さかなのこのレビュー・感想・評価
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横道世之介が好きな人は、今作も好きだと感じるかも
性別不詳のキャラクターを演じられるのは、日本だとのんさんしかいないのでは?というくらい自然で違和感無く主人公を演じられていました。
基本的に性格の悪いキャラクターが登場せず、嫌な気分になることなく鑑賞することができたのが、この作品の好きなところです。
人と違うことを気にしていたり、好きなものを突き詰めたいと思っている人は、この作品を観ることで「それでも良いのかもしれない」と思うことが出来るかもしれません。
「魚道」は茨の道だけど、楽しい。
常に魚のことばかりを考えているみー坊を演じたのんの、その偽りのないクリアな眼差しが、自分が知ってる「サカナくん」のイメージと重なった。キャスティングの妙。
強烈な「好き」を原動力に、幼年期から学生時代、そして社会に出てからと、様々な失敗と挑戦と出会いを経て、「サカナ博士」という夢に少しずつ近づき、社会の中で自分の居場所を見出していくみー坊。
時にバカにされ、時に「普通」という軸からの逸脱を指摘されながらも、全く意に介さずに、一切ぶれることなく「魚道」を突き進むことができたのは、間違いなく彼女を全肯定してくれた母親の存在だろう。彼女の存在がなければ、どこかで父親に緩やかに矯正されていただろう。
全肯定と矯正、そのどちらとも親としての愛情に裏付けられるものだが、向かうべき方向性は真逆。
子の一つの「好き」を認め、育む。
そんな当たり前の大切なことだけではなく、そこを進む時に生じる、シビアな面も描いてるところに、この作品の良識を感じる。
天然をえがく難しさ
業界には天然なのか天然キャラなのか──の命題があるが、たいがいキャラなので、じっさいの天然の問題はそこ(真偽)ではなく天然が似合うのか似合わないのかの問題になろうかと思う。
(映画やドラマを撮影しているこちら側(カメラ側)には夥しい数の人たちが居る。そのような緊迫した環境で仕事をしている人が天然というのは無理がある。)
たとえばビビアン・スーは天然が似合う人で、公ではかならず片言な日本語を話した人だった。元来知的なひとが天然を装ったキャラクターで通すことを戦略的愚直と呼ぶ。
戦略的愚直は謂わばお化粧であって良いも悪いもないが、戦略的愚直を達成するためにいちばん重要なのは愛らしい見た目だろう。天真爛漫な印象だと更にいい。ビビアン・スーの戦略的愚直はバレなかった。
のんも戦略的愚直をつかう人だと思う。
すなわちこの映画は天然キャラで売っているのんが本物の天然のさかなくんを演じた映画で、はまり役だったし、さかなくんをのんに配役した時点で7割がた完成したような映画だった。
とはいえ善意に委ねすぎで、終始気恥ずかしかった。
さかなくんの人柄で加点、のん人気で加点、さらに善良な人々が善良なことをする雰囲気が加点し、なんていうかこの映画を認めないと適応障害を認めない──かのような巧い立脚点を持ってしまっている。ほのぼのな空気感によって(言うなれば)映画そのものが戦略的愚直に便乗しており、世評も全般的に賞賛だった。
しかし(個人的には)つまらなかった。演出も気恥ずかしさが目立ち巧いとは思えなかった。
ちなみにホンモノの天然とはカスパーハウザーのような人物だと思う。純粋と同義で且つ社会を全く知らない。
だから“天然”を描くばあい言動や行動を白痴のように見せざるをえない。両手を挙げギョーと叫んで飛び回る様子が白痴ではなく“天然”に見えることが俳優のんの強みだった。絵を描いているとき絵の具が顔や服に飛散している超ベタ描写がサマになってしまうのものんならではだったろう。“天然が似合う”とはそういう意味だ。
(あえて情味のない言及をしてしまうと見た目の助け無かりせばブン殴られるようなものを天然と言う。つまり天然とは周囲の人々の容認やスルーによって成り立つ。そこにつっこみや茶々を入れない状況を含めて“天然”と言うのです。)
ただし、この映画から“社会に適用できなくても好きを突き詰めよう”といったメッセージを受け取るのは勘違い。すごく特殊な人のことを、すごく特殊な人が演じた映画だった。
一緒じゃなくていい
好きに勝るものはなし
芸は身を助く
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。ありがとうございます。
今更ながらのレビューでございます。
本年度はのんちゃんの主演映画が3本公開されました。(一本は兼監督)色々有りましたがクリエイターの方々は、「このまま、のんを埋れされるわけにはいかねえ!」
もう地上波は関係ない!のんは銀幕(昭和の言い回し)のスターでいい!吉永小百合とか小林旭とか高倉健とか・・
古いよ‼️
失礼しました。映画の話しにします。
この映画はさかなくんの自伝を元にしています。しかし主演はのんちゃん。冒頭のテロップで・・・
男か女かは どっちでもいい
けだし名言。今時は分けることが意味がない。色で分ける(男は白、女は紅)のも意味がない。まして合戦ってね、戦うなよ!大晦日のあの番組。言いませんが。
エライ方は伝統があるとか言う。やんわり注意しますが・・・
おい!じじい!お前の考えはクソだ‼️
失礼しました。ごめんなさい。
ミー坊(西村瑞季)はお魚が大好き。小学生の頃から。ミー坊は特にタコが大好き。わかります。タコって不思議だし。なにより美味しい。
私が小さい頃に光瀬龍さん原作の漫画「ロン先生の虫眼鏡」にタコが出てくるですね。それで夜中に上陸してさつまいもを盗む話しがあるんですね。
ロン先生(光瀬龍)は眉唾だと思っていたが、実際に目撃したんです。
そもそもさつまいもを食べるのかとか、なんでそれを知っていたのかとか、危なすぎじゃないのかとか・・・
タコは知能が高いって言うけどどのくらいなんでしょう。
閑話休題、そしてミー坊は周りの人たちの善意に恵まれました。・・・って恵まれ過ぎだっちゅうの‼️
ミー坊(さかなくん)は今や大学の先生だよ。いやいやイラストを描いていただけなんですけどね。元は。
芸は身を助く、または好きこそものの上手なれ。
実話ベースなんで致し方ないんですが、劇中の不審者(さかなくん本人)
知らない大人の部屋に入ってはいけません!
お母さんも止めろよ!
男か女は、どっちでもいい!
いやね今時だからね。野暮なのは承知ですが。でもほんわかした気分になれるのは、のんちゃんのおかげかなあ・・・
お付き合い頂きありがとうございました。
人々がのん以外考えられないと言う映画
つごう6回見ました。あべのアポロでの舞台挨拶付き試写会から始まり、集中して9月中に4回、ポストカードをほしくて1回、副音声目当てで1回
見事に日本アカデミー賞優秀主演女優賞に選ばれたので、ここに書いてなかった感想を書きます。
テレビ局主体の大手配給会社の有利な映画賞として有名なこの賞に、民放地上波からハブられてる(元能年玲奈こと)のんさんですからね。選ばれただけでも大事件でしょう。
さて
出てくる人達すべてが愛らしいですよね。子役の子たち、ミー坊の家族、ギョギョおじさん、高校生時代のヤンキーチーム、先生たち、大人になってからの、水族館の人、歯医者さん、海人さん、ぱるる(笑)、ヒヨ、総長、カミソリ籾
色々賞レースで映画がでてるけど、この映画が1番笑えて元気が出るのは間違いない。
そして、Youtubeで見た人全員言ってる「のんさん以外考えられない」
凄い映画だよ。
ありのまま
好きに勝るものなし! そして、のん炸裂!!
僕は、かねてからさかなクンを尊敬している。
世の中に「すごい人」はたくさんいるけれど、さかなクンはその中でも突出した人だと僕は思う。
あの突き抜けかたはどうだ。さかなクンという存在は、ある意味、ロックでありパンクである。
さて、『さかなのこ』。
とても楽しい映画だった。
最初、主人公がのんさんだと聞いてちょっと違和感があったけれど、観て納得。中性的に脚色することで、より物語にひろがりができたように感じた。
本作のどこまでが、さかなクンが実際に体験したことかはわからないが、そんなことはこの映画の本質には関係ない。
この作品が成功しているのは、一にも二にも、のんを主役に据えたことによると言ってよいだろう。
のんの透明感、清潔感、ユーモラスな雰囲気……余人をもって代えがたい。天性の役者だという気がする。
三者面談のシーンや高級レストランでの食事のシーンが感動的だった。
「ありのままの自分」を認めてくれるお母さんや友だち、素敵です。
変わってたって、変人だって、なんだっていいのだ。
世間に迷惑をかけなければ、いや、多少迷惑をかけたって、好きなことを貫いて、やりたいことをやっていけばいいのだ、と勇気をもらった。
「好きに勝るものなし」を燃料に、ブレークスルーしたさかなクン。
あなたには一生をかけて取り組める「好きなこと」がありますか?
やっぱり、のんは良いなぁ。
2本立て2本目。高評価だが私的には乗り切れず。 主人公のんが男役を...
2本立て2本目。高評価だが私的には乗り切れず。
主人公のんが男役を上手くはこなしているが、性別なんてどっちでもいい、と近年の風潮に媚びるテロップにやや不快感。実際にさかなクンは両性なの?
さかなクンの自伝だよなと思ったら、本物登場で混乱。でもやっぱりのんがさかなクンだよね。てな訳で、なんか全てがあまりに作りものっぽくなりすぎた。だいたい高校の友人がそこかしこに絡んでくるわけないわな。不良登場あたりからなんだか嘘くささ全開。
好きなことがある素晴らしさを描いているのはいいが、もうちょっと真実を大事にして欲しかった。
のんも干されまくって久しいけれど、本作でも海に突入しまくり等、体当たり演技、頭が下がります。ヤクザな事務所忖度はやめ、彼女を使ってやってください(笑)
私たちはみんな、どこかおかしい
さかなクンの映画だけど、のんの映画でもある。
のんは「ここまで来た」のだと、素直に感服しました。
井川遥や柳楽優弥、岡山天音など、沖田監督のキャスティングも素晴らしいので、ぜひ、多くのファンに見てほしい。
自分の個性に素直であること、そして好きなことに傾注するということは、他人から見たら、おかしく見えることがある。「さかな好き」もミー坊の域まで達すると、引かれるかもしれない。
しかし、他人から見たら、おかしい自分も、内省すれば素直な譲れない自分自身である。そこに自信を持って立てる人は少ないが……。
のんの演技(演技ではないのかもしれない)は、その当たりのピュアな自分自身を、痛ましくなく、愛する自分として表現している。これは、誰にでもできることではない。
男と女、どうでもいいと冒頭に言い切るところに、仕掛けがあるのだろう。のんは実に美しい女性だが、ジェンダーを超えるとはどういう営みかを提案しているような気がした。
いろいろな過程にいる人(つまり私達)に勇気を与える作品。
のん、さかなクン、監督もでかした!
天才!
さかなクンxのんx映画の化学反応
最終、さかなクンは女の子設定でいくのかなと思いきや、徐々にのんが男子校生をうまく演じていって、違和感を感じなくなっていった。体当たりの演技に拍手。ミー坊の魅力にヤンキーたちもたじたじで、なんか優しい世界を垣間見たようだった。映像も作品の雰囲気とマッチしていて、なんか観る前の期待をうまく裏切ってくれて、すごく満足度の高い作品でした。井川遥のお母さん7変化もまたよし。のんのさかなクンもよかったけど、見た目としてリアリズムでいくなら岡山天音くんがさかなクンを演じるのもありかなとも思った。
何かに秀でていても、きっかけがなくてずっとくすぶってたりすることはたくさんあるけど、さかなクンは友達に見出されてよかったなと心優しくなれる作品でした。
(飛行機で鑑賞)
想像を超えた、とても普通じゃない映画でした。 「さかなのこ」でもあ...
ビックリするくらいピュアですてきな映画
とても不思議な映画です。でもしっかり心に残る、笑顔満載で、元気が出る映画です。最初はどうかなと思って観に行きましたがが、予想を裏切る想像以上の映画でした。もし、この映画がこけたりしたら、もう本当にもったいなさ過ぎで、みんなに見て欲しい。どうしても先入観が強い部分があると思いますが、純粋な日本映画として、ぜひ見て欲しいと思う映画でした。のんさんの演技もすごいですが、やっぱり脚本や監督さんをはじめ、映画制作のスタッフさんの力ですね。今年の私の一番の映画でした。
男か女かはどっちでもいい
とにかくお魚が大好きで、朝から晩までお魚のことばかりを考えているミー坊。
将来の夢はもちろんお魚博士。
その夢は大人になっても変わらなかった。
様々な人との交流を通して、ミー坊は社会の荒波に揉まれながらも自分の好きという気持ちを貫き通していく。
「これは私の映画だ」
そう言える映画が毎年1、2本ある。
去年は「街の上で」、そして今年は「さかなのこ」だった。
閉館時間ギリギリまで水族館でタコを眺めるミー坊。
そんなミー坊にお母さんはずっと付き合ってくれて、最後には図鑑を買ってくれる。
「また来ようね」
まさに自分も同じだった。
幼い頃、生き物が大好きだった自分を休みの日になると博物館や動物園、水族館などに連れていってくれた。
魚や恐竜を通り、最終的に自分は昆虫に興味を持った。
家では色々な虫を飼ったし、自由研究もずっと昆虫。
学校では昆虫博士と呼ばれる虫漬けの毎日。
だからこそ小学生のミー坊はまさに自分の小学生時代だった。
ミー坊はその好き・得意(特異)を突き通したけれど、残念ながら自分は突き通すことができなかった。
思春期に突入した私は昆虫の趣味に恥ずかしさを覚えるようになった。
女の子にカッコつけたいとか思い始めれば更にこの趣味が邪魔をするのだ。
そして、もう一つの障害が受験。
小学生の頃は「虫の研究でノーベル賞をとりたい!」と本気で思っていた。
でも今思えばそれってものすごく大切な感情だったのかもしれない。
「ノーベル賞はともかく理系に進みたい!」
そんな純粋な私の思いは数学という怪物によっていとも簡単にぶち壊された。
今はきっぱり文転し、博物館の学芸員資格を目指すべく歴史を部屋する大学生だ。
「普通って?」
ミー坊の何気なくも真価を問う発言が胸に刺さる。
私みたいに好きの感情だけではどうにもならなかった全ての人へ。
私みたいに勉強が出来ず夢を諦めざるを得なかった全ての人へ。
ギョギョおじさんとして友情出演したさかなクン本人は成れの果ての姿なのかもしれない。
時代も人も変わる。
でもミー坊だけはずっと変わらない。
やっぱり環境なんだと思う。
場所と人に恵まれればその種は生き残れる。
私も自分の趣味を理解してくれる親と友達に恵まれたからこそ、昆虫の趣味からは少し離れたものの未だに好きでいれている。
実は今では自分に付き合ってくれていた母親の方がのめり込んでいて、地域の保全活動などを精力的に行なっている。
自分が子供を持った時、ミー坊の母親のように寄り添えるだろうか。
それとも捕まえたタコをその場でシメてしまう父親のようになってしまうのか。
まあどちらが良い悪いの問題ではないが……
ミー坊になりたいとは思わないがミー坊のように生きられたら。
最初はさかなクンの自伝的映画をのんが演じるというイロモノ作品だと思って少し鑑賞を躊躇っていたが、やはりそこは流石沖田監督とのん。
絶対に観ておくべき映画。
劇場で観れてよかった。
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