「ホラーともSFとも違う新感覚が心地よい傑作」NOPE ノープ ChapmanShojiさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーともSFとも違う新感覚が心地よい傑作
トレイラーの雰囲気と、ジョーダン・ピール監督ということでホラー映画を想定していました。前半こそホラーテイストもありますが徐々にSFっぽくなり、最終的にはそのどちらとも言えないジャンルでは説明しづらい内容となっています。とにかく自分のなかはピール監督作品としてはGet Out級か、もしくはそれ以上という評価です。
大きなテーマとしてはピール監督版のジュラシック・ワールド(以下、JW)だと感じました。JWでは恐竜を商業活用しようとする世の中でクリス・プラット扮する主人公が恐竜と心を通わせて危機を乗り越える、ざっくりそのような内容だと理解しています。本作では、本来管理できない存在(ここでは恐竜ではなくUFOみたいな宇宙人とチンパンジー)を見せ物にしようとするメディアやジュープに対して、主人公のOJは馬に接する時と同じようにUFOの特性を理解した上で対峙する姿勢を示しました。
特に面白かったのは、OJ側はUFOが近づくとデジタル機器が使えなくなるという制約のなか、妹、エンジェル、渋撮影監督というクセあり過ぎないメンバーで作戦を練って挑むシーンです。めちゃくちゃ強いアベンジャーズが戦うよりよっぽど面白いですね。映像に引き込まれていましたが音楽もかなり良かった記憶があります。
以下、好きなシーン
・不穏なシットコム
・馬小屋で宇宙人と遭遇(コスプレでしたが)
・監視カメラで雲が動いてないことに気づく
・撮影監督のカメラが手巻き式だと分かった時の兄妹の興奮
・UFOが口を開けて急降下
・食べたものを屋根にドバドバ
・OJが車からドアを少し開けて空を見た後、ソッと戻るところ
靴が立ってたのは何か意味あるんですかね。海外考察サイトを見たら父親のコインと同じ「悪い奇跡」を暗示しているとか…。
悔やむらくは、本作IMAXカメラで撮影とのことですが時間が合わず普通の映画館で観てしまったことです!IMAX再訪ありです。