天間荘の三姉妹のレビュー・感想・評価
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この世界は大変だけど悪くない
天界と地上にある街の老舗旅館・天間荘を舞台に繰り広げられるヒューマンファンタジー。人生を見つめ直す大切さや広い視野を持つことの重要さを教えてくれる作品であり生きる意味について深く考えさせられた。
上映時間は150分という長尺だが中身が濃いので時間の長さを感じさせない満足度の高い作品に仕上がっている。
キャスト陣も豪華でそれぞれの個性が上手くマッチしていて見応え充分。その豪華キャスト陣の中で主演を演じたのんは彼女らしい魅力が溢れ出ていてラストも素晴らしかった。
2022-197
タイトルなし
私としては、映画やテレビドラマでの、のんさん初見です。
一生懸命がにじみ出てよかった。
あと、大島さん、演技旨いなー。
ストーリーは前に漫画で見たのでえいがになったらどうなるかと期待していましたが、期待どうりでした。
………でもこの作品、寺島さんが主役でもいいのではと思った人は自分のだけでしょうか?
また、チョイ役のビッグなこと。
主演女優のんの天真爛漫さは、死後と霊界を描く作品でありながら線香臭さは微塵も感じさせません。
本作は、かつてので人気となった髙橋ツトムの漫画で、『スカイハイ』のスピンオフ作品が原作。ドラマの『スカイハイ』シリーズでは、“怨みの門”門番イズコを演じた釈由美子が放つ名セリフ「お逝きなさい‼」が流行語になりました。
この作品は互いに「盟友」と呼び合う『スカイハイ』シリーズ監督してきた北村龍平と原作者の髙橋ツトムが交わした会話がきっかけとなり、7年間の構想を経て映画化されたものです。
東北大震災がきっかけとなり、天空と地上の狭間に誕生した街、三ツ瀬。そこはこの世と全く変わらない光景が展開していて、海に面した風光明媚な観光地が拡がっていました。そこで営業する温泉老舗旅館「天間荘」が舞台となっています。
美しい海を見下ろす天間荘では、三姉妹の長女(大島優子)が若女将として切り盛りし、今も自分を捨てた夫を呪う母親の大女将(寺島しのぶ)から厳しく指導を受ける一方、次女(門脇麦)は家業そっちのけで恋愛とイルカのトレーナー職に邁進していたのです。
そんな女たちの館に謎の女性イズコ(柴咲コウ)に連れられ、末の妹たまえ(のん)が到着し、物語は幕を開けるのです。自分と違う女性が産んだ子である彼女に、大女将は苛立ちや困惑を隠せません。結局、天間荘の客ではなく従業員扱いで働くことになったたまえですが、それでも素直で健気な妹をのぞみ(大島優子)とかなえ(門脇麦)の二人の姉は温かく見守るのでした。
そしてイズコはたまえにこう言うのです。「天間荘で魂の疲れを癒して、肉体に戻るか、そのまま天界へ旅立つのか決めたらいいわ」と。たまえにも刻々と「決断時」の時が近付いていくのでした。
当初は姉妹の関係性を描く「普通の映画」かと思わせますが、だとすると天間荘への途上で説明されるたまえの境遇が信じ難い描き方だと思いました。あとでわかることですが、実はたまえは交通事故で現世で臨死状態にあったのです。そして天間荘での滞在中に生死を自分で決めなければならないという宿命を背負って宿にやってきたのでした。そして、イズコは天空と地上の狭間を仕切る門の門番だったのです。
たまえがそんな瀕死の状態にあるとは思えないすこぶる元気そうな様子なので、見ている方は、半信半疑になりました。実際、序盤では天間荘のあまりにどこにでもありそうな老舗旅館ぶりを見せつけられると、現世とあの世のあいだにいわばバーチャルに存在する仮の宿だなんということに、とても違和感を感じてしまいました。この違和感は、後半までずっと続いていくのです。本作は、「普通の映画」と現実離れしたファンタジーのあいだを漂う映画だったのです。
この「普通の映画」ぽさは、一連の『スカイハイ』シリーズを手掛け、アクションやホラーが得意な北村監督が、今回はあえて作風を変えることに挑戦したことによるものだそうです。テーマは東日本大震災。日本人共通の悲劇に対し、ストレートにメッセージを伝えたいためだったのかもしれません。
いつもの個性的で凝った演出と違い、けれん味のないオーソドックスなスタイル。喪失と再生のドラマを情感豊かに描くという新たな面も見せせてくれました。そのため『スカイハイ』シリーズのファンであっても、予備知識なしで見始めると、最後の場面になるまで北村監督作だと気づかなかいくらい普通のドラマに感じることでしょう。
その点オリジナルの『スカイハイ』シリーズでは、不慮の事故や殺人によって命を落とした者が訪れる「怨みの門」が前提としてあり、ここの番人であるイズコが、死者の現世の記憶や残された者たちの様子を見せて、最後に死者に次の3つの選択を出すというものでした。
・「死を受け入れて、天国で再生を待つか」(生)
・「死を受け入れず、現世で彷徨い続けるか」(行)
・「現世の人間を1人呪い殺し、地獄へ逝くか」(逝)
果たして死者は、何を選ぶのかと登場人物にファイナルアンサーをさせるところに強いドラマ性があったのです。
ところが三ツ瀬で暮らす人々は、東北大震災で死が確定し、成仏できずに流れ着いた人ばかり。ほぼ行く先は決まっていることが前提になって物語は進んでいくのです。その中で、臨死状態ではあるけれど、まだ生きているたまえがやってきたのは異例のことでした。こうしたことから、物語が予定調和のように進んでしまうところがやや残念なところです。もう少し昇天を決断するときの葛藤を描いて欲しかったです。
それでも、主演女優のんのトリックスターめいた天真爛漫さは、死後と霊界を描く作品でありながら線香臭さは微塵も感じさせませんでした。(水族館も舞台のひとつのため、のんがいきなりギョギョギョ!と叫びそうになるような展開でした(^^ゞ)
家族や近しい人たちとの繋がりという、決して他人事ではない身近なテーマとして描かれているので、あの世のことや宗教を否定する人でも、思わずホロリと感情移入してしまうことでしょう。狙い通り、誰もが素直に共感できる作品となったことについては、北村監督の円熟も感じさせてくれました。
人生の晩年に際して、お迎えが近くなってこのあとどうなるのか不安に感じている高齢者の方にはぜひお勧めしたい作品です。
東北大震災で成仏できなかった人たちが、三ツ瀬で「天国で再生」という決断を下すとき、口々に来世でまた会おうと約束しあいます。今世の死が終わりではなくて、また来世の人生が続いていって、やり直しができるのだということが、特に高齢者の方には希望のメッセージとなることでしょう。
また現世に戻ることを選択した人には、三ツ瀬の高台からこの世へ飛び降りることが待ち受けていました。まるでこの世に転生を決めた魂が、誕生前に経験する試練とそっくりなのですです。
この世そっくりに描かれる三ツ瀬の世界。それは天空と地上の狭間にできた仮の空間だけではなく、この世そのものが存在の実態のない仮の空間なのだと思えました。
誕生から帰天までの一瞬のような短い時間の刹那。その中でわたしたちは本作の終盤でも語られるように、それぞれが目的と使命を持ってこの世に誕生します。それは誰一人とっても無駄のない、誰もがこの世で求められている人生であるわけです。それを感じて欲しいですね。
加えて、この世に無事戻ってきた人たちは、天間荘の記憶を失っていませんでした。そして強く感じるのです。天間荘で出会った人一人ひとりを思い出す度に、その人がこの胸の中で生きていて、今もつながっているのだと。
仏教の三宝印では、このことを『諸法無我』といいます。ひとの命は「大河の一滴」のようなものである。みんなつながっていて、一つの大きな命の一つなんだと。
最後に三姉妹の名前が傑作です。のぞみとかなえとたまえで、『のぞみかなえたまえ』です。三姉妹の願いが叶うといいですね。
【鎮魂歌】
予告編を見て海街diaryみたいなのだと思っていたら全然違いました💦
現世と来世の間の世界にある旅館・天間荘。臨死状態の のん が、ここであの世に行くか現世に戻るかの決断を迫られるのですが。そこにいるのは父親の別れた奥さんとその娘姉妹。
てことは何かの事故でみんな死んでしまったの?町の人たちは???
途中まで設定がよくわからずもやもやしてたんですが、終盤になってそこが震災で失われた町だとわかってからはもう涙。(僕も震災後ボランティアでしばらく滞在していた町が舞台なので余計にグッときました) まさかこんな映画だったとは。
門脇麦がイルカのトレーナー、妹の のん もお姉さんの後を継いで新米トレーナーに🐬
のんが「さかなの子」のままなのと、ウェットスーツが時代によってデザインが変わってたりしてちょっと笑っちゃいました。
釈由美子が"お行きなさい"ってやってた「スカイハイ」のスピンオフ。て、2003年のドラマだからみんな知らないか?(笑)今回の「お行きなさい」は柴咲コウ。もうドンピシャすぎて流石!
内容を全然知らずに見てしまったのですが思わぬ拾い物の一本でした。
鎮魂の物語
まずこの映画は東日本大震災で突然失われた魂が核となっている
でも殆どそこを大きく打ち出していない
かといって特に伏せているわけでもなく、そこが疑問
もしかしたら何かの配慮かもしれないけど「号泣率○%」とかの宣伝よりも、静かに実直にあの日失われた命に対する鎮魂であることを打ち出した方が良いのじゃないのか
だからこそ東北に縁のあるベテランが多数ワキを固めていることも説得力がある
とはいえ、俳優陣は素晴らしくまさにオールスターキャストであり豪華な女優映画でもある
いくつかのシーンは個人的には疑問をかんじたけど全体としては家族愛や人の繋がりに真摯な映画だと思った
この違和感はなんでしょう‼️❓主観的なものでしょうか‼️❓
脚本が支離滅裂、演出が最低、まるで、間違えて、大川隆法の映画、幸福の科学の映画を見てしまった、記憶が。
いじめられて、自殺未遂の子が前半、後半は震災、どうして混濁するのでしょうか、自殺未遂は生き返り、震災はノンのみが生き返り、死んだ人は宿屋の女将が終わりを告げる。
走馬燈みたいなのがこのチープさを象徴してる、トホホ。
最後は、能年玲奈のあまちゃんを彷彿させて、少し感動、いやはや、ノンだけでしょ、いかんな、わざとらしい、そう思う演出や映像。
でも、能年玲奈はなかなか観れないので、是非。
指摘の表現は反省して改変しました。
のぞみ、かなえ、たまえ
その三姉妹で「わらべ」を思い出したら間違いなく昭和の人です(笑)キャスト豪華です。しかし、途中ダラダラとしたストーリー展開。。CGも失笑レベル。。でも、それ抜きでも私は良かったと言える。「世界はこんなに大変だけど、世界はそんなに悪くない」やっと出来た家族に生きる希望を与えられた。世の中辛い事だらけだけど、人のせいにばかりしてたら辛いまま。沢山の方が亡くなった先の大震災能年玲奈をキャスティングした理由も分かった気がする。
さすが北村流、素晴らしい
若女将のアップから始まり、徐々にメインに入っていくあたり素晴らしい。
大島さん、のんさん、三田さん、柴崎さん他の演技力が素晴らしく光ってます。
後でわかるのですが、あることにより重大な事かわかるあたりも素晴らしいすぎる。
特筆すべきはのんさんの演技力の素晴らしさ、さかなのこに続きナチュラルな演技力が光ります。
ジーンと涙がこみ上げてくる本作品は
すばらしい。さいごのビューティフルワールドでもっていかれました。
ぜひとも劇場で御覧頂きたいです。
漫画家・高橋ツトムの代表作「スカイハイ」のスピンオフ作品「天間荘の...
漫画家・高橋ツトムの代表作「スカイハイ」のスピンオフ作品「天間荘の三姉妹」を実写映画化。
物語の軸となる三女たまえをのん、次女かなえを門脇麦、長女のぞみを大島優子が演じ、母親役で寺島しのぶ、父親役で永瀬正敏、イズコ役で柴咲コウが共演。「あずみ」「ドアマン」の北村龍平が監督を務めた。
とても興味深い世界、ちょっと違和感はあるけど、伝えたいことはよくわかる😊
地上と天界の間にある「三ツ瀬」という不思議な世界の物語。
もしかしたら、こんな世界があるかもしれないと思うけど、この映画のような世界はちょっと違う気がする😨
なぜなら、三ツ瀬があまりにも幸せ過ぎて、こんなに居心地が良ければ、誰も旅立とうとしないし、旅立ちたくないだろうなと…(^^;
私には、こういう世界がもしあったとしても、自分の意思で旅立つというのではなく、強制的に旅立たされるか、或いは何らかの理由で追い出されてしまうんじゃないかなと思ってしまう😅
それはさておき、この映画では、のんちゃん演じるたまえの感覚が、視聴者の感覚と同じで、三ツ瀬の世界は現実の世界と変わらず、現世にいるように思える。
死んだはずの人達がこんなに元気そうに暮らしているなら、このままでいいと思うのもごく自然の感覚、なのにいつかこの世界も終わってしまうと告げられる😓
それも、強制的に終わるのかなと思っていたら、そうではなく、自分達の意思で旅立つ決意をしているところに違和感を感じる😨
終わるときまで待っていたらいいのに、あえて自ら旅立つなんてことをするだろうか⁉️
でも、この映画でよかったなと思えたのは、たまえが現実世界に戻ってからの生き様かな😋
残された者達は、死んだ人達の思いを背負って生きているんだというくだりは、大震災なんかで家族や友人を失くされた方への心強いメッセージになるだろうし、自分自身に対しても、生きる意味=「生きがい」を教えてもらった気がする🌠
いずれにせよ、この世に生きている者達は、いろんな人達の思いを背負って生きているんだから、その思いに答えるような生き方をしなさいよ、というメッセージを感じさせてくれる映画かな…と‼️
せめて作品の中だけでも…。
出演の3人以外にも
寺島しのぶ、高良健吾、永瀬正敏など
キャストが魅力的だったので劇場へ。
以前の北村龍平監督作品とは異なる
穏やかでストレートなドラマ。
ありがちなエピソードに
少し物足りなさを感じていると…。
後半ある事実が明かされ印象に変化が。
この作品はあの災害で
さよならを言えず逝ってしまった人達への
鎮魂歌でもあるのだと感じました。
せめて作品の中だけでも
さよならを言わせてあげたい…。
死について真剣に考えた事ある人はハンカチ必須。
自分の死、大切な人の死について真剣に考えた事ある人はハンカチ必須です。そんな泣くと思ってなかったのですが、上映中の3/4は泣いてました。泣きすぎて頭痛くなりました。生きているときに、誰かとの繋がりを感じる事。それが幸せであり、自死を思い止まらせるものなのかなと思いました。周りの年配、サラリーマン風の男性も泣いていました。この映画のヒロイン、たまえ役の、のんちゃん。魂が、瞳が綺麗すぎて途中からたまえではなく女優ののんちゃんとして、みていました。「綺麗な景色に気付いてないだけだよ」と言ったシーンもジーンときました。のんちゃんみたいた人間が近くにいてくれたら小さな幸せになんでも気づけそうだなと思いました。最近みた映画で一番心に刺さりました。メンタル疾患を持っている方にもおすすめしたい映画です。
確かにかなり良い「市民映画」だ❗️ただその真っ当さが両刃の剣。あと少し最後冗長。
もう20分短ければ、星⭐️⭐️⭐️⭐️4以上なんだけど・・
製作陣のこだわりだと思う。けど、興行的にはもう少し最後の場面あたりは編集して削ってくれた方がありがたい。
事前のリーフで「市民映画」と売り出している。
それに反応できる善良な映画ファン。
その期待に予定調和的に応えている「真っ当な作品」
「走馬灯」は誰でも使う表現だが、実際走馬灯【霊的な意味の】
が映像化はそんなに多くはない。
あの世とこの世との中間地帯というところは
かなりプロット、構成的に弱いけれども
そもそもそれに腹を立てる大人気ない人は本作わざわざ映画館で観ないから全く問題なし、ノープロブレム【和製英語】
生まれたこと
生きてきたこと、家族、仲間、そして誰も【平等に】予測できない死。
どうしようもない人生。ダラシのない人生。報われない人生
多分「幸せな人生」の人より、ちょっと嫌な人生の人が多いはず。
ある意味「黄泉がえり」にも通ずる=柴咲コウ
主役の「のん」的には旧名能年玲奈デビューブレイクの「あまちゃん」を思い起こさせる。
確かに震災の悲劇の傷は癒えることは無いだろけれども
さすがに11年経過だと「不条理=定めだったのだ。」と完全再生の時期だと個人的に思う。
【地震ではありませんが私も大切な人を事故で突然失いました。でも1年+10年で、現実のみ見るようになりました】
特殊効果駆使の映像、風景も普通で良い
こういう「死に様・生き様」作品は力点を絞って・・チャチャチャと見せてくれると良いのだ❗️
「人の命の有限性に気づく」ことが全てだから
チョット親子の間、夫婦の間の泣かせどころは予想通りの許容範囲。
なんか 玉置浩二&絢香【前者は勿論お馴染みだけれども、後者は知らない・・最近、・・香・・緒とか芸名が没個性で誰が誰だかわからない】の美しき世界【正式名称は英語】はエンドロール画像を凌駕している力強さ。
最近のエンドロールテーマソングは印象ない場合が多いからここは秀逸。
まあ、日本的な良い作品です。さっぱり訳わからない「アムステルダム」観た後だけに・・ゆったり観られました。
イヤイヤでも20分と言わず30分削った方がいいってば・・。
亡くなった人達と生きる人達に寄り添う
臨死状態のたまえは現世と天国の間の三ツ瀬にやってくる。
三ツ瀬で出会う知らなかった家族、同じように街にやってきた癖のある人達との交流をゆっくりと描いている。
たまえによって皆んなの心境が変わっていく姿が観ていて嬉しくなる。
そしてこの町にいる人達に何があったかが分かり、たまえの役割が明らかになっていく。
唐突に命を奪われた人達の無念さは想像するだけで辛い。
三ツ瀬の人たちのように楽しく安らかにあってほしい。
そして残された人達の悲しみも…柳葉敏郎の静かな演技で伝わってくる。
のんは前向きでさかなのこのミー坊じゃんと思ったが、後ろ向きになったり本心が見えなかったり…読めない感じの役はのんにあってる。
大島優子綺麗すぎてびっくり。最初の画面アップに耐えられる人はあんまりいないよ。
柴咲コウの謎の美女役は似合いすぎ。今後一定の需要がありそう。
もっとテーマを絞って、普遍性や一貫性を持たせた方が良かったのでは?
不遇で孤独な人生を送った末に臨床状態となった者が、天国に行くのか現世に戻るのかを選択するという話だと思っていたら、大災害で突然命を絶たれた人びとが、自らの死を受け入れて成仏する話になる。
臨床状態の登場人物は、主人公を含めて3人だけで、選択までの過程が比較的丁寧に描かれるのに対して、災害で亡くなった人は数十(百?)人もいる上に、(漁師の青年以外は)水族館でまとめて経緯を説明された後に、旅館で集団で昇天していくという雑な扱いで、バランスが悪い。
それぞれに、「誰にでも必要としてくれる人がいる」であるとか、「死んでも心の中に生きている」といったメッセージが用意されてはいるが、それらが、すべて台詞で説明されてしまうので、なかなか心に染み込んでこない。
不遇で孤独な人生を送っている人は、他にもたくさんいるだろうに、なぜ彼女たちだけなのか?ある日突然命を奪われた人は、大災害以外でもたくさんいるだろうに、なぜあの町の人たちだけなのか?といった疑問も沸き上がる。旅館がなくなってしまったら、これから先、臨死状態の孤独な魂はどうなってしまうのかという、最も大きな疑問も残される。
現世に戻るにしても、昇天するにしても、タクシーで行ったり、船で行ったり、光の玉になったり、門を通ったりと、一貫性が無さすぎる。
ファンタジーであるならば、それに説得力を持たせるための一定のルールが必要であろうし、そもそも、なぜファンタジーなのかという、必然性も分からない。
テーマやエピソードを絞り込んで、無理にファンタジーにせず、普通のヒューマン・ドラマとして作ったら、もっと良い作品になったかもしれないと、残念に思った。
物語の力と邪気の無さ
絶対に忘れてはいけない人。
縒って、捻れて、結ばれる。
時間とはただ一方向に流れるのではない。
前日放映された『君の名は。』の中で、そんな感じのことを言ってましたが、私にはこの映画で描かれていることとかなり重なって見えました。
隕石によって、街ごと無くなってしまった糸守町。
津波によって、街ごと無くなってしまった三ツ瀬。
人間には物語の力が必要だ、とはよく聞きますが、こういう類型的な一致は、やはり単なる偶然ではないのだと思います。
実際の震災被害者やご遺族、関係する方々にとって、ひとつの物語やファンタジーで簡単に心の整理がつくものでないことは、重々承知のうえですが、こういう作品を誠実に作り、送り出そうとする人たちがいるということは、私たちの社会もまだ相応に健全さを保てているのではないでしょうか(健全さを損なう事象が増えていることの裏返しでもありますが)。
こういう重いテーマを描くとき、当事者でない者にとっては、どうしても後ろめたさのような感覚が拭えないことがありますが、のんさんの邪心、邪気の無さのおかげで、割と素直に鑑賞することができました。
ありがとうございます。
お行きなさい!
あの決めゼリフ、どっかで聞いた事ある…釈由美子のヤツや~ん…と思ってましたが、オリジナルのスピンオフが原作やったんですね♪
いつも通り元気いっぱい、のんちゃんだけが浮いてると思ったんですが、1人だけまだ生きてる設定だからこそのキャラやと分かり、納得がいきました。
あの世とこの世の狭間の世界だから天間荘~、なるほど!
ラストの熱いメッセージも受け取りました。
エンディングテーマ曲、良すぎるでしょう!?
観たばかりの貞子DXとも共有出来そうな監督からのメッセージ、貞子DXの評価点も上げようかと…いや、それはそれとして、このままでよろしくお願いします💦
震災で亡くなった家族を持つ遺族に捧げる映画
予告編で、のん演じる娘が臨死状態って事は分かってたんだけど、どんな設定か謎だった。
そこ、冒頭ですぐ解決。え〜ッ嘘!?そんな世界の話なんだぁって、ワクワク。
題名の三姉妹、とっても良かった。長女は大島優子演じる、のぞみ。次女は門脇麦演じる、かなえ、三女はのん演じる、たまえ。何だこりゃ。ま、ストーリーには関係無かったけどね。
結構重いテーマなんだけど、のんらしさ開放のおかげで、軽い楽しい感じになってます。
すごく楽しかったのが、寺島しのぶ演じる大女将。ぶれないパワフルトークに共感。そして久しぶりに観た、三田佳子の婆さん。最初は感じ悪かったけど、ジワジワいい婆さんに。
このSF的な設定、かなり泣かされます。自分の隣の女性なんて最初から最後まで泣きっぱなしで鼻水の音がうるさいくらいだったよ。
死んだ人は生きてる人の心の中で生き続ける。本当そうだよね。実際の友人でも死んだ事を知らなければ自分の中でいきてるもんね。
ちょっと長かったけど、楽しめました。
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