あちらにいる鬼のレビュー・感想・評価
全70件中、61~70件目を表示
業の強いイメージのある瀬戸内晴美が寂聴になった時、少なからず驚いた...
業の強いイメージのある瀬戸内晴美が寂聴になった時、少なからず驚いたけど、豪の強いが上なのだろうなと思っていました。
映画を見てわかりやすい道筋だったので納得しました。
映画ゆえに多少美化されてドロドロさは陰を潜めていたけど楽しめました。
寺島しのぶは品があります。顔が以前に増して尾上菊五郎に似てきています。
ひとつ気になったのはエンドロールの役者の名前の順番でした。
あ、そういう感じだったんだ、 と思った 晩年のおばあちゃんキャラし...
あ、そういう感じだったんだ、
と思った
晩年のおばあちゃんキャラしか知らなかったけど、
ちょっと好きになった
最後の一言は泣けました。
令和では中々厳しい情景ですが、昭和に実際にあった事。それぞれの人の描き方とキャストが良かったと思いました。ジェンダーではなく、どこに主観を置くかで見え方が違うのでしょうけど、私は寺島さん演じる寂光の最後と一言で泣けました。
一体何を見せられているのかわからないほど、
理解できない世界ですが、ホントなんだから仕方ない、というところか。
昭和描写がいまいち没入感がないなあ、とかつまんないことが気になった作品でした。
寺島さんの散髪シーンが一番の見どころ。
じょりじょりさっぱり、気持ちいい。
オンライン試写会感想
映画.comさんのオンライン試写会で鑑賞。
不倫、三角関係を描いているのに、ドロドロしすぎてない濃厚なヒューマンドラマ。理解しがたい部分もあるがこれは本人たちのことで外野がとやかく言う必要はないのかも。2時間19分と少し長めですが圧倒的なキャスト陣の芝居に終始夢中でした。
共感できなく。。
原作は読んだことがあり、ストーリーにあまり共感出来ないのは承知の上で鑑賞。寺島しのぶさんのラブシーンが、「欲情する昭和の女=ちょっと悲しげ」的な姿でピッタリ、マキエマキさんという写真家の作品みたい。瀬戸内寂聴像としては大成功だと思いました!美しいかどうかは別として。。(失礼)
鬼は誰?
2022年10月10日
映画 #あちらにいる鬼 (2022年)鑑賞
原作者 #井上荒野 の父である 作家 #井上光晴 と #瀬戸内寂聴 の不倫を基にしている
執筆の際に瀬戸内は協力を惜しまず、「モデルに書かれた私が読み傑作だと感動した名作」と絶賛したらしい
器が大きい人だ
一方、井上は単なるエロおやじ
プロ奥さんと小悪魔大人女子
これはトヨエツ氏じゃなかったらどんなふうにに見えたんだろう、と思うくらいダメの境地に達した男を中心に、美女二人がそれぞれ彼に首輪をして紐をつけて引っ張りも離しもせず冷静にもっている感じ。
奥さんの冷静さがすごかった。プロ奥さん。
トヨエツさんなら仕方ない、の気持ちで観てたけど、あれ実在の人物なら一体どのくらい男前な人だったのかしら。
(とにかく『愛してると言ってくれ』が大好きだったので、あの頃の彼へのトキメキがまだ消えない40代です)
いくつになってもトキメキは必要だなと思いました。
人間らしくていい。
寺島しのぶさんを撮りたくて作った映画だとアフタートークで監督がおっしゃってましたが、本当に彼女の可愛い魅力が満載でした。
目がすごーく印象的な人だなと改めて思った。
ずるくて優しい男を取り合う女子たち、大人女子にオススメの映画です。
昭和の力強さの中で生きた彼女たちの生き様の凄さ
時代を映す鑑のような激動と欲動。全編通して憎悪を感じず、思うがままに生きていた人たちの有様を特と食らう感覚。少し恐ろしく、飲まれそうな雰囲気を厳かに受け取る。
単なる情事と侮れず。時代を造るカリスマ的な存在の言葉に溺れ、愛を求めて顧みないことがある種の美徳とも呼べる時代。そんな中で重なっていく2人と、その妻を描く作品。
断片的に「子宮作家」と呼ばれたり、言葉にある救いと少々面白い言動がカリスマ的な魅力へと繋がっていた瀬戸内寂聴さん。そんな彼女がモデルの、衝撃的な破天に色付けをしながら肉を持った作品と言える。時代的に考えられないほど愛に溺れ、優劣の中に浸った力強さは、昭和の馬力を感じさせる。その中にある確かな愛は2時間少々の厳かな雰囲気で彷徨う。
ただ、そこへの造詣が深くないとなかなか難しい。奔放で掴めない人間模様をなぞりながら、作品の愛に食らいついていく。濡れ場の多さに驚きつつ、大人たちの生き様に息を呑む。いや、呑まれるといったほうが近いかもしれない。
主演は寺島しのぶさん。丸坊主で衝撃的な姿を前々から感じていたが、作品の中で必要不可欠なピースだったのだと腑に落ちる。そして、想像以上に“静”な人間だったことに驚く。自由が奔放なことを指すわけではないのだと受け取った。同時に、広末涼子さんの方が“動”を持っているとさえ感じる。受動的に傷つけられていく中で何を持って生きているのか、余白に答えを求めてしまう。豊川悦司さんの敵わない感覚もカリスマらしさを感じ、凄く良かった。
昭和の人たちの力強さは、時代の強さを蓄えた結果なのだろうと感じる。そんな中で愛を追い求めた姿は、紛れもなく時代の一端だった。
めくるめく人生絵巻
今年の5月に『99年生きて思うこと』の瀬戸内寂聴さんを観たあとなので、色んな意味でとても不思議な気がしました。また原作者は父親の不倫を題材にしたというのがこれまたスゴいです。
お母さんの感覚も常識の斜めどころか遙か上を行っているようで、広末涼子さんの演技にも注目していたのですが、このお母さんも書く人だったのですね。
寂聴さんが愛人で、その関係を断ち切るために出家したという話しはよく知られているのですが、今回久しぶりにモテまくるトヨエツを見るのも楽しみにしていたのですが、結局なぜこんなに女たらしのくせにモテるのかはこの映画を見てもよくわかりませんでした。なんなら寝るときもお風呂に入るときもメガネをしているのでちょっとツッコミたくなったり。
そしてこの中で一番輝いていたのは妻役の広末涼子さんでした。
舞台挨拶のコメントも堂々としていて見かけによらず大物振りを発揮、長い長い3人の関係の果ての最後の病室シーン、皆が知っている寂聴さんまんまの寺島しのぶさん、一方表に出る事のなかった妻を演じた広末涼子さんがあまりにも素晴らしくて心が震えました。
この3人の物語を中心に、当時の学生運動や三島由紀夫割腹事件、あさま山荘事件などの生々しい映像、昔のバスやテレビなども興味深かったのですが、この寂聴さんがあの寂聴さんへ続くのだと思いながらも、どうしても妻の方に心が持っていかれたのは、もしかすると作者がいちばん書きたかったのは母(妻)のことなのかもしれないと思ったり、当時はかなりセンセーショナルだっただろうそれぞれの人生絵巻、見応えがありました。
全70件中、61~70件目を表示