天間荘」で働くことになった『たまえ』が
自身と同じ境遇の人達と触れ合う中で、
生きることの意味と価値を見い出して行く。
積み重ねられる幾つかのエピソードは、
一見して不幸な境遇に置かれている当人はそう感じていなくても、
実は周囲には自分のことを慮ってくれる人が多く居ることを
改めて提示する。
かなりの長尺のこともあり、
それに纏わるお話は十分に過ぎるほど語られるわけだ。
世に「天寿を全うする」との言葉がある。
「長生きをする」とか「病気や事故でなく自然死する」の意との認識も、
長命でなくとも、また突然断ち切られた命であっても、
それまでの時間をどう濃密に生きたのかが
その人が存在した証になるし印象付けるとの想いを改めて強く持つ。
生きている人に記憶されている限り、
亡くなった人間の二度目の死は有り得ないのだから。
最近駄目な中年が板に付いて来た『永瀬正敏』を除けば
本作はほぼほぼ女優さん達を愛でるための一本。
老いも若きもバシバシと演技に火花を散らし
鑑賞する側はなかなかの眼福の二時間半。
ストーリーが心に刺さる
そっちの話しなのかー(T_T)
観終わってみれば残念な結果に😢
ストーリーの設定が何とも…。
長いだと?!
良かった。
この世界は大変だけど悪くない
天界と地上にある街の老舗旅館・天間荘を舞台に繰り広げられるヒューマンファンタジー。人生を見つめ直す大切さや広い視野を持つことの重要さを教えてくれる作品であり生きる意味について深く考えさせられた。
上映時間は150分という長尺だが中身が濃いので時間の長さを感じさせない満足度の高い作品に仕上がっている。
キャスト陣も豪華でそれぞれの個性が上手くマッチしていて見応え充分。その豪華キャスト陣の中で主演を演じたのんは彼女らしい魅力が溢れ出ていてラストも素晴らしかった。
2022-197
タイトルなし
主演女優のんの天真爛漫さは、死後と霊界を描く作品でありながら線香臭さは微塵も感じさせません。
本作は、かつてので人気となった髙橋ツトムの漫画で、『スカイハイ』のスピンオフ作品が原作。ドラマの『スカイハイ』シリーズでは、“怨みの門”門番イズコを演じた釈由美子が放つ名セリフ「お逝きなさい‼」が流行語になりました。
この作品は互いに「盟友」と呼び合う『スカイハイ』シリーズ監督してきた北村龍平と原作者の髙橋ツトムが交わした会話がきっかけとなり、7年間の構想を経て映画化されたものです。
東北大震災がきっかけとなり、天空と地上の狭間に誕生した街、三ツ瀬。そこはこの世と全く変わらない光景が展開していて、海に面した風光明媚な観光地が拡がっていました。そこで営業する温泉老舗旅館「天間荘」が舞台となっています。
美しい海を見下ろす天間荘では、三姉妹の長女(大島優子)が若女将として切り盛りし、今も自分を捨てた夫を呪う母親の大女将(寺島しのぶ)から厳しく指導を受ける一方、次女(門脇麦)は家業そっちのけで恋愛とイルカのトレーナー職に邁進していたのです。
そんな女たちの館に謎の女性イズコ(柴咲コウ)に連れられ、末の妹たまえ(のん)が到着し、物語は幕を開けるのです。自分と違う女性が産んだ子である彼女に、大女将は苛立ちや困惑を隠せません。結局、天間荘の客ではなく従業員扱いで働くことになったたまえですが、それでも素直で健気な妹をのぞみ(大島優子)とかなえ(門脇麦)の二人の姉は温かく見守るのでした。
そしてイズコはたまえにこう言うのです。「天間荘で魂の疲れを癒して、肉体に戻るか、そのまま天界へ旅立つのか決めたらいいわ」と。たまえにも刻々と「決断時」の時が近付いていくのでした。
当初は姉妹の関係性を描く「普通の映画」かと思わせますが、だとすると天間荘への途上で説明されるたまえの境遇が信じ難い描き方だと思いました。あとでわかることですが、実はたまえは交通事故で現世で臨死状態にあったのです。そして天間荘での滞在中に生死を自分で決めなければならないという宿命を背負って宿にやってきたのでした。そして、イズコは天空と地上の狭間を仕切る門の門番だったのです。
たまえがそんな瀕死の状態にあるとは思えないすこぶる元気そうな様子なので、見ている方は、半信半疑になりました。実際、序盤では天間荘のあまりにどこにでもありそうな老舗旅館ぶりを見せつけられると、現世とあの世のあいだにいわばバーチャルに存在する仮の宿だなんということに、とても違和感を感じてしまいました。この違和感は、後半までずっと続いていくのです。本作は、「普通の映画」と現実離れしたファンタジーのあいだを漂う映画だったのです。
この「普通の映画」ぽさは、一連の『スカイハイ』シリーズを手掛け、アクションやホラーが得意な北村監督が、今回はあえて作風を変えることに挑戦したことによるものだそうです。テーマは東日本大震災。日本人共通の悲劇に対し、ストレートにメッセージを伝えたいためだったのかもしれません。
いつもの個性的で凝った演出と違い、けれん味のないオーソドックスなスタイル。喪失と再生のドラマを情感豊かに描くという新たな面も見せせてくれました。そのため『スカイハイ』シリーズのファンであっても、予備知識なしで見始めると、最後の場面になるまで北村監督作だと気づかなかいくらい普通のドラマに感じることでしょう。
その点オリジナルの『スカイハイ』シリーズでは、不慮の事故や殺人によって命を落とした者が訪れる「怨みの門」が前提としてあり、ここの番人であるイズコが、死者の現世の記憶や残された者たちの様子を見せて、最後に死者に次の3つの選択を出すというものでした。
・「死を受け入れて、天国で再生を待つか」(生)
・「死を受け入れず、現世で彷徨い続けるか」(行)
・「現世の人間を1人呪い殺し、地獄へ逝くか」(逝)
果たして死者は、何を選ぶのかと登場人物にファイナルアンサーをさせるところに強いドラマ性があったのです。
ところが三ツ瀬で暮らす人々は、東北大震災で死が確定し、成仏できずに流れ着いた人ばかり。ほぼ行く先は決まっていることが前提になって物語は進んでいくのです。その中で、臨死状態ではあるけれど、まだ生きているたまえがやってきたのは異例のことでした。こうしたことから、物語が予定調和のように進んでしまうところがやや残念なところです。もう少し昇天を決断するときの葛藤を描いて欲しかったです。
それでも、主演女優のんのトリックスターめいた天真爛漫さは、死後と霊界を描く作品でありながら線香臭さは微塵も感じさせませんでした。(水族館も舞台のひとつのため、のんがいきなりギョギョギョ!と叫びそうになるような展開でした(^^ゞ)
家族や近しい人たちとの繋がりという、決して他人事ではない身近なテーマとして描かれているので、あの世のことや宗教を否定する人でも、思わずホロリと感情移入してしまうことでしょう。狙い通り、誰もが素直に共感できる作品となったことについては、北村監督の円熟も感じさせてくれました。
人生の晩年に際して、お迎えが近くなってこのあとどうなるのか不安に感じている高齢者の方にはぜひお勧めしたい作品です。
東北大震災で成仏できなかった人たちが、三ツ瀬で「天国で再生」という決断を下すとき、口々に来世でまた会おうと約束しあいます。今世の死が終わりではなくて、また来世の人生が続いていって、やり直しができるのだということが、特に高齢者の方には希望のメッセージとなることでしょう。
また現世に戻ることを選択した人には、三ツ瀬の高台からこの世へ飛び降りることが待ち受けていました。まるでこの世に転生を決めた魂が、誕生前に経験する試練とそっくりなのですです。
この世そっくりに描かれる三ツ瀬の世界。それは天空と地上の狭間にできた仮の空間だけではなく、この世そのものが存在の実態のない仮の空間なのだと思えました。
誕生から帰天までの一瞬のような短い時間の刹那。その中でわたしたちは本作の終盤でも語られるように、それぞれが目的と使命を持ってこの世に誕生します。それは誰一人とっても無駄のない、誰もがこの世で求められている人生であるわけです。それを感じて欲しいですね。
加えて、この世に無事戻ってきた人たちは、天間荘の記憶を失っていませんでした。そして強く感じるのです。天間荘で出会った人一人ひとりを思い出す度に、その人がこの胸の中で生きていて、今もつながっているのだと。
仏教の三宝印では、このことを『諸法無我』といいます。ひとの命は「大河の一滴」のようなものである。みんなつながっていて、一つの大きな命の一つなんだと。
最後に三姉妹の名前が傑作です。のぞみとかなえとたまえで、『のぞみかなえたまえ』です。三姉妹の願いが叶うといいですね。
【鎮魂歌】
予告編を見て海街diaryみたいなのだと思っていたら全然違いました💦
現世と来世の間の世界にある旅館・天間荘。臨死状態の のん が、ここであの世に行くか現世に戻るかの決断を迫られるのですが。そこにいるのは父親の別れた奥さんとその娘姉妹。
てことは何かの事故でみんな死んでしまったの?町の人たちは???
途中まで設定がよくわからずもやもやしてたんですが、終盤になってそこが震災で失われた町だとわかってからはもう涙。(僕も震災後ボランティアでしばらく滞在していた町が舞台なので余計にグッときました) まさかこんな映画だったとは。
門脇麦がイルカのトレーナー、妹の のん もお姉さんの後を継いで新米トレーナーに🐬
のんが「さかなの子」のままなのと、ウェットスーツが時代によってデザインが変わってたりしてちょっと笑っちゃいました。
釈由美子が"お行きなさい"ってやってた「スカイハイ」のスピンオフ。て、2003年のドラマだからみんな知らないか?(笑)今回の「お行きなさい」は柴咲コウ。もうドンピシャすぎて流石!
内容を全然知らずに見てしまったのですが思わぬ拾い物の一本でした。
鎮魂の物語
この違和感はなんでしょう‼️❓主観的なものでしょうか‼️❓
のぞみ、かなえ、たまえ
さすが北村流、素晴らしい
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