私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスターのレビュー・感想・評価
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【或る出来事が重なり、憎しみ会うメンドクサイ姉弟を軸にした、或る大家族の群像劇。アルノー・デプレシャン監督らしい解釈を観る側に委ねる作品である。】
■有名な舞台女優である姉・アリス(マリオン・コティヤール)と、詩人である弟のルイ(メルヴィル・プポー)。
最初は、ルイと妻フォニア(ゴルシフテ・ファラハニ)の、6歳の子が亡くなった時に、アリスが一度も会いに来なかった事から激怒するルイの姿が映される。フォニアが、ユダヤ教徒だったからであろうか・・。
次が、売れない詩人だったルイが高名な賞を得た時の授与式で、アリスが笑顔で”大嫌い・・。”と告げるシーンが描かれる。彼女は売れない女優になっていたのである。
そんな事が重なり、2人はお互いを憎みあい、長らく顔も合わせていなかった。そんなある日、両親が突然多重事故に巻き込まれ、姉と弟は再会する。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作のフライヤーの裏面にある、ヴェイヤール家の人達の相関図をチラチラ見ながら鑑賞したのだが、私の頭が悪いのか、アルノー・デプレシャン監督らしい捻ったストーリー展開がナカナカ頭に入って来ない。
・兄弟同士で、そんなに喧嘩をしない私には、何故にあそこ迄二人の関係性が拗れたのか、ナカナカ理解できなかったのだが、悔しいので、イロイロと考えて見た。
・まずは、兄弟間でも憎悪しあうのに、大きな理由は要らないのはないかという事である。
私事で恐縮だが、私と弟は、小さい頃にどうしても周囲の愛情、特に祖父母の愛は初孫である私に注がれた。
祖父母が亡くなった際に、弟から”兄さんは、あんなに可愛がってもらったのに、一度も見舞いに来なかった。冷たすぎる。”と詰られた事は良く覚えている。
・今作では、たとえ姉弟でも些細な事(今作で言えば、姉の女優としての凋落と反比例の様に有名詩人になった弟との関係性など。)で、その関係は壊れる事が描かれているのであろうか。
<だが、今作のラストでは、アリスは夫も子も捨てて、一人異国の地で暮らしている。そして、”弟を育てたのは私”と呟くのである。
今作は、或る出来事が重なり、憎しみ会うメンドクサイ姉弟を軸にした、或る大家族の群像劇であり、アルノー・デプレシャン監督らしい解釈を観る側に委ねる作品でもある。>
嫌いになった理由はあるのか? 「理由は無い」と答えるデプレシャン監督
さて皆さん、
ごきょうだいの仲は良好ですか?
再会する時に、ためらいや緊張は起こりますか?
僕の友人が、御尊父を亡くされて、葬儀のために田舎へと帰りました。
ずっと仲の悪かった兄弟が (仕方なく) そこで顔を揃えたのだそうです。
長男のお嫁さんが、精一杯の勇気を振り絞り、気を利かせて、「こういう機会だからみんなで写真を撮りましょう」と、思い切って提案した。
「あ、俺いいスから」と、バネに弾かれたように三兄弟はカメラの前から離れてしまったのだと。
お嫁さんが、可哀想すぎる。
みんなが辛い。
たとえ親の葬式でも
兄弟の仲は修復は出来ないんですよ。
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本作では、不運な交通事故で危篤の重傷を負った父親と母親が登場。
年寄りには切なる願いがあったことだろう。
仲たがいする娘と息子、この姉弟を憎しみの呪縛から解き放つこと。
例えそれが積極的なものでなかったとしても、親がいなくなることが、子らの接近のきっかけの足しにはなるかも知れなかったのに。
けれど作家の弟と、女優の姉だ。
出演者の名前を見れば、これが一筋縄ではいかない映画だと察しはついたけれど、
いま、ちょっとした小説を読み終えた感がある。
それぞれの独白がこの映画の物語を導き、彼らの想いと生き様を言葉にしてナレーションする。
二人の表情と声の穏やかさがとてもいい。フランス語がいい。
けれど二人が対面すると、その穏やかさは消える。
ヒステリーの発作。早口の怒号。共に暮らせない二人。似たもの同士。
これからもこの緊張関係とDistanceは続くのだろう。
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僕も弟とは疎遠で。
修復は出来なかった。無念だけれど、どうにもならなかった。
それでも世界の何処かにその相方がいる。
この姉弟の関係=「理由なき反抗」と「生理的拒絶感」が
それぞれの人生のための反転した海図であり、暗礁を避ける羅針盤であってくれるのだろう。
つまり引き合うことだけが人間関係ではないのだ。
対極の存在として、反発して遠ざけることも自分たちの譲ってはならない立ち位置だ。
各シーン、各エピソードは
羅列に終始しているばかりで、ハッピーエンドでもバッドエンドでも無いのだが、衣装も美術も演出も良い。そして出演者たちの演技はずば抜けている。
だから飽きずに観ることが出来る。
「反感」は、小さな事件の積み重ねで骨身に刻まれて来た場合もあるし、ある日突如として始まるケースもある。
そして生まれながらに反りの合わない肉親もいる。
確かにこれは出来の悪い映画かも知れないが、出来の悪い人間を映すのだから、仕方もあるまい。
この映画には、ノーマルはひとりもいなかったし、種明かしも結論もない。
てもこういう前後不覚の「切り取られた瞬間」の物語が堪らなく好きな自分にとっては、幾度も観返してみたい、実にハマってしまう作品だった
「理由は無いけれど、嫌いな身内がいる。そしてこれが我々の日常・・」
という
身に覚えのあるスーパー・レアリズムの映画なのだ。
🌿✨
でも口直しに
益田ミリ原作の「僕の姉ちゃん」を観てなごむ。
実写版の主演は黒木華なんですよ(笑)
もう少し経緯が欲しい
あんな弟ならしんどい
親と子と、姉弟の確執
映画に流れる雰囲気は凄く好き。マリアンと弟役の役者も憎み合ってる姿は本当に感じる程。
理解出来ないのは、嫉妬や確執で姉弟がそこまで仲悪くなるのか。育った環境で悪い事だけを考えるから、仲違いする。良い事考えレバ確執は消える。
ラスト近くの和解も理解は出来ない、本来ならば両親が死ぬ前。最後自分が無になると言ってるが、人間は考えすぎておかしくなるんだね。
本当に何が言いたいのか分からない
大切な人へ
不思議だ...
姉にも弟にも、弟の嫁にも、メインの人物、誰ひとり共感できないのよ。
どいつもこいつも、ウエットな感じで…
ずーっと曇ってる感じで…。
どんだけ、シスコン?ブラコン?
親離れというか家族離れしてへんねんっ!!と、
かなりイライラしてたのよ。
なのに、面白かったのよ!
残ってるのよ。余韻がうっとおしいぐらいにあるのよ。
これぞ、フランス映画ね。
兄弟姉妹が仲悪いなんて、珍しいことじゃないし、
そんな些細な日常を、よくもまぁ、こんなに含みを持たせて作品としてつくるよね。
でもって、余韻ありありで心に残してくれちゃって。
やっぱ、上手いんだよなー。
演技も演出も。
だから、惹きつけられてたのよ、ずっと。
マリオン・コティヤールの美しさも、ゾワゾワするぐらい、素晴らしい。
ストーリーは1行で書けるほど単純で、のっけから着地点の予想がつく。...
23-111
そこそこ視聴にあたっての理解難易度は高いが、フランス映画好きなら是非
今年316本目(合計966本目/今月(2023年9月度)26本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
親が突然倒れたことをきっかけとして、いがみあっている姉と弟が少しずつ歩み寄っていくというお話です。
最初はものすごく仲が悪いことが描写からでもわかりますが、ラストになるにしたがってお互い歩み寄っているんだな…ということは誰の目にみてもわかります(むしろそのエンディングでないほうが嫌…)。
ただ問題はそこからで、妙なまでにお互いのとる行動がヘンテコなため字幕もよくわからないものが多ければ、何を描写したいのだろう…という点が多々多々見られ、当然映画のストーリー的には「最後には仲良くなるのだろう」ということはある程度推測はついても、字幕も描写もよくわからない部分が多いため、何というか「仲良し度の度合いのメーター」がよくわからず、「今どのくらいの距離感か」を(誤差を含めて)はかりにくい、つまり換言すれば、最初の距離100と最後の距離0(仲直り)と真ん中の50くらいの3つくらいしか観念ができない、難しいといった点は確かにあります(他の方も書かれている通り)。
もっとも、フランス映画は何らかの意味で観客に考えさせるような映画も多いし、この映画に関してはラストの仲直りしているシーンは明確なので、「その過程について正しく理解できるか」という点についてあえて「わかりにくい」(というか、フランス映画らしい余韻の残し方)をしたのだろう、という点は思えるので(これが、明確にアクションでしょみたいな韓国映画だったら当然大幅減点になる)、減点対象は考慮しました。
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(減点0.2/どうしても理解が難しいという点はある)
・ 字幕も妙にわかりにくい点もあり、「2人(姉と弟)が今どの程度の距離感なのか」というのがわかりにくい部分があり、そのままエンディングに突入して「一応関係修復しましたよ」みたいな描写のままエンディング…というのは、一応「フランス映画らしい余韻の残し方だなあ」とは思ったものの一定の理解・考察を必要とする映画で(私も何が正解なのかよくわからない)、好き嫌い(フランス映画によくある「独特な「観客で考えてね」みたいな部分)は明確に思えましたが、この点「全然ワケがわからない」わけでもないし、大きくは引けずこの程度です。
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妬み嫉み僻み
大人になってからいがみ合い疎遠となった姉と弟が両親の入院を機に絡む話。
有名舞台女優である長女と、有名な詩人の長男、そして大学だ物理学を教える次男という三人姉弟という設定で長女と長男がバッチバチという設定。
進行して行けばわかるけれど、序盤は人物像や相関なんかが非常に解り難い状態で物語をみせられて入ってきにくいし、ストーリーが進んでからも何で?というか何だそれ?が結構多い。
とりあえず、二人共自己中な上に方やメンヘラ、方やDQN気質というのは良くわかったけれど。
確かに大きな出来事はあったけれど、鼻血出したりぶっ倒れたりする程の嫌悪がそんなあっさり?と釈然としないし、そもそもそこまでの仲になったのも訳わからんしで全然引っ掛からなかった。
どうでも良いけど精神科医が若山富三郎にみえてしかたなかった。
観たい度◎鑑賞後の満足度◎ 簡略すれば“可愛さ余って憎さ100倍”“近親憎悪”の話なんだけど、肉親間のかなり複雑な感情を喜劇と悲劇とのあわいの中でで描いているのが如何にもフランス映画らしい。
鼻血とくれば白血病
家族間は必ずしも穏やかな愛で溢れているわけではない
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