天間荘の三姉妹のレビュー・感想・評価
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もやもやした
リアルシリアスとメルヘンファンタジーの融合をこのテーマやることに意味があるのか、見ながらずっと考えてしまった。
ファンタジーにすることでとっつきやすくなるから重いテーマも幅広く考えてもらうきっかけになるのかもと思いましたが、あの震災をそのまま使うのはどうなのか、そもそもあの震災を描いた話ではないからよく似た架空の震災でも良いのでは?と思った。
まあ、見てる時にこんなこと考えてしまうのは話に入り込めなかったからで、設定が多いし色々盛り込みすぎて話は長い上にどっち付かずって感じでした。最後のシーンは良かったので色々がっつりカットして震災なら震災をメインに描いた方が入れたと思う。
原作は読んでないけど漫画には合うんじゃないかなと思った。もっと細かく書けるだろうし、映画向きではなかったのかなと思った。
役者さんだけは本当にみんな良かったと思います。演技はすごくレベルが高くてそこは見応えありました。
ファンタジー要素は違和感を覚える
東日本大震災の被災地を舞台とした近年の作品として印象的なのは「浅田家!」や「浜の朝日の嘘つきどもと」である。「護られなかった者たちへ」についてはまだ鑑賞できていないが、これらの作品に対する評価は概ね高い。「天間荘〜」についても同様のメッセージ性を帯びた作品であろうという勝手な想像のもとに劇場へ足を運んだが、いざフタを開けてみると、どうやら何か違うと感じた。
事前にレビューを見る限りでは、そういった違和感のようなものを感じさせるような作品ではなかったし、予告編を見たときもそれは同じであった。出演者も文句なしである。しかし、実際にはファンタジー要素が濃く、作中で震災を描くことの必然性・必要性について疑問を覚えた。
もし、どうしても震災を描かなければならないという強い使命感のもとに作品を編んでいくのであれば、ファンタジー要素はない方がよい。監督が公開日をあえて3月前後にせず、時期にとらわれずに震災について考えたり触れたりするきっかけになればとの思いは貴い。宮城県女川町はじめとする被災地域でロケが行われており、それらがスクリーン上で観客の目に触れることもまた意義のあることではある。
しかし、冒頭紹介した、近年登場の作品群には目劣りしていると感じてしまう。一応、登場人物として犠牲者や被災者が登場するのだが、当事者である日本国民に対し、訴えかけたいことが十分に伝わってこなかったことは残念である。あの震災とファンタジーを掛け合わせるのは時期尚早であると感じる。それとも、原作を読んで出直した方が良いのだろうか。
酷評になりますが
全般的に月並み感が拭えない。
特にセリフの面白くなさときたら…。
母違いの妹に対する天間荘の人々の対応が、初めから優し過ぎるんじゃないか。この世ならざる場所の住人とはいえ、もっと複雑な思いで当たる(その役は大女将が担っていたともいえるが)のが普通なのでは? 「ここで働かせてください」といわれてすぐ受け入れるのも安易だし、ここの人はみんないい人なんですよアピールだとしても、この時点で作劇上のタメが大きく削がれてしまったように思う。
たまえの人物描写も、平凡とはいえない人生を送ってきたにしてはあまりにも「のん」過ぎる。それこそ、『あまちゃん』の初めの頃の天野アキみたいな居心地の悪さ感が表現されていたら、少しは話に起伏が出たのではないか。
その他、どこかで見たことのあるような光景がいくつか続き、最後に大団円となるのだが、それの表現も月並み過ぎて、もう少し工夫の余地があったのではないか。
あと、会話中に「家族 家族」と、なにかと家族を強調し過ぎていて、ちょっと気持ち悪い。死んだ後(正確にはその途中か)まで家族を言い募るのは、確かにこの映画が亡くなった(生きている)家族を思う人々の話だからなのはわかるが、興ざめした。
2時間半の作品であれば、力点の置き場所は他にあったのでは。
みんな大好き・高良健吾扮する魚堂は、船に乗って去っていくところを含め、生きている家族との絡みも丁寧で心に迫った。この映画の感動ポイントはほぼ魚堂だったな。本当はこのようにみんなを成仏させるべきだったのだろうが、流石にそれは無理か。
寺島しのぶは、やはり存在感が違う。
近作の『さかなのこ』が予想以上の良作で、のんの個性がうまく発揮できた作品だった一方、今作はどこまでが演出だったのかわからない、なんかのん以外の誰でもない(褒めてません)演技で、その点に関する感動はほぼなかった。
それにつけても、能年玲奈(あえてこう呼ぶ)の背の高さよ。この存在感を生かした作品は出てこないかなあ。
とにかく素晴らしい。
原作の事は全く知らず観に行きまし た。 とても素晴らしい仕上がりの映 画で、知らないうちに涙がこぼれ、 何度もタオルで顔を拭う事になって しまいました。
誤解を恐れずに言うと、やはり能 年玲奈さんは、 能年玲奈さんであっ て、震災について、 被災地の人達の 感情というものへの思い入れが深い ことから、単なる演技ではなく、 本 当にその本人に成り代わってスクリ ーンに出てきているように思える。 これは単に私自身が一被災者だから だけなのでしょうか?うがった見方 なのでしょうか?
他にも脇を固めている俳優さん達の素晴らしい演技で、個人的には今年1、2を争う作品になりました。
皆さんもこの素晴らしい映画を素直 な気持ちで観てみる事をおすすめします。
臨死の世界
臨死状態で連れて来られたあの世とこの世の中間である、三ツ瀬の旅館で働くことになる たまえ。
姉妹の のぞみ、かなえと旅館の女将、三ツ瀬にやってくる同じ臨死状態のおばあさんや若くして自殺未遂になった若者と交流し、現世に帰るかを選択することになる。
のんちゃんの真っ直ぐで周囲を巻き込んでいく演技がやはりいい。さかなのこでも、水に入るシーンありましたが、海が似合う女優さんですね。
カメラマンのお父さん、そんなにすぐ近くにそばにいたのですね笑
三ツ瀬で死ぬこと無く臨死のまま生活を続けるけど、このままではいけない葛藤がある。どちらに進むか選択しなければいけない切なさを感じました。
映画後半は少し間延びした感じがありましたが、居なくなってしまった人の為にも、今を大切に生きていこうというメッセージ性は十分に伝わってきました。
天涯孤独な少女・小川たまえ(のん)が黒ずくめ女(柴咲コウ)に連れて...
天涯孤独な少女・小川たまえ(のん)が黒ずくめ女(柴咲コウ)に連れていかれた先は、海にほど近い旅館「天間荘」。
黒ずくめの女が語るには、「たまえは交通事故で臨死状態になり、「もう一度現世に戻って生きる」か「天へと旅立つ」か自らの魂の決断が出来るまで、ここで暮らすのだ」という。
理解不能なことだったが、出迎えてくれた3人は、たまえの腹違いの姉ふたり(大島優子、門脇麦)とふたりの母親(寺島しのぶ)。
天涯孤独と感じていたたまえにとっては、突然、家族ができたようなもの。
しかし、3人を含めて、この町で暮らす人々は、現世に戻ることもできず、天へと旅立つこともできない。
決断ができるのは、「天間荘」の客人だけなのだった・・・
といったところからはじまる物語で、海に近い立地から、ははん、これは東日本大震災で津波に襲われ、行方不明になったひとびとが暮らす町なんだな、と察しが付く。
さもありなん、で、町の住人のひとりの青年(高良健吾)とその父親(柳葉敏郎)が交差するエピソードが描かれて、察したとおりだったもよう。
なので、この設定が受け入れられるかどうかどうかで面白さが具合が異なると思うのだけれど、個人的は、設定は受け入れることができました。
で、前半、老若ふたりの客人(三田佳子、山谷花純)のエピソードまでは、描かれているのが不安などの普遍的な心のありようなので、かなり面白く観ることができました。
ですが、中盤から、あらあら。
町の住人たちが天へ旅立つことができないのは、「行方不明で遺骨が発見されず、成仏できないから」と勝手に思い込んでいたのですが、なぁんだ「本人たちの死にきれない思いが残っているから」って、それってどうよ。
たしかに「死んでも死にきれない」という言葉があるから、そうなのかもしれないが、劇作的にはお手軽な設定に思えてしまいました。
結果、「半分死んでるってことは、半分生きてるってこと」という「生への執着」を示すいいセリフもありつつも、後半以降は観ていても気持ちが大失速。
訪問したことのある、下田海中水族館や新興の女川駅前の様子などが登場して、ちょっと好感度は上がったものの、終局は『丹波哲郎の大霊界 死んだら驚いた』か他の新興宗教映画みたいになって呆然唖然。
ちょっと安易にあちらの世界を描いたかしらねぇ。
ひょっとしたら現世も…
⚫︎三姉妹の魅力
【のぞみ】
天間荘の長女として若女将になり切り盛りする責任感とふるまいに男勝りな気っ風のよさと思いやりの深さを感じる。一馬との別れを越えた妹かなえの気持ちを察し、すぐに抱き寄せにかけよるシーンがあるが、「おいで」のタイミングの絶妙さ!今そこで心の内と葛藤してるかなえに対し瞬時にさらりと寄り添う行動はいつも周りの流れを把握してる気配りの賜物だろう。しかも自分の立場で踏み出す勇気が自然と身についているからこそできる技。この時、のぞみの体温がかなえに直に伝わることがどれだけ大切だったかなと。
寛容さと飾らない役柄がフィットしていた大島さん。着々と俳優の道に足跡をのこされている強くて柔らかい表情がどこをきりとっても凛と美しく輝いていた。
【かなえ】
等身大の自分で居ることを自分に許しているような大人のゆとり。そのマイペースを保つ芯のぶれなさは同時に他人に求めすぎることもしない。そんなかなえのゆったりした安心感と公平感が好きだ。自暴自棄な優那の行動について
「あわれな子、腹も立たないわ…」と。とても共感した。冷たいのではない。もっと超えたところに意識があるのだ。門脇さんの淡々として揺るがない雰囲気にふわりと肩の力がぬけてる空気感は個性的なかなえ像を魅力的にしていた。私的にはそばにいたらいちばん心地よく惹きつけられるキャラクターだった。
【たまえ】
真っ白な真っ直ぐさ。他人の気持ちを自然にときほぐすのはこどものような天性の資質ゆえだろう。のんさんが演じることで〝そのまんま〟ののびやかでフレッシュな三女の魅力でいっぱいだった。たまえが財前さんに話しかけた言葉「きっと大変でしたよね。」「…素敵ですよ。」などがある。他人との間に高い壁を長い間つくったままだった彼女は敬遠されてきたと思う。たまえが発したのは普通の言葉なのだが、誰かにあのまなざしとあの真心で言われたことはなかったかも知れない。若女将ののぞみも、それまで財前さんの担当だったが心を開かせるのは難しかったことをぼやいている。相手によって自分を変えることなくありのままで接するたまえ。財前さんにだんだんと笑顔がみえ気持ちの変化があらわれる。最後には後からきた客人の優那と共に天間荘を去るのだが、これはたまえの存在が、自分以外の誰かのことまで考えられるようにさせた証だったのではないか。
⚫︎印象的なシーン
・エンディング
胸震う主題歌は地球のすべての魂に捧げる壮大なレクイエムだった。これを受け、オーブが穏やかに舞いあがりやさしく光る星へとかわっていく気がした。
(もしかしたら、この楽曲をもう少しだけ音量をセーブして聴き始めれたなら、もっと余韻を重ねたまま物語をじぶんの心の中でゆっくり閉じていけた気もするなぁとも感じた。)
(たまえが飛び立つ時のCG?特撮?は、急にCMが入ってしまった時のように引き戻されたのでやや残念感あり。)
・父さんのカメラが残されていた場面
あれだけ誰にでも厳しく口も悪く強気な母(大女将)の心の底にある家族への愛と、こうしてまわりの人々に伝える役目として存在してる人がこの世にはいて、必要なのだと思った。
・家族のお別れの夜
食卓を囲むあたたかい笑顔と声。
何気ない日々にある尊さの象徴だった。
そこにあるのは紛れもなく安らぎのなかに〝通う気持ち〟なのだ。
特に、お椀を渡す手 受け取る手のアップのカットは胸がぎゅっとなった。いろんなひとの思いがよぎり涙になって、ぽとぽと落ちてきてマスクに染み込んだ。
⚫︎感想
奇跡のような命をもらい、奇跡のような世界に生かされている私たちへの言葉がセリフを通じたくさんあった。
「自分でもわかっているから腹が立つ」
「自分の不幸や不運を人のせいにして…」
「人にやってもらおうなんてあまいんだよ…」
どんなに思いを寄せ合っていたとしても永遠に一緒にいられることはなく、ここにとどまる者も誰ひとりとしていない。いつかわからない旅立ちに際して遺された私たちへのメッセージも続く。
〝人は死んでも終わりじゃない
愛する人のなかでずっと生きている〟
(だから)
〝おいきなさい つぎの世界へ〟
そう考えられたらお互いにのりこえられるかも知れない。
なるほど、そうか。
あれ?
ひょっとしたら
現世もあの町とある意味おなじ…なのかもしれない。
大切な人を亡くされた人への柔らかな応援メーセージ
東日本大震災で、家族・大切な人を亡くされた方へ、亡くなった方々の思いを代弁し、残された方々の悲しみを柔らかく取り去り、気持ちを変えてくメーセージを込めた、優しく温かい作品です。
震災だけで無く、同じような思いをされた方にも、届く気がする。
でも私には、もう少しどん底まで悲しみに落とし込み、その後のハッピーエンドへ繋ぐ展開の方が、もっと感動出来たかな?
震災に遭われた方々に、気を遣われ、優しく描いたものだと理解出来ます。
随所に涙が出る、悲しみ・希望・感動・・・が描かれています。
ラストシーンも、残された方々へのメーセージが、よかった。
私的にはもう少し欲しかたですが。
この辺は、賛否両論あるでしょう。
また観たい
丁寧な作品
作り手の思いが伝わってくる丁寧な優しい作品でした。
なんとも、上手く言えないですね。
逝ってしまった人たちの気持ちは判らないけど、
遺された者たちは、忘れることなく、
立ち止まらずに前に進んで行って欲しいし、進んで行きたいと思いた。
のんちゃんのどこまでやるの
2022年映画館鑑賞63作品目
11月14日(月)イオンシネマ名取
ハッピーマンデー1100円
原作未読
監督は『あずみ』『スカイハイ劇場版』『ゴジラ FINAL WARS』『ルパン三世(小栗旬主演)』の北村龍平
脚本は『夕陽のあと』の嶋田うれ葉
現世と天国の間にある三ツ瀬町に天間荘という民宿旅館
交通事故で瀕死の重傷を負ったはずのたまえだが何事もなくピンピンしていた
タクシーに乗せられ天間荘には送られたたまえは腹違いの姉たちと会うことができた
三ツ瀬の住人はたまえと客以外はほぼ東日本大震災の津波で亡くなった犠牲者の魂だった
150分はマイナスポイントだがそれほど苦痛に感じなかった
これが演技もイマイチな無名俳優ばかりで監督が大川隆法ならこの世の地獄だったに違いない
死生観や宗教心が虚無的な無神論者にはこの作品は向いていない
僕は全く感動しなかった
津波の映像なんて今更トラウマはないしむしろ日頃のマスクによる護送船団方式にうんざりしている
臨死体験の記憶そのままで遺族に死者の言葉を報告するたまえの姿に興醒めしてしまうくらいこの世界観にマッチできなかった
濡れ場のシーンでなんで門脇麦が笑ったのか理由がよくわからない
そこは違うという意味かもしれないがこの場合演技のプランでそれはないだろう
高良健吾がアドリブでなんかやったのか詳しいことはわからない
ちなみに今回は門脇麦のヌードはない
大島優子と温泉に入るシーンがあるがそれもない
それで良い
イオンシネマだから良かったがチケットが対面販売だと「××荘の三姉妹」と言い間違えそうで怖い
絶対に言い間違いをしてはいけないという思いが強すぎるとかえって加山雄三の本番での「仮面ライダー」発言のようなミスをしてしまうものだ
「××荘の三姉妹」なんてソフトオンデマンドが黙っちゃいない
対戦相手に「お逝きなさい」と言いつつ××攻撃でスカイハイさせるという設定でケンコバがプレイボーイに投稿しそう
瀕死の重傷を負い仲居として天間荘で働くことになった三姉妹の三女・小川たまえにのん
水族館でイルカのトレーナーをしている三姉妹の次女・天間かなえに門脇麦
天間荘の若女将を務める三姉妹の長女・天間のぞみに大島優子
かなえの彼氏の魚堂一馬に高良健吾
イラストの盗作疑惑で飛び降り自殺を図り瀕死の重傷を負い天間荘にやって来た女子高生・芦沢優那に山谷花純
水族館で働く成長した早乙女海斗に萩原利久
水族館の館長を務める早乙女勝造に平山浩行
一馬の父・魚堂源一に柳葉敏郎
天間荘の料理人・宝来武に中村雅俊
天間荘に1ヶ月ほど滞在している客の財前玲子に三田佳子
天間荘に客を乗せてくるタクシードライバー小川清志に永瀬正敏
天間荘の大女将・天間恵子に寺島しのぶ
津波の犠牲者の一人に高橋ジョージ
津波の犠牲者の一人につのだ☆ひろ
津波の犠牲者の一人に不破万作
夫を津波で亡くした妻に大島蓉子
優那の母に藤原紀香
若い頃の玲子にとよた真帆
スカイハイのイズコに柴咲コウ
高橋かおりも出ていたけどなんの役だっけ
医者だったかな
玲子の娘だったかな
のんの笑顔に全部持っていかれた
釈由美子の「お逝きなさい」で一世を風靡したスカイハイのサイドストーリーなんですね
なんで今頃?とは思ったけれど、懐かしすぎました
デリケートな題材だけど、無難にまとめましたね
まあ、これなら文句は出ないでしょう
三ツ瀬はある意味天国ですよね
歳はとらない以外、生きてるのと一緒
じゃあ、いいとこじゃない
と思うんだけど、住んでいる人は神でも仏でもないから不満が出ちゃうんだろう
向上心とか、希望とか変化を求めるのが人間だから
そう考えると、天国は煩悩をかかえた人間の行くところでは無いかもしれませんね
ヒロインののん
実際は紆余曲折を乗り越えてきた複雑な感情の持ち主だと思う
しかし、単純に明るい笑顔と美貌は何にも勝る最強の武器なんだと思い知らせてくれます
あ、それから
柴咲コウ
お逝きなさいを何回も言いすぎです
高良健吾、さすがにオッサン入る年齢になりましたね
三田佳子
おばあちゃんになったなあ
現実に息子で苦労しているのには同情します
あの世とこの世とその境界の3つの世界の話
とても面白い作品でした。
あの世とこの世とその境界の3つの世界が舞台の話。
原作は漫画ということもあり、ファンタジーな要素もありつつ、旅館を舞台とした作品はとても美しく描かれていました。
死がテーマにある作品でしたが、大切な人が亡くなっても他の現在生きている人の心と一緒に生きていること、繋がっているということ、死との向き合い方が丁寧に描かれていました。
三姉妹や旅館に来る人たちの関係が素晴らしかったです。
未練と往生際の物語
高橋ツトムさんの漫画「スカイハイ」の本編は読んでいます。深い魂の哀しみや苦悩にまみれる内容ながらも、硬質な絵が迫力だったのを覚えています。
◉哀しい普通の景色
ありし日のままの姿と風景で、人と町が残っている。作品の前情報で、天間荘が魂の空間に在ることは知っていましたが、震災に遭った海辺の町が、途方もないファンタジーの力でそっくり残っている設定とは意外だった。広がりや癒しのあるファンタジーではなく、一人一人のこれまでや、これからに関わっていくファンタジーであり、死者の景色と生者の景色が入り混じって描かれる。
◉生を全うすることは残酷なこと
繰り返される「記憶の中に存在すれば、その人は永遠に生きる」と言う言葉。「リメンバー・ミー」の世界であり、亡くなった人を悼む気持ちと、覚えていることと、思い出すこと。つまり死者と如何に接するかと言う問題。
でも一方で、この言葉は生者のものであり、死にゆく者が「死ぬ」と言う行為をどう捉えるのかこそが問題。三瀬の人々は死者であることを知らなかったと言うよりは、目を背けていたんでしょうね。やはり、家族や仲間と離別して旅立つのが怖かった。
私もそこで生を全うしなきゃならない境界線にいたら、絶対に震えます。だからイズコがいても、まだ漂っていた。未練と往生際の綱渡りをずっとずっと続けていた。でも、現世に戻った二人の娘と老婆は別にして、三瀬の町の人々はまだそこに残っていても良かったのではないかと、思えてなりません。
往生際が悪い…のは悪いことではない。
◉往生際から現世へ
のんが境界線上で生をセレクトして、現世へ戻るVFXが、かなり不自然に見えました。
それと、のんたちと三田佳子さんとの再会シーンは良かったですが、死んだ町の人々とした約束を、三瀬の水族館で回収するシーンは、やや駆け足の感じが強かったです。ではどうすれば、映画の読後感に浸れたかと問われても、答えは用意できないのですが。その後の日々の暮らしの中で、次第に死者の言葉が生者に伝えられるのでは、尺が足りませんしね。
◉天国の海
三瀬の町に接する海の景色と、天間荘から訪れる海の景色が違うものに見えました。天間荘からの海の方が、より透明感が高かったような。つまり天国に近づいた証? 美しいより寂寥感が強過ぎて、ここは胸が詰まる感じでした。
のんさんは不思議な温度感みたいなものを結構、ぶっきらぼうにそして柔らかく醸し出しますね。むり押しはしない感じ。
大島優子さんが楚々たる若女将で、特に素顔に戻って眼鏡を掛けた表情がとても可愛いらしかった。門脇麦さんも、決して愛嬌はないけど、温かな感覚を与えてくれる。襖を開いて現れた寺島しのぶさんが、貫禄が有りすぎ。
そして、腰の低い永瀬正敏さんは永瀬正敏じゃない。
見所的な特別な世界観は薄い
海街diary的な物語何だけど現実の社会と同じ場所なので特別の世界にいる感覚や違和感は無いむしろ普通の訳ありの人達が集まる世界の設定で良かったのかも?あの旅館は異次元のみ存在すると言う事?紀香や中村雅俊がエキストラ的な出演してたのは異色だったし高橋ジョージを久々見たけど彼を起用した訳は?
のんが実現した「霊界ファンタジー」。
姉妹が住む老舗旅館に腹違いの妹が来るという「海街diary」のようなシーンで始まる。二つの映画は、複雑な事情を抱えた姉妹がなじむことができるかという興味は共通しているが、大きく違うのはここが死者の住む(霊界)だということである。物語が進行していくにつれて、その不思議な設定にどんどん引き込まれていく。大震災で一度に亡くなった大勢の人々が暮らしている、天界と現生との間にある架空の町「三ツ瀬」が舞台。彼らが死後の世界でも幸せに暮らしてほしいという、残された人々の願望がこんな不思議な物語を生み出したのだろうか。そこでは生前の生活そのままに生き生きとした(?)日常が営まれているのが面白い。これは死者を鎮魂する「霊界ファンタジー」とでも呼べばいいのだろうか。
その異世界に臨死状態となって紛れ込んだたまえの活躍が物語の中心である。言うなればあの世とこの世の橋渡し的な役である。死んでしまった人には安らかに成仏してもらう、生きている人には生きている喜びを感じて生きてもらう。無邪気だが人の心が分かる、前向きなたまえだからこそ果たせた役割だ。たまえと三つ瀬の人々との交流は心が慰められる。力は抜けているのに芯はしっかりしているのんにぴったり合った役である。のんの代表作になるであろう。
だから魚屋、魚料理ばかり。う〜む、すごい。
この映画に関してはまず、原作者である漫画家・高橋さん(ツトム)に感謝したい。この、東日本大震災への鎮魂歌である作品を、スカイハイのスピンオフとして見事に描いていることを尊敬。
「さかなのこ」 に続き、今週の夜はのんさん三昧!!楽しい。
のんさんウィーク。「さかなのこ」 に続いて鑑賞。やばい、めちゃ楽しい。ずっとのんさん観ていられる!(ただし、タイトルの意味はこれじゃないので、誤解なきよう)
交通事故で生死の境をさ迷っている主人公(たまえ)は、生きるか死ぬかを本人が決める場である 「三ツ瀬にある天間荘」 に案内される。そこは、たまえの異母姉妹であるふたりの姉(のぞみとかなえ)、その母が営んでいる旅館。主人公は、その旅館に客として案内されたのだが、ふたりの姉と異母といっしょに働き、自分と同じように生きるか死ぬかを決めにやってきている宿泊客を応対していく、という話。
生きるか死ぬかを本人が決める場としては、スカイハイの舞台 「怨みの門」 ががすでにあるにもかかわらず、「三ツ瀬にある天間荘」 という場所がなぜ存在しているのか。怨みの門の番人であるイヅコが、なぜ天間荘に人を案内してくるのか。そこで働いている主人公の異母と姉妹、三ツ瀬に暮らす人々とはどういう人たちなのか。だんだんわかってくるその背景が、鎮魂歌としてすばらしいものとなっていると思う。いい話でした。
その背景のもとでは、たまえをのんさんが演じることは必然かと思えました。厳しく悲しい人生を背負っていることを露とも感じさせない天真爛漫さは、ストーリー上は欠点なのかもしれませんが、この背景では大切なことはたまえがまっすぐで明るいことだけが大切な気がして、そこにのんさんは見事にはまっていると感じました。
とにかく楽しかった。泣きながら、一方でのんさんを堪能する楽しさを味わっていました。ラスト映像と音楽だけの3分間も堪能しました。そしてやはり頼りになるな門脇さん(麦)、お見事。
山谷花純=大島優子??
ようやく見れました。やっぱり、150分超の長尺映画は、未だに見るのを躊躇ってしまいます。auスマートパスプレミアムの「私のオススメ映画はこちら!」と言って1回、そして通常で1回、早く席に着いてしまったらプラスでもう1回と、嫌になるくらい見せられた予告。最初は結構楽しみだったんだけど、このしつこさのあまり、期待値ガク落ち。そして今に至るわけですが、作品自体は非常に素晴らしいものでした。予告を流すのも程々に。
序盤はかなり微妙で、空回り&置いてけぼり状態。
わざとなのだろうけど、どんな話なのかが掴めずグダグダで退屈気味。今話題の「すずめの戸締まり」とは打って変わって、引き込み方がめちゃくちゃ悪い。雰囲気がフワフワとしていて面白みに欠ける開始30分。このままだったらマズイなと思っていたけれど、30分が経過したところからエンジンがかかります。
予告だけで判断すると、ほろ苦く少し重めで、ありがちな人間ドラマと思っていたけれど、あながち間違いではないけど、結構変わったディープな物語でした。そのことに気づいてくるのが、前半の途中。意味深な発言から顕になる真実。意外で、少し驚かされる、予告からは判断できないストーリーがこの映画には隠されており、重くなるというよりも段々と深化していきます。それが本当に見応えあって、考えさせられて、ジーンとくる。「生きる」ということを深ーく考え抜いて作られた、素晴らしい作品です。
そして今年の顔である、豪華キャストが集う。
「さかなのこ」のん。「女子高生に殺されたい」大島優子。「あちらにいる鬼」寺島しのぶ。「ちょっと思い出しただけ」永瀬正敏。「沈黙のパレード」柴咲コウ。加えて、門脇麦、高良健吾、柳葉敏郎など、邦画界の重役が織り成す物語。のんに関しては、「さかなのこ」が凄すぎて本作は見劣りしてしまいましたけど、大島優子も門脇麦も寺島しのぶも、この上ない最高の演技で盛り上げてくれています。日本映画好きは必見!個人的には、寺島しのぶと永瀬正敏の元夫婦感漂うタッグが好きすぎました笑
1つの宿の中で起こるオムニバス的な要素もあり、主人公たちと関わりを持つ人物の掘り下げ方がお見事で、すごく見入ってしまいます。雰囲気を崩さない程度でのコミカル要素も入っていて飽きないし、ストーリー展開の強弱がとても上手くて、心温まったり、涙が込み上げてきたり、色んな感情が溢れ出る贅沢な作品。少しファンタジーが過ぎて、「うっ」となってしまう場面があり、ラスト際はあまりしっくり来なかったのだけど、エンドロールの玉置浩二の歌声で震えが止まらず、結果として大満足の映画でした!
ちょっと長くて見ることから目を背けてしまいますけど、中身は非常に質の高いもので、今の時代に見たい良き作品です。見て後悔無しの、考え深いものですので、ぜひ。大切なものが、もっと大切なものとなるはすです。あぁ、あとタイトルでも書いてますけど、山谷花純が大島優子に似すぎてビックリ。ごっちゃになってしまうくらい笑
のんの満面の笑顔に泣く
一昨日すずめを見て、今日は天間荘、
キツイが語り継ぐべき体験がベースになってる。
体験談だけでは教訓じみた印象に終わりかねない。残された者の周りで渦巻いてる身近で理不尽に亡くなった人の思いとかは宙にういたまま。
癒されない。過去に囚われてしまう。
そこで宗教的世界観の登場となる。人類が何代にも渡って考えてきた癒しかたなんだろう。癒されるべきは今を生きる人だから。
最後、のんの満面の笑顔に泣きながら癒された。
次はのんが殺人犯になる顔を見てみたい。
予想よりは泣けるところもあって、思ってたよりは良かった印象。俳優さ...
予想よりは泣けるところもあって、思ってたよりは良かった印象。俳優さんがみんな良かったが、脚本がもう少し良ければもっと泣けてたし、もっと評価出来たかなーというのは正直な感想。感情移入する部分が散らかってしまったのはもったいないなーと思った。
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