劇場公開日 2022年9月1日

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さかなのこのレビュー・感想・評価

全383件中、141~160件目を表示

4.0どっちでも、よくないこと

2022年10月18日
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のんの映画「さかなのこ」を見た。
公開から1ヶ月。忙しいのもあったけど、何となく機会を逃していた。
ファンだから、観れば満足することはわかっていたし、さかなクンの人生を、のんが演じる。それだけである種の「歩留まり」は確保されている感もある。だからこそ何となく「想定される範囲」の感動かもなと、それも微妙に機会を逃す理由にもなっていた。

「男か、女かは、どっちでもいい」

映画は、そんな宣言で始まる。
黒バックに書かれた言葉はもちろん、さかなクンを女性であるのんが演じることを意識したもの。
どっちでもいい、という言葉は逆に見るものに「そのこと」を強く意識させる。シンプルだけど、複雑な仕掛け。それは監督が作品にハードルを設定するような行為でもあり、あるいはそのハードルを越える事ができる、と確信しての行為とも考えられる。

さかなクン本人を主人公を導く存在(ギョギョおじさん)として登場させる事も含めて、監督は「好きなものだけを追いかけて生きたっていい」的なシンプルなメッセージを、少しだけ複雑な構造(メタ認知的な)にくるんで届けようとしている。(さかなクンが、さかなクンによって導かれるって?)

映画を見終わって少し経つ。
のんの映画ではよくある事だけど、何気ないシーンで涙がにじむ事があった。どんなシーンだったかは思い出せない。
「あぁ、こんな風に生きたかった」「こんな風に生きていた時が、自分にもあった」そんな気持ちがふいに胸をつく。

でも一番印象に残ったのは、のんのシーンではない。
それは父親のシーン。大好きなタコをつかまえた幼いミー坊の、そのタコを取り上げて、口から内臓を引き摺り出し、地面に叩きつけて、食べれるようにしてしまう父親のシーンだ。

どちらかと言えば「常識人」サイドとして描かれる父親が狂気を曝け出すようにタコを地面に叩きつける姿、物語的には重要ではないかもしれないけれど、強烈な印象を残した。父親の中にある「さかなクン」的な何か。

監督も早い段階でキャスティングを決めていたと語っているが、まぁそれはそうだろうなと思う。好きな事に殉じて生きるちょっと「普通じゃない」存在。この役は、のんにしかできない。そう納得させてしまうだけの存在感と説得力を彼女はすでに獲得している。

「ribbon」では周囲との軋轢や違和感に苛立つ主人公を演じたけれど、現実の彼女はもはやそんな場所にはいない。
芸能界の矛盾に押しつぶされそうになりながら、それを跳ねのけようと苦闘していた時期を越え、もはや誰も彼女の存在や価値を無視する事はできない場所にまで彼女は来ている。それは途轍もない事のように思える。
「男か、女かは、どっちでもいい」その言葉は彼女にこそふさわしい。

そして映画のラスト、ミー坊はかつて自らを魚の世界に誘った「ギョギョおじさん」となり、子どもたちの前に立つ。
ミー坊が走ると、子どもたちが追いかけていく。まるでハーメルンの笛吹き男のように。そして、それは「普通の人」の側から見れば少し恐ろしい風景にも見えた。

だって「好きなこと」を追いかける人生の先には何も保証されていないから。夢中になって崖から落ちてしまう事だってある事を「普通」の僕らは知っている。そしてその「普通」と「普通でない」ものの境界に監督はこだわる。

ミー坊が好きなように生きる事を肯定してくれた優しい母親だって、普通の「寛容な母親」なだけではなく、どこか狂気を感じさせる演出を監督は施す。高校生のシーン。何の説明も無しに父親と兄は「いなくなっている」

タコの内臓を引っ張り出して地面に叩きつけた父親も、「勉強ができない子がいたっていいじゃないですか」と座った目で訴える母親も、普通だけど、どこか普通じゃない。

「普通って何?よくわからない」そんな台詞もあった。それはよくある「普通に生きなくたっていい」とか「世の中の当たり前を疑う」といったメッセージじゃない。
本当にさかなクンものんも(もしかしたら監督も)わからないのではないか、と。誰も「普通」なんかじゃない。誰も普通ではない。ただただ「そう生きざるを得ない」だけなのだ、と。

いくつかの違和感を作品に仕込んだ監督。映画自体の長さもそうだった。
139分。少し不思議に思った。このシンプル(に見える)物語に、そんなにたくさんの時間がいるのかな、と。
テンポを上げようと思えば、いくらでも上げる事はできる映画だった。だからこそ監督にとってはこの「長さ」に意味があるのだとも感じた。
確かにそうだ。僕は映画を見ながら、ずっと色々な事を考えていた。

決して「マジョリティの普通」を否定して「みんな、さかなクンのように、のんのように生きようよ」と無邪気に訴える映画ではない。
むしろ「さかなクンとして生きる事」を見ている人に体感させ、
「さかなクン/のん」と自分自身との「距離」を考える時間だったように思う。

「男か、女かは、どっちでもいい」
そうだ、そんな事はどうだっていい。
でも、それなら何だろう。

どうでもよくないことって、何だろう?

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tatsuyoung

4.0好きを突き詰めた人だけが見る景色。

2022年10月17日
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冒頭のメッセージはインパクト大。言うまでもなく挑戦的なキャスティングです。さかなクンの半生を描くのに演じるのが女性ののんという違和感。どうなることかと思ったけどそんなものを吹き飛ばすパワーがあった。もはやスクリーンののんは男の子だったし、間違いなくミー坊だった。

全てを説明しない潔さとゆるふわ沖田ワールドのバランスがなんとも心地良い。終始かわいいが溢れていた。ひとつのことを好きでい続けるというのは孤独だし時には誰かを傷付けてしまうこともある。それでも貫き通すことは究極の美学の気もする。さかなクンはまさにその最たる存在だと思う。劇中では変態な役柄で残念な退場になってしまったけど、魚だけでなく海洋問題にも精通する偉大な海の博士です。

映画はあくまでもミー坊の物語だけど、もうちょっとさかなクンが有名になってゆくエピソードとか入れても良かったかも。

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はるたろう

3.5ファンタジーとして昇華した

2022年10月15日
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鑑賞方法:映画館

さかなクンの自叙伝「さかなクンの一魚一会 まいにち夢中な人生!」をベースにしたとのこと。まあ概ねフィクションと言って良いかと。

魚が大好きなミー坊の小学生、高校生、そして社会人になってからのエピソードをユーモアたっぷりに綴っていく。

のんちゃんに当て書きしたのかなぁ。
彼女以外は考えられないほどのハマり役だった。

不良高校生を演じた柳楽優弥くんと磯村勇斗くんが可笑しくてコメディとしても成立していた。

てか、これはファンタジーと言うべきですね。

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エロくそチキン2

4.0いい作品!なんだけど見る側が…

2022年10月12日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

これぞ【情報ゼロ】で見るべき作品。

どうしても、
[さかなクン]という存在を
知ってしまっているので、
その自分の中の情報と
照らし合わせながら見てしまう。
純粋に作品として楽しめないのが残念。
完全に見る側の問題。

だいぶ変わった人で、
自分の好きなことに猪突猛進で
周りに迷惑かけまくる
かと思いきや、逆に
みんなをハッピーにしていく
という
不思議な人のお話。

というのを
見終わってから
冷静に振り返ってみて気付く。

さかなクンの存在を
全く知らない外国人とかが見たら
全然違うんだろうなぁ。

いっそのこと
フィクションだと思って見れたらいい。
(難しいけど)
見終わたあとは
なんだか清々しい気分になります。

オススメ!見てみて!

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たぁぼぅ

3.5変な人≠悪人

2022年10月12日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

魚に関する知識はあって魚学者になりたいが、勉強が不得意な子の話。つまりサカナくん。
ゆるギャグより。

良い点
・母
・「えろ?」
・「なかなか死なない」

悪い点
・飼育コスト
・海に落ちたがる
・絵は可愛いが子供っぽいテイストで一般に受けるのか微妙なところ

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猪古都

3.0好きな道だからこそ

2022年10月10日
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鑑賞方法:映画館

本当に幸せかも知れないですね。自分の本当に好きなものを大切にして生きて行けるなら。
世間の無理解や好奇の視線はあったとしても。
また、本当に自分の好きな道だからこそ(自分なりの)完成を実感できるところまで行き着けるのだろうと思います。
「人生の羅針盤になるような一作品」と評しても、あながち大袈裟ではないと、評論子は思います。

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talkie

3.5ほのぼのとした気持ちになる映画でした。

2022年10月10日
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欲を言えば、家族のつながりが分かりづらかったかな。

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KF

3.5良かったです。

2022年10月10日
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さかなクンの自叙伝。
どこまで脚本されてるか
分からないが、面白く観れました。
場面が小学校から高校、就職、
社会人新人と、
自分も久し振りにその時代を
思い返して感情移入ができ、
観ていると何回か胸にジーンと
来る物がありました。
家族とのエピソードは
各家庭の独特でありそうな
エピソードでほっこりする。
友達にテレビ関係者が居て、
地域に一人はいそうな
独特のキャラだと、ああ、
こういう風に有名人になるをだな〜と思いました。

女優のんが学ラン着ると
メチャクチャ美少年だった。
キャスト達が美人だ。

さかなクンを初めて
テレビで見た頃を思い出しました。
もう、あれから随分経ったんだな
と思いました。

ムツゴロウさん、
さかなクン。

日本の誇れる生き物
エキスパート。

まあ、観ても損はないです。
私は好きです。

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丘の上ホライズン

2.0ドラマなさすぎ

2022年10月8日
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fukusuke

3.5人それぞれにそれぞれの普通

2022年10月6日
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冒頭に男女云々が出てきたからそういう話かと思ったら、いい大人になっても好きを続けてる話だった。
時間の切り替わりが巧くて、特に最初の海からの切り替わりが動きあって良かった。床屋の人も好き。人それぞれにそれぞれの普通があるを感じた。

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ルル

4.0おとぎ話でファンタジー

2022年10月6日
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沖田監督の演出が見られる作品。「子どもはわかってくれない」のギャグセンスが満載。
話も分かりやすく、長い時間だが飽きさせない工夫が随所。
のんの男性性もあざとくなくしっくり来ている。
これは御伽話、ファンタジーと割り切れないと違和感ばかり目立つので見る人を選ぶのでは。

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ゆう

5.0100点の映画

2022年10月4日
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すべてが良かったです。

良いところしか見つかりません。

素晴らしい作品でした。

個人的に、少年漫画のような展開で胸が熱くなりました。

誰にでもオススメ出来る映画だと感じました。

涙と鼻水でマスクがダメになりました。

帰りのバスでも思い出し泣いてました。

感動しました。

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ユート

4.0最後のお母さんの告白

Mさん
2022年10月3日
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は、とても衝撃的だった。
カブトガニを介してのグループ抗争のところの話が一番好きです。

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M

4.0ままに生きる

2022年10月3日
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鑑賞方法:映画館

予告とか見てるぶんには『どうなんだろ?』って思ってたんだけど
思ってたより全然良かった

お話も面白くてグッとくるところもあって

見るまで勘違いしてたことが一つあって
性別を男性から女性に変えたと思っていたけどそうじゃなくて
「どちらでも良い」なのね

押さえるところは押さえつつモノマネにはなってないのも良い感じ

のんで正解
のん以外あり得ないと思えるほど絶妙なキャスティング

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わぅ坊

3.0あったかい映画

2022年10月2日
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鑑賞方法:映画館

あったかい皆さんで、悪人もおらずのほっこり映画。
さかなくんの話だと、まあこうなるんだろうね。

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khapphom

4.0映画館で笑って見れました

2022年10月2日
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鑑賞方法:映画館

評判が良いので見てきました。映画館で見るべき映画って、迫力のある作品もそうですが、こういう、みんなで笑って見れる作品も良いですね。
のんちゃんはさすがに演技がうまくて、挙動、表情、セリフの全てで、明らかにそこにさかなクンがいる、という感じでした。
お醤油と魚の良さでヤンキー君たちと言い合いになるシーンが肝かな、と思いました。確かに、お醤油というのも、いかに魚をおいしく食べるかという目的で、長年職人さん達が頑張って作ってきたものであり、この映画がさかなクンマンセー映画では無いという表明かと思います。そして、魚(ミー坊)とお醤油(周りの人)とのマリアージュで、後半いろいろな奇跡が起きるのだと考えました。
気になったシーンはやはり、怪しいおじさんの家に子供を一人で行かせる所ですかねぇ。これ、結果が逆に出ることだっておおいに有りうるので、ちょっと怖いです。子供に教訓として語る為に、この後、両親が言い争いになり、最終的に離婚に繋がったくらい描けば良かったと思います。

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Ryunoshin Nakamori

5.0みー坊 最高!

2022年10月1日
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笑える

楽しい

幸せ

好きなことに夢中なだけで周りをほっこり、それをそのまま丸ごと応援するお母さんも最高!

幼なじみやヤンキー達もいい奴だった!

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ほんのり

5.0勇気を貰った。

2022年9月30日
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夢中で追い続ける好きな物がある人
生きづらさを持ってる人

に対して、
愛情深い視線を感じた。

さかなくんの自伝は読んだことなかったけれど、
原作が自伝、ということもあってか、
夢物語のハッピーエンドではなくて、
大変だったりシビアだったりしたこともあったけれど、それでも好きな物を好きで居続けていた人を、
見守ってくれてる人達がいて、
本人も一生懸命生きてて、
その上でのハッピーエンドで、
ハッピーエンドは続いていくし、
最初からそうだったんだ、という感じがした。

世界が好きになれそう。
って思った。

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餃子

3.0ドキュメンタリーではなくファンタジー

2022年9月29日
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しーく

3.0のんさんとさかなクンの融合

2022年9月29日
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sas
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