線は、僕を描くのレビュー・感想・評価
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媚び諂いの無い、爽やかな良作。
先ず、水墨画の大家役を演じた三浦友和さんが良かった。
「~の大家(大先生)」と成ると、わざとらしくなったり、大袈裟過ぎたりして、とても「その道の大家」には見えなくなってしまう役者さんが見受けられるが、三浦さんは気張らず淡々と演じることに因って、かえって「器の大きさ」を感じさせてくれた。
主役の横浜さん、清原さんも力みの無い、真っ直ぐな演技で「無理に泣かそう」としない芝居で好感が持てた。江口さんは…、何で練習しないで、家事ばかりしている役なのか、最後までよく分からなかったww。
原作未読だが、水墨画についてのアプローチも自然で「観る者に(知識等を)押し付ける感じ」も無く、自然と引き込まれる様な抑制的な演出が奏効していたと思う。
但し、一点だけ、水墨画にはもっともっと沢山の表現方法が有るのだが、この映画では(時間の制約等も有ろうが)やや類型的なパターンの水墨画のみしか見せて頂けなかったのが残念。他にも良い作品は多いのに…。
それと、江口さんのだけ明らかに画風が違うでしょw。普通「○△一門」と言うと、伝承された画風に成る筈が、清原さんもちょっとそうだが、先生(=三浦さん)とは画風が違いすぎて、そこだけ不自然さが残った。
これは知識自慢や嫌味ではなく、「この映画で初めて水墨画を見る人達(特に若い方)には、もっと様々な表現(画風)が有ることを知って欲しかった」と云う強い重いからである。
ま、わがままと云ってしまえばそうなんだけどw…、水墨画はもっとも~っと奥の深い世界なので、興味を持たれた方は是非是非観覧したり、挑戦していただきたいなぁと思った。
「私の弟子になってみない?」
湖山はなぜ、霜介を弟子にしようとしたのだろう?そう、ずっと思っていた。霜介の意志はどうでもいいのか?と思っていた。もしかしたら、行き詰っていた千瑛の奮起を促す当て馬なのかとも思った。しかし後半、湖山はその訳を語る。そこには、この時まだ見知らぬ青年であった霜介に対する愛があった。そしてその愛情に導かれた霜介は、単に「線を描く」のではなく、その線の中に己を表現していく。そして気付いた。タイトルが「僕は線を描く」ではなく、「線は、僕を描く」である理由を。
日本人ならではの繊細な美意識
命の流れや時の流れに抗わず、共に流れ変化していく己の心と向き合う姿勢が、美しい線を作り出す・・・
日本人ならではの繊細な美意識が盛り込まれた、暖かく素敵な作品だと思いました。
横浜流星さんが出演している作品を観たのは今回が初めてだったのですが、とても自然体な演技をする俳優さんですね。
ここ最近の中で一番!
最近見た映画の中で、一番感動した。よかった。
水墨画を描くシーンに心揺さぶられ、心洗われ、本当に素晴らしい!
横浜流星さん、清原果耶さんの2人がとてもいい画になっている。清らかな感じを表現している。また、三浦友和さん、江口洋介さんはさすが。いい味を出している。
自分も、水墨画をやってみたいという気持ちになった。
何だかわからないが、涙がジワッと出てくる流れで、気持ちのいいラストとなった。
エンドロールの水墨画の雰囲気も最高だった。
多くの人に見てほしい映画だ。
白黒の濃淡で描く迫力
水墨画を描くシーンが、皆さん違和感なく素晴らしい!
横浜流星さんと清原果耶さんのお二人がまた、いい画になりますね。三浦友和さん、江口洋介さんはさすが、いい味出してる。
ジワッとくる流れで、気持ちのいいラスト。エンドロールの水墨画の雰囲気も素敵です。
低体温…
主要なキャスト4人はみんな好きな役者さんなので安心して観ていられた。
その分、それ以外の部分が必要以上に気になってしまった。
若者たちの苦悩とか後悔とか将来とかを描いている割に、全体通して、よく言えば「上品」、率直に言うと「体温が低いなぁ」と。
もちろんそれは意図されたものなのかも知れないけど、主人公達に付随するキャラクターや出来事がすごく「浅薄」に感じられて仕方がなかった。
多分この辺りは役者の演技ではなく演出の問題なんだろうな、とは思う。
(ここから少しネタバレします)
あのレセプションパーティで右往左往するスタッフとか、富田靖子演じるあの偉い書家の先生とか。
本来もう少し重要な役割であるはずのあの大学の友達も、何だか全然霜介と仲良しには見えないし「お前と何年付き合って来たと思ってんだよ」という割に、ずっと「キミ」呼ばわりとか。
(原作もそうなのかな)
最後、自宅跡に行った時のいろいろ見つけるクダリも、どうにも腑に落ちない。
登場する主人公たち以外のパーツがすごく「記号的」な存在でしかなく、実在感がないのに、比較的主人公達も抑え目な演技なので、全体的に「低体温」な印象を受けてしまった。
冒頭で書いたとおり、登場する役者さんは好きだし、決してお話が悪いわけでもない分、その周りの違和感をすごく感じてしまった、という感じ。
いつから絵を描かなくなったのだろう
保育所から小学校の頃までは、暇さえあれば絵を描いてる子供だった。たぶん描いているのが楽しくてしょうがなかったんだろう。それがいつの頃からか、練習をするためだったり、賞を獲るためだったり、画力を自慢するためだったり、とにかく何か描くことに「意味」がなければ描けなくなってしまった。
この映画は、そんな私に、描くことの素晴らしさをもういちど思い出させてくれた。特に、前半では、描きたくて描きたくてなんだかもううずうずしていた。
食材を求めて農家を回るシーンで、水墨画が自然と不可分の関係であることを、しっかりと主張してくれたのには感動した。そういう、絵を描くことの「奥深さ」のようなものが、後半より強く表現されるものと思っていたが、そこは期待外れだった。
役者の中では江口洋介がよかった。彼は、ヤクザや強面の人物より、『一つ屋根の下』の「あんちゃん」がやはりいちばんよく似合う。
三浦友和も生き生きと演じていた。道を極めた人はきっぱりとした物言いをする。水墨画家篠田湖山の飄々としてかつ高潔な人柄がよく出ていたと思う。
映画の予告よりレビューで興奮
みなさまのレビューを読んで
相当な期待をもって鑑賞しました
映画の予告よりレビューが心に刺さることは
素晴らしいことだと思います
映像も綺麗で役者の方も申し分なく
話しもちょいちょいウルウルしましたが
なかなかストーリーにのめり込めませんでした
もしかしたら私が
歳を取りすぎてしまったのかもしれません
本当に映画として悪い点はないのですけど
私の感性では普通の映画でした
水墨画に魅了される
ひょんな事から水墨画を知る主人公。過去を引きずり前に進めなかった主人公が、水墨画やそれに関わる人、友達と出会ったことで前を向く?ところが良かった。
千瑛のスランプも主人公と話し、紆余曲折ありスランプを脱出するところ、2人が同様に壁を乗り越えるのが熱かった! 音楽とか見せ方(目のアップとか)、出演の演技とかも良かった!!!!!
相対的に綺麗だし、見やすい。面白いと思う。水墨画に少し、興味を持てた!
ただ、あと一歩足りない感じ。映画ならではの展開がもう少し何かが欲しい。展開とかとか。
満足感はあるけどディテールが。。。
テレビの新作紹介で見て、面白そう、清原伽耶がなんやかんや言いながら好き、三浦も江口も好き、横浜はよくわからんけど、水墨画には興味あり、ってことで映画の日に見てきました。
結論として、満足感は十分あったので、上記の私が見に行った理由のどれか一つでも当てはまったら面白いと感じると思います。
ただ、日本映画にありがちな(最近は海外も同じなのかな?)ディテールがいくつか不満で、モヤモヤが残りました。(なくなった家族は一人だけ?そんなにすぐ賞取れるんか?親友のキャラ設定はいかがなものか、等)
一方、富田靖子はヒール(実はいい人)をありがちではあるけどうまく演じていて、さすがの貫禄を感じました。やはり最後は演技力が嘘を本当に見せるんだなー。
で、やはり水墨画は素晴らしいです。ちょっとやってみようかな、と思ったりしました。
ブルース・リー見た後にヌンチャク振り回したくなる感覚です。笑笑
ストーリー内容、展開は★2つです!
ストーリーの内容と展開は簡易的、ありきたり、浅いので★2つです!ただ、水墨画の魅力が伝わり、展覧会に行こうとまで思わせてくれる映画でしたので★4つにしました。水墨画の魅力を伝えるには、必要なストーリーだったのかも知れません。若い子向けに作ったのかな?口コミがすごい良かったですがやはり横浜流星君のファンが多く、青山君に感情移入できるからでは?とも思いました。正直ファンでもない私がみたら全然泣けなかったです。エンディングソングにブーイングがある意味がわかりました笑。歌詞が全然響かない、入ってこないと思ったら作曲Vaundy笑。なぜVaundyチョイスしたんだと思いました。夜行バスに乗っている時に流れた「lost」をエンディングソングた方が良かったのでは?個人的には青山くんのストーリーとか正直どうでもよくて、水墨画を描くシーンや作品をもっと大画面でたくさん見せて欲しかったです!
申し訳ないが低評価
高い評価する人も多いが、申し訳ないが低評価します。水墨画は心で見ろ、のようなことを言ってるが、映画の中でその心が見えなかった。主人公が水墨画のどこに惹かれたのか、スランプにある人間がどうして克服出来たのか?よくわからないままにハッピーエンドで終わった。期待しすぎたわけでもないが、やはり物足りない。でも、現実社会はこんなもんかも。普通にやっていて気がつけばここにたどり着いてた、っていうことかな。でも、映画で夢を見たいと思ってる人には不満が残るストーリーでした。
静かな余韻に清爽な風が吹く
交通事故かと思ったよ。それにしては…
流星演じる青山霜介は、椿の水墨画(千瑛作)を見ながら咽び泣く。その様子を影から見ていた湖山先生(三浦友和)は「弟子にならないか」と誘う。
椿は夢の中に何度か登場し、霜介にとってなにかの意味があると思わせる。それは家族との別れの話。
何も生きる意味を見いだせかなった霜介は、水墨画と出会うことで「変わっていく」
静かな映画だけど、心の中では大きな葛藤のうねりが感じられる。
江口洋介がいい。
諭すのではなく「個人の感想」を言っているだけなのだけど、霜介には刺さっていく。特に「変わっていく」
というキーワードは重要。
三浦友和は「優しすぎる」(家内の発言)あんな作品を残す偉い人はもっとわがままで横柄なのでは?だとさ
清原果耶は美しい撮られ方をしている。
「ちはやふる」の松岡茉優もとても美しかったが、撮るの上手だな。光がいい。
清原果耶はあまり沢山笑うと美しさを損なう。だから、謎めいた存在がいいね。
横浜流星は、いつの間にこんな役者に成長したのかな。
泣いても、笑っても、水墨画に打ち込んでてもとても絵になる。
今回、特に気になったのは、大学の友人役の河合優実だ。少し山口百恵に似ているが巨乳。パイスラが…。
思いもしなかった別れは水害だった。
「お兄ちゃん。助けて」は2011.3.11を知るものには胸に迫る。
心の再生がテーマ。
家族を失った悲しみに向き合えない霜介が清原果耶や三浦友和、江口洋介たちとふれあうなかで立ち直っていく様を、髪の長さで表している・・・かも、
滲む
不思議な感覚だ。
癒しを感じてる。
形など無くていいんだ、囚われる事はないんだよと、優しく柔らかく語りかけられてるような感覚だ。
なにか…肩の力がスーって抜けてる。
ファーストカットは横浜氏のUPからだ。
まるで物語の羅針盤のようで、進んでいく道が示される。彼は彼の非日常に出くわしたのだ。
見た事もないモノに遭遇し感情が動く。
タイトルコールまでの導入は大好きだ。
緩やかに、されど鮮烈に作品に誘われる。
前半は逆光とハレーションが印象的だった。
主観の表現の一つなのだろうけど、的確だった。眩しく写っていたのだろう。なんかこおいう感覚ってあったなぁと思う。いつ頃から忘れてしまったのだろうか?
成長と言えばそれまでなんだけど、昔、世界は未知なるモノで溢れてて、掻き立てられる好奇心は止めどなく、それらは常に目映く光ってたように思う。
大人になるにつれ、物事を知り限界を感じ、手の届かぬモノを手が届かないと断定し、いつしか億劫にもなっていったのだろうなぁ…。
突き動かされる衝動に身を任せていた頃が懐かしく、作中の人物達がとても眩しい。
役者陣は皆様素敵だった。
題材とかテーマに由来するのかも知れないが、素体とか自然体なんて印象を受ける。
三浦さんが抜群で…水墨画の本質さえ纏っているような雰囲気に魅せられる。
芸術家らしいエゴイストさにも説得力がある。
差し障りなければ円熟した色気と絶賛したい。
清原さんなどはノーメイクにも見える。そんなはずはないのだけれど「素材」に焦点を当てた結果なのかと、細やかな演出の一端を勝手に想像したりしてた。横浜氏も見事で…脱力と言うのだろうか?アレが彼の自然体だとは思えないのだけれど、自然体ですと言われても納得してしまうくらい違和感がなく仕上がってた。
印象に残るのは、病院のロビーで彼が心情を吐露するシーンだ。このシーンの主役は間違いなく彼なのだけど、彼を写す事をしない。後ろ姿だったりボケてたり。
まるで、監督が「そんな顔見せたくも、見られたくもないよね」と優しく慰めてたように感じてた。
人が人に接する時の距離感というのだろうか?優しさが含まれる視点を体験させてもらったような気になってた。
とかく現代は主張が激しい。
こうあるべきとか、コレが正解とか、ルールとか…四角四面で形に嵌められたり、形を要求されたり。
白黒つけりゃ安心なのは分かる。誰かの成功例に追随したくなる狡猾さも。
だが、少なくとも、雁字搦めにする必要はないように思う。余白を持たないとやり切れない事ばかりのように思う。水墨画のように滲む事を受け入れればいいんじゃないかと思う。
後半、摺った墨が全く水と乖離して、墨の輪郭を明確に写す。アレが個人の意思だとして、それを用いて描いた水墨画は漆黒ではなく、溶け合い柔らかな濃淡を滲ませて完成する。
人も意思も滲んで溶け合って形成されていけばいいのだと、白は白、黒は黒でなければいけない時もあるけれど、そうでないものでも、ちゃんと行き着く場所はあるのだと、そう言ってもらえたような気がした。
そして、素体だからこその良さはあると。
他人の為に着飾る事はなく、他人の為に化粧をする事もなくていいんだよ、と。
独善的で排他的な「我が道を行く」ではなくて、共存と学びを携えた「我が道を行く」ってのもあるんじゃないかと。
なんか俺は今とても和やかだ。
日本版ショーン・コネリー
悪くはない、白紙は、才能がある。
しかし、出来る、出来ないは、
やらなければ分からない。
「僕は、線を描く」ではなく、「線は、僕を描く」の意味、分かりました。線は才能なんですね。
今の三浦友和、どの作品もいいですね。特にこの作品のは。「さよならジュピター」の三浦友和、何処に行ったんでしょうか。
水墨画…⭐︎
「ちはやふる」は鑑賞していないので、比べられないのだが…
行く予定ではなかったが、評価が高かったので行ってみることに。
いやぁ、なかなか面白かった。
水墨画がというジャンルに、スポットを当てたところも素晴らしいが、
何より作品としてまとまりがあり、個人的には今年見た映画の中でも
結構上位にランクイン。
予告編では、横浜流星主演とのことだったので なんかアイドル映画の
隣くらいのイメージでいたが全然違った。
横浜流星が、今までとは違う雰囲気を醸し出していて良いし、その他の
脇も手堅く固めている。
清原果耶が、三浦友和演じる水墨画の大家の孫にピッタリ。
江口洋介や同窓の細田と河合もハマり役。
物語自体は、喪失と水墨画に出会ってからの再生が描かれているが、それも
変に作り込まずに素直に描かれていて好感が持てる。
鑑賞後、本当にもっと水墨画を見てみたいとしみじみ思った。
エンドロールの前に、CGと思われる水墨画で、登場人物の紹介があるのも、
気が利いて素敵だった。
ただ、劇中のピアノを含むインストは物語に合って良かったが、女性ヴォーカルの
歌はうるさいだけで邪魔。
⭐︎-0.5
どうしてこうなるのかなぁ…と残念。
もっとシンプルにして欲しかった
私個人の好みの問題だと思いますが、千瑛さんを無しにするか、もっと抑えた出方が良かったと思いました。
その分、主人公が水墨画を描きまくったり葛藤しているシーンや、師匠や胡峯さんの場面をもっと多くして欲しかった。
水墨画サークルとか美人絵師…というくだりもいらないと思いました。
そして、故郷でツバキを見つけるシーンも、一人で行って霜介自身が花を見つけて拾い、一人で泣く方が良かったなぁと思いました。
主人公の心の変化、水墨画への向き合い方の変化などをもっと丁寧に映像や表情で表現して欲しかったです。横浜流星さんは細やかな演技のできる俳優さんだと思うので、そう言うのをもっと出して欲しかったです。
連載漫画でしたら、千瑛さんの出番があれくらいある方が良いと思いますが、映画なら霜介の心の変化と成長のみに焦点を当ててもらいたかったなぁと思いました。
あと、映画館の設備の問題が知れませんがBGMが結構うるさかったです。
と、不満ばかり書きましたが、根幹となるストーリーも役者さんも良かったです。水墨画自体も水墨画の話も面白かったです。
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