エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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俳優さんの演技は素晴らしかったが、7冠も取るほどではないかと
予告を見てもあまり面白そうと思わなかったので全く見るつもりはなかったんですが、
アカデミー賞7つも取ったのなら、予告動画が響かないだけで、内容は面白いのかな?
と見に行きましたが、、
アカデミー賞審査員ってこういうのが好きなんだ…今後映画の参考にはしない方が良さそうだ
と思いながら見ました
家族愛も、親子愛も、自己愛も、現実的な殺伐としたやり取りの中で得る確かな幸せも
全部理解できるし、分かりますが…
金を払って見るほどのものでは無い
ありがちな話。ありがちな展開。下ネタ入れたいならどうぞなのですが、だから何。としか言いようがない…
音楽が凄いわけでも、映像美があるわけでも、カメラアングルが見応えがあるわけでもないので、映画館で見なくても全然いい
家のテレビ画面で十分
俳優さんたちの演技は素晴らしかったので、主演女優賞や助演男優賞は取って納得ですが
他はもっとこれよりいい作品いっぱいあるのではとしか言いようがない
予告で響かなかった自分の感性をもっと大事にしようと思います
なかなかのコメディ映画
139分 映画.com3.3
3月3日から公開。
この映画、公開前から話題作となっていた。
コインランドリーを営む中国系のオバサンが、混乱しながらもマルチバースに飛び込みカンフーが上達する…テレビでは、なんかそんな紹介だった。
映画.comも3.3と、話題作の割には低い評価となっている。
感想は、コメディ映画にマルチバースの融合と、意欲的な作品だと思う。
あくまでもこれは、コメディ映画である。しかも下品でもある。
アカデミー賞ノミネートと言う言葉で、変に期待を持ってしまうと、肩透かしの気分になるのではないだろうか。(そういえば、前の方の席のおじいさんが途中で出て行ったきり、戻ってこなかった)
アカデミー賞の受賞も発表されたが、近年ハリウッドでは、人種差別や男女差別、またセクハラも問題となっている。
そんな事も受賞の後押しになっているのでは?
最後に、この作品編集作業が大変だったと思う。受賞で報われたのではないだろうか
おバカの好きな秀才監督が知的にこねくりまわしてできたおバカ映画は果たしておバカといえるのか。
祝・アカデミー賞主要部門ほぼ完全制覇!!
というわけで、受賞の当日に重い腰を上げてレイトショーを観に行く。
旦那役の顔をどっかで見た気がすると思ったら、『グーニーズ』でも『魔界の迷宮』でもなくて、老け込む前の町山智浩だった(笑)。
で、パンフを開けたらきっちり町山さんが見開きで解説書いてて、さすがのムーヴだなと。
まあ、面白かったは面白かった。
充分に満足したから、いちおう4つ星はつけてみたり。
でも……意外に語るのが難しい映画ではあるよね。
結局、いろいろと手をかけてミッチリつくってはあるんだが、それで本当に面白く仕上がってるのかといわれると、ちょっと疑問も残る。
頭ではたしかに面白いと思いながら観ていたけど、結局最初から最後まで、実際にはほぼ笑うことも興奮することもなく、しらーっと観ていたのも事実。
体感的に無理やり根こそぎ持っていかれる『RRR』みたいな感じは、まるでない。
少なくとも調布のその日の観客は、みんなすげえ真剣に観てる感じで、場内では笑い声ひとつあがっていなかった。
突き詰めて考えてみると、以下の思考実験にたどり着く。すなわち、
「幼い頃からバカな映画を浴びるように観て育ち、バカな映画に執着したまま大人になった頭の良い監督が、理詰めで好きなことを片端からぶち込んで組み上げたおバカ映画っていうのは、おバカ映画として果たして無心に楽しめるものなのか?」
要するに、ちょっと「小賢しい」映画ではあるんだよな。
くだらないことをやってるわりには、完成度が高すぎる。
逆に言えば、真面目な内容だけで押すんじゃなくて、そこに「頭の悪そうな下世話」を適当に混ぜれば、なんとなく「世論がゆるむ」ことをわかってやってる、みたいな。
人種問題や、LGBTQの要素についても、それは言える。
監督コンビは、間違いなくエスニシティやLGBTQ的な要素を「映画の評判を上げる」ために巧みに利用している。
ヒロインは、「ADHDで」「老齢の域にさしかかってる」「中国人」。
旦那も、戯画的なまでの「キンキン声で話す挙動不審のチャイニーズ」だ。
反抗期の娘は、「ゴス系」の「レズビアン」で、どうみても「ふとりすぎ」。しかも「ニヒリスト」で「世界を終わらせようとしてる(銃乱射犯の思考)」。
まさに、役満コースの取り揃えぶりである。
ほとんどの要素を、最近流行りのネタで埋め尽くしているといってよい。
しかも終盤は完全に女性映画の様相を呈して、「母と娘」の和解という東ちづる/青木さやか的な展開を示す。『MEN』や『ザリガニの鳴くところ』同様、「蓋を開けてみれば女性の共感性を当てにした映画にきっちり仕上げてある」ってのも、最近の映画界の傾向をしっかりつかんでいる感じで、ちょっと「いやらしい」。
で、あまりにマイノリティ礼賛一辺倒になると、アンチ勢力から叩かれやすくなるということで、バランスをとるように散りばめられるのが、LGBTQを小馬鹿にするような下ネタの数々だ。
娘の振りまわすどうみても男性●にしか見えないヌンチャクとか、延々繰り返されるゲイ風マッチョマンの肛●貫きネタ(ここだけ声を出して笑ってしまったw)とか、レズビアンの老女二人が絡める指ソーセージから吹きだす白濁液とか、やってることがとにかく、くっだらない(笑)。
中国人の描き方もそうだけど、「こういうのはよくないよ」って振りをしながら、本当はステロタイプの中国人ネタ、同性愛ネタにとことん固執してるのは、むしろ監督たちのほうなんじゃないだろうか、とまで思えてくる。
あと、散歩紐でぶんぶんモーニングスターみたいに振り回されるワンコ(これ、平山夢明の『メルキオールの惨劇』の冒頭シーンと全くおんなじだよねw)を観ながら、はっと気づかされた。
この下ネタ&動物虐待ギャグ・オンパレードの淵源って、『メリーに首ったけ』なのね。
アメリカのインテリ系シネフィルって、インタビューとか読んでると、なんでかみんな『メリーに首ったけ』が大好きだし(笑)。
こうして、マイノリティ&LGBTQサイドにはきっちりわかるように目配せをし、
反LGBTQにも、あまり気づかれない程度に目配せをし、
東洋と娯楽の融合点として「カンフーアクション」を導入し、
もっとも現代的なSF的要素として「マルチバース」を選択する。
で、古い映画のパロディをガンガンに注ぎ込んで、シネフィルの虚栄心をも充足させる。
で、ちゃっかり、時流をつかまえてアカデミー賞まで獲得してしまう。
まあ、近年のアカデミー賞はメキシカン→コリアン→チャイニーズ(女性)→オーストラリアン(女性)と、白人男性はおいそれと監督賞が獲れない仕組みになってきているし、作品賞もマイノリティか障碍者を出さないと獲りづらくなっちゃってるから、むしろ東洋系監督&俳優にとっては今がまさに「獲り時」なのだが。
やっぱり、よくいえばマーケティングが行き届いているし、
悪くいえば、小賢しい。
頭のいいシネフィルがジャンク映画への郷愁を胸に、頭でこねくりまわして「ジャンクまがい」の映画を撮るというのは、古くはクエンティン・タランティーノやティム・バートンに顕著な傾向だったし、世評の高いJ.J.エイブラムスなんかも基本はそういう類の監督だと僕は思っている。
ただ結局ジャンクというのは、そもそもは作り手もしくは製作体制が「壊れている」からジャンクなのであって、製作者がちゃんとしているジャンクなどあり得ない。
ジャンクの魅力というのは、「抑えきれない作り手の暴走」や「いいかげんさの末に生まれた奇跡のような瞬間」といった「無作為」の魅力なわけで、それを計算ずくで作為的に再構築してみせたところで、すでにそれはジャンクではない。
『エブエブ』の「面白いけど、どこか胡散臭い」感じというのは、たとえば教室で「ほんとうにバカなのでしょっちゅう笑えるバカなことをするボンクラ学生」とは友達になれるけど、「ほんとうは頭がいいのだが空気を読んで受け狙いでバカをやってみせるお調子者」はイマイチ信用できない、というのに近い。
まあ、バカのふりをしてる賢いヤツってのは、時にこっちの足元をすくってくるから警戒を怠れないと決めつけて、つい引き気味に評価してしまう僕自身の「狭量さ」がいちばんの原因なんだけど。
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『エブエブ』が日本で、アメリカほどに評価されていない理由はいくつかあると思う。
まずはあけすけな話で恐縮だが、そもそも日本人はハリウッド映画の主役に同じ東洋人を望んでいないというか、ぶっちゃけアメリカ映画観るなら白人の美男美女が観たい人間のほうが大半だということ(かつて『ポカホンタス』が引き起こしたガッカリ感を思い出せ)。
それから「移民賛歌」ともいうべきマイノリティへの絶対的な共感が、日本で娯楽映画を観に来るメイン層にはさしてピンと来なさそうなこと(それが良いことかどうかはさておき、日本で同じ話を焼肉屋経営の在日韓国人を主役に作っても、残念ながらアメリカのようにはヒットしないと思う)。
なにより、気づくと日本はノベルゲー→美少女エロゲー→ラノベ→なろうというユースカルチャーの変遷のなかで、世界に名だたる「異世界転生」&「タイムリープ」創作大国になっていて、少々のマルチバースものを見せられても簡単にはひれ伏せないくらいに鍛えられてしまっているということ。
なにせ、過去20年くらいの世評の高かったアニメ&漫画のことを考えてみてほしい。
『涼宮ハルヒの憂鬱』『時をかける少女』『四畳半神話大系』『STEINS;GATE』『魔法少女まどかマギカ『Reゼロから始める異世界生活』『僕だけがいない街』『君の名は。』『東京リベンジャーズ』『サマータイムレンダ』『タコピーの原罪』……。
驚くほどに、ループものと平行世界もの「ばっかり」である。
これに加えて、星の数ほど無限増殖中の『異世界いったら○○でした』『転生したら○○の悪役令嬢でした』といったタイトル群(2023年冬クールの深夜にやってる異世界転生アニメだけで「二桁」以上もあるんだから、もはや言葉もない)。
思えば『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』やKeyゲー全盛の時代から、あるいはもっと昔の『ドラえもん』の時代から、日本では常に「別の世界に行けたら」とか「時間を巻き戻せたら」とか「もう一度やり直せたら」とか、そういう「現実逃避型フィクション」ばかりが、サブカルの中核を占め続けてきたのではないだろうか?
「失敗した人生をやり直すこと」に、ほぼすべての想像力と妄想力をフル回転させてきたといっても差し支えないであろう、日本のユースカルチャー(笑)。
そんな日本において、『エブエブ』のマルチバースというのは若干「ぬるい」印象を与えるかもしれない。
『エブエブ』のマルチバースは、「無限の選択肢で分岐した多元宇宙」というよりは、単なる「ヒロインのパワーアップアイテム」くらいの扱いに落ち着いていて、日本のラノベ・ゲームカルチャーでいえば、「ステータス付与」くらいの使い方しかされていないからだ。
たしかに「駆け落ちしなかった世界線」など、うまく「IF」が機能している世界線もあるが、総じて「選択肢」が世界線を分ける面白さは追求されていない。
というか、コインランドリー店主としての世界線をハッピーエンドに導くために、他の世界線が援用されるような構造で、意外に「マルチバース」を最大の売りにしながら、あえて深入りしないで「家族のドラマ」に集中していく感が強い。
これって、数多の作品の主人公たちとともに、世界線を乗り換えるたびに引き起こされる不都合とさんざん戦い続けてきた日本のコミック&ラノベ&アニメファンにとっては、「なんだそんな程度か」って感覚があってもおかしくないのでは。
少なくとも僕は、この手の設定でドラマを練ることに関しては、日本のサブカルに一日の長があるかも、とちょっと思ってしまった。
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とはいえ。
僕個人の関心領域でいえば、なんといっても還暦のミシェル・ヨーが頑張ってヒロインとして君臨し、カンフー技を披露してくれているだけで、満足といえばもう満足なのだ。
『プロジェクトS』や『グリーン・ディスティニー』の頃の圧倒的な美貌はもはや望むべくもなく、大楠道代と香山美子を混ぜたみたいなおばあさんになってしまっているが(あと特殊効果かと思うくらい手がしわくちゃで引く)、神々しい女優オーラは健在だし、監督たちもきちんと彼女の美しさを際立たせるように撮ってくれている。
しかも、あちこちに「くすぐり」みたいな小ネタが仕掛けてあって、その辺は本当にずるい。まずは、監督自身が「『マトリックス』で始まり、『マグノリア』で終わるような映画を作りたかった」と述懐しているし、今敏の『千年女優』や『パプリカ』、湯浅正明の『マインド・ゲーム』あたりからの影響もあったと認めている。
その他、カンフーで敵の顔を踏みつけそうになるのはブルース・リー・ネタ。
襲ってくるジェイミー・リー・カーチスは『ターミネーター』ネタ。
犬のシーンは『メリーに首ったけ』に加えて『キル・ビル』の要素もありそう。
ウェイモンドが眼鏡をかけたり外したりするのは『スーパーマン』ネタだろうか。
監督がシネフィルであることを恥じず、むしろ声高に語りながら先行作の影響を積極的に認め、客にもわかるように作中に散りばめまくる。まさに「A24」っぽい監督たち&作風だと思う。
それから、物語のなかにミシェル・ヨーとキー・ホイ・クァン自身の、移民としての挫折と成功の実話をオーバーラップさせることに成功しているのも、本作の評価ポイントだろう。
指がソーセージとかベーグルがどうしたとかいうのは、正直なにが面白いのかと思ったけど、終盤の「目のシール」の使い方は、ちょっと普通には考えつかない凄いアイディアだと感心した。
あと、不満があるとしたら、娘の扱いかなあ。
こいつ、別人格だとはいえ、多元宇宙のいたるところで母親殺して回ってるんだよね。
さすがに甘くないか? まあいいけどさ。
この映画を面白いと思える人でよかったーーー👀
アカデミー賞おめでとうございます!(多数)
友人と見終わった帰り
「カオスだったな〜」
「あれ好きだわ」
と盛り上がったのは久しぶり。
レビューを見ると酷評が多くてびっくり👀
寝落ちしたって意見が多かったけど、
あんなまばたきも我慢する映画ないですよ。
相当お疲れのようです。
ゆっくり寝てください。
見るか迷った、酷評が目に入って辞めようとしてる人へ
マルチバースやあの世界のしくみはちゃんと説明されますので安心してください。
頭が硬い人、頑固な人には向いてないでしょう。
「わからない」を楽しむ許容さが映画鑑賞には大事です。
難しい事は考えず、映画(アカデミー賞)はこうであるべきというつまらない考えも捨てましょう。
こんな「カオス」な映画、次いつ見れるかわかりません。
何も成功してこなかったから、なんだってできる。
とりあえずこの人生で俺ができる(やれる)事は、、、
あまりにも発展性が無い
まさに確定申告の締め切りが迫る時期で早く手を付けねば‥とは思いつつこの映画は観ないわけにはいかないとMOVIXへ行けばこれまた主人公が税務署に所得税の申告に行くお話しで公開のタイミングを狙ったのか私個人的にはスクリーンの向こうとこちらでちょっとしたパラレルワールド状態であったがそれでこのめくるめくマルチバース展開はどうなの?というかちょっとした映画の文法を覆す新時代を切り開いたかもと言っても過言ではない。フェリーニの「81/2」を想起する。あまりにもバースが多すぎるし税務署員に絞られている私と同じフロアの物置内の私とがマルチになるとかバースだけでなく時間もかなり行き来するとかやりたい放題でこれはもう手のつけようがなく映画の「非日常」という概念がもはや意味をなさなくなりもっと言えば見続けるのも嫌になってしまうくらいである。これはまともに脚本が書けないであろうしシチュエーションだけ10パタンくらい設定して撮って映像をでたらめにつないでみて…的な手法では無いかと疑わざるを得ない。もしちゃんと脚本があるのなら(完成台本ではなく)ダニエル・ブラザーズに脱帽。基本コメディーだがあまりにもアレ(岡田監督風)でちょっと疲れる。犬を鎖鎌のように振り回すシーンが大好き。動物愛護協会からたっぷりクレームが寄せられたことであろう。
ジャンクな見せかけと現代人への優しいメッセージ
参った。
ジャンルからしてどこへ振ればいいのか分からないくらい斬新。
だが間違いなく高度に抽象的で、宇宙愛規模の壮大なヒューマンドラマだろう。
でもナンセンスカンフーコメディーって、どういう位置づけか。
はちみつにマスタードとチーズが合うのを知ってしまった背徳感に似ている。
並行宇宙に存在する自分と繋がる。
こうした設定はさほど珍しくない。
だがたいていはバキバキのサイバーパンクだったり、ゴリゴリのシリアスSFだったり、いや、そうしなければ説得力がないというか、緊張感が保てないことからそうならざるを得ず、パッケージとして常套も、本作にはそのバキバキにゴリゴリがないのだ。あるとしてイヤホンひとつのみ。むしろ真逆を行くアナログナンセンスコメディーだったりする。
しかしながら成立しているのは、ひとえにクレイジー極まる編集のたまものだろう。
もう本当にこれが凄まじい。
瞬き禁止の怒涛のつなぎで、ジェットコースター以上の激しい展開に長丁場があっという間だった。コレ、タイトル通り「あらゆるところの全てを一度に」観きったような体感である。そしてそんなカオスな現代を表現したかった、というなら大成功、と手を叩いて称賛したい。
とにかく「攻殻機動隊」から始まり「インターステラー」「インセプション」もちろん「マトリックス」に近年では「シン・エヴァンゲリオン」もか、多次元を行き来するSFをなぞって来た中、ついにここまで極まったかと興奮しきりだった。
そして本編、そうしたSFに酔いしれるだけのものか、と言えば中心はヒューマニズムで貫かれているのだからニクイし号泣。
選ばなかった人生が同時に存在する。それらをすべて内包しつつ、今を生きる。
諦めるが、どこかの自分は諦めず、成功するが、どこかの自分は打ちのめされて。
その互いが互いを鼓舞し合い、包括して最後に一人の自分として今、この道を選ぶ。
そんな人々があらゆるところで様々、今一斉に生きているんだと地球を眺めてみれば、つまり誰もが自分の選ばなかった世界線という事情(マルチバース)を抱えて主人公同様、奮闘しているに違いなく、その健気というか、切なさに「優しく」の台詞もひとしおで、さらには今、目の前にしている「この瞬間」が、無限の選択が交差する無限のうちの一点だと捉えたあかつきにはもう奇跡さえ感じずにはおれず、ナンセンスなんだけれど号泣しまくりだった。
またこれを、特別な美男美女がけれんみたっぷりに演じていないところもいい。
ごく普通の、むしろ移民アジア人女性とくれば今や弱者の象徴だ。
ありふれた弱々しい人々の背景、としてマルチバースが展開されるところに「誰しもが」という感情移入の余地の大きさを見る。
(エッセンシャルワーカーやいわゆる主婦など、日々忙殺され、黙々と仕事をこなす、だからこそ実際、世界を回している重要だが無視されがちな声なき人々へスポットを当てたとも)
むしろもう、美男美女があたかも…、な展開にシラけそうなほど。
中盤、最悪を選び続けたということは、選ばなかった世界線を生きるもう一人の自分を幸せにしている。というセリフがたまらなかった。
石問答もシュールかつ、とても東洋を感じており、大好きなシーンだ。
ともかく、かっとびすぎて映画を見慣れていない人にはハードだろうな、としか思えないがこれぞ今、現在を切り取った旬の映像作品、で大満足。
そういう意味で現代アートですらあると感じており、評価が後々、どう変化してゆくかも楽しみである。
まあ、唯一、難点を挙げるならば、
これを見た後、どんな作品を見てもしばらくは圧倒されてしまうだろうことと、物語そのものがマルチバースに解体されてしまうことだろうか。
「スイスアーミーマン」をなにげに見て、コレすごいんじゃなかろうか。
と思ったことは忘れがたい。
結局ナンセンスなんだけれど。
そういう照れ隠しの向こうに、光るナイフの切っ先のような狂気を見たというか。
鑑賞後、同監督の作と知ってヒザを打ちまくって腫れた。
また同じく鑑賞後、公式ホームページの監督のメッセージを読んで、
自身の感じ取ったことが間違いではなかったことを確信している。
と同時に、あの展開でそれを受け取り手へ送り届けたこの作品の
凄味に、凄味に、ただただ圧倒されている。
(3.18. 加筆修正)
うーんアカデミー賞なんだよな~😵
ミッシェル、ヨーおばさんになったな~😅
期待して観に行ったんやけど、何がなんだか分からなかった。
宇宙?カンフー?プロレス?下ネタ?家族愛?
喜劇?
チャップリンは、映画とは感動と娯楽が無ければつまらないと言った!
感動と娯楽が感じられなかったのは俺だけか❔
アカデミー賞だからな、なんか有ったのかな~😅分からん~(・・?
崇高なる家族愛
酷評もありあまり観る気にならなかったが、さすがにアカデミー賞7冠ともなると観ざるを得なかったな。ミシェルヨーを観るのはグリーンデスティニー以来だからずいぶん年を重ねたね。
どんな映像が飛び込んで来ても好意的に観ようと思って観たが、ベーグルやらソーセージやらでさっぱり訳が分からなかったよ。頭が混乱して寝落ちしたかなというくらい意味が分からなかったな。まあ最後らへんで崇高なるところ家族愛なのかなとも思ったが難解極まりない展開だったね。
面白かったけど、アカデミー7冠を取る作品なのか?これが。
第95回アカデミー賞で、7冠に輝いた作品なので、映画好きの友達と見に行った。正直に言って「これが7冠…?」と驚き、友人と顔を見合わせて苦笑する始末。ミシェル・ヨーのスピーチは最高だったのにな〜。全く感動できる作品では無かった。特に親子愛と家族愛のゴリ推しっぷりが浅いように感じた。ただ、"B級お下劣カルト映画"としては、楽しめる。
映像に凝ってるのは分かるけど、これが本当にアカデミー7冠でいいのかなぁ??(たとえ老人的感覚とか言われようとも)アカデミー賞の審査員ってこんなテイストがお好きなんだ、とガッカリ。
夫役の俳優が、(レイダースの頃は可愛かったが、)ココリコの田中直樹に見えて仕方なかった。NHKの「LIFE」のコントの方が上品。
私の好みでは無いので、☆2。
ちなみにBLUE GIANTは☆5です!!
「エブエブ」今年のオスカーを席巻した作品・・・・。 うーむ・・合わ...
「エブエブ」今年のオスカーを席巻した作品・・・・。
うーむ・・合わない・・。前半、寝不足も祟り・・睡魔との戦い・・・。設定というか・・パラレルワールドの状況を飲み込むのに苦労・・。なるほど・・あの「ミッド・サマー」や、2017の作品賞「ムーンライト」のスタジオ24の制作なのかぁ・・やはり性に合わない・・。それに監督があの「スイス・アーミーマン」ときたら・・もう、役満・・。なるほど、そういう点では納得な映画・・。
とにかく、ぶっ飛びすぎてて・・??を解消するのに、なかなかついていけない前半、中盤・・終盤にようやく、作者のメッセージがコレなのかぁと・・それを伝えるために・コレか・・。まぁ、尋常じゃない発想力、想像力には恐れ入りました・・。「スイス・アーミマン」しちゃう監督だもんね・・。
ぶっ飛び具合が評価されてのオスカーだったのかしらん? 2017の「ムーンライト」は、ハリウッドの人種問題の渦中にあって「ララランド」の騒動があったときの受賞作・・。スタジオ24は、「ムーンライト」では、黒人の人種問題も後押しした受賞と思われ・・そういう点、アカデミー会員のリベラル思考を刺激するポイントつくのが上手い??か・で、因みに、今回はアジア人・・なんとなく納得。
#everythingeverywhereallatonce
#エブリシング・エブリウエア・オール・アット・ワンス
#映画
#映画好き
#映画館で映画
これで作品賞?
今年は、逆転のトライアングルといいバビロンといい、ゲロと下ネタが流行なのか?後半になってとっちらからすぎて、マルチバースはどうなったというか、もう何がなんだか。力業で無理矢理エンディング(家族の和解)に持っていった感じ。ビートルズのREVOLUTION9を映像化したのを延々みせられたような、疲れる作品。よくこれでアカデミー賞取れたなあ。
アカデミー賞で話題になったものの
まぁ、それなりの面白さだった。カルト映画に寄せて製作したのだろう。そんな雰囲気が全体的に漂っていた。しかし、メキシコのシャーマンによって扱われる怒れる神のペヨーテが日本へやって来て、スピリチュアル的な要素を全面的に抜かれ、ただの観賞用サボテンである「烏羽玉」に成り下がってしまったような物足りなさが、いわゆるアカデミー賞で選ばれる作品だと痛感した。毒気を抜いて、万人受けするように見映え良くして、カルト風味を残せば、全国ロードショー公開作品となり、ここ最近のアカデミー賞も獲得出来るようだ。キャスティングもここ最近のハリウッドの傾向の多様性であり、取るべくして取れたアカデミー賞のようだ。この作品はカルト映画ではない。カルト風味の消費される作品である。
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