アポロ10号 1/2 宇宙時代のアドベンチャー

配信開始日:

解説

Netflixで2022年4月1日から配信。

2022年製作/98分/アメリカ
原題:Apollo 10 1/2: A Space Age Childhood
配信:Netflix
配信開始日:2022年4月1日

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映画レビュー

5.0リンクレイターの体験と空想の思い出

2022年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

リチャード・リンクレイターによるロトスコープ・アニメーション。アポロ11号の月面着陸に湧いた時代に少年時代を過ごしたリンクレイター自身の思い出を元にしているらしい。一種の伝記映画だが、主人公の少年がアポロ11号の前、アポロ10号 1/2のパイロットに選ばれて月に先に降りていたという空想が交じる。空想と現実が入り交じるリンクレイターのアニメーションの系譜に連なる作品で、ロトスコープが効果的に用いられている。
宇宙開発に対しては、両義的な態度を見せている。それが人類の壮大な夢で少年が憧れるものである一方、政治的なものであった点も描かれる。デイミアン・チャゼルの『ファースト・マン』ほど辛辣ではないが、宇宙開発競争が人に夢を与えていた側面も否定できない。たしかに、あの時代国民は宇宙開発に熱狂したし、そこに夢を見た人も大勢いたはずだ。
リンクレイターの過去のアニメーション作品が苦手な人にもこれは取っ付き安くて楽しると思う。難解さはなく素直に少年の憧憬とノスタルジーを表現している作品で、さわやかな感動を与えてくれる。

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杉本穂高

3.0何故か私達も知るアメリカのあの頃。

2022年12月20日
iPhoneアプリから投稿

表情と仕草による感情の表出をアニメに落とす過剰と執拗を愛でる一本。
何故か私達も知るアメリカのあの頃をより深く描けたと思えるのは、
当時の私達が奥様は魔女を強い憧憬をもって凝視していたからだろう。
それに気付かせたから成功と言おう。

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きねまっきい

4.0リンクレイターらしい題材 × リンクレイターらしいアニメ = 懐古と進歩のスイートノスタルジック・トリロジー

2022年10月30日
Androidアプリから投稿

高校『バッド・チューニング』大学『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』のようにリチャード・リンクレイターの当時の記憶
×
『ウェイキング・ライフ』『スキャナー・ダークリー』とアニメ表現を探索するリンクレイターとアニメ表現の関係
=
"一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ"…リンクレイター節スイートでパーソナルな20世紀ノスタルジック企画は3部作になって宇宙へと打ち上げられる!!! "古き良き"かはさておき今の価値観からすると考えられないようなことも生きた当人からすれば思い出には違いない色々ブッ飛んだ最後の時代。

"あの頃"…想像力に満ちた -- 要は嘘つきな-- 彼自身の60年代に宇宙飛行を夢見て過ごした子供時代の思い出が、当時の価値観や音楽と共につまった宝箱みたいな作品!最高すぎるタイトルと最高なアニメーション、内容ももちろん最高いとしさ全開!! ただただ最高でメチャクチャ"好き"がつまっていた!当時を形作った要素をひたすら振り返っていく語り口は一周回って新鮮?主人公の大人になってからの語りは盟友ジャック・ブラック!トラックの後ろに子供たちを乗せて112kmで海まで行ったり、動物のようにしつけられていた体罰も遊びも安全などそっちのけの宇宙時代。未来は明るかった!生活に入り込む宇宙。いつしか見たと思うようになる、まるで自分も60年代のその場に居合わせていたみたいに錯覚するだろう。

『ウェイキング・ライフ』では実写映像を撮影しそれをデジタルペインティングで加工し、『スキャナー・ダークリー』では俳優を撮影した実写映像をトレースしてアニメーション化するロトスコープという技法によって制作。そして今回もまた『スキャナー・ダークリー』路線のアニメなのだけど、別の意味でこれがまたすごく合っていてよかった!本当に宇宙に打ち上げて、宇宙人に見せても恥ずかしくない内容だ

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とぽとぽ

4.0宇宙時代とあの頃へのノスタルジック・ラブレター

2022年7月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

リチャード・リンクレイターは異才の人である。
一組のカップルの再会を約10年置きに取ったり、一人の少年と家族の12年を役者を変えず撮り続けたり、基本インディーズだがメジャー作品も撮ったりする。
アニメーションも監督。勿論ディズニーみたいなCGの子供向けではなく、実写映像にアニメーションをデジタル・ペインティングした“ロトスコープ”で表現し、大人向け。
これまでにも『ウェイキング・ライフ』『スキャナー・ダークリー』などもロトスコープを用い、正直クセがあって好き嫌い分かれるが、本作は見易かった…いや、じんわり心に残り、良かった。
何故なら本作は、リンクレイターの半自伝的作品でもある。

1969年。米テキサス州ヒューストン。NASA近くの町。
アポロ10号のパイロットに選ばれた少年。
訓練を経て、アポロ10号に乗り込み宇宙へ飛び出し、遂に月面着陸の時を迎える…。
「??」な開幕。勿論これは、史実でも現実でもない。主人公の少年の妄想。
アポロ計画と月面着陸に沸いた瞬間を、宇宙に憧れる少年の視点(妄想絡め)で描く。
つまり、実在はパイロットだが、アポロに乗る時も、宇宙にいる時も、月面に降り立ったのも、今自分がそこにいる。
自伝的作品であっても、やはり変化球なのがリンクレイターらしい。

リンクレイターの青春時代、60年代のカルチャーが見てて楽しい。
いつもながら音楽には疎いが(でも、楽曲センスはナイス)、映画やTVドラマの数々…。
リンクレイター少年(劇中ではスタンだが)がワクワクした映画が、『2001年宇宙の旅』。面白くて、学校で友達に語るくらい。(にしても、あの難解作を子供の時にハマるとは、やはりリンクレイターは子供時代から天才…?)
TVは伝説番組だらけ。『ダーク・シャドウ』『宇宙大作戦』『スパイ大作戦』『トワイライト・ゾーン』…。
SFやホラーが大好き。深夜帯のB級SF/ホラーでは、『マックイーンの絶対の危機』や日本から『マタンゴ』。
学校が無い日は一日中TVの前にかじりつくくらいの生粋のTVっ子。何だか、親近感感じるなぁ…。
6人兄弟姉妹の末っ子。歌手の歌番組が見たい姉たちとはチャンネルの奪い合い。
時々兄弟姉妹たちにからかわれるけど、仲は悪くはない。姉のバイトするアイス屋でサービスして貰ったり。
父親はNASAで働いている…と、つい見栄を張って学校で嘘を言ってしまう。実際はNASAへ宅配する仕事。近所の親たちの多くはNASAで働いているのに…。
母親は大家族の世話や食事をテキパキと。
厳しい時もあり、優しくもあり、平凡な両親。
家族皆でドライブ・イン・シアターに行ったり、NASAのテーマパークで遊んだり…。
何もかもが楽しく、懐かしい、あの頃へのノスタルジック・ラブレター。

月面着陸も家族皆で。
皆はTVで見てたけど、僕は妄想と想像という宇宙で、アポロに乗って月に降りたんだ。

誰だって興奮の偉業を、自分に置き換えて想像した事あると思う。
あの時あの場所にいたのは、自分。
永遠の憧れ。夢。

好き嫌いは分かれる作品かもしれないが、個人的には、リンクレイターをこれまで以上に身近に感じた愛すべき作品であった。

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近大

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