線は、僕を描くのレビュー・感想・評価
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#76 青春映画ではないけど
全体的に良かったです。
何故先生が青山クンを弟子に誘ったのかわからなかったけど、何も志のない青年を闇から引き上げたかったんじゃないかな。
また弟子である孫にも良い影響を与えてくれるとかんがえたんだと思う。
全然絵心も才能もないけど、水墨画を描いてみたくなった〜。
ちはやふるを見てもカルタをしたくならないのとはそこが違う。
体感する水墨画の世界
漫画版は読んでいます。
感想
水墨画を描くシーンはカッコいいが、物語としては何処か満足度不足感を感じてしまった。
・物語構成
基本的に原作に忠実に作られている印象です。一部映画として画面映えする様な追加シーンはありましたが、基本的には大筋は原作通りなので安心して観れました。
登場キャラクターの抱える精神的な問題についての場面も繊細に描かれていたと思います。しかし、大満足とはならず、何か物足りない?という印象は持ちました。
・水墨画の作画シーン
本作一番の見せ場である水墨画のを描くシーンはとても美しかったです。特に巨大な用紙に描くパフォーマンス作画のシーンは迫力があり、カッコよかったです。
・美麗画面
制作チームが『ちはやふる』を制作したチームなので、画面が終始美しかったです。
・演技
演技も俳優陣の皆さん役になりきっていていて、引き込まれました。
総評
美しい水墨画の世界を体感出来て楽しめた。一方で、物語としては盛り上がりに欠ける印象を少し持った。
真摯な眼差しで水墨画の道を求める
墨絵の求道者の映画なのだが、今を時めく横浜流星さんと清原果耶さんがメインなのでビジュアルがこの上なく美しい。ただ、この映画の見どころはビジュアルだけにあるのではない。主役の青山霜介を演じた流星さんはコロナ禍の延期もあって時間をかけて練習し、撮影に臨んだという。流星さん以外の水墨画家役の出演者も同様で、それは筆を執るときの真摯な眼差しに現れている。
ストーリーは水墨画の大家・篠田湖山(三浦友和)の孫、千瑛(清原果耶)が抱える悩みを軸に展開。その後、霜介もあるトラウマを抱えていることが、次第に明らかになっていく。指導面では湖山は弟子を教えるのが下手という設定だが、敢えて節目に大枠を示すだけで霜介や千瑛に自由に試行錯誤を重ねさせるという筋の通った指導を行っているように感じられた。
他の登場人物では、湖山邸の食などを取り仕切る西濱に扮する江口洋介が90年代のドラマの“あんちゃん”のキャラとあまり変わっていないのが興味深い。また霜介の仲間の役の細田佳央太さんや河合優実さんが水墨画サークルをつくって盛り上げるシーンは、同じ小泉監督作品の『ちはやふる』の乗りを想起させる。特に細田佳央太さんは4年前の『町田くんの世界』を引き継いだユーモラスなキャラクター。ちはやふるの西田を演じた矢本悠馬さんの後継は彼に落ち着きそう。三浦友和さんや、批評家役の富田靖子さんを含めて新旧青春スターの競演も見どころとなっている。
滋賀の五個荘の屋敷を借りきったという湖山邸を舞台として背景の景色は美しく、役者が映らないシーンでも、明らかに墨絵のテーマを意識した画作りとなっており趣がある。さらに、ちはやふるでもおなじみ横山克さんの繊細なメロディはこの映画でも健在、期待通りの作品となっていた。
清々しい青春映画
スポーツ報知さんの試写会で拝見。
水墨画について私は全然詳しくないので、どの程度の質と再現性なのかとかがよく分かりませんでしたが、セリフに頼らずに絵と周りの反応だけで、技術だけが重要なのではなく、自分自身の心と向き合い自分を描く境地に至ることの大切さ、ということが伝わってくる描き方でした。
セリフにしない感情表現を読み取れない人には、陳腐でありがちで、説明不足で不親切に思えてしまうかもしれませんが、そこがいいと思えました。
そして、人気若手俳優二人のキャスティングをしながら、安易に恋愛方面に行かず、同じ道を進む同志として描いた清々しい青春ものという仕上がりに満足。
流星くん演じる主人公の姿に、頭の中で『君は天然色』を作詞した時の松本隆さんのエピソードが蘇りました。
清原果耶の表情や仕草の上手さは格別だと再認識しました。
爽やかで、少し涙腺を刺激する、良き作品だと思います。
ウルウルはしたけど、ワクワクしなかった
友人から紹介されたアルバイトの場で初めて水墨画に接した大学生の青山...
友人から紹介されたアルバイトの場で初めて水墨画に接した大学生の青山霜介(横浜流星)。
たまたま目にとめた絵は椿の絵。
ツラい思い出を抱えた霜介は、その絵の前で立ちすくんで泪したが、それを水墨画の巨匠・篠田湖山(三浦友和)に見留められ、弟子にならないかと声を掛けられる。
湖山には、内弟子として、孫の千瑛(ちあき。清原果耶)がいたのだが、千瑛は最近、捜索活動に行き詰まりを感じていた・・・
といったところからはじまる物語で、洋画で画家を題材にした映画は数あるが、日本映画では少なく、それも水墨画ということなので、どれほど(描くところも含めて)画面で魅せてくれるのかというのが期待の焦点。
前半は悪くないです。
水墨画の描きっぷりもそこそこはみせてくれるので満足。
なのですが、後半、(例によって)師匠・湖山が倒れる、でもって、霜介のトラウマ的過去が明らかになる・・・という展開はベタベタ。
いやぁ、墨も重いが、筆遣いもベタ。
中盤までは面白かったのですが、後半は(いわゆる)ベタなドラマの寄ってしまい、水墨画の魅力を伝えるところに到着ていません。
映像の処理でいえば、
短いショット、スプリットスクリーン(分割画面)、過度な音楽、
とテレビドラマの演出の延長線上。
ということで、ちょっと期待しすぎでしたかねぇ。
主役の横浜流星は『流浪の月』と打って変わっての純真青年役なのだけれど、元祖純真青年の三浦友和に及ばないのが痛しかゆし。
想像以上にハードなドラマを構築、線に滲む彼らの迷いと美しさに息を呑む
てっきりキラキラ青春ムービーかと思っていたら、もろカウンター食らったよ…。白黒の濃淡に滲む過去と新たな世界に涙が止まらない。
誠実に実写化したことで支持を集めた『ちはやふる』のチームが再び集結し、次に手掛けたテーマは水墨画。水墨画がなんて中学生くらいで習った雪舟くらいしかイメージない。しかしながら、あくまでテーマの1つであることをしっかりと伝えてくれるので問題なし。セリフの中にあるうんちくの様な言い回しもなく、ただただ忠実に紡いでいく。ここまで直向きさが染みる映画もなかなかない。
そんな中で描かれる線は、不思議と観ているこちらも魅了されていく。彼らの過程をなぞりながら、感性が分からずとも不思議と惹かれていくのだ。それと同時に、それぞれが向き合うべきものが線に滲んでいく。あまり多くは語れないが、霜介の過去が何だったのか、向き合うべき線の行方に、この作品が描こうとしているモノの大きさを感じるのであった。その強さは社会派として括ってもあながち間違いではない。
主演は横浜流星さん。強い姿を多く見せても弱い姿を見ることはあまりない気がする。しかしながら、その凄さを改めて体感。真っ直ぐで力強い眼差しが水墨画と重なる。清原果耶さんは文句なしのヒロインだが、やはり年齢を掴みにくいのが惜しい。何にでもなれるからこその弊害と言っていいだろう。
そしてやはり、細田佳央太さんと河合優実さんの役回りは新たな発見と永く愛されるであろう片鱗を見せる。まだ大学生役だが、社会人役となった時、主人公の肩を叩くような役があまりにも似合う。その中で最も凄いのが、江口洋介さん。美味しい所ではあるけど、飄々とした中に隠した爪と柔らかさがもう…。笑
こういう秘密を持つと議論になりそうで心配だが、過程を見てくれれば大丈夫だろう。進むために必要だと気づけるはずだから。
前に進むきっかけとなった水墨画との出会い
舞台挨拶付きの完成披露試写会にて鑑賞。
湖山先生のひと言で水墨画の世界へと飛び込む主人公はそこで人生が変わっていく。悲しい過去を背負っており、時には水墨画を書く時トラウマで筆が止まることもあったがいつでも水墨画は彼の背中を押してくれる存在となった。
タイトルは〚線は、僕を描く〛
なぜ、〚僕は、線を描く〛ではないのかこの映画を観終わった時謎が解けます。
キャスト陣のアツい水墨画の演出やセリフがないところを監督によって上手な描写で描かれているところなど心打たれるシーンの数々、、、。
前半は水墨画の迫力で口が開いた状態、後半は自然と涙が頬を伝いました。
映画が公開したらもう一度観ようと思います!
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