ブラック・フォンのレビュー・感想・評価
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いわゆるホラー・オカルトもの。迷ったらおすすめ。
今年195本目(合計471本目/今月(2022年7月度)7本目)。
前の「リコリス・ピザ」が本当にタイトルからわかりづらく、スマホに入れている英英辞典で調べて「なるほどねぇ」というところで、30分違いで同じシアターの同じ席でこちら。まさかこちらも「そんなことはないだろう」といろいろ調べたのですが、「黒電話」以外の意味はないようです。
そのタイトルの通り、誘拐された主人公が(主人公を誰にとるかは微妙なところもありますが)黒電話が部屋にあるのを発見すると、そこから謎の電話がかかってきて…という趣旨のホラー・オカルト系映画です。
趣旨内容的に誰が犯人だのどういうトリックだのという点を書きづらく(ただ、他の方も書かれている通り、犯人の動機が若干謎、というのは気になりましたが…)、どうにもこうにも評価のしづらい映画です。
※ ここのサイトも、この手の「評価が難しい類型の映画」についてはガイドラインが欲しいです。
やはりこちらも、まぁ今でもリアル日本でも、おじいちゃん・おばあちゃんがいる方だと、黒電話を「今でも」見ることができるのかもしれませんが、もう日本ではおよそ見ることがないタイプの電話です(当時は普通にあった)。ただ、電話は電話なので(それが、便利な多機能電話になり、PHSになりスマホになり…というに過ぎない)、気になるなら「黒電話」くらいで調べておけば有利かな、程度です(ただ、本当に10~20台くらいの方で「見たこともない」という方程度)。
確かに「犯人の動機が若干謎」(謎というより、何をしたいのかよくわからない)という点はあるにせよ、序盤の「普通に考えればどうでもよさそうなセリフ」が後半大きな意味を持ってくるなどトリックはそこそこ複雑な仕掛けに作ってあり、こうした点は評価できる一方、特に減点材料は見出しにくく(結局、犯人の動機が怪しいというのも、狂気か何か?という考え方にしかなりえない)、減点なしにしています。
とても良い映画
なかなか面白い、猟奇犯罪を取り扱ったホラー作品でした。
電線の切れた黒電話からかかって来るのは、あの世からのメッセージ…というアイデアは斬新でした。
ホラー作品としては、色々と使い古されたプロットが満載でしたが、それらを如何に面白く見せられるか?は、やはり監督や製作者の手腕なんでしょう。そういう意味では、全く飽きのこない作品だったと思います。
イーサン・ホークが猟奇殺人犯役というのも珍しく、その演技も見ものでした。
そして、この作品が、他のホラー作品とちょっと違って、面白くさせているのは、主人公の少年の成長やその家族の物語に共感出来る部分があったからだと思います。
ホラー的な怖さ(あまり怖くないけど笑)と、どこか青春モノみたいな初々しいところが、上手くブレンドされた良質の作品でした。
この夏、オススメ!笑
*地下室で物音たて過ぎ!とか、少年が殺人鬼を殺してしまうのん?とか、ツッコミどころはありますが、そういうのも含めて楽しめました。
*フィニーたちの父親…どう見てもガース・ハドソン(The Band)やった…笑
オチはいいんだけど・・・
黒電話が鍵となり、黒電話でオチる。
この部分は面白い。
ただし・・・
物語が淡々と展開していき、正直、「えっ?これで終わり・・・」って感じ。
この手の作品では珍しく、緊張感やらスリル感も感じられず。
スクリーンから出てから、頭の中は「何が原因?」状態。
少し整理して、「子供が相手だからか。」が個人的な結論。
鑑賞側からは、犯人はハッキリしている。
子供がターゲットになる理由が良く理解出来ないし、子供相手だと、監禁スリラーが題材でも、ソフトな描き方になっちゃうか。
70〜80年代の作品なら問答無用なんだろうけど、昨今のハリウッド製ホラーって、残虐描写は減ってきてるし、カメラワークやら編集で上手く見せている印象を受けるしね。
案外、黒電話の設定だけ使って、フランスあたりでリブートしてみたら面白いかも。
『マーターズ』って作品見比べた時の印象思い出したけど、フランス映画はやる時はトコトンやるからね。
想定外の感動にやられました😂
『ヴェニスに死す』のあの美少年かと思いました。
髪型もかなり似ていたように感じましたが、思い違いかしらん。
霊的な力はいったい何に由来するのか。
場所的なものなのか、特殊能力を持つ妹のように兄もまた何かのチャネリング能力を受け継いでいたのか。
もしかしたら、イーサン・ホーク演じるマジシャン・グラバーもスピリチュアルへの関心が強く、〝選ばれし能力を持つ少年〟にいつか出会うことを夢見て、媒介としてのあの電話を残して置いたのではないか。
色々と解せない部分もありながら、兄と妹はまるでヘンゼルとグレーテルが魔女を倒したように…。
そうか❗️
これはヘンゼルとグレーテルの現代版。
先に犠牲になったこどもたちも含めて、少年少女に感情移入しちゃった人(私もそうです)にとっては、涙と感動無しでは見られない逸品だと思います。
いわゆる「無駄遣い」
イーサン・ホーク本人が言いそうですもん。
「ホントに俺じゃなきゃダメ?」
なんどすが、コレが結構おもろい。104分でサクサク流す溜めのなさ。霊界電話の演出も控え目ですが、派手派手したのに飽き飽きしてるので、コレくらいで丁度良いです。イヤ、これ、なんかレトロ。踏み込んだ家は違います!も、すぐにバレますが、弟の存在と自らが闘うと言う流れ、と言うか繋ぎが丁寧で、するっと入って来ます。
なんか、小ネタをジックリ練り上げて丁寧に撮りました!なソリッド感が好き。
冒頭の豪速球にはドン引きでしたが、ラストの「フィンが良い」、つまりは名前を失くさずに帰って来た少年の成長を象徴するセリフに、ニヤってなりました。
なんと言っても、妹ちゃんのキャラと台詞回しが、いかにも「グゥエン」。この子、糸は出しませんけどw
良かった。かなり。
何もかもが「匂わせた」だけで終わる
健気で可愛い妹ちゃんが主人公でいいのでは。
原作はスティーブン・キングの次男ジョー・ヒルの短編小説とのこと。
犯行の目的やら不気味なマスクの意味やら詳細は全く不明だしイーサン・ホークが演じた意味があまり感じられず残念だった。(あのマスクに惹かれて観に行ったのにw)
主人公が何故電話で殺された子たちと話すことが出来たのかも不明だが、恐らく自殺した母親の能力を引き継ぎ生命の危機を感じ覚醒したのか、もしくは能力者である妹の必死の祈りがそうさせたのかのどちらかだろうとは想像がつく。
黒電話での会話により、被害に遭った子たちがどのように脱出を試みたかがわかって行くところが他と一線を画すこの映画の肝である。
主人公の男の子は常に事勿れ主義で、いじめられてもいっさい反抗が出来ず、妹が父親にしばかれても見ているだけのヘタレで友達も少ない。(でも本格派の速球投手、これが脱出に活かされるのかと思った)
逆に妹は毎週お友達の家に泊まるなど社交的で悪い事が許せず、兄がイジメに会うと身を挺し血を流しながらも助けようとする正義感。(殴られて鼻血出してフェンスに寄っかかり一息付くところは超男前)
って言うかデンバーってすごい街。
相変わらずこの手の話に出て来る警察は本当に役に立たず、結局子供たちだけで解決せざるを得ないのだが、ラストで兄妹が抱き合うシーンはずっと兄を助けようと必死だった妹の健気な気持ちが報われグッと来た。
兄貴も気になってた娘にフィンと呼んでくれなんて一皮剥けた感を出してる暇があったら妹を一生大事にしろと説教したくなる、そんな映画でした。
友情と兄妹愛に守られて
70年代が舞台で、少年が主人公っていうから、『ストレンジャー・シングス』や『IT』みたいなテイストを想像していたが、近いようで、ちょっと違う。ホラーはホラーなんだけど、ファンタジー色が強く、グロイ描写が少なくてストーリーを楽しむ作品に仕上がっている。
昭和生まれの僕でさえ、記憶の彼方に行ってしまったダイヤル式黒電話が物語の鍵を握る。黒電話って、死んだ人からの電話とか、過去からの電話とかがあっても受け入れてしまう。そういう雰囲気を醸し出すアイテムで、ホラーにはうってつけ。
その黒電話に加えてフィニーの妹グウェンは、母親譲りのスピリチュアルな能力を持っていて、実際に起きたことやこれから起きることを夢で見ることができる。グウェンが、いじめられている兄貴を必死で助けるシーンは、グッとくる。
フィニーをいじめっ子から救うメキシカンの同級生ロビンは、めちゃくちゃカッコいい。街の住民を恐怖させる「グラバー」をロビン達と追い詰める、そんな物語を予想していたが、ああなってしまうとはね。
グラバーの手にかかった少年たちに鎮魂の祈りをしたくなる、そんな物語でございました。
記憶と思念と噂の少年
デンバー北部の町で起きている子供の連続誘拐事件に巻き込まれた主人公と不思議な夢をみる能力のある妹の話。
町で目立った少年が攫われる事件が頻発する中、犯行現場で目撃情報のある黒いワンボックスのマジシャンに出会った主人公が断線してる黒電話のある地下室に幽閉されて巻き起こっていく。
何故か鳴る電話に出ても最初は音沙汰がなかったが…最初はどういうことか?とワクワクしたものの、繰り返し小出しに違うことを指示されて、なんなんでしょうかこの引っ張るばかりの演出は。
妹に関しても同様に引っ張るばかりだし。
特に何の切っ掛けが有るわけでもないのに、黒電話も妹も、最後は最適解が湧いて出て来て、それまでのものは偶然使えただけですよね?
黒電話の設定にユニークさはあったけれど、何される訳でもなく案外自由だから怖さも不気味さも無ければストーリーや展開に面白味も感じられず、自分には物足りなさ過ぎた。
これぞB級!仕掛けの巧みさが光る
ブラックフォンの仕掛けをするために、時代設定を1970年代にしたのかな?
オカルトとホラー、監禁殺人、児童虐待、いじめや暴力等々、今からすれば問題の多い時代背景が説得力を増す。
あらすじは紹介文に載っている通りなので、気になったところについて述べたい。
この映画の最大の謎は、切れた黒電話に次々かかってくる死んだ(と思われる)子供たちからの電話だ。オカルトだ。切れているのに電話が聞こえるのは、映画の中で触れられているように、この兄妹は何らかの能力を持っているんだろうと思う。妹は夢で事件の真相に近づくという、ある意味荒業を使う。正直、夢の話で警察が動くとは思えないしね。
次々かかってくる電話から、今までさらわれた子達の脱出作戦が明らかになるところが興味深い。
結局失敗して挫折する。そりゃそうか。死んじゃったんだしね。最後に助かるのは、現実世界でも友達だったメキシコ移民の子だった。バックステップしてぶん殴る。
みなさんも気になっている、監禁殺人の同期だけど、恐らくそれなりに意思が強くて、ゲームの対象になりそうな子を選んでいるのかなと思う。ゲームと言っても、あえて脱出にチャレンジさせて理不尽な怒りを焚き付けた上で子供を殺すというカタルシスなのかな?これは変態だ。
出てくる子供たちが実に自然で、美形過ぎないカッコよすぎない雰囲気がよく出ていた。
空気のように生きてきた主人公が、事件を通じて噂話にも耐えられるメンタルをつけて帰ってくる。ある意味成長譚ともいえる。
2時間気持ちが切れずに見ることが出来た。良作。
心涼むのにぴったりなサイコスリラー。
ブラムハウス制作ということで特に何も考えず映画館へと足を運びました。
結果大当たりっす。
70年代後半のコロラド州。
グラバーなる誘拐魔による青少年の失踪事件が相次ぎ、一人また一人と主人公フィニーの友人、顔見知りの子たちが消えていく。
そしてある日フィニー自身もマジシャンを名乗る謎の男にさらわれてしまう。
目覚めた場所は地下の一室。
部屋にあるのは薄汚れたマットレス、トイレ、そして電話線の切れた黒電話。
そこへ先程の男が仮面を被った姿で現れ彼のいう"ゲーム"に付き合わされることに。
全く状況を飲み込めないフィニー、そこへ鳴るはずのない黒電話が鳴り始める。
恐る恐る受話器を取ると電話の相手は過去に男にさらわれ殺されてしまった青少年たちの幽霊だったのだ。
彼らが敵なのか味方なのか分からぬままだが断片的なメッセージを頼りに部屋からの脱出を試みる。
時を同じくして予知夢能力のあるフィニーの妹グウェンは不安定な自身の能力を使い兄を捜そうとするが見つからず。
しかしフィニーと幽霊の接触があるごとにグウェンの夢にもリンクし始める。
与えられた情報を僅かな用い兄の捜索を一人始めるのであった。
話の舞台は70年代とITのような世界観と友情・成長要素と、SAWの密室サスペンスを合わせたような。
簡単に言い表すならばこんな感じ。
2時間未満の上映時間ながら恐怖、サスペンス性、友情、家族愛等々いろんな要素が組み合わさってるけど、どれもが喧嘩することなく真っ直ぐ伝わってくる。
幽霊達の断片的なメッセージが作中で"点"として残され、クライマックスでそれらが全部繋がって"線"になった時の興奮は個人的にはここ最近観た映画の中で一位二位を争うものだった。
主人公兄妹を演じた子役二人のルックス、演技力がグンバツに良くて、これからの映画シーンで活躍していくのがすごく楽しみに感じる。
予告じゃやたらゴリゴリにホラー要素を押してきてるけど本編は全然そんなことないからこの作品の魅力がぜひ広まってほしいなって思う。
意外と胸が熱くなった
【ネタバレ】君は頑張った❗️素晴らしい❗️「中抜け」感が半端ない❗️イーサン・ホークが別人だけどあまり怖くない。何のための監禁??
最初は「セブン」風の出だしなのだが・・・複雑ではない。
基本はスリラーなのだが、怖くない。
最初の日常、野球の試合以降の風景に10分くらい寝てしまった。😪
拉致、監禁以降のテンポは抜群。・・・抜群すぎて、「奥行き、深さ」が皆無。
拉致された少年が【ネタバレ】全く「虐待される気配が無い」
性的虐待どころか、激しく傷つけられもしない。というか無傷
イヤイヤ、現実問題として、暴力、虐待、監禁は許されるはずがない凶悪犯というのは常識だが、
映画なのだから、少しは「ヤラレテしまうかもしれない・・」という恐れのハラハラ感。
実際にヤラレテいる残虐描写が少しでいいから欲しいのだ。
少年を監禁している殺人鬼の目的がさっぱりわからない・・・
性的虐待なのか、弱いものいじめの虐待なのか、痛めつけて弱っていくのを楽しむ変態野郎なのか?
死体のコレクターなのか?
・・・全然わからないのであった。
なんか「地下室の上で待機している閻魔大王・・はいいすぎで、「普通の覆面プロレスラー」
なんで「攻め」ないで待機してるのか?水も食事も与えないで弱るのを・・・というのでもなく
Uber並みの配食サービス+水洗トイレ+睡眠用のマット付き
イーサン・ホークは最近「ストックホルム・ケース」「テスラ」で馴染みなはずが、なんか顔が違う❓
「許されない一線を超えた凶悪犯は、常人には理解し難い「突き抜け感」あるよねぇ・・
ひょっとして、実は「主題=スタンド・バイ・ミー的な少年の一皮剥けた「成長譚」」なのかもしれない。
断線した電話📞☎️【スマホ、携帯のない時代】からの「死者の声」が「パソコンのサービス」のコールセンターの女性のように「親切で手取り足取り、遠隔操作」なのだ。少年も機転と知恵でステップアップ*\(^o^)/*
という「家庭教師のトライ」みたいな充実感を感じたのだった。素晴らしい少年の成長なのだ。最後は大男を・・・
あれっ、ワシは「恐怖」を観にきたはずだが・・・と若干、認知症を自ら疑うジジイであった。(おしまい)
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