さかなのこのレビュー・感想・評価
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ユルイ多幸感、垣間見える人生の冷たさを感じられる
自宅にてアマプラ鑑賞。
さかな、こども、ごはん等ほのぼのとしたシーンが続き、癒されます。
「極端に魚好きでありおかしい」のですが、直接的にイジメられるシーンは殆どありません。
「変わり者」をこんな感じで見守ってあげられる社会であると嬉しいですね。
所々のふんわりとしたギャグ要素も面白いです。タコをパパがシメルシーン、「おじさんを任意同行しないでください」、原付ラップシーン等など。悪役も悪役に見えない笑。
のんさん演じるミー坊の軽くでたセリフにも、結構考えさせられます。「でも本当の勇気ってこういうことじゃないと思うよ」とかとか。。ユルく見えて、こちらを見られているかのような感覚に陥ります。
しかし、「何となーく」描写しているワンシーンの設定に人生の大変さを感じられます。
冷たい人生の中でも、「好きを続けることの大切さ」を感じられる良作です。(2度見るとより言葉の深みや設定されている背景をより楽しめます)
脇役たちが良い
小学生時代が冗長。
50分くらい経って磯村勇斗たちが出てくると面白くなるのでそこまで我慢。
磯村勇斗は相良を完全に封印したヤンキーで、その演じ分けに脱帽だ。相良は狂犬を通り越してマシン化したヤンキー、こちらは普通に人の心を持ったヤンキー。
柳楽優弥たちの学ランがまたオマージュっぽくて今日俺ファンには嬉しい。
のんが何故主演?と思うが、単純に水に入るシーンが多いからと、天然さで選ばれた感じ。設定を中性的にするためにも女性のほうが都合良かったのだろう。
アマプラで流し見くらいがちょうどいい。
のんちゃんが素晴らしい
好きを貫いた半生、さかなくんの自伝的原作をあまちゃんのヒロインのんちゃんが好演。
波乱に満ちたという程ドラマチックでもなく、社会の荒波に揉まれて悩むでもなく、ひょうひょうと好きな道を歩んでゆく姿を外連味のないエピーソードを繋げて描いています。
さかな好きといっても愛でるだけでなく食べるのも好きという設定が秀逸。
父母は離婚したように見えたが掘り下げていないので家庭の事情が曖昧なのは気になったが、ミー坊の純粋さに水を差す雑味になると思ってあえて踏み込まなかったのでしょうね。
キャスティングの妙でしょうか、井川遥さんの愛情深い母親役、助けてくれる友人や仕事関係のわき役さんもいい味出していましたが、なんといっても、のんちゃんが素晴らしい、癒されるし元気をもらえる良作でした。
始まって早々に驚きのシーンが
映画には、さかなクンが扮するギョギョおじさんなる人物が登場する。このおじさんはいつもハコフグの帽子をかぶっていて、見た目も行動もさかなクンそのものなのだけど、子供たちからは気味悪がられ、逃げられる存在だ。そして、登場からほどなくして、児童誘拐の疑いで警察に連行されてしまう。驚いたのは、パトカーに乗せられる直前に、さらっと帽子を取ってミィ坊にかぶせるシーンだ。国会の調査会に参考人として招致された時も、園遊会に呼ばれて天皇陛下にまみえた時も取らなかったあの帽子を取ったのだ。これで、この映画はタダモノではないぞ、と感じた。(2023.12.22 覚え違いがあったので修正しました)
さかなクン(ミイ坊)の役をのん(能年玲奈)が全く違和感なく演じきっていたが、この2人、案外共通点があったのかもしれない。それを見抜いた沖田監督の慧眼に恐れ入る。
沖田監督らしい笑いがそこここにあって退屈しなかった。特に、せっかくミイ坊が捕まえてきたタコをお父さんが、そこまでしなくても... と思うぐらいコンクリートに思いっきり叩きつけるシーンには大笑いした。
好きを貫き通して、いろんな縁に恵まれ、すっかり子供たちの人気者になったミイ坊が、子供に逃げられていたギョギョおじさんとは反対に子供たちに追いかけられるというオチで泣きそうになった。
明日も生きるよ
さかなのこ。
のんだから成立した映画。
ストーリーの流れとしては男子なんだけど、のんが演じる事で性別とかそういうの関係なく生きる全ては人との繋がりなんだって。みんなもっとこんな感じで相手を受け入れられたらいいのになって。
ずっと笑顔で見られた。
好きな事は自分の世界を変える力がある。
先生の「苦労するのはこの子ですよ」って言葉。
勉強出来ないから苦労するって誰が決めたのか。
大人になった今も大多数の決め事から外れた考えしてるのに周りの空気見ながら生きてる私。
あー。ほんとに。でもまた明日も生きようと思えたよ。
女優が素晴らしい
主人公の男役を女優が演じます。
ジェンダーレスで新鮮です。
愛せる不良たちとの絡みが見どころです。
変なおじさんと仲良くなるシーンは怖かったです。
さかなクンのファンになりました。
さかな博士のひたむきな愛情
調査方法や当事者意識によって幅があるが,LGBTQの割合は日本においては3~10%であるらしい。多く見積もると左利きの人と同確率ということになるが,カミングアウト率は高くない。不寛容と無理解により,性的少数者たちが生きづらさを抱えている証拠である。しかし,数年前まで聞かれなかったLGBTQという単語がニュースやSNSで頻繁に飛び交うようになり,確実に人々の意識は変わっているとはいえそうである。まず言葉ありき。意味はあとから付いてくる。さて,その言葉を広める役割を担っているのがメディアである。SNS,音楽,映画。さまざまなコンテナに乗って,言葉は運ばれる。しかし,累積到達度を超えると,バックラッシュが起こる。たとえば「多様性」という考え方に対して『ミッドサマー』(2019)のような作品が撮られたように(『ミッドサマー』は多様性が伝統と相容れない考え方であることを明るい画面で表現し,大ヒットを記録した)。本作は「おさかな博士」として知られる「さかなクン」の半自伝映画である。魚好きな子供がさまざまな挫折を経験しながら,「博士」になるまでの数奇な人生を描いている。大きな特徴は,男性である「さかなクン」を演じているのがのんという「女優」である点だろう。観客はのんが女性であることを知っているが,映画内では「ミー坊」(のん)の性別に特に言及がなく,ジェンダーの判断は宙づりになる。小学生時代のミー坊が女の子のモモ(増田美桜)と話しているのを同級生にからかわれるシーンや,大人になったモモ(夏帆)といたら,老婦人から夫婦に間違えられるシーンがあることから男性性を感じるが,おそらくどちらでもよいのだ。ミー坊の性別はストーリーに副次的な意味しかもたらさない。それに,子供を連れた女性2人が,老夫婦に「夫婦」だと思われたのだとしたらなんとすてきなことだろう。映画は理想を映像に託すことができるということを改めて感じさせられた。ラストシーンには,博士となったミー坊を小学生たちが追いかけていくショットが配置されているが,彼らの背負うランドセルは赤黒の2色だけでなく,様々な色に溢れている。ミー坊=さかなクンという多様性の象徴を,追いかける子供たち。それは希望に満ちた美しいワンシーンであり,思わず目頭が熱くなった。好きなことをして生きていくことは困難である。特に,ミー坊のような人たちは,旧態依然とした社会の価値基準の前に挫折することもあるだろう。幸運なことにミー坊は,その都度,優しい人たちから手を差し伸べてもらうことで,博士となることができた。それは社会のあるべき姿を映し出しているように思える。好きなものを突き詰めた一人の人間の成長譚。そのひたむきさは観客たちの背中をそっと押す。なにかを好きでいること。それに勝る幸福は一つもないのである。
「さかなクン」じゃなくて「さかなのこ」
公開前は結構批判的な意見も多かったような気がします。
ワイドショーなんかでよく取り上げられていたのんさんが主演で、さかなクンの自伝を映画化するというのが色々と話題になり、「性別が違うじゃないか」とか「よりによって能年か」みたいなことを旧ツイッター(現X)で言っていた人が多かったように思います。しかし実際に公開されてみたらあら不思議。あれだけ多かった批判的な意見は息をひそめ、「面白かった」という意見が大半を占めるようになりました。これは私にとって非常に印象的で、作品としての面白さで前評判の悪さを吹き飛ばした稀有な作品として記憶していました。
残念ながら近所の映画館で公開されていなかったので上映期間中に鑑賞することができませんでしたが、この度サブスクで公開が開始されたので今更ながら鑑賞です。
結論ですが、めっちゃ良かった!!
ヒューマンドラマとして非常に面白かったし、コメディシーンは思いっきり笑わせてもらったし、観終わった後の満足感も素晴らしかった。原作は「さかなクンの自伝」ということは鑑賞中は全く気にならなかったです。かなり脚色がされているので、しっかり映画的な面白さは担保されていたように感じます。
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幼いころから魚が大好きだったミー坊(のん/西村瑞季)は、厳しい父と優しい母の間で、その趣味を否定されることなくすくすくと育った。無邪気に魚を愛する彼の周りの人たちも、色々な影響を受けていく。
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せっかく本人登場したのに不審者扱いしてるのは爆笑しました。でも、さかなクンが演じるギョギョおじさんはミー坊が魚博士になりたいと思うようになるきっかけにもなった人物ですので、非常に重要なキーマンですね。
事前知識無く鑑賞したので、こんなにしっかり作りこまれたヒューマンドラマだったとは思わず驚きました。正直さかなクンじゃなくてもいいんじゃないかと思うくらい一つの物語として十分良くできていますが、ところどころに登場するさかなクンのエッセンスが間違いなくその「十分良くできた物語」の面白さを3割増しにしていました。十三分や。
前半はコメディ色が強い内容なので笑いながら見ていましたが、中盤で夏帆さん演じるモモコがミー坊の家に転がり込んできたあたりでだいぶ色合いが変わりましたね。ヒューマンドラマ性が強くなって重い内容になっていきますが、ミー坊の明るさのおかけで暗くなりすぎずに観ることができ、最後には学生時代のメンバーたちが大人になって現れ、それぞれが自分の道を歩み始めますが、彼らの中心(テレビ)にはやはりミー坊がいる。このエンディングが本当に素晴らしい。
ちょっと違うかもしれませんが、男はつらいよシリーズ最終作『男はつらいよ おかえり寅さん』を思い出しました。この作品では寅さんは回想シーンでしか登場しないのに、登場人物たちの中心には寅さんがいる。『さかなのこ』でも同じく、登場人物たちの中心にはミー坊がいるのです。
本当に面白い作品でした。ぜひ多くの方に見てもらいたい作品です。オススメです!!!
優しい世界
ほっこり❤️めちゃくちゃ面白い!!!
なんか、なんやかんや、みんな優しい心を持ってる☺️
さかなくん役が女優さんなのも大正解だったと思う!!
見終わった後幸せになれる映画🥹
そして、
見終わった時、旦那さんが言った一言はw
『あのオジサン(さかなくん本人登場してたやつ)は、どこに行ったのか?』とw
私は、
最後にいた箱フグがオジサンなんだよ!って適当に返したw
青春彩る磯の味
好きなことしか見えてないさかなくんの前では、周りの目を気にしてかっこつけるなんて、かっこ悪くなってしまうさかなくんマジック。
カミソリのモミがさかなくんが獲ったイカの味に感銘を受け、寿司屋になっていて面白かった。
そこに魚をおろしているのは漁師の祖父から継いだのか、総長。
翻弄される周りの人達を、巻き込んでいるようで、気付きもしないうちに助けているようだったり。
お母さんはさかなくんを、よく理解している。
一般的な普通や進路の中をさかなくんは泳いでいないこと。そこに無理やり乗っても、馴染んで周りからの理解を得るのが難しいこと。だから自由に水の生き物への探究を続けて欲しいと願っている。
お父さんからも兄弟からも理解を得るのが難しかったが、お母さんが守り抜いてくれた。
斜に構えていた友達のモモが、子供には好きにまっすぐ向き合って将来開けてくれたらなとさかなくんとの関わりを通して子供への関わり方に少し影響を受けているのが面白い。
魚好きを受け継ぐ子供達が1人でも増えてくれたら、何かを大好きな子が理解される風潮になればという願いをひしひしと感じる作品。
これでもないこれでもいい
さかなくんの半生を描いた作品でした。主演は、のんさんが演じていて観る前は、男の役をを女性が演じるのは?と疑問視していたが全く気にならないくらい素敵な演技でした。
魚が大好きな少年が大人になるにつれて、その現実を向き合わなければ生きていけないという事になる。
それでも好きな事を曲げず、まっすぐに生きている姿がとても良かった。
何者かになりたいと願い続ければ、それになれるわけではないと思うけども何者かになりたいと前に進んでいなければ、思わぬ出会いを見過ごしてしまうのかとしれない。
のんさんの演技がとても良かった。
特別に何かあるわけではない。
でも、分からない何かが確実にあって心にグッときました!
正直な感想
正気な感想。私には良さがわからず。
のんさんが好きなので気にはしてて、劇場で観るのは逃して
しまっていて気にはしていた作品。評判よかったし、何気に期待してたけど。。私には合わなかったな。
なんだろ?日常シーンが面白おかしく描いてるのかわからないけど、軽い。なんか弱いコント見てるみたい。実話なの?これ。
暴走族とかでてきたけど、こんな緩い話が本当に実話?
シャッターに落書きとか、ボヤっとしてて目がキラキラしてる子が描けば問題にならないの?とのエピソードもしっくりいかない感想。
リアルな出来事を描いてるのか、コメディなのかよくわからない。どっちにしろ中途半端。
好きなことをやって生きていく!ってとこがメッセージなんだと思うけど、嫌なことや苦労した事は全然無いように見える、この脚本だと、さかな君はただのラッキーマンだったのかっておもう。
何が良いの?かわからなかった。良い評価の人のレビュー見てもわかんなかった。のんさんの演技は良かったと思うが、映画の評価ってそこだけじゃ無いでしょ?
という事で、私的には全体評価でこの評価。
ぜぇぜぇ から ぎょぎょ へ
なんやねん。
おもろいやんか!
のん
変わってるなあ。
さかなくん 親からみたらヘンタイやな
しかし
お父さん
子供さんの前で
🐙さん、殺したらあかんよ!
それに
みんなで美味しくよばれましたな。
いや
おもろかった。です。
泣いてしまう…
さかなくんの素直に魚が好きという真っ直ぐな気持ちや、母親の肯定的な態度、友人たちの姿に感動。
もちろん、お魚博士までの道のりは決して甘くなかった。それも描かれており、そんなところも尚また良かったです。
さかなくんを、のんが演じていてジェンダーフリーなのも素晴らしかったです。
期待が大きかった分なんか残念
結構期待してたのだけど微妙だった。
能年玲奈を起用した理由がなんだったのか考えてみたんだけど、
多分あまちゃんのキャラをそのまま起用したかったところにあるのかなと。
個人的にはあまちゃんというドラマはめちゃめちゃ好きで能年玲奈演じるアキは
ものすごくキュートに感じたが、それがそのままさかなクンに当てはめるのはいかがなものか?と思えた。
ミー坊が魚好きのダメ少年で周りが心配しつつも母親だけがそれを優しく受けてめていて、
でも結局それが原因?で離婚、そしてミー坊は転職を重ねるという結果になってしまう。
現実はさかなクンは見事に成功したわけだが、母親の甘さは一歩間違えれば魚好きだけど生きていくことが困難な人になりかねなかった。
もちろんミー坊がそれで幸せならばいいのだが。
魚は好きでも構わないが魚好きを活かした職業をもう少し考えてあげられればよかったのではないかと結構親目線で見てしまったかな。
物語としてもミー坊の魚好きがイマイチ伝わらなかった。実際のさかなクンはテレビの画面を通しても強烈にそれが伝わってくるので(もちろん実生活であのテンションはないだろうが)それがもう少しドラマに反映してればよかったのかなと思う。
物語がどこに向かっているのか?リアルのさかなクンを知っているとテレビ出演がゴールのように感じるが、実際さかなクンがテレビ出演以外ではバイトを転々としていて魚好きを生かしたことは特になかった感じになっているのが気になった。
ミー坊を中性的に描いたためモモが転がり込んできた時の淡い恋心的なものもなんだか中途半端に終わってしまうし、ヒヨとの関係も微妙な描かれ方になってたと思う。
さかなクンという強烈なキャラクターの持ち主を主人公にした割には、物語の行方もわからないし、日常も淡々としすぎて能年玲奈のキャラだけでなんとかもっているような感じになっている。
どうでもいいがラストでミー坊が学校の前で待っていて子供が追いかけてくるシーンや寿司屋の外壁に人だかりができるなの演出は酷いと思った。不良の争いもなんだったのか。。
最後に海に飛び込むシーンは明らかにあまちゃんと被っていて結局それで選んだのねと思った。俳優の持つ能力を信じて普通に男優を使えば人間関係をもう少しわかりやすく描けたのではないかなあと思った。
能年玲奈は可愛かった。
この内容で、この尺はつらいかな。
さかなくんの半生をのんが男という設定で演じた作品。
女優だけれどさかなくんのキャラにはぴったり
ということでのんを起用したということなんでしょうか?
でも、正直、違和感がありました。特に、学生時代のパート。
リアル感がまったくなく、ドタバタ喜劇のよう。
しかも、おもしろくない。本人出演も不要だったんじゃないかな。
働いてからのパートも、正直退屈でした。
こんな感じでの2時間越えはきつかったです。
たくさんの人に愛されているさかなくんのキャラクター
が伝えきれてないように感じました。
見つけてこわそう
今また「あまちゃん」の再放送がオンエアされている。最初の放送当時は1日に3回くらい見ていたので(時を経た再放送に多少の改変があったとしても)嬉しい限りである。
本映画では防潮堤の先から海に飛び込むあまちゃんのシーンがオマージュされているし、何せキャストがすでにあまちゃんの劇中番組、さかなクン本人役と天野アキ役の能年玲奈が共演した「見つけてこわそう」そのまんまである。ギョギョギョのジェジェジェである。
私の携帯電話では(‘j’)(‘jj’)(‘jjj’)が今でも変換できるのはどうでもいいが、ともするとコミカルなイロモノ、企画モノで終わってしまいそうな体裁の本映画は立派な文芸作品であった。
特に一人暮らしを始めたミー坊の描写は秀逸と思った。陳腐な言葉ではあるが抒情的で水彩絵の具で描いたような「水」の印象すら感じられる表現であった。
さて、もうね、さかなクンの秘ヘアが拝めてしまうだけで遠くまで個展を見に行っちゃうファンからするとありがたや!である。
お魚大好きミー坊が、お魚博士への第一歩を踏み出すまで。
超自然体の“のん“のミー坊役へのハマりっぷりに
驚く映画だった。
お魚博士・さかなクンの自伝映画です。
ミー坊という主人公を女性の“のん“が演じた利点。
とてもプラスに働いたなと感じます。
さかなクンという【ちょっと世間からズレてて、不思議な存在】
何故にそれ程までに《魚が好き》なのか?
ミー坊・イコールさかなクン、ではないし、
さかなクン・イコール・ミー坊でもない。
そこが絶妙なバランスで、“のん“の若々しさと、
中性的で《好きなことしかしない》感じがとてもマッチしてる。
《好きなことなら夢中》
それが仕事になる、その幸福に成功例、だと思います。
それにしても本物の「さかなクン」を幼女誘拐を疑われる不審者、
《ギョギョオジサン》にしてしまう大胆な発想。
「さかなクン」が本者の不審者に見えて来て、
「ごめんなさい、さかなクン🙏」
・・・可哀想だよ、ちょっとメゲた!!
ミー坊の家族もヘンテコだ。
子供のミー坊が穫った「タコさん」
お父さんが、頭を引きちぎって、岩にたたきつけて、
「こうすると美味くなる」
焚き火で焼いて皆んなに振る舞って、美味しく戴く。
高校生になったミー坊。
防波堤で釣り糸を垂れている。
「ミー坊新聞に俺らのこと書くな!!」
因縁つけるスクーター乗りのヤンキー総長(磯村勇斗)
対抗ヤンキーのカミソリモミ(岡山天音)
そこへ割り込む狂犬(柳楽優弥・・・小学校の同級生のヒオだ!!)
ヤンキーの喧嘩がコミックだ!!
その上でミー坊に感化されて魚好きになる描写が、面白い。
飛び跳ねてる釣れたての鯵(あじ)さん。
頭を落とすと、3枚におろして刺身にしてしまう。
ピチピチ跳ねる尻尾がリアルで、ギョギョギョとして、
目を疑った。
殺生をして美味しく食べること。
この2つは共存するのだろう。
《殺生は美味しく食べることで、供養される》
食べることは可哀想ではないのだ。
徹底して母親はミー坊の魚好きを肯定して応援する。
さかなクンも演じる“のん“も、
好きを貫いている。
通じるものがあるのだろう。
お母さん(井川遥)すごいね!
ちょっと《はみ出してて》《魚を好き過ぎて》・・・
(言っちゃイケナイことだけれど、)
(ごく軽い発達障害みたいなミー坊)
その子を丸ごと認める包容力。
ラストでお母さん、実は魚が○○○だった。
衝撃の告白に笑うより泣けてきた。
後半、感動してなぜか涙目で観ていた。
総長(磯村勇斗)・・リーゼント可愛い!
カミソリモミ(岡山天音=ミー坊のアオリイカを食べて寿司屋に)
熱帯魚屋(宇野祥平=海人、ウミンチュ、沖縄でTシャツ買ったっけ)
モモコ(夏帆=小学校の同級生でシングルマザー)
モモコの娘(ミー坊の予備軍)
ヒオ(狂犬)=柳楽優弥(小学校の同級生。後にテレビ局員)
ミー坊を取り巻くみんなが素敵だ。
好きを貫くことの幸福
一魚一会
さかなクンの座右の銘
演じてる俳優が皆んな幸せそう
周りの人に恵まれて、
周りの人を明るくするミー坊。
勇気と幸せを貰える映画だった。
これは好みの問題ですが‥
(ネタバレですので鑑賞後に読んで下さい)
これは好みの問題ですが、さかなクンがモデルの少し変わった主人公のミー坊(のんさん)のどこかメルヘンに肯定された世界観を観客として肯定できるかがこの映画の肝だと思われました。
もちろん個人的にも面白さはあったのですが、自分の世界に留まってそこから世界を解釈していく描き方は、かえってミー坊の凄さを損ねているようにも感じました。
だからと言って例えばミー坊と周りとのズレや家族の離婚など、もっとリアリティある厳しい描き方をすればこの映画が必ず良くなったとも限りません。
最終的には好みの問題になります。
狭い世界に留まって肯定する邦画の問題は個人的には改善された方が良いと思われているので、しかし、のんさんの演技など他の見るべき点も多かったのでこのような点数となりました。
私はこの作品には良い観客ではなかったのかもしれません。
その点は申し訳なかったと思われました。
あなたは○○のこ?
さかなクンの自伝的小説の映画化。
さかなクンと言えば豊富な魚の知識とユニークな個性で愛されているが、かと言って半生が映画になるのか…。
なります。なるんでギョざいます。
ギョギョギョ!と驚きとギョギョギョ!とハッピーなミラクル・ムービー!
冒頭、魚を愛おしく見つめる女の子…?
この子が、さかなクンことミー坊。
演じるは、のん。
さかなクンの半生を描いているのに、のん主演で女の子…??
でも、ランドセルが黒かったり、男子の制服着たり、と言うか性別を明確にしていないような…?
開幕前にこんな言葉が。“男か女かはどっちでもいい”
そうなのだ。夢を追う事に性別など関係ない。
さかなクンの半生を忠実に描くのは誰だって出来る。誰かがあの被り物して、ギョギョギョと物真似。だけどそれだったら、ただの自伝映画。
さかなクンの魅力はそのピュアなひたむきさ。
本作が伝えたいのは、がむしゃらに好きなものが好き。人と違うはヘンじゃなく、素敵な個性。自分だけの道と夢を追い掛けていく。
さかなクンほど好きなものに没頭している人はそういない。
ただ好きってだけじゃなく、魚の事ならネットで調べるより詳しい。もはやその道の専門家、プロフェッショナル。
だけど、初めてTVに出た頃は、またまたおかしな奴が現れたと思ったもんだ。魚の帽子を被り、ハイテンションで甲高い声、ギョギョギョとヘンな喋り方をする。
今では、それがさかなクン。皆に愛されている。
が、殊にこういう人に関しては、子供の頃は決してそうじゃない。
子供の頃から無類の魚好き。見る事も描く事も食べる事も。寝ても覚めても魚の事ばかり。将来の夢はおさかな博士。
魚、魚、魚…。そんな我が子を、父親は心配。
このまま成長したらどうなるか…?
結果、心配は覆った。
夢のおさかな博士になった。自分の好きなものを極めた。
いや、今も極め続けている。謙虚に。
ようやく軌道に乗り始め、当初は魚のイラストレーターとして仕事が舞い込み、TVなどでユニークな個性が愛される人気タレントに。
タレント業はあくまで副業。本職はおさかな博士。大学の魚の教授に。
ある時凄い事が! 絶滅種の魚の再発見に貢献。その功績が称えられ、魚類学者でもある当時の平成天皇から御言葉が…!
あの魚の事が好き過ぎて将来を心配されてた子が、本当に夢を実現させ、さらには天皇陛下から称えられちゃったよ…!
これ以上ないサクセス・ストーリー。アメリカン・ドリームならぬジャパン・ドリーム。いや、フィッシュ・ドリームと言うべきか。
さかなクンを見てると、好きなものを好きで居続けられるって、何て素敵な事なんだろうと思わせてくれる。私も映画好きなもんで…。
でも当然、ここまでの道のりは平坦なものじゃなかった。あの明るいさかなクンにも苦労はあった…。
将来心配された子供時代。父親からは、ヘン。普通じゃない。
魚の事には詳しいが、勉強の方は…。もし本当におさかな博士になりたいなら、もっと勉強しないと。
だけど、どうしたらおさかな博士になれる…?
一人暮らしを始め、魚に関わる仕事をする。水族館、お寿司屋さん…。
何をやってもダメ。そのダメダメさはのび太くんレベル。それに、やりたかったものと違う…。
魚好きな事から歯医者に飾る水槽と魚のチョイスを依頼される。が、こだわり出過ぎて、コレジャナイ…。
ようやく馴染みのペットショップで仕事にありつけたけど…。
まるで小魚が大海で迷子になってるような…。
好きなものを追い続ける事は大切だけど、時としてそれが厳しい現実にぶち当たる事もちゃんと描いている。
大事なのは、ずっと好きで居続ける事。諦めない事。人の縁。…
子供時代に知り合った“ギョギョおじさん”。魚の帽子を被って、ハイテンションでヘンな喋り方で、お魚の事にとっても詳しい。まるでさかなクンみたい…と思ったら、ご本人が演じている。とってもいい人だけど、周囲からはヘンな奴。ある時誤解があって警察に任意同行されてしまったけど、ミー坊の将来の決め手になった人。
学生になっても変わらぬ魚好き。不良たちに絡まれる。が、ミー坊のピュアな心が不良たちを翻弄。見た目は“東京リ○ンジャーズ”みたいだけど、悪い子たちじゃない。不思議な事に仲良くなる。“総長”も実は魚好き。
ライバル不良チームと抗争…と言っても、ご安心下さい。『東京リ○ンジャーズ』じゃありませんから。魚が縁で彼らとも仲良くなる。
相手の喧嘩最強不良。誰かと思ったら、子供時代の幼馴染み。
この総長、ライバルチームのリーダー、幼馴染み…彼らと縁あって、ミー坊の人生が花開く。
総長とカブトガニの飼育。これに成功し、ニュースに!
ライバルチームのリーダーは寿司屋を開く。店の壁に依頼されて魚の絵を描いた所、これが大反響。イラストレーターとして注目されるきっかけに。
TVディレクターになった幼馴染み。彼の手掛けたTV番組に出演して有名に。
皆、いい奴。幼馴染みなんて、婚約者を紹介した所、将来おさかな博士になりたいミー坊を嘲笑し、ムッとする。人の夢を笑う奴なんて幾ら可愛くても好きになれない。
柳楽優弥、磯村勇勇斗、岡山天音の好演。
幼馴染みの女子とも再会。訳あってバツイチ子持ち。一緒に暮らし始め、初めて魚以外の事で楽しさや幸せを感じる。夏帆の好演。
人の縁が温かい。魚が繋いだ輪。さかなのわ。
そして、お母さん。魚好きのミー坊をずっとずっと優しく見守った。父親とは違って、我が子がとことん魚好きでも、それでいい。皆が皆同じじゃなくてもいい。個性を尊重。この支えとエールがあったからこそ。井川遥の好助演。
本作はのんの魅力無くして成り立たなかったと言っても過言ではない。
やはり最初は、さかなクンをのんが演じる?…と驚く。
だけど、さかなクンを演じられる人などいるのか…? いたとしても、先述の通りただの物真似になってしまう。
ならば、発想を変えて。誰なら演じられるかじゃなく、誰なら違和感なくいられるか。性別を超えて。
ピュアなさかなクンの姿が、のんの屈託のない魅力、唯一無二の個性、演技力にハマった。
本当に性別など違和感無くなってくる。そこには、好きなものに全身全霊の夢追い人の姿があった。
『あまちゃん』『この世界の片隅に』、そして本作と、一本一本の当たりがデカい。
諸事情で女優業をストップし、名前も変えたけど、再開。類い稀な才の快進撃はまだまだ始まったばかり。
のんもまた、夢追い人。
カブトガニの飼育、バイトを転々、ペットショップで働き、イラストレーター~TVタレントを経て、おさかな博士へ。
Wikipediaによると、さかなクンの半生に忠実なエピソードも。
それに加え、フィクションやアレンジも挿入。
のんの起用など、下手したら改悪失敗作に。
それを、見た後心温まる好編に。
そんな変化球出来たのも、沖田修一監督だからこそ。
『モリのいる場所』でもフィクション×ノンフィクションを織り交ぜ、全作品に共通するとぼけたユーモア、独特の作風、残る心地よい余韻…。
沖田修一ワールドは健在。いや、ますます絶好調。
主演がのんで良かったが、監督も沖田修一で良かった。
さかなクン×沖田修一×のん…奇跡のような巡り合わせ。
重ねて言うが、
好きなものを好きで居続けられるって事がどんなに素敵な事か、本当に教えてくれる。
好きに勝るものはナシ!
夢を追い続け、極め続ける事も。
決して自分がヘンと思ってはいけない。
そんな自分を誇りに、好きになって。
周りの縁に感謝を。
だからこそ自分の人生が好きになってくる。
いい映画だった。
さかなのこ。
この世界には、たくさんの○○のこがいる。
あなたは、○○のこ?
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