エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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終盤は泣けた
微妙
なんだか変な映画
クセ強系エンタメアクションファミリー映画
ふつーに面白かったです。
ふつーに。
ただね、アカデミー作品賞取るほどかと言われれば
「それほどか?」
…というのが本音です。
家族の確執を描いたマルチバース映画なんですけど、表現があまりに回りくどすぎるし。
その割にはセリフで表現しすぎているし、スマートじゃないんですよ。
言いたい事、見せたい事は分かる。
けどいくらなんでも長すぎるし、表現も癖が強すぎる。
だから映画的快楽を得ながらも、同時にストレスも感じるという。
監督はこう話してます。
「湯浅政明や今敏、宮崎駿などといった、日本のアニメ監督からインスピレーションを受けて作った」と。
確かにパロディの宝庫で、全体のイメージとしては今敏監督の「パプリカ」を彷彿とさせる。
元ネタが分かるのは楽しい。
けどいくらなんでも要素を詰め込みすぎてて、「ごった煮」感がクドイ。
良いとこを見つけながらも、キライなとこも目に付くという。
今までにない不思議なバランスの映画でした。
可能性の未来を様々な表現で示唆してくれる映画は好きなんです。
好きなんだけど、両手を上げて喜べる程全面的には推せないのがもどかしい。
そんな作品。
100分くらいに纏めてたら評価は上がったかもしれない。
ただひとつ確実に言えるのは。
俳優陣の演技の素晴らしさ、これに尽きます。
どのキャスティングも素晴らしいのですが、中でもキー・ホイ・クァンはベストアクトでした。
非常に魅力的で多層的なキャラクターを伸び伸びと演じ切ってました。
アカデミー助演男優賞も納得です。
この映画、見て損はしないと思うので、先入観持たずに見る事をお勧めします。
万人向けとは言い難いけど、刺さる人には刺さる。見た後に誰かと感想を語り合いたくなる。そんな映画でした。
タイトルなし
普通に面白くない
コネコネしすぎやねん。
予習必要。
悪くわはない
出演者も、ストーリーも、演出も諸々悪くはない。
ただ、何か物足りない。
確かにオスカーはやり過ぎな気がしますね。
何に焦点を当てて、何を見せたかったのか私には理解できませんでした。
アクション見せるにもシーンが少ない。
家族愛見せるにも、いまいち感動がない。
下ネタもあって、コメディなのか?
やっぱりマルチバースがポイントだと思うので、それを生かした、力をいっぱい身につけた主人公のアクションをたっぷり見たかった。
あと、それぞれの世界がハッピーエンドのとこをもっと見たかったですね。
ラクーンは取り戻せたのか?
取り戻せても、復讐されないか?
歌手の人はどうなった?
石のシーンも、落ちるとこだけでなく、一緒になるとこまで見たかった。
敵の弱点を付くとこは面白かったね。
家族愛を描いた奇抜な作品?
この作品をアカデミー賞にしたのがすごい!
いや、決して否定的なわけではなく。いままでどちらかというと、社会問題を”真正面から”取り上げた作品に対して賞を授与している印象が強かったので、これだけハチャメチャな作品に対して作品賞を授与した、アメリカアカデミー賞に対して敬意を表したい。
少しは宇宙のことが好きなので、多元宇宙論(マルチバース)とか設定は好きだけど、意味が分からないことを楽しむ、ってところまでたどり着くのに時間がかかった。家で観たからかもしれない。映画館なら、もっと没入してそういう世界観にすぐに引きずり込まれたかも。そういう意味では、映画館で観れなかったのは悔やまれる。
このハチャメチャを、最終的に家族愛につなげる表現、というか、ロジックが授賞理由なんだろうな、とも思う。そして、「家族愛が最も大切な事なんだ!」と米アカデミーの審査委員の人たちは考えたんじゃなかろうか、とも。
まあでも、すごい映画だね。
個人的には、ここまでハチャメチャなのは、いまひとつ。
壮大に描かれた、とてもパーソナルな愛の話
岩に泣かされるとは(笑)
想像以上のカオスで全部盛りみたいな展開に圧倒されたり笑ったりしていたはずが最後にいきなり胸をギュッと掴まれて全力でハグされたような気分になった。岩に泣かされるなんてそんなことある?(笑)。
個人的にはキー・ホイ・クァンとステファニー・スーが最高だった。
気楽に見れて、良い気分で見終われる映画
中盤まではダレるがラストが秀悦
中盤まではこれがアカデミー作品賞?と疑問だったが、ラストの回収で唸った。
母と娘のいざこざを描くにしては、母と娘のシーンが少ないのであそこまで感情がこじれる経緯が掴みにくいが、結局はどの親子にも起こる思春期の葛藤ということで理解した。過ぎたものからすればあるあるだが、渦中の当事者からすれば親はこの世を終わらせたいほどウザいものだ。
とはいえ、同性愛の理解に努める、メインユニバースにいるエヴリンはそこまで悪い親には見えなかったが…。
そしてラスボスといわれるゴンゴンも、そこまで家父長制を振りかざすシーンがなかったので、モラ父としてはやや弱い印象。
エヴリンの恋を認めず、「娘じゃない」と突き放した過去があったようだけどその割には今も交流があるようだし。
コメディだが、笑いの方向性がやや下品なので、作風が合わない人はもうダメだと思う。
個人的には岩のシーンが哲学的で好きだった。
また、アジア人映画として快挙で、こういうダイナミックな多元宇宙をテーマにした作品の主演を女優がはってるのも素晴らしいが、スタッフを観るとまだまだ男性ばっかりなのね、と思った。
この辺はまだアジアの方が遅れているので仕方がないか。
これもメンタル衛生の生活の智恵!?
「意味不明」・「支離滅裂」という部分もあり、ストーリーを追って展開を楽しむには、やや(もの凄く?)難解な一本でしたけれども。
でも、映画って、元々は空想(ファンタジー)の世界を描いていたはず。それが「アメリカン・ニュー・シネマ」あたりから、現実の実相に深く切り込む写実的な作品が作られるようになって…。そして、単純な実相の描写から、また実相の中に潜む真実を抽象化して表現しようとしてきている…。
まぁ、あくまでも評論子の「個人の感想」ですけれども。
そういう潮流の中にある作品なのかもしれないという感慨はあります。評論子の中には。その意味では、本作は決して「時間を返せ」「カネを返せ」の「ナニコレ映画」ではなかったと思います。
むしろ、人に人の道を説くことを生業とする僧職者までうつ病に罹るほど何かと生きづらいこの世の中を、何とか無事に渡っていくためには、小気味のいいカンフーアクションのように物事を執り進めることが大切ですし、ときどきは、異次元…束縛なく自分の思い通りに行動できる別世界=マルチバースに飛んでいったりしなければ、そんな世の中で自分のメンタルを正常に保つことは難しいー。
まして、エヴリンは華僑として異国(アメリカ)で暮らしを立てている身の上で、しかも家族の問題を抱えていたりしてみれば、尚更のこと。
そして、あまたの戦いも、結局は家族とその生活を守るため。
そういう投げ掛けをしているのだと理解すれば、これはこれで、なかなかの良作だっと言えると思います。
人がどうしても免れることができないもの…それは「死と税金」という映画のことばもありましたけれども(別作品『ジョー・ブラックによろしく』)。
本作でのエヴリンの苦労は、そもそもが、彼女が経営するコインランドリー店の税金問(国税庁監査官との壮絶なバトル)という、極めてシリアスな問題に端を発して訳でもあり、立場を同じくすればら彼女の苦悩も分からないではないと思います。
いろいろバタバタと忙しなく場面が切り替わり、観ていて落ち着かないところもあるのですけれども。
本作が賞を取ったか取らなかったか、賞に真実に値するかしないかの議論は、ただ映画が好きで、それ故ただ映画を観続けているという評論子にはとんと無縁の座標軸上にある問題でした。
純粋に、映画作品自体としては、それなりの良作と評して良いのではないかと思います。
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