線は、僕を描くのレビュー・感想・評価
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淡々と水墨画を描くように…
てっきり「ちはやふる」な映画を想像して観たら全然違うノリだった。エキサイティングな展開もなく、真っ白な紙に水墨画を描くように様に、静かに地味に淡々と横浜流星と清原果耶、そして脇を固める三浦友和と江口洋介が墨で物語を描いていく。好き嫌いや好みもあろうがこうゆう映画もあっていい。多少の違和感は、終盤の友人の唐突なアドバイスかな…え?そうゆうこと言うキャラだっけ?と。
王道のストーリーを支える俳優陣の素晴らしい演技
王道のストーリーを正面から描いていてかつ深さも感じられるのは、俳優陣の演技の素晴らしさがそれを支えていると思われました。
仮に俳優陣の演技が少しでもほころびを生じさせれば、逆にそこから世界観が壊れて行ってしまう映画とも言えます。
そういう意味でも日本画という色のないシンプルな表現だからこそ逃げ場のない題材とも、この映画はシンクロしていたと思われます。
惜しむらくは、だからこそその奥の共感されずらいいびつで猥雑な深層にももっと踏み込んでくれればとは思われました。
小泉徳宏監督の清爽な作風に、人間の一部である目を背ける残酷な面がが少しでも加われば、個人的には秀作から傑作への足掛かりになるのではと僭越思われました。
ただ今作の涼やかだけれども深さのある作品も、見て満足を感じる人も大半だろうなとは思われました。
未見の人にも心からお勧め出来る映画です。
不覚にも感動してしまう秀作
正直旬な俳優を使った芸能事務所ありきの青春映画かなと思いながら鑑賞しました。すみません謝ります。上映数分後タイトルが表示されるまでに感動してしまいました。
話としては盛り上がるバトルがあるわけでもキュンキュンする恋愛があるわけでもありません。むしろありがちな話かと思います。でも、何より水墨画の描写、描画シーンの描き方、光の写し込み方、風景の切り取り方、バックで流れる音楽の使い方、エンドロールの映像、俳優陣の演技、素晴らしかった。清原果耶の凛とした着物姿はまさに水墨画界の新進気鋭の絵師感満載でした。
邦画の中には「ドラマで描けることをなんで大画面で」って個人的に思うことが多いんですが、今作は是非大画面で見て欲しい。大きな水墨画の描画シーンはやはり大画面で見て欲しい。
気になったところは主題歌、挿入歌が少し浮いていたかな。あと主人公に友人が「君は〜」って言うところ、普通あまり言わないですよね(笑)
色と音が綺麗な作品
水墨画は地味じゃない。
横浜流星ファンですが、この作品に関しては江口洋介氏がすごいよかった!!
なんかもう原作そのものなイメージだった。この人こういう持って生まれた優しさが滲み出ないと出来ない役がめっちゃ似合うなあ。
原作より霜介が明るい印象に見えたのは、推しが輝きすぎているからだろうか。(推しバカ)
原作はもっと暗くてしんどい人のイメージだったので、キラキラキラキラ輝いてみえる推しにいまひとつ感情移入出来ず。
でも推しへの愛を込めてスコアは高めに。
水墨画のその場で書き込むショー?は実際見たらすごい迫力なんだろな。
一度見てみたいと思いました。
水墨画自体は地味なイメージだったけど、こんなに色んな見せ場を持った芸術なんだなと。
あとはエンドロールがカッコいいなと思った。
なんか全体的にアニメの実写版みたいな雰囲気に見えたかな。
線が表すものとは
素晴らしい
ひとことReview!
「再生」がテーマらしいのだが、何がしたいのかよく分からない感じ。小泉監督の代表作の実写版『ちはやふる』3部作で見せたようなテクニックが全く無いのは残念。
モノクロの水墨画での赤い椿
水墨画という、常人にとっては何だか縁遠くて高尚な芸術の世界に、偶然踏み込んだ一人の青年が、その魅力と奥深さに魅了され、それまでの生き方そのものをリセットしていく青春ドラマです。
百人一首を題材にした『ちはやふる』のような、芸道に全力を懸ける青春熱血ストーリーのような体裁をとりながら、実は無気力・無表情・無感動という主人公の精神の奈落の日々からの再生の物語です。
本編巻頭での主人公の寄せアップの長回しは、いきなりの映像としては違和感があるものの、これが本編を通じた伏線になっていることがラストで分かってきます。
徹底して主人公・青山霜介の一人称で描かれますので、主人公の視野にないエピソードは一切出て来ず、映像は忠実に主人公の日常行動に従って展開します。そのため話が非常にシンプルに進み、観客は青山霜介の日常に連れ添い疑似体験していきますので、スクリーンに自然と没入していきます。
水墨画という馴染みのない深遠な世界を殊更に解説しようとはせず、基本に触れつつも決して理屈っぽくなく、誠に取りつきやすいものとして描いていて親近感が持てます。特に人間国宝の水墨画の巨匠・篠田湖山に扮する三浦友和の、飄々として気さくで人当たりの良い、けれど根は頑固で教え下手の無器用なキャラクターが、水墨画という壁を低くしてくれます。
ラブロマンス、アクション、サスペンスといった要素は一切なく、芸道ものによくある、芸を極めるために不休不眠で刻苦精励するような悲壮なシーンも少なく、穏やかで淡々としたリズムで進みますが、それが却って奈落からの再生を際立たせます。
主人公を演じた横浜流星、兄(姉?)弟子の清原果耶、互いに紆余曲折しつつも一つの道を究めようとする、それぞれの青春像を爽やかに演じました。
ラスト二人が描く水墨画のカットが続く中、本作の重要なモチーフでもある、本来モノクロである水墨画の椿の花が、私にははっきりと鮮やかな赤い椿に見えました。
横浜流星×清原果耶 最高
まっさらな紙の上に、ただ一色の墨がのる。
「面白い」とも、「つまらない」とも違う不思議な鑑賞後感だった。
言ってしまえばこの映画は、題材とする水墨画と同様、ひたすらに地味なのだ。邦画特有のわざとらしい演出はあれど、ストーリー自体は淡々としている。しかし、そこに光と影を巧みに描いたショットがあることで、見ている人間をやすらかな気持ちにさせてくれる効果が、この映画にはある。
「清原果耶さん」
芸術の秋にピッタリ
エンドロールまでも美しい
ネスカフェのCMでお馴染みのダバダーのような世界観
2022年映画館鑑賞62作品目
11月14日(月)イオンシネマ新利府
ハッピーマンデー1100円
原作未読
監督と脚本は『ちはやふる』三部作の小泉徳宏
脚本は他に『きいろいゾウ』『町田くんの世界』『ノイズ』の片岡翔
弁護士とかを目指すわけでもない法学部の大学生青山霜介はひょんなことから神社での水墨画展示会の設置作業をすることになった
水墨画を観て涙を流した霜介は湖山にスカウトされ生徒という名目で弟子になる
水墨画にのめり込んだ霜介は練習を重ねメキメキと力をつけ新人賞を取るほどの実力者に成長する青春物語
水墨画に特別興味があったわけじゃないが面白そうだったので鑑賞した
ストーリーは単純明快
原作を含め家族を亡くしたエピソードは必要ないと感じた
家族主義の韓国やアメリカの映画ならたぶんこんな設定はないだろうがまあ良いだろう
水墨画家の皆さんの役作りが素晴らしい
絵を描く姿がカッコいい
江口は歳を重ね年相応の重厚な演技が多くなってきたが水墨画を描くシーンは『ひとつ屋根の下』以来の無邪気で良い面構えだ
清原は美人じゃないし可愛くないしかといってブスじゃないけどやはり凛々しくカッコいい女だ
評論家の翠山は原作では男の設定のようだが映画では女性に設定され富田靖子が演じた
いきなり品評するところから登場し誰かと思ったら富田靖子だった
若い頃の富田靖子や最近では床屋や明太子屋のおばさんが板についているベテランのもうひとつ顔を観た貫禄ある芝居が良い
ちなみに原作で登場した翠山の娘は今回登場しない
この映画は音楽に力を入れている印象
イオンシネマ側に問題があったのかもしれないが湖山が神社で水墨画を描くシーンの時のBGMの音量がデカすぎて耳にストレスだ
音の大きさも演出のひとつかもしれないが加減がわからないのは馬鹿だ
霜介の変わり果てた実家から戻ってきた二人が水墨画を描くシーンもBGMがなかなかデカい
音楽に力を入れたわりにエンドロールのテーマソングは作品のイメージにまるであっていなかった
広末涼子が歌ったアニメ『金田一少年の事件簿』のエンディングテーマと同じくらいあり得なかった
エンドロールの映像そのものはとても良かった
両親と妹を洪水で亡くし孤独感と後悔に苛まれるも湖山にスカウトされ弟子となり水墨画家になる青山霜介に横浜流星
湖山の孫で湖山と同居するスランプ中の若手水墨画家の篠田千瑛に清原果耶
青山が通う大学の友人で水墨画サークルの古前巧に細田佳央太
青山が通う大学の友人で水墨画サークルの川岸美嘉に河合優実
美術館の館長・国枝豊に矢島健一
広告代理店の営業マン滝柳康博に夙川アトム
広告代理店の営業マン笹久保隆に井上想良
かつては湖山と双璧の元水墨画家で水墨画の品評会の審査員を務める藤堂翠山に富田靖子
篠田家で料理を担当する湖山の一番弟子の西濱湖峰に江口洋介
水墨画の巨匠・篠田湖山に三浦友和
淡白な連ドラのような印象
字が苦手なので書道の時間には絵を描いていました
青山(横浜流星)が涙する序盤のシーンで同じように涙してしまった。もしかしたら、自分は長谷川等伯の生まれ変わりなのかもしれないと思った一瞬(ウソ)。いい仕事してますね~と、千瑛(清原果耶)の絵に心奪われてしまった。でも、椿という題材が、青山の過去の辛い記憶のものだとわかり、篠田湖山(三浦友和)はそこまで読んでいたのだろうかと疑問をも感じた。やっぱり優しい線を可能にしたのは箸の使い方だったかなぁ・・・
有名画家の映画は数多くあれど、将来大物になるかもしれないと予感させる素人の作品は少ないんじゃないでしょうか。しかも墨一色という水墨画の世界を描いた作品は珍しい。思い出そうとしても『書道ガールズ』(2010)くらいしか浮かんでこなかった(絵じゃない)。それより『メッセージ』(2016)が近いか?!たしかあれはイカ墨だったよね?
大雑把に言ってしまえば、家族を亡くした喪失感と再生の青春ストーリーなんですが、水墨画の初歩を教えてくれるし、意外な江口洋介を見せてくれるし、千瑛との恋の予感もほのめかしていた。そして、病気のために筆を左手に持ち替えた三浦友和に画の心を見た!
全体的にはつまらない?いやいや、絵の向こうにある心が見えればいいんですよ。技術や才能だけでは評価できないプラスα。麻雀の花牌でもお馴染みの基本の四君子(蘭、竹、菊、梅)という描画も苦にせず楽しく打ち込んでいる姿。ライバルとも言える千瑛が逃げ出すのもまた乙女心。画を通して人の心に触れることの大切さも伝わってきた。人前で描くパフォーマンスにしても、紙と筆と心が一体にならなければ不可能だ。
大きな災害も東日本大震災ばかりが題材になっている昨今。想定外の大雨だとか大地震だとかいつも災害に見舞われる日本。色々と考えさせられる作品でもありました。
また、柱の傷はおととしの~♪と、8才のそうすけと8才のつばきの傷によって、何気につばきの方が背が高かったことに気づきました。こんな僕じゃ、いつまでたっても自分の線が見つけられないかもなぁ・・・
下心男子のお片付けは大義名分なのでちゃんと手に物を持っている
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