エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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世界論、宇宙論、映画論
なんの前提もなく、ただアカデミーをとったという理由で見始めたのだった。
最初は、娯楽SFが、なぜアカデミーを取ったのかよくわからなかったのだが、
ここには「壮大な」物語が用意されていたのだった。
そしてこの壮大さとは、陳腐さと滑稽の裏返しであり、極めて矮小な世事のことでもあった。
あえて小賢しく言えば、
Everything Everywhere All at Onceの意味するのは、矛盾的総体の世界である。
これは時空を含めてのことなのだが、それをどのように描こうとするのかということだったのだろうか。
だから、いくら言葉を尽くしても言い表せないものがあるし、また世界がある。
それは、今を形成している重層的であり多層的な、これもまた無限な彼方にある可能性から現実化した今である。
それがEverything Everywhere All at Onceなのだ。
ありていに言えば
この現実化されている世界はモナドそのものだ。我々はなんら窓を持ってはいない。
だから、事柄の、出来事の繰り返しなど本来はないものであり、そこにただひたすらに道筋を作り合点したいと思うだけだ。
・・・などと・・
相当なものが盛り込まれていただけに、解釈もてんこ盛りになりそうだ。
おそらくは日常の「世界」はI have no story.と言えるようなものなのだろう。
Roman holidayのようなThere is no story.なのだ。
しかし、だからこそ、そこに描ける現実「世界」はまた「別様に実在する」世界だとも言える。それを相違させてくれる映画でもあった。
これはエイプリルフール作品だったのか!?
こちら第95回アカデミー賞において作品賞、主演女優賞ほか7部門も受賞したことでニュースになりまりましたね! ところがいざ作品が始まると、珍妙なストーリーと中途半端なカンフーが繰り広げられるという有様で、これでよくアカデミー賞をもらえたなぁと信じられませんでした・・・。いや鑑賞した日がエイプリルフールだっただけに・・・。
ストーリーは一昔前の日本の漫画やアニメに沢山あったパラレルワールド+スキル入手系の展開であるし、とある家庭の母と娘の確執が世界の命運を決めるというラノベによく採用されたセカイ系のプロットとなりこれで脚本賞いけるのかと逆に驚くほどです。
アクションシーンに関しては、ジェット・リーやドニー・イェンの作品と比べてしまうとほぼお遊戯に等しいですね。もしやパロディ的な狙いがあったのかもしれませんが、実はそこまで笑いもとれていないので意図がわかりません。
もっとクォリティ高い作品かと思っていたので、ちょっと辛口となってしまいスミマセン ○┓。
クレヨンしんちゃんの洋画版?
2023 46本目(劇場3作目)
平行世界おバカSF+家族愛
レビューで散々書かれてたので恐れてたけど、悪くない映画でした。
アカデミー賞作品賞って言われて想像する映画とは違うので、その期待感があると怒りたくなるかもしれない。重厚だったり、凄い感動作ではないです。
Part1「Everything」は、平行世界おバカSFなので、おい、バカすぎんだろ!って心でツッコミながらガハハハ笑って楽しめました。両隣の知らない方も笑ってたので、そういうスタンスだと多分楽しめます。連続するおバカアクションが嫌いな人は、この時点で受け入れられないかな、と。
Part2「Everywhere」は家族愛の要素が入って、主人公が色々気づく。
ミッシェル・ヨーとキー・ホイ・クアンの演技は賞に値すると思います。
【以下、少しだけネタバレ】
マルチバースと色んなところで書いてあって、それってなんだっけ?と調べたら多元的宇宙とあったのですが、平行世界って感じですね。おバカなことすると移動できるので、そのためにとにかくおバカなことをし続けるので、そういうおバカアクションが嫌いな人は、映画を好きになれないと思います。
クアンがジャッキー・チェンに似てて(似せてて)、そこも楽しめました。
ただただ耐え忍んだ150分でした。
目が回る
期待外れでした
使われなかった方の人生を思った。
前半はカンフーの早業と奇想天外な展開と映像に身体がついて行かず、オスカーでは「イニシェリン島の精霊」推しだった私は見始めたことまで後悔、単純に暴力反対!、、、するも、だんだんと構造が見えてきた。母ごろし・娘ごろしみたいな心象テーマも興味深く、、、
沢木耕太郎の映画評
「世界は「使われなかった人生」であふれてる」を思い出す。帰宅後、私も半生を省みて、要所要所で違う選択をしていたら、この宇宙は無限多重な自分たちで成り立っているのか〜、とザワザワした。
そして「今ここにいる自分」が、枝分かれ上想定しうる「一番ポンコツな自分」だとしてもいいではないか、と思えた。
それにしても、こんな映像体験初めて。力技だけではできない、訴えたいことがあってのエネルギーなのだろうと思う。主演女優のミシェル・ヨーに負けないくらい!夫役のキー・ホイ・クァン、体張って大活躍でした。独特の普通の人感。あの時の子役なのか、、、人生いろいろ。
麻薬中毒者が作ったのか?
映画サイトの評価は上げ底になるもんですが、現時点ではお金払って映画館で観た人ばっかりだし、オスカーとったの前提もあるだろうに、2点以下が2割ということは実態はそれ以上にひどいと言えます。
個人的な評価は抜きにして、普通の人100人で上映会やれば95人は「何だかさっぱりわからない」という方がまっとうな感想です。
客観的評価に徹するなら1点ですが、個人的には実験的な映像も、まあ悪くないので2点です。
間違っても人には薦めない方が無難でしょうね。
追記 好き嫌いが別れる作品のレビューでは、好きな人は嫌いな人が許せないのか、ムキになって嫌いな人を攻撃する人が時々いますね。嫌いな人は好きな人を別に攻撃しないのに。
個人的な評価は自由ですが、客観的に、つまり一般的にはどう観られるのか?という視点が欠けてるんですね。
レビュー評価を見て身構えたけど普通に面白かった
普段、本編を見る前にレビューは見ないようにしてるけど、評価が2極化していて気になったので読んでから観ました(ネタばれ除く)。上映途中で抜け出したくなる作品だったらどうしようかと心配したけど、私は十分楽しく鑑賞できました。
レビューで書かれているほど下ネタはきつくなかったし、娘の同性愛絡みも社会情勢や重たいテーマがあるわけでもなく、作風の一つとして違和感なく観れました。
久しぶりにカンフーアクションを映画で観れたのが良かったし、多次元に住む自分の能力を借りて戦うのも面白かった。借りた世界の相手(自分)にも影響を与えて、またその影響が世界を変えていくのも良かった。
数多の世界の自分がフラッシュバックするシーンではメイクを変える手が込んでいたけど、セットや服装が安っぽく見えた。アクションやストーリーは良かったけど、安っぽい印象も強くちょっと残念でした。
奇抜で楽しいんだけど
いつもイライラする妻。優しく頼りない夫と大人になりきれない娘、更に時代錯誤な父親を抱え今の現状を嘆く。
そんなある日、突拍子も無い時、場所で夫がおかしなことを言い出す。
そこからハチャメチャ、どこが、何が本筋なんだかわかんない状況で、それでも自分の場所を守る。 彼女の体験では凄まじい勢いで色んな選択肢の中で捨てられてきた『自分』を繰り返すけれども、傍から見ると自暴自棄の女性が『キィーー!』っとなってすったもんだの末、良好な関係に戻るという安易なストーリーなんだろうなぁ。
ある程度コメディ要素が入ってるんだけど、最後まで貫かれてなく、終盤シュールな形から最後にはあの設定要らなかったんでない?って感じで白けてしまった。
アクション、笑い、ハラハラドキドキ感、全てもうちょっとで、入り込んだと思ったら途中で我に返る感じがなんか残念だった。
娘の演技うまかったな♪
とても面白かったです。
え、アカデミー賞?
ちょっと長いけど全体的には良作
面白い派と金返せ派に分かれている本作ですが、作品のテーマになぞらえて言えば「人生も感性も人それぞれ、他と比べても仕方ないよね」というところです。
【どんな作品か?】
これまで語り尽くされた普遍的なテーマを、マルチバース・カンフー・オマージュなどの要素で装飾し尽くした作品。
そのために一般的なストーリーテリングを捨てているので、ストーリーを追って訳が分からないと感じるのは自然だと思います。
一方でテーマはシンプルで一貫しているので、気にしなくて良いポイント(例えばマルチバースのシステム)が掴めれば、とても明解な作品になるはずです。
【テーマは?】
「もしあの時に違う選択をしていたら、もっと明るい未来になっていたのかもしれない。でもそんなことより、今の人生で一筋の光を見つけた方がいいよね」です。
誰でも一度は考えることですし、映画でよく描かれるテーマだと思います。
【総評】
マルチバース・LGBT・中国・下品など批判されがちな要素が多いですが、テーマは一貫していて意外と真面目な作品です。
アカデミー賞についてはまぁ選ばれても違和感はないというか、この作品を評価するとしたらアカデミーが自然かなと思いました(カンヌはもっと前衛的=チタン面白いです)。
もう少しコンパクトにしたら、もっと良かったと思いますが、全体的には良作だと思います。
確かに面白い
ハマらなかった…
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