さかなのこのレビュー・感想・評価
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好きこそもののなんとやら
のんの屈託のない笑顔に救われた
眩しいぐらい真っ直ぐでどの人物も愛おしい
ヒヨも総長もその周りにいたみんなも、ミー坊と関わっていくと穏やかな表情になっていく
もっと広い世界を見に行ってからも、そのつながりからミー坊もたくましくなっていくのが、素敵な縁で羨ましく思えた
観賞後は視界が少し明るくなった気がしたし、なんかニヤニヤしてしまった
さかなクンが怪しいキャラの割にはBurberryのコートが似合いすぎてたし、力が抜けてる割にはスタイリングがとても好みだった
海人の店長が宇野祥平で、ビリーバーズの怪演を思い出しつつも、優しいおじさんで踏みとどまっていて一安心したし、突然の賀屋や長谷川などの登場にもびっくり
笑える場面も多くあって、温もりのある作品として完成されていた、ギョギョ。
不思議な映画
前提として本作はさかなクンさんの自叙伝が原作だが、主人公は女性が演じているが性別は男性。
原作は未読だが、映画は作品としてなりたっていれば原作から大きく変わっていても問題ないと思っているので、ここらへんは許容範囲内。
沖田監督の作品はもともと好きでよく観ていたのでかなり期待していたが、予告では謎な部分が多く不安も感じていた。
予告での印象的なセリフ「普通ってなに?」は異常なほどの魚好きである自分が普通から外れていることについての言及だとしたら何か嫌だなと思っていたが杞憂だった。少し泣けた。
本作を一言で表すと「不思議な映画」だ。
主人公の幼少期から20代半ばくらいまでのストーリーなのだが、全てのエピソードが一筋縄ではいかないというか摩訶不思議。けっこう悲惨な場面もあるのだが主人公の空気を読まない性格で明るい方向へもっていく。現代社会で生きるのには難しい特性だがこの性格は羨ましくもある…
キャストの皆さんたちがすごいハマっているかつ全てのエピソードが作り込まれていて中弛みなし!
だが、さすがに2時間半は長い…
私と同じ上映回にはお子さんもいたが終了後はぐったりとしたご様子でした…
摩訶不思議で爆笑しつつハッとさせられた
魚の膨大な知識と、キャッチーな見た目、特徴的な言葉遣いでお馴染みのさかなクン。なかなか個性的な彼の半生を描いた作品。
演じるのはまさかの女優のん、そして監督は子供はわかってあげないの沖田監督。
とんでもない化学反応が起きた。
のんをキャスティングしたのは天才。
ただただ真っ直ぐに魚に向き合う姿、暴走気味な感じもハマりすぎてて最高。泥酔シーンは猪突猛進の極み。
そしてストーリーもファンタジーなんじゃないかと思っちゃうくらいユーモアに溢れまくりで久々に映画で声出して笑ってしまった。
そんな中、魚をしめたりなかなか映画で見たことない描写もあり緩急が強い。
そして、ギョギョおじさんとして出演したさかなクンのまさかの展開に呆然。
ミー坊のように好きを突き詰めていくのは羨ましいなぁと思った。それは今作の母親や友人たちのように否定せず認めてくれる人たちがいるからだろうなぁ。
他人と異なることを良しとしない社会の中で、個性を可能性を潰してしまっているのではないか。
社会はもっと寛容になってほしいし、自分も寛容にならなくちゃ。
さかなクンを通して令和の価値観を描く
最初の何分かは上手くハマらなくて眠くなりかけたけど、磯村勇斗演じる不良が出てきてから格段に面白く見応えのある作品になった。
途中から、笑えるシーンが多くなりつつ、終盤にかけては他の同世代を生きる悩める朋輩たちが悩みながらも進んでいく様が描かれる。
そんな中、白眉は「男でも女でも関係ない」を地で行く、のん。もう、本物のさかなクンにしか見えない存在感を放ち続ける。
今回、男と女という問題の他に、勉強ができるできない、普通とは何か、家族が同居するかしないか、夢を追うのか妥協するのか、気持ちに正直になるか否か、、といったテーマに対し、さかなクンという純真で天真爛漫だけど芯の強いキャラを通して、「とんな価値観も受け入れるダイバーシティ」を見事に描いたと感じた。
最後のテレビ出演からの子供と走るシーンは号泣一歩手前、人はこんなに一途で強い思いに接した時に泣いてしまう。
掘り出し物でした。
もっともっと見ていたかった…
個人的には沖田修一さんの最高傑作と思います。
内容的には横道世之介の進化系。と言っても全く新しいんだけど、一本通った魅力的主人公が、世知辛い世の中で生きる周りの人たちを癒やし、そしてハッとさせていく、その展開には監督の信念を感じました。
ギョギョおじさんはパラレルワールドから来た未来のミー坊であり、はたまた苦難の逆境下を乗り越えてきた先輩世代の代表でもあるのかな?、、、
「大人になれよ」と言われて我々が次第に失ってきたモノをミー坊は失わずに全うしている。そのマバユイばかりのキラメキに、総長やカミソリ籾のみならず、見ている我々はその欠けがえの無さをジンワリと思い知る…。
「気がついたらここにいました!!」
おんなじ天真爛漫猪突猛進でも、ガキンチョから逃げ回られるギョギョおじさんと追いかけ回されるミー坊、時代の違いで結果に大きな違いが出るのよね…。
それにしてもミー坊に引き込まれていく柳楽優弥、夏帆、磯村勇斗、岡山天音他他他の「調子狂っちゃう」ぶりと深い愛情の表現が改めて素晴らしい!
特に柳楽優弥とのレストランのシーン、「普通って何?」って夏帆にあえて問い返すシーンはスゴイ。
そしてそれらが凝縮され炸裂するのがエンディング前のTV出演シーン。
この大団円には、もう堪えられない…、
とにかく圧倒的な読後感。
こういう人が淘汰されず、力を存分に発揮できる社会、
もしかすると日本再生の鍵もこんな所にあるのかもね、
ノンは完全復活、というか紆余曲折があったからこそ、今訴えかけるものがある。これからに大いに期待したい!
そして沖田作品いつものことだけど隅々まで素晴らしい役者が力一杯(力ぬけぬけ?)に圧巻の演技を披露している。(シソンヌ長谷川、いい仕事!)
140分という「実に短い」時間、もっともっと見ていたかった映画。
たくましく生きよう
作ってる人演じてる人が楽しむ様子を楽しむ
さかなクンの自叙伝の映画化
とても面白かったしよくできた作品だった、けど、さかなクン役がのんってのとか含めて結構いろいろと攻めまくってるから、映画に寛容かどうかで評価がかなり割れると思う
作ってる人、演じてる人の楽しそうな様子が伝わってくる
子供のころから魚類に対してものすごい興味を抱くさかなクンと、おそろしく鷹揚に見護るお母さん、おっかなびっくりとしながらもいずれ深々と巻き込まれていく周りの人たち
ある一方向に振り切れてた子が、そのまままっすぐ突き進んで皆が知る第一人者になる、それまでに関わった人にとって、なんと感慨深くまた誇り高いことだろう
ちなみに、お子さんはまさかの置いてけぼり
ハコフグのさかなクン帽子をかぶった女の子が劇場の前の方の席に座ってたけど途中から完全に飽きてた、そりゃそうだ
予想以上に良かった作品。メッセージ性、出演者俳優の演技力◎
気になった作品で半信半疑のところもあったが、予想以上に良かった。さかなクンをモデルにした内容だが、さかなクンがこの映画を通じて何を伝えたかったのかが物凄く伝わった。出演者俳優も濃厚なメンバーだったが見事。のんの演技はさすが。NHKドラマ「あまちゃん」以来だったが、やはり演技が上手い。この作品は自分が子供の頃さかなクンのようになりたかったなと思い返して観た。主人公のミー坊の魚好きの思いが、両親・不良グループなど人々に伝わるんだなとこの作品を通じて感じた。ストーリーもなかなか。ノンフィクション、フィクションを織り交ぜているのも好感。映画の最後のシーンで後味がいい点を個人的に重視しているが、本作品に関してはまさに後味がいい。
のんさんの凄さ
愛情の大切さを身近に感じさせてくれる
「さかなクン」の半生。
さかなクンの物語だけど、彼の母親が与える愛情の深さを感じる。それにより彼も周りにその愛情を分け与える。
好きなものに夢中な子がその思いを胸に豊かな人生を歩むことの大事さを思い知らされ、みんなと同じという「普通」が当たり前なんてことが無いことを教えてくれる。
どんな人生を歩むか?その道の選択肢を増やすことが親であり、どの道を歩むかを決めるのが子であることの大切さを実感させてくれた。
あー、また傑作だよ。
さかなくんは別にファンではないけど、この手の専門分野に特化した狂人は大好き(傍観者として)。
沖田修一監督は前作の「子供はわかってあげない」が超絶素晴らしかった。
高校生のヤンキーが喧嘩する映画としてはこっちの方がライトぽいのでハイローの新作の前に見ておくか。
という理由で鑑賞。
キワモノ映画っぽいのでそこまで期待していなかったんですが、凝った作り且つ、笑えて泣けて考えさせられて、最後は幸せな気分にしてもらいました。
役者さんも最高(顔ぶれを見ればわかりますが)。
説明的なシーンが少ない映画なので、若干ゆったりめの流れも心地よい。
近所の映画館では半分くらいの入りでしたが、エンドロールが終わるまで誰も席をたたなかった映画は久し振り。
久々に誰かに勧めたい映画に出会いました。
得るものの多い作品
息子のありのままを全て受け止めた母
ただいま子育て中の身であり、この映画を「母」という立場で観てました。
とにかく魚に夢中になる息子・ミー坊を、井川遥さん演じるお母さんが否定も問題視も軽視もせずに、全部ありのままを受け止めている様子に心打たれました。
そのお母さんの姿勢や覚悟というのは、一体どのようにしてそのようになったのかと思うほどです。
ミー坊のお母さんは、ハラハラしたり葛藤のようなものも実際あったのではと想像してしまうのですが、実際はどうだったのでしょう。
どんなときも息子の意思を尊重して、見守っている愛しているお母さんでした。
ミー坊が魚生活に浸ってただ幸せそうにしているシーンは、ほのぼのとして楽しい雰囲気なのですが、母目線で観ている私は感極まって泣いてました。
趣旨はわかるような気がするが
ギョギョおじさんはミー坊にもあり得た未来だ
さかなクンが何者にもなれなかった世界線の物語。
さかな好きのミー坊は、小学生の頃に同じくさかな好きの不審者ギョギョおじさんと出会い、ひょんなきっかけでおじさんが被っていたハコフグ帽を受け継ぐ。
ミー坊は大人になってもさかな好きを貫くが、自分の思いと世間のギャップに戸惑い社会からはみ出してしまう。
そんなミー坊を救ったのは高校時代の友人たち。彼らはミー坊の天真爛漫さを受け入れ、救われ、影響を受けていた。
テレビ局のディレクターになった友人はミー坊にテレビ番組に出演しないかと声をかける。ミー坊は悩む。そんな折、小学生の頃にギョギョおじさんからもらったハコフグ帽を段ボール箱から引っ張り出し、帽子を被って番組に出演することを決意する。テレビに映っていたのは、子供の頃に出会ったギョギョおじさんのようなキャラクターを演じるミー坊だった。
ギョギョおじさんはミー坊にもあり得た未来だ。好きを貫いたおじさんは何者にもなれず、職に就くこともできず、近所では不審者として認知されていた。一方ミー坊は好きを貫いた結果友人たちに支えられ何者かになることができた。
好きを貫いても成功するかは紙一重。そう考えるとコミカルな内容とは裏腹に重いテーマを持った作品のように映った。
劇中で「好きに勝るものなし」という台詞があるが、成功者ならではの言葉なのだろうか。何者にもなれなかったギョギョおじさんは幸せになれたのだろうか。
やりたいことをする
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