バッドマン 史上最低のスーパーヒーローのレビュー・感想・評価
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バカバカしさの先にエモさが生まれる感涙パロディ映画
「ヒャッハー」二部作の、そしてマンガ実写化の金字塔であるフランス版「シティハンター」のフィリップ・ラショー一座が、今度はDCからマーベルまで、近年のスーパーヒーロー映画をまとめてパロディにしたバカコメディ。いかにもフランスの大衆コメディらしくギャグはいちいち子供じみていてベタだが、ちゃんと負け犬的キャラクターのエモーションを描こうとしている作風はチャウ・シンチーを連想させる。
そして、ストーリーよりもなによりも、ヒーロー映画の醍醐味を気後れすることなくトレースすることで生まれるカタルシスに、なんだか涙ぐんでしまう。映画なんぞ作り物でしかないことは重々承知の上で、作り手が観客と一緒に思い切り盛り上がろうとしているその気持ちが感動的なのだ。
特にアベンジャーズネタで盛り上げてから思い切り落とすギャグシーン、発泡スチロールの岩を砕きながらのバトルシーン、待ちに待った掃除機の大活躍の3つのシーンが泣ける。基本的にはバカ映画であって、どなた様にも同意してもらえるとは思わないが、この感覚を共有してくれる人が少なからずいるはずだと信じていますよ。
その手があったか・・
本作の製作・脚本・監督・主演と大活躍のフィリップ・ラショーは、フランスのコメディ俳優、映画監督、脚本家、アニメーター、子供の頃は漫画家になりたかったそうでスーパーヒーローのコミックものが好きだったようです。本作は最初は記憶喪失になったスパイもの、「ジェイソンボーン」のような話を撮りたかったようですが、自分はシリアスよりコメディ向き、本格アクションはハリウッドのように予算が無ければ無理と悟って軽快なアクションコメディ路線に変更、バットマンのパロディ映画の俳優が事故で記憶喪失、夢と現実が分からなくなり自分をヒーローと錯覚して図らずも大活躍といったプロットになったそうです。
その手があったか・・、撮りたっかた映画を気の合う俳優仲間と撮影、どうりで息の合った登場人物たち、下ネタがらみで多少、馬鹿馬鹿しさはありますがそこそこ面白かった。
アメリカ映画なら典型的なB級パロディになりそうですが流石おフランス、ハリウッドへの皮肉も効いていましたね。
パロディ満載の面白い映画
コメディタッチのポップコーンを食べながら見る映画にピッタリです。
凄く面白かったです。
だけど一つだけ文句があるとすれば、映画のポスターやパッケージに堂々とネタバレがある点です。
最後に主人公の仲間たちがアベンジャーズ風になるシーンはこの映画の最高の見どころですが、それをポスターやパッケージでネタバレしているのが残念です。
あれは映画内で初めて見せた方が「おおー!」となったと思います。
逆に先に見せられたために「アヴェンジャーズの出番これだけ?」となってしまいました。
でも他は素晴らしい映画です。
コメディを作り続ける覚悟
毎度お馴染みのメンツを集めたフィリップ・ラショーの新作。
これまでの作品でも動物と子供の扱いにはどうかと思うし、あんなに簡単にパンツ脱げないだろ?とか気になる描写はあれども、話の作りがきっちりしているところは毎回感心してしまう。
(アクションシーンもなかなか頑張っている!)
最近、やたらと“伏線回収”にうるさい風潮があるけど、
そういうのにうるさい人は是非フィリップ・ラショーの映画を観てもらいたいと思う。
今作では、本家ハリウッドのヒーロームービーのパロディてんこ盛りだし、ハリウッドの象徴とも言えるトム・クルーズまで引っ張りだす(←許可とってるよね?)サービス精神に脱帽。
ノートルダム大聖堂のくだりは、ちょっと不謹慎かと思ったが、思わず笑ってしまった。
日本の喜劇の伝統はすっかり廃れたし、
ここまでコメディに特化して作品を作り続けている精神はあっぱれだし、是非これからもバカバカしく楽しい作品を作り続けて欲しい。
けっこうよかった
なんで女の子が緑の粉を被ったのか意味が分からなかったのだけど、少ししてハルクか!と思い、キャプテンアメリカ、アイアンマンなどもすごく雑なところが楽しい。一緒に見た妻はアメコミ映画を全く見ないので意味が分からず悔しがっていた。
敵がそれほどなんてこともない強盗犯なのもバランスがいい。
【フィリップ・ラショーの、あくまでも下ネタに拘る姿が逆に清々しい、おバカムービー。隣で撮影していたのは「M・・」の新作かな?トムに怒られないのかな?ラストはまさかの、少し沁みた作品でもある。】
ー セドリック(フィリップ・ラショー)は警察署長を務める父の反対を押し切って俳優になったものの、売れない日々を過ごしていた。
そんなある日、セドリックはスーパーヒーロー映画『バッドマン』の主役バッドマン役にタマタマ、抜擢される。
セドリックはこのチャンスを逃してはならないと、厳しいトレーニングを重ねて役作りに打ち込み、撮影初日を迎えた。
するとそこに、妹エレオノール(エロディ・フォンタン)から父が倒れたとの知らせが届く。慌てたセドリックは、映画の衣装のバッドスーツを着たままバッドモービルに乗って病院へ急行するが、その途中で事故に遭い、意識を失ってしまう・・。
やがて目を覚ましたセドリックは、記憶を失っていた。そして、自分はスーパーヒーロー、バッドマンだと思い込んだセドリックは、様々な大騒動を巻き起こしていく。-
■フィリップ・ラショーは、観れば分かるが、結構イケメンである。だが、「真夜中のパリでヒャッハー」を見て、余りのバカバカしさに笑い、「世界の果てまでヒャッハー」を見て筋金入りの下ネタ男だと確信した。
そして「シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」を見て、"この人、本当にこういう映画が好きなんだ”と劇場でクスクス笑いながら思ったモノだ。
因みに、彼は上記の全作品で、監督・脚本・主演を担当している。
才人なのである・・。
◆感想
・前作はクスクスシーンがてんこ盛りだったが、今作品はクスクスシーンはやや控えめである。
- 警察署長を務める父の、中々俳優として、芽が出ないセドリックに対する諦めの表情等・・。ダンドン(七面鳥)等と呼ばれているし。-
・が、下ネタシーンは随所に盛り込まれていて、笑える。
- 短小用のコンドーム・・、車の座席から突如出てくる銀の棒。あれは、イヤだなあ。良く考えるなあ。セドリックの父、ヤラレテました・・。-
・が、ヒョンな事から、記憶を失ったセドリックが、バッドマンとして、父も長年捕まえられなかった悪党ダンドンを捕らえて・・。
<ラスト、元カノのロール(アリス・デュフオア)が全てを知りつつ、セドリックを助けていた事が分かるシーンや、漸く完成した映画の舞台挨拶で、定年退職する父にセドリックが捧げた言葉。それを客席で聞いて、誇らしげに息子を見る父の表情。セドリックの新しい人生が始まる事を暗喩するラストシーンは、ナカナカ良かったよ。>
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