シェイン 世界が愛する厄介者のうたのレビュー・感想・評価
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20年前と比べると歯が治った酔いどれ男。
アイリッシュパンクというジャンルを生み出したザ・ポーグスのフロントマン、シェイン・ムガウアンのドキュメンタリーだが、同趣向のドキュメンタリーは20年前にも作られていた。ファンとして悲しい驚きだったのは、20年前の時点ですら、シェインはすでにこの世とあの世の狭間に漂っているようだったのに、この20年はなんだったのだろうと思うくらい、同世間から滑り落ちた同じ印象のまま、うつろな目を泳がせていたのだ。
今回のドキュメンタリーで特に詳しく描かれているのは、シェインのアイリッシュとしてのルーツ。序盤はシェインが幼少時代を過ごしたアイルランドの政治事情を詳しく紹介し、政治性がポーグスの音楽と直結していたことを明らかにしていく。ここを長いと取るか、興味深いと取るかは人によって変わるだろうが、非常に興味深く観た。
ドキュメンタリーとしてはシェインの支持者が集まった誕生日コンサートをクライマックスにして、セインの功績が報われたかのように締める作りなのだが、正直そこは甘いのではないか。一体シェインの時間はどこで止まってしまったのか? しかしそれを悲劇とも思わせないあたりがいかにもシェインらしくて、やっぱり食えない野郎だなと嬉しくなってしまうのだ。
Refreshingly Interesting regardless of Music Taste
I fretted watching this film at first, hardly being a fan of The Pogues or traditional Irish music in general; but I was pleased that this doc not only gave me appreciation for the genre, it was also a rich character study. Shane is a peculiar man with a singular laugh; always paralyzed drunk. In the film's chronicle of the band, he is revealed to be much more of a musical sage than a comic punk.
シェインへの愛に溢れてる
音楽好きには良い映画。クリスマス記念上映かな?
今年433本目(合計1,083本目/今月(2023年12月度)34本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
クリスマス等、何か「特別なとき」にだけ放映される映画ってありますよね。この作品もその一つでこれが見たいがために遠くまで行きました。
もともと私はエレクトーンを中学卒業までやっていたくらいで、この方のことは知らなかったのですが、知る知らないに関係なく音楽を聴くというのは今でも好きだし、有名な音楽家(ミュージシャン)、そうでなくても「音楽に触れること」それ自体がとても好きです。
またこの映画はこの主人公をメインに扱いつつも、当時のアイルランドの文化が垣間見える部分が結構あり、この点は「1粒で2味楽しめる」ということでよかった映画です。まぁ2022年と「去年の映画」の割になぜかR18というのも変ですが(えっちなシーンはまず出ない)、薬関係などが出すぎてひっかかった(数え役満みたいな状態になった?)のではないかと思います。
作品としてはどうしても「1日限定上映」という「リアル季節のイベント」と関連しての評価になるので難しいところもありますが(クリスマスにいた、ということに意味があると思う)、映画としては以下が気になりました(4.8以上ある映画は基本的にフルスコア切り上げ)。
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(減点0.2) 「夢を見る」 dream の過去形
・ 映画内ではdreamt が使われています。一方、アメリカ英語を主軸に教える中高までの英語ではdreamed(規則動詞)なので、ここがわかりにくいかなといったところです。また、「何を」夢見るのか、という「何を」の部分についてはthat節をとれる動詞ですが、このthatが省略されているため(英語では原則省略OK。逆にフランス語他では一切不可)に文の意味を取りづらいところもあります(目的格の関係代名詞は、制限用法なら省略できます)。この部分は(当時の)イギリス英語の綴りに従ったのだろうと思いますが、これ以外にも頭をひねるような字幕は結構多いので(すなわち簡単に言えば「イギリス英語に精通していないと厳しい」ということ)、ここがちょっと「音楽映画の邪魔をしてくるなぁ」といったところです。
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Irishman In London
映画「バスキア」のオープニングで Fairytale Of New York が流れたとき僕はポーグス(シェイン・マガウアン)を初めて知った。聴いた瞬間に気に入ってすぐにCDを買った。そしてその美しいメロディとは裏腹にうらぶれた詞の世界にさらに魅了された。
そのポーグスが70,80年代前半にパンクバンドとして活躍していたこと。そしてパンクムーヴメントが去ったあと、彼(等)のルーツであるアイルランドの音楽を取り入れたパンクロック(アイリッシュパンク)を作り歌い人気を博したことをこの映画で知った。
シェインの10代20代のアナーキーでパンクな生きざまに僕は魅せられた(すいません、非常識で)。階級社会のイギリスにおいて下流に生まれ育った若者たちの歌い踊り熱狂する姿に、70年代に起きたパンクムーヴメントの根底にあるものが分かったような気がした。そしてシェインは30代になり人気ミュージシャンとなっても変わらない。顔自体がパンクでアナーキー(これ笑うとこ)。生きざまはまさにハチャメチャ。テレビでのインタビューでもやらかさないかとハラハラ(シェインのやらかしを期待するかのような煽り気味な司会者)。結局30代40代50代と相変わらずの酒浸り(アル中)、薬物漬けはそのまんま。今じゃ60にしてジャンキー。
彼の最大のヒット曲 Fairytale Of New York はシェイン憧れの地でもあるニューヨークに生きるアイリッシュの悲哀(なんてもんじゃない、堕ちてしまった人々を歌っている)を描いたもの。そして彼の音楽そして人生は大国イギリス、大都会ロンドンで生きていくアイリッシュの悲哀、生きざまそのものである。
18禁映画なんだ(笑)
初期パンクとシェイン
スコアは3.7~3.8で甘めの4です。
アイリッシュパンク、ポーグスのフロントマン、シェインのドキュメンタリーで、
30年来の友人で今作にも出演してるジョニー・デップ制作です。
思ってたより、シェインは初期パンクとの関わりが強く、
「あの現場に立ち会えて幸運だった」と語る通り、
ピストルズの登場、パンクの誕生、に立ち会ってるわけですが、
ピストルズのライブ、最前列で、元気にポゴってる若かりしシェインが写ってます。
ジョー・ストラマーと一緒に写ってる動画も、あります。
初期パンクムーブメントのシーンで、顔が売れ有名人になっていき、
生まれ故郷のアイリッシュ音楽を、パンクナイズして演るようになるわけですね…
思ったより面白かったです♪
ギネスビールが飲みたくなります♪
シェインやポーグスに、あまり詳しくない方が観ても、面白いかも?
胃を鷲掴みにされてきた
アイリッシュパンクの神の歴史を辿る作品
陽気でポジティブなシェイン
ハードコアバンドの兄ちゃんに教わって
CD聞いてた昔むかし.........
最初は曲調がとてもポップで明るいから、
こんな歌詞の内容と思わず聞いてた。
家庭環境とかはお世話にも良いとは言えないけど
家族を大切にしてて、
ハチャメチャな親戚一同に育てられたんだ〜
身体が丈夫なのかな?
常人にとっては尋常ではない量の毒物を摂取してるのに、ちゃんと長生きしてて、まだ曲を作りたいって言ってるの凄い可愛い。
笑い方がケンケンみたい
愛くるしいを通り越してちょっと怖い、、、?
いっぱい、辛い目にもあったのに、
まだ何かを伝えたいんだ〜と感心してしまう♡
自分の居場所をちゃんと分かっててかっこいい!!
還暦ライブはもう、感動で泣いてしまいました。。
何よりも、
久しぶりにポーグス聞いてテンション上がりました♨️
とても良い映画
予告編を観て面白そうだったので行って来ました(笑)
ポーグスは、僕の音楽遍歴の中では全くかすりもしなかったバンドなんですが、名前ぐらいは知っている程度で、彼らの音楽もこの映画作品で初めて知りました…(もしかしたら、昔にMTVとかで観ているかも知れませんが)。
で…
アイリッシュな感じがとても良い感じのロックでした。タイトルは忘れましたが、毎年のように発売されているというクリスマス・ソングはなかなか良い感じでした。
バンドのフロントマンであるシェイン・マガウアンの少年時代の話が、アニメ仕立てで、彼のことをよく知らないわたしのような初心者にも飽きずに楽しんで観ることが出来ました…なかなか面白いロック・ドキュメンタリーでした。
オススメです(笑)
愚図愚図シェイン
ガキの頃から酒浸りで、還暦過ぎて歩けない車椅子の爺様になっても酒浸り。それでも、還暦祝いのスペシャルコンサートをジョニー・デップやボーノ、ニック・ケイブに祝ってもらって、アイルランドの首相から感謝のトロフィーを貰ってご満悦。ボケた爺様のシェインはかなりショックだった。ロッカーは死んで神様の如く扱われ、伝説のなる運命を否応もなく背負わされるのだが、シェインはみっともなく生き恥を晒している。イギー・ポップやミック・ジャガーのような透徹したプロフェッショナルは恐ろしいほどのカッコ良さだが、シェインはみっともない姿を見せつける。ジョニー・サンダースやシド・ヴィシャスは言うまでもなくなく神様的アイコンになった。生き恥を晒して、みっともなく無残な姿を見せるのもシェインの役割なのかもしれない。「ロックとはカッコ悪いことなのだ」と一つの真実を彼はその人生で語りつつ、あらたなロック的な生き方の一例を示している。
30年前の謎が解けた。
ポーグスを知ったのは高校時代、その頃愛読していたサブカル誌「宝島」で連載していた岡崎京子の4コマ漫画にバンド名だけ度々出てきたからなんとなく気になる存在に。
そして買ったアルバム「堕ちた天使」
とにかくぶっ飛んだ。一音目から。アイルランド民謡meetsパンク⁉️なんだこれ‼️って感じ。
そして上京して初めてのポーグスのライブinクラブチッタ川崎。
当時の記憶ではライブ間近になってシェインのアル中が酷く出演出来なくなったと記憶していたがまさか来日中に飲み過ぎで大怪我してクビになってたとは…今作で30年前の謎がとけましたよ。
でも代わりのボーカルがなんとジョー・ストラマー‼️今思えば逆にレア?だったかも(ロンドンコーリングのアイリッシュパンクバージョンを生で聴けたし)
。
それから20数年後渋谷AX?で再結成したポーグスのライブでやっとシェインリベンジ出来たのでした。
なんか映画の感想ではなくポーグスの思い出みたいになりましたが劇場にいた観客はきっと同じような思い出に浸っていたはず。なぜならまわりは私と同年代か、さらに年配の方しかいなかったから。
そういえば「トップガン マーベリック」もまわりはそんな感じだったなぁ…。
今作でシェインの破滅の原因は酒とドラッグだけではなくバンドの成功と会社の過密なスケジュールだったってことが分かった。
今思えばそれでクビになって良かった。だって下手したらニルヴァーナのような悲劇が起きてたかもしれないから…。
ラストの「また曲を書きたい」のひと言を聞けただけで観た甲斐があった。
奇妙な笑い方
とにかく笑い方が気になる、アル中でヤク中の後遺症からくるものかと思いきや若い頃からの特徴的な笑い方、キース・リチャーズやイギー・ポップは今や健康体で老いても元気な姿が印象的な反面、今現在のシェインは言葉も朧げに廃人ギリギリの様相、シド・ヴィシャスやジョニー・サンダース、The Germsのダービー・クラッシュと重なるような生き様とスレスレで生き残ってしまった痛々しい姿がありながら、歳を取って丸くなる訳でもなく攻撃性が増すばかりのPunkな存在感は今でも健在。
ケルト音楽とPunkを融合したアイリッシュ・パンク又はケルティック・パンクの先駆者でもあるThe Poguesのバンドとしてよりシェイン・マガウアンの幼少期からアイルランドでの生活を丁寧に時間を割きながら描き、北アイルランド紛争とIRAの歴史を絡めながらシェインのPunkで破天荒な人生が色濃く映し出される。
劇映画はイマイチでもPunkのドキュメント映画を撮る腕はピカイチなジュリアン・テンプルだが『ストレート・トゥ・ヘル』繋がりでアレックス・コックスが監督しても面白い作品になったかも、劇中のアニメーションも印象的で手掛けたのはハンター・S・トンプソンとコラボした『ラスベガスをやっつけろ』でも有名なラルフ・ステッドマン、彼のドキュメント映画『マンガで世界を変えようとした男』でも縁のあるジョニー・デップが本作の製作を担った甲斐があった、シェインと会話するジョニー・デップに今現在の裁判沙汰を思い起こすとそんな暇あるのかよとツッコミたくなるノイズでしかないスター俳優の存在感!?
客としてフロアで暴れるシェインの近くにいるのはシド・ヴィシャス?互いにまだ何者でもないPunks時代の若かりし姿、時代遅れと揶揄するThe Clashを御丁寧にジョー・ストラマーからはお褒めの言葉を頂くインタビュー映像、シェインの対談相手にはPrimal Screamのボビー・ギレスピーも参加して、アイルランド・ダブリンで行われたシェインの誕生日を祝ったコンサートにはU2のボノやニック・ケイヴまで登場、シェインは弱々しくも車椅子での姿でありながら存在感が廃れてはいない。
濃くてヘビィだがそれがいい!
バンド「ザ・ポーグズ」のシェインのドキュメント映画!5歳から酒、煙草、ドラック、という生まれながらの破天荒な環境で育ち、親の影響でキリスト教にどっぷりハマり、後にアナーキズム、体制への反逆セックス・ピストルズと出会い!パンクバンドとしてその才能は徐々に開花させる。
後にワールドミュージックが支流になる事で、生まれ故郷のイングランド音楽とパンクを混ぜたアイリッシュパンクを確立!詩的才能とセンスでスターへの階段を駆け上がるも、ドラッグと酒の影響で転落していく!
様々な紆余曲折とかなりヘビィで濃い半生を彼の音楽と映像で垂れ流しで描かれ、彼が抱える苦悩や言葉に見ている側はかなり突き刺さるのでないだろうか?
「ザ・ポーグズ」というバンド自体は知っていたが、ここまで波乱万丈の人間がいた事に驚いた!!特に印象に残ったのは彼の歌の歌詞にあった、熱い水がウィスキー🥃と金貨の壺どっちを選択する?っと神に問いかけられるという一節、後半でボロボロになりながらも、人としての普通としての幸せや安定を求める当たり前、彼は彼なりの普通を求めていたのだと気付かされ、彼の放つ言葉1つ1つに人生の教訓を解かれているかの様な気持ちにさせてくれる、映画で1回見ただけでは全部を理解するには情報量と濃いその人生は分からないほど、凄まじいエネルギー!
鑑賞前に売店で飲み物を買う時に、後ろの人達がこの作品を見るなら、やはりビールや酒を煽りながら飲むのが一番だろうと、往年のファンの人だろうか!?言っていたのが鑑賞し終わった頃にようやく理解が出来た笑
知らなかった分、今後は「ザ・ポーグズ」の歌特にニューヨクの夢を聴いてみたくなった!
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