劇場公開日 2022年11月11日

  • 予告編を見る

「昭和の時代に愛に生きた、みはるの凄みに圧倒された!」あちらにいる鬼 ぴーちぱいさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5昭和の時代に愛に生きた、みはるの凄みに圧倒された!

2022年11月13日
スマートフォンから投稿

泣ける

まさにみはるは、今でいう肉食系女子!
四十歳を過ぎても、若い男をバリバリ食って、
バリバリ執筆に打ち込む…
それも、お見合いで初めて会った相手のもとへ
生娘のまま嫁ぐ時代に!だ
誰がどう思おうが、
作家として女一人でも生きていくという、
腹が据わっている

そんなみはるが、「愛おしくてたまらない」篤郎…
本当に愛していたんだなと思う
しかし!
篤郎は自分ひとりのものにはならない
妻子があるのにあきらめられない…
そんな自分の業の深さや、
忍び寄る「老い」から、
女としての旬の終わりが近いことも自覚し、
選んだ結論が「出家」!!
この生き方には、なんか圧倒された

女にモテまくる篤郎は
亭主関白、女遊びも芸の肥やしみたいな時代には
知的で、優しい男だったんだと思う
逆に、笙子は
夫を立てて、出しゃばらず、
黙って家の中で耐える
昭和の女の典型のようだった

この3人の緊張感のある関係に、
息苦しさを感じつつも、目が離せなかった

セリフ少なめで、
俳優の顔のアップで語らせるシーンが多く、
寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子の
表情だけでの演技力は圧巻!
迫力さえ感じた

はー、瀬戸内寂聴さん、
人生ハンパないわ…

ぴーちぱい