線は、僕を描くのレビュー・感想・評価
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ウルウルはしたけど、ワクワクしなかった
試写会にて
ストーリーはちょい唐突、でも水墨画に出会い心が解放されて成長する霜介と、霜介に刺激されて成長する千瑛にウルウル。
ちはやふるチームの再結成とあって、水墨画の表現がちはやを思い起こさせるけど、全体的にはちはや程ワクワクはしなかった。でも原作は読んでみよう。
世界でいちばん明るい屋根の時も思ったけど、水墨画と果耶ちゃんは似合うなぁ。
友人から紹介されたアルバイトの場で初めて水墨画に接した大学生の青山...
友人から紹介されたアルバイトの場で初めて水墨画に接した大学生の青山霜介(横浜流星)。
たまたま目にとめた絵は椿の絵。
ツラい思い出を抱えた霜介は、その絵の前で立ちすくんで泪したが、それを水墨画の巨匠・篠田湖山(三浦友和)に見留められ、弟子にならないかと声を掛けられる。
湖山には、内弟子として、孫の千瑛(ちあき。清原果耶)がいたのだが、千瑛は最近、捜索活動に行き詰まりを感じていた・・・
といったところからはじまる物語で、洋画で画家を題材にした映画は数あるが、日本映画では少なく、それも水墨画ということなので、どれほど(描くところも含めて)画面で魅せてくれるのかというのが期待の焦点。
前半は悪くないです。
水墨画の描きっぷりもそこそこはみせてくれるので満足。
なのですが、後半、(例によって)師匠・湖山が倒れる、でもって、霜介のトラウマ的過去が明らかになる・・・という展開はベタベタ。
いやぁ、墨も重いが、筆遣いもベタ。
中盤までは面白かったのですが、後半は(いわゆる)ベタなドラマの寄ってしまい、水墨画の魅力を伝えるところに到着ていません。
映像の処理でいえば、
短いショット、スプリットスクリーン(分割画面)、過度な音楽、
とテレビドラマの演出の延長線上。
ということで、ちょっと期待しすぎでしたかねぇ。
主役の横浜流星は『流浪の月』と打って変わっての純真青年役なのだけれど、元祖純真青年の三浦友和に及ばないのが痛しかゆし。
想像以上にハードなドラマを構築、線に滲む彼らの迷いと美しさに息を呑む
てっきりキラキラ青春ムービーかと思っていたら、もろカウンター食らったよ…。白黒の濃淡に滲む過去と新たな世界に涙が止まらない。
誠実に実写化したことで支持を集めた『ちはやふる』のチームが再び集結し、次に手掛けたテーマは水墨画。水墨画がなんて中学生くらいで習った雪舟くらいしかイメージない。しかしながら、あくまでテーマの1つであることをしっかりと伝えてくれるので問題なし。セリフの中にあるうんちくの様な言い回しもなく、ただただ忠実に紡いでいく。ここまで直向きさが染みる映画もなかなかない。
そんな中で描かれる線は、不思議と観ているこちらも魅了されていく。彼らの過程をなぞりながら、感性が分からずとも不思議と惹かれていくのだ。それと同時に、それぞれが向き合うべきものが線に滲んでいく。あまり多くは語れないが、霜介の過去が何だったのか、向き合うべき線の行方に、この作品が描こうとしているモノの大きさを感じるのであった。その強さは社会派として括ってもあながち間違いではない。
主演は横浜流星さん。強い姿を多く見せても弱い姿を見ることはあまりない気がする。しかしながら、その凄さを改めて体感。真っ直ぐで力強い眼差しが水墨画と重なる。清原果耶さんは文句なしのヒロインだが、やはり年齢を掴みにくいのが惜しい。何にでもなれるからこその弊害と言っていいだろう。
そしてやはり、細田佳央太さんと河合優実さんの役回りは新たな発見と永く愛されるであろう片鱗を見せる。まだ大学生役だが、社会人役となった時、主人公の肩を叩くような役があまりにも似合う。その中で最も凄いのが、江口洋介さん。美味しい所ではあるけど、飄々とした中に隠した爪と柔らかさがもう…。笑
こういう秘密を持つと議論になりそうで心配だが、過程を見てくれれば大丈夫だろう。進むために必要だと気づけるはずだから。
前に進むきっかけとなった水墨画との出会い
舞台挨拶付きの完成披露試写会にて鑑賞。
湖山先生のひと言で水墨画の世界へと飛び込む主人公はそこで人生が変わっていく。悲しい過去を背負っており、時には水墨画を書く時トラウマで筆が止まることもあったがいつでも水墨画は彼の背中を押してくれる存在となった。
タイトルは〚線は、僕を描く〛
なぜ、〚僕は、線を描く〛ではないのかこの映画を観終わった時謎が解けます。
キャスト陣のアツい水墨画の演出やセリフがないところを監督によって上手な描写で描かれているところなど心打たれるシーンの数々、、、。
前半は水墨画の迫力で口が開いた状態、後半は自然と涙が頬を伝いました。
映画が公開したらもう一度観ようと思います!
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