劇場公開日 2022年11月11日

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あちらにいる鬼のレビュー・感想・評価

全80件中、41~60件目を表示

3.0広末涼子のどっしり感が凄い

2022年11月14日
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鑑賞方法:映画館

広末涼子といえば、娘というイメージを抱いていたが、この映画では、夫の浮気に、ぐらつかないどっしりとした中年の妻を演じている。彼女に比べれば、寺島しのぶもトヨエツも子供に見えた。仕返しに、浮気を試みるという、凡人の行いが、なければ、理想的哲学者に見えた。回りでなにが、起ころうと、動じることなく、為すべきことを淡々とこなしていく。夫の死に際には、一番の不倫相手を枕元に呼んでやる。生来そういう性格なら、羨ましいと思うが、もしプライドの為せるわざなら、辛いだろうな、気の毒だとおもった。

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カナカナキット

3.0失楽園以来の秀作

2022年11月14日
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あくまでも瀬戸内寂聴をフューチャーせず、不倫をテーマにした作品。
寺島しのぶも良かったのだが、やはり広末涼子がかなり良い。豊川悦司はキャラが何をしても許されるベストなキャスティング。
物語は単調であるが登場人物がハマっていて良い。

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ゆう

3.5予想通り

2022年11月14日
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豊川さん演じる白木の動物的な本能のままの生き方に男の性を感じましたねぇー。世の男らは皆あんな生活に憧れるのかなぁ。とかね。逆に女の弱い性とゆーか。男は恥のために命を捨つ。女は男のために命を捨つ。の聖人の言葉を思い出したなぁ。

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Cinemaオタク女

3.0【愛の流刑地】に少ししか触れてないパンフ❓チト長いけど、年配には誰もがわかる【優しい】作品。ただ出家したのに「餃子とお造り」はアウト。

2022年11月14日
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萌える

愛の流刑地が配給的にまずいのかパンフには迂回的表現。チコっとしか触れてない。

イヤイヤ、寺島しのぶ・豊川悦司 といえば、かなりエロな「愛の流刑地」に決まってるだろ💢

イヤイヤ寺島しのぶは「キャタピラー【エロ目当てでDVD買ったが、実は「戦争映画として秀作」】」といい脱ぎっぷりが良い。

今度は実際に、一発勝負の剃髪で役者根性を見せている。

でも井上荒野の父親、井上光晴 は完全に歴史に埋もれている。申し訳ない
源氏鶏太 とか 寺山修司 同様 今小説家はよほど名を上げないと歴史に埋もれていく時代。
全然関係ないけど、眉村卓とか新田次郎あたりも・・

三島由紀夫はともかく、星新一と並んで、瀬戸内寂聴もギリギリ残るような気がする。
【全然ジャンル違うけどお許しを・・田辺聖子さんは轟沈、向田邦子はギリギリと個人的に思う】

そもそも申し訳ない、別に瀬戸内寂聴さんの話に感心したことは一度もない。
好感は持てるけど・・

「出家って言ってるけど、なんか都合の良い人だなぁ」という印象。
閉・したら坊主頭でマスコミの注目。はかなりムシノいいご都合主義。

本作中、表題のように元愛人井上光晴の妻の手料理
「お造り食べきって、餃子も・・」という描写があるけど
隠れて・・罪悪感を感じながら肉を食うのは全然イイけど
大っぴらに「殺生したもの」食ったらダメでしょ🙅なんのための出家❓❓

イヤイヤ出家初日も元愛人の宿に戻るし、ブレすぎ。
っていうかこの人、どこで修行したの?誰か教えて無知な私に❗️なんかマスコミ向けのダイレクトインスタント感が半端ない。アピール。
勿論現実のサラリーマン坊主は髪もはやしてるし、肉も🥩普通に食っている。
伝統的な永平寺とか比叡山とかは違うだろけど。
医師と違って免許が必要なわけではないから・・誰か「出家」の正確な定義教えてよ?

井上光晴モデルの男は大したことない。単なる自分勝手な昭和の男。
広末涼子演じる妻が実は達観していて聖人。

とはいえ、愛欲に走る作家の二人、見守る賢妻、その他愛人、出家前後の心情、男の最後に立ち会う女二人
の心情が丹念に丁寧に描かれた、誰も振り落とされない、純文学的秀作。
大画面で人物のアップが多いが、わかりやすい、心情描写。

どうでも良いつまらないツッコミどころ→広末涼子のパワーウインドウ自動車🚗は時代考証的におかしい
当時は「グルグル手動でまわして窓操作が正解」その他エキストラの皆さんが当然のことながら、明らかに
令和の髪型、服装【講演会昭和41年の描写】

愛憎の深さ、業の深さ、大人の心情に感じ入る、ある程度人生経験ある人向けの秀作、最後のテーマ曲もマッチしていて良かった。

なぜ、星▼2なのかは、前述の如く、瀬戸内さんの生き方に【処世術、計算高さ、マスコミアピール】感じる
あくまで個人的な感想です。実際は深い人かもしれないし、私の浅い見解は的はずれの可能性大。

熟年の方、劇場は空いてますからぜひオススメ【観客4人でした】同じ時刻終了の【うたの⭐️プリンスさまっ】が若い女性が大量退館で熱気ムンムンと好対照の4人。咳ひとつ無い静寂の4人なのでした。

【劇場版 うたの☆プリンスさまっ】に若干未練を残すジジイなのであった。

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満塁本塁打

3.5昭和の時代に愛に生きた、みはるの凄みに圧倒された!

2022年11月13日
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まさにみはるは、今でいう肉食系女子!
四十歳を過ぎても、若い男をバリバリ食って、
バリバリ執筆に打ち込む…
それも、お見合いで初めて会った相手のもとへ
生娘のまま嫁ぐ時代に!だ
誰がどう思おうが、
作家として女一人でも生きていくという、
腹が据わっている

そんなみはるが、「愛おしくてたまらない」篤郎…
本当に愛していたんだなと思う
しかし!
篤郎は自分ひとりのものにはならない
妻子があるのにあきらめられない…
そんな自分の業の深さや、
忍び寄る「老い」から、
女としての旬の終わりが近いことも自覚し、
選んだ結論が「出家」!!
この生き方には、なんか圧倒された

女にモテまくる篤郎は
亭主関白、女遊びも芸の肥やしみたいな時代には
知的で、優しい男だったんだと思う
逆に、笙子は
夫を立てて、出しゃばらず、
黙って家の中で耐える
昭和の女の典型のようだった

この3人の緊張感のある関係に、
息苦しさを感じつつも、目が離せなかった

セリフ少なめで、
俳優の顔のアップで語らせるシーンが多く、
寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子の
表情だけでの演技力は圧巻!
迫力さえ感じた

はー、瀬戸内寂聴さん、
人生ハンパないわ…

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ぴーちぱい

2.5満鉄小唄

2022年11月13日
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単純

寝られる

満鉄小唄を役者が歌う映画は久しぶり。
大島渚監督の日本春歌考を観た二人。
帰りがけにぶらぶらしながらトヨエツが歌う満鉄小唄。
芦屋小雁が兵隊やくざで、梅宮辰夫が日本暴力列島 京阪神殺しの軍団で、𠮷田日出子が日本春歌考で歌っているのに次いで4人目かと。

雨がショボショボ降るぱん(晩)に カラス(ガラス)窓から覗いてる まんてち(満鉄)のキポタン(金ボタン)のパカヤロウ(パカヤロウ)
さわるはゴチセン(五十銭) 見るはタダ
三圓五十銭呉れたなら かしわの鳴くまで ボボしゅるわ
上がるの帰るのどうするの
早くせいちん(精神)決めなさい 決めたらケタ(下駄)もってあがんなさい
お客さんこの頃、紙高い
三圓五十銭呉れたなら かしわの鳴くまで ボボしゅるわ

満州の朝鮮人娼婦をおちょくった替歌で、キングオブ春歌である。

瀬戸内晴美の自分勝手なみそぎ。
昭和40年の東京でボンネットバスはありえんな。わざと遠い昔の話にしたかったのか?
一方で、ユニットバスはピカピカで新し過ぎる。タイル張りの風呂だと時代にフィットした思うんだけど。
モーレツサラリーマンの時代。
東京近郊で団地建設が一番盛んだった頃。
団地のロケ地は滝山団地。初期から住んでいる人はみんな高齢者になって、階段の外に不恰好なエレベーター付けていたからわかった。時々車で通るから。
当時の文学関係の人たちは、みんなが必死だった時代にこんなことしてたのよ。嘘つきみっちゃんは小倉の生まれなのに満州出身と嘘ついていた。
あの頃、満州出身者の方がお勉強ができていい学校出て有名な人が多かった。山田洋次監督、加藤登紀子、なかにし礼など。
瀬戸内晴美が年下の元共産党員の社会学者みたいな題材を好んで書く作家を出版社が企画した講演会の時に騙されたふりして戴いてしまった。大正時代のアナーキストの伊藤野枝と大杉栄のスケールの大きな恋愛小説を書いていたころで、伊藤野枝になったつもりで意気投合して調子こいたんじゃないの?とアタシは思った。
作家同士と言えども、地味な不倫話しなので、映画化したからといって、おもしろくなるわけでもない。
妻の笙子は無駄口を叩く人ではない。あの時代の良妻賢母。娘に夫の悪口を言うこともなかっただろう。墓場まで持って行ったに違いない。
絢爛豪華な恋愛遍歴のあの人が耐え忍ぶ団地妻の役なのもピンとこない。
子供だった原作の井上荒野さんはよく分からなかったにせよ、この二人とても嫌いだったんじゃないの?
寺島しのぶ。なんか可哀想。
ホントに剃髪しちゃったの?
オールドパーのじいさんの感想ですので、皆さんは気にしないで観て下さいな😎

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カールⅢ世

0.5瀬戸内寂聴さんの不倫関係を描いた内容だそうです

2022年11月13日
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出家した女流作家の、瀬戸内寂聴さんの不倫関係を描いた作品だそうです。

不倫関係を描いているので、男女の営みのシーンが多めです。

作品の内容については、個人的な感想としては、何処にでも有るような、男女の不倫関係の日常を淡々と描写した平凡な物語ですが、最後に、不倫した女性が不倫関係を精算するために、出家の道を選んだという所に特長が有るように思いました。

この作品の見所は、中高年男女の不倫シーン、主人公の女流作家演じる寺島しのぶさんの剃髪シーン、豊川悦司さん演じる不倫相手の男性作家の女形のストリップシーンのように思え、瀬戸内寂聴さんについて関心が無い方は、退屈になるかもしれないと思いました。。

私が不思議に思ったのは、瀬戸内寂聴さんの生前に、何故、この作品が映画化されて全国公開されなかったのだろう?ということです。

小説と異なり、視覚に訴える映像表現のインパクトは強烈なので、この作品に対する、瀬戸内寂聴さんの批評を聞きたいところですが、それは叶わないのが残念です。

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The_Winnie

4.0何だろう?

2022年11月13日
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悲しい

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SAKURAI

3.5夫は妻に嘘をいう。妻はいつも知っていた。

2022年11月13日
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hum

3.5複雑なでも濃厚な恋愛と人世の映画

2022年11月13日
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舞台挨拶初日上映に参加。5m前で見るトヨエツさんのあまりのカッコよさとオーラに男ながらにうっとり。1年前に惜しまれながら逝った瀬戸内寂聴さんと出家を決意させた妻子ある作家、井上光晴さん、その奥様の恋愛物語を娘目線で記した物語。3人ともに同じ墓地に眠るという。複雑なでも濃厚な恋愛と人世の映画。

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masayoshi/uchida

4.0「鬼手仏心」、いや「鬼心仏手」か。

2022年11月13日
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悲しい

知的

難しい

居るよなぁ、
特定の女性層を磁石のように引き付けるこの種の男性って。

この磁石はN極・S極のように更に二つの属性に分けられ、
片方はそれに気づかず、却って周囲をやきもきさせるタイプ、
もう片方は自己の魅力を判っていて、都合良く利用するタイプ。

本作の主人公『白木篤郎』が後者の好例。

虚言癖もあり、更に二重三重に不倫を重ねても罪悪感さえ持たず、
相手の自殺未遂にも感情を動かされることは無い。
あまつさえその後始末に妻をよこすくらいに。

加えて、自分の所有物と見做している間は、
著しく独占欲も強くなる。

一個の人間として見た時に、
まさに「クズ」と表現したくなるほど。

しかし、こうした男に限って
抜きんでた才能を持っており、彼の場合は小説の才。

そしてその魔性に魅せられてしまったのが『長内みはる』。
『篤郎』が妻帯者で娘もあることも知りながら
ずぶずぶと道ならぬ恋に溺れて行く。

本編は、そんな二人の馴れ初めから、
『篤郎』が亡くなるまでの約三十年を
時系列に沿って描いたもの。

中途、『みはる』の出家仏門入りにより、
肉体関係は清算されるものの、おそらく精神的な繋がりは、
彼の死まで続いたのだろう。

人は誰でも心の中に鬼が済んでいると言う。

鬼心が表出する・しないは夫々も、
自身では押し殺していて、傍目にはそう見えなくても
鬼をおさえきれない場合がある。

『篤郎』の妻『笙子』のケースがそれにあたるか。

不倫相手との清算を任され、
読みにくい原稿の清書をし、時としてゴーストライターともなる。
夫が何処で何をしているかを知っていながら、
けして離婚しようとはせず、
お釈迦様の掌上の『孫悟空』のように夫をあしらう。

しかし時として、やるせない感情が溢れ出す時があり、
そこはやはり人間らしさの体現なのだろう。

三人の主人公を演じる、『寺島しのぶ』『豊川悦司』『広末涼子』が
何れも出色。

その技量に頼った監督は、意図的に顔のアップの場面を多くし、
感情の動きを微細な変化で見せる。

時としての長回しにも十分に対応できる力量が
三人皆々素晴らしい。

わけても今回は、実際に髪を下ろしてまで取り組んだ『寺島しのぶ』の役作りに
女優としての意気を感じる。

〔キャタピラー(2010年)〕や〔ヴァイブレータ(2003年)〕にも驚かされたが
違う意味でカラダを張った彼女の凄みを改めて思い知る。

実際の『井上光晴』がどのような人物だったかは知らぬが、
今回演じた『豊川悦司』は同性から見ても随分と魅力的。

身勝手なのに変に憎めず、
女性の心理を読むことにたけている奔放な男を
軽々とモノしてみせる。

もっとも、身近にこんな人物が居たら、
世の男共は気が気ではなかろうが。

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ジュン一

4.0寺島しのぶの剃髪シーンは見所

2022年11月13日
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知的

萌える

人気作家の長内みはる(寺島しのぶ)は作家・白木篤郎(豊川悦司)と講演をきっかけに知り合い、男女の仲になった。一方、白木の妻・笙子(広末涼子)は夫の奔放な女性関係を黙認することで夫婦生活を続けていた。しかしみはるにとって白木は体だけの関係にとどまらず、同じ小説家として、書くことを通してつながることで、かけがえのない存在となっていった。その後、みはるは白木との男女の関係を断つため出家し・・・という、ストーリー。

瀬戸内寂聴と井上光晴、井上の妻の3人がモデルの小説が原作らしいが、寺島しのぶが瀬戸内はるみにみえた。
特に寺島しのぶのリアル剃髪シーンは女優魂の凄さを感じた。
耐える妻役の広末涼子も素晴らしかった。
鬼とは自由奔放に好きになった女性を抱きまくった白木の事なんだろう。もちろん豊川悦司も良かった。
人の心を打つ作品を書こうとしたら、それなりの実経験が必要なのかも。芸のためなら女房も泣かす、っていう歌の歌詞が頭をよぎった。

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りあの

4.5久々に男と女の腐れ縁という業を描く日本📽️の秀作。主演二人が名演。特に寂聴さんが憑依したような寺島しのぶの演技には舌を巻く。男としては、鰻を食べながら涙する豊川悦司の表情に涙が溢れた。

2022年11月13日
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①戦後の日本映画の黄金時代に『浮雲』という、腐れ縁で繋がったどうしようもない一組の男女が流されて行く姿を描いた傑作がある。時代も背景も全く違うが、令和版『浮雲』というところか。
②最初に二人でタクシーに乗っているシーンで、白木がみはるの帯を誉める。これだけでこの後白木とみはるの間に男女の関係が生じることを暗示してそこはかとない官能が匂い立つ。運転する付き人も「またか」と思ったかどうか分からないが反応する。「帯を解く」ということが昔の日本でどういう意味を持っていたか知っている人にはわかるだろう。上手い導入部だ。さすが荒木晴彦の脚本。
③白木が不倫をする度に(しかもみはると関係しているときにも二重不倫をする)綿矢りさの『嫌いなら呼ぶなよ』に出てくる不倫男とそれを糾弾する女性達と一緒に糾弾するその夫達のことが思い起こされてならなかった。不倫男もどうしようもないナルシストで小狡い男ではあったが「自分はそういう人間だと自覚しているし、それをしないと自分ではないと思うので悪いこととは思わないし、だからどうしても止められない」というところはわかる気がした(私も世間の訳知り顔ってあまり好かんので)。一方、糾弾する側の妻とその夫達と同じように考える人達にとってはこの映画には拒絶反応を示すだろうけどなぁという事も。
④演出も大変しっかりしている。廣木隆一監督作品には『ヴァイブレータ』には感心したが(『ここは退屈、迎えに来て』もなかなか良かった)、最近は若者向けの映画ばかり撮っていてちょっと軽んじてました。見直した。しかし元ピンク映画・ポルノ映画の監督達ってみんな映画的演出が巧いというのは面白い。
⑤白木のモデルとなった井上光晴は、最近観て襲撃を受けた映画『地の群れ』の原作者だった。What a coincidence ! みはるが男としてだけではなく、同じ作家として一目置いていたのもわかる気がする。でもこういう人だったんだ。
⑥“どうしようもない男だけど愛しくて仕方がない”という気持ちは、ハッキリ言ってよくわかる。本当に“恋”をした人間には誰でもわかると思う。ただ、普通は世間とか他にも色んな事が気になって一歩を踏み出せない、一線を渡れない。しかし、みはるはその一線を易々と越える強さというか価値観がある。そして白木とは愛欲・情欲だけではなく、どうしても切れない糸という縁を持ってしまう。
それでも、いつかは切らなくてはならない、ということも理解している。そこで選んだ道が出家、理由として“どちらかが死ななければ終わらない。あなたには死んで欲しくない。だから私が死ぬの。出家って生きながら死ぬようなものでしょ。” 出家とは本来そういうものではないし、実際には他にも理由があったようですが、この📽️ではるみにそう言わせたのは、“それほど好きなのだ”ということを強調するため。
そして、鰻を一緒に食べながら、妻の「あの人は出家したからもう鰻は食べられないのね」という一言に嗚咽し泣き出す表情を撮し続けることで、白木も同じ気持ちだったことを観客に伝える映画的演出。
⑦寺島しのぶの演技は久々に日本映画で観た“これが演技”というもの。『愛の嵐』のダーク・ボガート、『アマデウス』のF・マーリー・エイブラハムや『愛と喝采の日々』のアン・バンクロフトが見せた演技と比肩出来るだろう。
⑧豊川悦司も“どうしようもない男”の可愛さや色気を漂わせながらしっかりした人物像造形を見せる。
⑨広末涼子は、さすがに寺島しのぶと豊川悦司の横では分が悪いが、白木の言葉を真に受けて家出して家に押しかけてきた勘違い女を白木が慌てふためきながら外に連れ出す一幕を横に平然とお茶を飲んでいるシーンはなかなかよかった。また、歳をとってからの演技もよろしい。
実は三者の中では一番難しい役柄でそれだけやりがいのある役なのだが、そう思い至ると、同じ様な題材の『火宅の人』で同じ立場の役を好演したいしだあゆみの凄さを今更ながら思い出してしまう。

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もーさん

5.0(特殊な事情もあり)積極的な減点もしにくいのも確か。

2022年11月12日
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今年328本目(合計603本目/今月(2022年11月度)15本目)。

まずこの映画はもとの小説があり、もとの小説内で、小説で登場するキャラクタが別の実在しているキャラクタを参照している、といったことがまず前提にあります。そして小説で描かれる内容の映画化ということなので、時代はだいぶ前、昭和になっちゃいますからね…。

 一応R15だから最低限「みちゃいけない人」は設定されているし、確かに描写が極端に偏っているなぁ…(R18よりというより、単に頻度の問題)、あるいは「現在の基準に照らすなら」道徳観がないなぁ…という部分は感じましたが、この点、特に多くの方も書かれていますが、道徳面というのは歴史や地方等で慣習によっても変わってきますし、「今の基準からみておかしい」とかというのは、それもそれで理解はしても、妥当な採点か?というとそれも難しく、「おそらく当時はこのような風習だったのだろう」という理解で見る必要があるし、それ以外の方法は無理なので、まぁ、確かに「うーん…」という部分はあるし、いわゆる「大人の営みのシーン」は多めでもあるのですが、元の小説には忠実である必要があるし、今の、ではなく、「当時の」道徳観で論じなきゃいけないという前提では、多くの方が書かれている「なんじゃこりゃ」の部分は理解はしても、その「当時の倫理観はそうであったのであろう」という前提では大きくは引けません。

 ラストはちょっと涙が…。
まぁ、「だいぶ」人を選ぶのは事実ですが、今週は結局「すずめ」がどんどん押していて来週はわかりませんが…マイナー作はどんどん放映回数が減ってしまいかねないので、興味がある方ならぜひどうぞ。

 確かに気になる点はあるものの「当時の道徳観がわからない以上、現在の道徳観を用いて減点する」というのは著しく正義に反しますし、常識的に見れば(ある程度どうかな…と思う点はあっても、同じ日本であるのであるから)わかるということも踏まえて、あえて私は減点なし、にしました。

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yukispica

3.5長生きする秘訣がここにありました‼️❓

2022年11月12日
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私事ですが、三十年ほど前、瀬戸内寂聴氏に仕事で講演を依頼しました。
高齢者の生きがい、と題して、二時間で百万円、恋愛それも性愛の話をされました、どんな依頼でもその話をされるようです、もちろん小説もそれオンリー。
事前に、彼女のことを調べたら、生き方もそれオンリーでした。
その目的のために、パワハラ、セクハラ、不倫などやりたい放題、それで文壇から批判され、出家を隠れ蓑にして、生き返りました、彼女の口癖は、神も仏もいるもんか。
その当時、七十超えでしたが、テカテカと輝き皺一つありません。
この映画を観て、こんな人が長生きするんだ、そう思う。
こんな人の犠牲になる我々凡人は、死ぬ気で生きるんじゃ無くて、殺す気で生きないといかん、つくづくそう思います。
凡人に生き方を教えてくれる映画、是非。

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アサシン5

4.5凄く愛情に溢れた映画でした。

2022年11月12日
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泣ける

悲しい

みはるさんのエンディングの涙について考えてみた。

どうしようもない人だけど、愛おしくて、愛おしくてしょうがない、いっそ死んで欲しいって劇中で言ってたみはるさん。

エンディングの涙はようやく自分の思い通りになった喜びか、それでもやっぱり生きていて欲しかったと願う悲しみか、それが綯交ぜになったあの表情、寺島しのぶさんの演技、素晴らしかったですね。

余談ですが、男は弱くないと愛されないんだなと改めて感じました。

男は強くなければ生きてゆけない、優しくなければ生きている資格がないとレイモンド・チャンドラーは言いますが、女々しくて弱い人滴し(女誑し)の男であればあるほど愛されるんじゃないかと······

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ちゆう

3.0鬼って誰?あちらはどちら?

2022年11月12日
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どこまで実際にあった事なのかは分からないけど、昭和の時代って浮気オッケーだったのか?
豊悦演じる小説家の既婚者の白木篤郎と後に尼さんになる未婚の小説家長内みはるが、仕事で出会ったのをきっかけに愛人関係になる。それにしても白木めちゃくちゃモテる。出会った女達とやりまくりだ。そしてその事実を知っていながら責めもしない広末涼子演じる妻、笙子。とっても綺麗で可愛かったよ。何だか分からないのが、皆んな浮気しまくってる所。あら、日本にもフリーセックスの時代あったっけ?なんてね。かなり長い間、付き合っていた、みはるが突然出家する事に決める。出家するって死にながら生きるって事なのね。何じゃそれ?
この映画、瀬戸内寂聴さんの話なので主人公はみはるかと思ってたんだけど、白木の生き様の方がメインだった気がする。そしてラストはジジババになった3人が迎える運命。
誰かと対立する事もなく、ずっと楽しげなベッドシーンを観せられ続けた感じ。そこそこ楽しかったです。

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涼介

2.5ある意味ファンタジー

2022年11月12日
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2022年劇場鑑賞259本目。
超能力とか、宇宙人とか、そういう非日常の出来事を描く映画もファンタジーですが、こういった自分には全く起こり得ないこともファンタジーに感じます。
豊川悦司40歳も無理あったし、髪にちょっと白メッシュ入れた広末涼子がお婆さんというのも雑なメイクだなと。
まぁ妻と愛人が憎しみ合わずに済むために出家してバランスを取ったのだけは共感できましたが、なんともじっとりした作品でした。

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ガゾーサ

3.0タイトルの意味は……?

2022年11月12日
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単純

寝られる

アツロウ元気過ぎる。

とはいえ、そんな男に惹かれてしまう時もあるんでしょうね

あんまり共感できる事無かったですけど笑

時代も時代だったので

そんな無茶苦茶も通ってしまってたんですかね?

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BAMBi

3.5舞台挨拶鑑賞

2022年11月12日
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MCの人がとても上手でした。

白木さんが主人公ですね。奥さんは、とてもたいへんなのに笑顔を絶さなかったことはスゴいです。
瀬戸内寂聴さんのロマンスですね。
鬼は誰? わかりませんでした。

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かん