リバー、流れないでよのレビュー・感想・評価
全260件中、1~20件目を表示
実写版ロールプレイングゲーム
大好物だわ。こういう脚本、こういう雰囲気。
ある旅館の敷地のみで展開するというこじんまり感もよし。
「四畳半神話体系」と同じジャンルね。そういば向こうも舞台は京都だったなあ。京都は「こじんまり」「質素な」「バタバタ」「奇怪な」が合うのよね。
映画というより演劇を観ているような感覚に陥ったが、実際に劇団ヨーロッパによる映画だったとは。へえ〜。
貴船といえば夏の風物詩「川床」。「かわどこ」と読みますよ。ちなみに四条付近の鴨川沿いに並ぶ「川床」は「かわゆか」と読みます。豆知識。貴船は夏のイメージだったが、冬の貴船も趣があっていいもんだなあ。というか冬も旅館やってるんだ。今度行ってみよう。(貴船の観光戦略映画だったりして。)
こんな風に何度もやり直せたら、どんどんよくできるしよいな。でも現実はそれは望めない。どうするか?ダルビッシュが20歳の時に言っていた言葉が参考になる。
「40歳になってクビになって仕事がなくなった時に、神様が現れて‟1回だけチャンスあげるから20歳に戻っていいよ”と言われ20歳に戻ったのが今の自分だと思うようにした。同じ失敗はしたくないから絶対努力するに決まっている。次の日から気持ちを切り替え、行動もすぐに改めた。」
ダルビッシュのように「今人生2回目をやりなおしている」と思って、後悔のない行動と選択をしていこう。(決してまだ10回あると思わないように、、笑)
・演劇調の群像劇。それぞれに時間を止めたい理由がある。脚本秀逸。
・タイムパトロールのマシンが学芸会レベル(笑
・「私の初期位置、あそこなんで。」笑
・変な題名だなあと思っていたけど。「時間よ、流れないでよ」なのね。
スケールの小さなSFから感じる、優しさと丁度良さ。
◯作品全体
ヨーロッパ企画・上田誠が手掛けるSF作品の一番好きなところは、登場人物の手が届く範囲でSFをやっているところだ。
世界や宇宙を巻き込んだスケール感は、確かにSFでないとできないかもしれない。一方で、登場人物の手が届く範囲の世界で繰り広げられるSFによって、ドラマを描くには弱いけれど、その登場人物にとっては大問題であることにスポットを当てることもできる。
それに気づかせてくれるのが上田誠のSF作品だと感じた。
本作で言うならば、旅館で働く主人公・ミコトと彼氏のタクが離ればなれになる、というドラマがある。しかしこのドラマは誰かに強制的に引きはがされるわけでも、タクの強い意志があるわけでもない。今生の別れになるわけでもないし、二人が離れることで世界を揺るがすわけでもないし、語るには少し弱い。
しかし、ミコトにとっては本当に深刻な事件なのだ。それこそ、宇宙と同じくらい遠くに感じる異国の地へ、貴船という小さな世界から旅立ってしまおうとしているのだから。
そこでその感情をドラマチックにするのが、2分間をループするSF設定。タクが居なくならなければいいのに、という願いにリンクするように、貴船から出ていくことのできない時間だ。小さなスケールがまた良い。ミコトが内に秘めた、小さな感情を置き去りにしないSFのスケール。他愛のないことで揉めたり、二分という制約がほどほどに登場人物を苦しめている感じが、ミコトの感情を描くうえですごく丁度いい。
ループの原因をミコトとするのでなく、未来人のタイムトラベルマシンの故障とするところも良かった。誰のせいとかそういうのでなく、それぞれがループする時間で自分自身を見直すことができたのだからそれでいいじゃないか、と諭すような優しさを感じる。
故障を直す手段も小さなスケールなのは思わず笑ってしまったが、背伸びしていない感じがして、それはそれで作品らしさがある。
小さなSFによって登場人物たちの内なる世界を小さく揺さぶる。その描き方が優しく、そして丁度いい。
〇カメラワークとか
・2分のループをワンカットで撮っていた。その時間だけは地続き、というのが視覚的に分かりやすい。
〇その他
・序盤はミコトの初期位置からいろんな方向へ進んで、いろんなイベントを見に行く感じが面白かった。この感覚、既視感あるなーと思ったけど、ヨーロッパ企画が昔作ってたゲーム「名探偵スワー」がその正体な気がする。あれもいろんな方向やアクションを選んで、総当たりしてみたくなる感じがあった。
・先輩後輩の二人組が良い味だしてた。最初は仲良さそうな感じだけど、ループの中で本心を吐き出して対立し、最後は吐き出しつくして理解しあうっていう。断片的にしか映してないからこそ、その間にあった出来事を想像しやすい。
・登場人物たちがループの法則を理解するまで少し時間がかかったり、イマイチ理解してないもどかしさにちょっとイライラするけど、多分これって脚本の手のひらで踊らされてる。理解したあとの展開を早く見たいって思わされる感じがした。『サマータイムマシンブルース』もそんな感じ。
・最近のヨーロッパ企画のメンツを全く知らないから、みんな老けたな~って思ってしまった。ちょっと前に見た『サマータイムマシンブルース』では若々しい大学生たちが、みんな中年おっさんになってる…
2分のタイムループでできることをとことん追求。
2分というタイムループでこれだけのことができるのかと、発想と工夫が面白くて、最後まで繰り返しがダレずに楽しめる。それだけでも作り手の自信とスキルに感心するし、舞台となる料亭の高低差、段差を利用し手動きまくる長回しの撮影が生きていて、キャストとスタッフが一丸となっているパワーみたいなものも感じる。
いやあ、これは面白いですよ!と手を叩きたい作品、なのだけれど、ギミック的なウェルメイドを目指しているがゆえに、面白さが予想外のところまで跳ね回らず、予定調和という天井でひっかかっているようなもどかしさはある。
あともうひとつ、これはもう呪いのようなもので、この映画が、というか、脚本の上田誠が選択した「舞台は京都だけど方言は使いません」という選択肢が、わりと地元が近い者としてどうしてもノイズになってしまう。
むしろ方言のえぐみがこの物語や作品にとってノイズになるだろう、と判断するのもわかる。上田誠が関わった『夜は短し歩けよ乙女』も「四畳半神話大系」も似た趣向で方言話者がほぼいないが、あれは原作者の森見登美彦が選んだ表現でもあった。
そうなんだけど、目の前に映っているのは京都の(というか貴船限定だけど)の風景で、そこには京都の文化も根付いていて、なおかつ方言のグルーヴ感も知っているので、もったいないと思ってしまうのだ。これはこの作品だけの問題ではないのでこれくらいで一旦棚に上げるが、ご当地映画と方言については、どっちが正しいかではなく、一つ一つ検証していく価値のあるテーマだと思った。
たまにはこんなことがあってもいいかも
時間が繰り返してるー
登場人物の人のよさが冒頭数分で伝わってくる。
何からそう感じたかわからないけれど、とても雰囲気がよい。
この演出をしたスタッフの方々、演者の方々の力がすごいと思う。
冒頭の雰囲気を裏切ることなく、ずっといい感じで進む作品。
癒しでした。
サスペンスにもなり得る設定を、この感じで描いてくれたことに感謝。
そして突如出てくるキンザザっぽい乗り物が好きです。
あとくるりのエンディングも最高。
忙しすぎる現代。
自分があの状況になったらどこまで楽しめるだろうか。
登場人物それぞれ違った立場から、みんなそれぞれに幸せを見つけていく。
毎日も24時間の繰り返し。
大体同じようなことをしながら、少しずつ前に進む。
どうせ進むなら幸せに向かいたいと思わせてくれる作品。
ちょっとずつ変化して
時々休んで
でも幸せの方向へ。
きな臭い世の中だけど、自分の手の届く範囲は
笑顔が溢れるように行動していきたいな。
え、これ、低予算映画ってことですよね? 期待しなくていい、おもしろい
スラップスティックSFラブコメ
ループ時間がたったの2分でどうやって物語ができるんだろうと思って見たが、そういうことだったんだ!と、ちゃんとオチる、しかもキュンとする恋バナになっていてびっくりした。
ループ時間の短さによるドタバタにロマンチックな興趣を添えたのは自然の雪。冬のロケではあったが雪の想定はしておらず、セリフを足したそう。雪の貴船神社参道は画になる^^
タイムトラベラーのお姉さんのからみがもう少し欲しかったかも…。
シンプルに展開が面白い!
全然興味なかったけど、YouTubeの紹介を見て視聴。面白かった!!たった2分だけのループで繰り返されるストーリー。事象は戻るけど記憶は持ち越されるからこそできる展開。2分というのがスピーディーで続きが気になりワクワク感が続く。それぞれの個性が見えてきて、初めはそんなにかわいいと思わなかったみことちゃんがだんだんかわいく見えてくる。序盤から中盤のわちゃわちゃ感から、最後終わってしまったちょっとさみしさすら感じる余韻。タイムループものはたくさんあるけどとても楽しめる映画でした。
短いようで意外と長い2分
共同想起の京都タイムトラベラーズ
低予算を思わせる撮影だが、大画面で見たら臨場感があり、カメラワークが好みであった。
景色の美しさ、BGMのセンスの良さ、京都の貴船にある老舗料理旅館にいる人々のコントのような やりとりが見どころ。複数の人が同時にタイムリープして、記憶を共用しているのが特徴。
意外に恋愛要素があるドタバタ劇であった。
2分前に戻る度に ランダムに雪が 降っていたり積もっていたりしていること については、ある人物が 推測で説明する場面があるが、いまいち納得しかねる。
重要な任務なのに単独で来て、自分が使うマシンのメンテナンスを一人で出来ない謎の女性の素性がわかってから、さらに軽くて明るい展開になる。
登場人物たちが協力し合って 急いで走るクライマックスは、いかにも最後のまとめ に向かう定番な雰囲氣 で妙な安心感が あるものの、ひねりがなくて物足りなかった。
「月に比べたらフランスは近いね」という台詞があったが、未来の世界で言う月というのは、現在の夜空に見える月とは違うのだろうな、等と想像した。浅いギャグであるし、タイムマシンが実在するという世界線であるから、真剣に考察しようとは思わない。
序盤で「時給はどうなるんですか」と言っていた伏線が未回収で残念。
軽やかな顔した努力と情熱の結晶
噂に違わぬ素晴らしい脚本!
だけでなく脚本を最大限に活かしたストロングスタイルの演出にも感心してしまう一本
京都にある老舗旅館「ふじや」
従業員と数組のお客の穏やかな時間が流れていたが、唐突にタイムループが始まる
巻き戻る時間は二分
ループものに見られる不穏な事件などが見当たらず、何が何やら分からない面々
日常から放り込まれた少し不思議な世界はどこにたどり着くのか・・・
目に見える事件がなく突如としてループに巻き込まれるという設定にまずワクワク
その設定の中で登場人物たちのてんやわんやのコメディがいきいきと描かれる
油断したときに差し込まれる人間の恐ろしい一面やヒューマンドラマ
最後には気持ちの良い伏線回収
笑えてドキっとさせられて爽やかに見終えられる、エンタメのお手本のような作品だ
しかし、その裏に想像を巡らすと制作者の並々ならぬ努力と情熱が感じられる
雪景色もあるなか基本的にループ毎の約二分をワンカット長回しで撮っているのだ
これが舞台畑の脚本を活かすだけでなく、観ている我々のループ感を高めるのにもとても効果的なのである
軽くて軽くて軽い
タイムループなのに晴れたり雪が降ったり。天気に撮影スケジュールを左右されたく無いというのがわかる。
そこはもうごめんねー、という開き直った感ありの軽いのりの映画。
テレビドラマや自主制作の雰囲気もあり、映画である必要性のない、軽〜いお話し。
気軽に見てください。
私は深夜に観ました。面白いかもしれなくてもサスペンスなどは少し体力が必要なのです。観始めるのに。
こちらは何も考えず見る事ができます。
Eテレの子供向け学習ドラマに登場の役者さん達数名(ヨーロッパ企画なの?)。学習ドラマだとセットとか安っぽい場合あり。お城に忍び込む忍者などセットもセリフもドリフっぽいというか。
本作もガチの映画では登場しないであろう、安い設定、安いセットが出てきます。なんだかEテレっぽかった。
わちゃわちゃコメディが好きな方、ぜひ見て。
なんとなく気になっていた映画。
予想よりはるかに好きな作品だった。
こういうわちゃわちゃしたコメディ大好きです。すんごい面白かったです。
一部、ほんとに一部ですが衝撃的なシーンもあるので小さい子は要注意かな。
でもお子さんにもこのわちゃわちゃ見てほしいな~。それ以外楽しいから。
主に2分間のタイムリープを繰り返す映画です。
記憶はそのままなので、2分で初期位置に戻っちゃう。初期位置て。
時間切れになるとかじゃあ次のターンで!とかみんな分かり合えてるのが面白い。
みんな慌てる様子がリアリティがあってまた面白い。
最初は誰が誰?って思うけど次第にキャラが際立ってきて面白い。
泡ついたおじさんが面白い。真冬にタオル一丁。
あの空間に自分もいたい。みんないい人で楽しそう。
自分もループから脱出する方法を見つけるのに協力したいと思ったほど。
こういういろんな個性的なキャラが一堂に集まって協力する話大好物です。
少女雑誌りぼんでいうところの赤ずきんチャチャですかね(個性あるキャラが一堂に、それぞれが輝いている)。
そこにいろんな人間関係があって面白い。
ループを繰り返すうちもめてもめてだめになって、でもそこからの発見があって、最後はみんなで協力して、など予想がつく展開なんですが、話を複雑にさせずそれがまたいい。
ラストは「?」となる部分もあるがキャラたちに恋しちゃってもう一回見たいと思う作品。
こちらの旅館は京都に実際にあると聞いて、ぜひ聖地巡礼に行きたい。
おもろ。ヨーロッパ企画作品の世界観って、こう言うこと?
他の所で、ヨーロッパ企画の作品?を知って、この作品もみて見ました。他で見た作品も、こんな感じで面白かったんですが、これがヨーロッパ企画の味なんですかね。
貴船という、京都でも北部の地域で撮影していたため、撮影日により天候が違い、雪が降っていたり、全然なかったりと、画がつながらない状態になっています。作中では、それを逆手にとって、タイムループはしているが、世界線は流れているという(苦しい)設定になっていますwww。でも、結構雪が降っていますね。あまりにも雪だったので、撮影できなかった時もあったかのように聞いています。
それにしてもな、まさかな、ライムループの理由が“そんなこと”であるとはw。それも、ヨーロッパ企画風味ですね。
面白いコメディでした。
全260件中、1~20件目を表示













