シャイロックの子供たちのレビュー・感想・評価
全299件中、101~120件目を表示
金と欲望に苛まれる銀行員
タイトルは『シャイロックの子供たち』、シャイロックというのはシェイクスピアの『ヴェニスの商人』に出てくる強欲な金貸しだが、この映画の舞台は銀行で、登場人物はほとんど銀行員である。銀行というのは金を貸して儲ける仕事だから、銀行員はいってみれば強欲な金貸しの子孫であるという意味なのか。確かに登場する銀行員は、競馬に入れ込んで会社の金を横領したり、架空の不正融資に手を染めたり、耐震偽装された不動産を優良物件として売り込んだりという状況で、欲にまみれて金に翻弄されるところが強調されている。堅い職業の代表のようにいわれている銀行員でも元をたどれば金貸しに過ぎないので、場合によっては極悪人にもなりうるという揶揄がこのタイトルには込められているようだ。
物語は、テレビドラマ『半沢直樹』とは違い、勧善懲悪となっていないところが面白い。主人公の西木が、善良な金貸しとして、数々の不正を見抜き真実を次々と暴いていくという展開になっているが、その西木自身も実は闇金に追われ、最後は、強欲な金貸しとして、不動産詐欺に成功して受け取った謝礼金で借金を完済する。
「金は返せばいいというもんじゃない」というキャッチコピーは、借りた金を返さないのは返さない方が悪いが、ただ、どんな手段を使っても返せばいいというものではないと解釈できる。窃盗した金や騙し取った金で返済するのであれば、借金の清算はできてもあとから決して清算できない自分の罪に向き合わざるを得なくなる。罪を犯した銀行員たちは、その罪を償ったり、会社を退職したりして自分の人生にけじめをつけるが、もう過去の信用が戻ってくることはない。
良くも悪くも池井戸作品!
非常によくまとまっている、又は小さくまとまっている半沢直樹である。
池井戸シリーズの最大の良さは爽快感。
それは、そこに至るまでのフラストレーションの量に比例する。
テレビドラマでは、長い時間でそのフラストレーションを貯める事ができる故、最後の爽快感は大きなものとなる。
で、この映画はやはり2時間程度なので、その長さに比例する爽快感しか得られない。
それでも、よくまとめている、そのストーリーは見応えがあった。 俳優達の演技も良い。
十分、映画館で見る価値がある。
まあ、テレビでも良いけどね。
コミカルでライトな逆転劇
池井戸潤作品は毎回楽しみにしていたので、ようやく鑑賞。
池井戸潤原作ではあるものの、オリジナル脚本とのことで、大きなどんでん返しというところまではいかず。
ただ、豪華で個性的な役者陣によって、コミカルな金融逆転劇となっていた。
忍成さんの役には劇場で涙が。
池井戸潤作品のおかげで、銀行まわりもだいぶ詳しくなり笑、すんなり観ることができた。
ただ、ちょっと物足りないものの、こういう映画としてみれば及第点。
音楽も最初はベニスの商人っぽくはあったが、途中からめただなかったので、この映画らしさ、みたいなのはあってもよかったかな。
俳優陣は豪華なだけでなく、それぞれが活かされた配役となっていました。
2023年劇場鑑賞48本目
悪人が一度に集合した希有な支店
原作は読んだことはありません。
支店長は、会社の金を使い込もうとする犯罪者。
副支店長は、昭和まんまのパワハラ上司。
その下の男も、顧客視点に立った発言をした部下を責めるレベルの上司。
営業成績トップの男は、詐欺に荷担した上に現金盗難の犯人。
行員の一人は、気に入らないというくだらない理由で、無実の同僚を現金盗難犯に仕立て上げようとした悪人。
そして、本店から来た監査人までもが、会社の金を遣い込んでいた犯罪者。
で、主人公は、彼らを痛めつける形ではありますが、やはり金を騙し取って、銀行を辞めてしまうという…
凄いです、凄すぎる行員揃いの支店です。
小説なので不祥事を集められるだけ集めたのだと思いますが、評価の低い社員を大して重要でない支店に集めたというのは、人事的にないとは言えないかもしれません。
営業の若手が、病んで神社の灯籠を得意先と思い込み、銀行のポケットティッシュを山ほど積んでお辞儀している姿は、正直泣けました。
また、現金の扱いが雑なお客様係の若手にも呆れましたが、転職失敗してたのはリアリティありました。同業他社、特に金融で不祥事ネタが伝わらないはずはないです、世界狭いので。
個人的にはラスボスより、無実の同僚に罪を着せようとした行員が一番腹立ちました。他の者は金に汚いですが、全く無関係の行員を絡めたりはしてませんから。
映画全体感としては、ラスボスを鮮やかに騙してやっつけたのが痛快でしたので、満足でした。
あの頃ならもっといい絵が取れたかなあ
原作は読んでませんが、きっと面白かったんじゃないでしょうか。
馬券が粉雪のように舞うという描写は実際あったんです。
昔って馬券はレシートのようなぺら紙なうえ一枚のMAX1000円までしかなかったので、例えば1万円買ったら最低でも10枚になってレースが終わると地面は捨てられたハズレ馬券が積もっていました。(足でかき分けながら歩いているとしばしば馬券に紛れて間違って捨てられたお札が落ちていたりしてた。)
自分がその風景を最後にみたのはちょうど船橋だったなあ。(中央や大井は磁気になっていた。)
シーンの取捨
決心するところ(または悩むところ)はあっても良かったんじゃないかと思ったが、そうなると15分長くなる。
逆に後日談は全カットでも良かったかと、遠藤のエピソードもいらないかな
丁度良くて好き~
半沢2期辺りの暑苦しさが好みではなかったのでさらっとして丁度良くて個人的には好きでした。
2時間映画じゃなくて日曜劇場ならとんでもないどんでん返しだったのかなあ。
話の重さと阿部サダヲの演技の明るさでバランス取れてて好き~!
玉森も演技上手になってて嬉しい限りです。
よくできてるんだけど
テンポよく話は進むし、キャラそれぞれの行動の理由もきちんと説明され、理不尽さもなく倫理観から外れすぎることもなく、隅々まで配慮の行き届いた映画だと思う。見てる間は絶対面白い。
でも、そういう手抜かりのなさが、なんというか引っかかりのないつるんとした印象になっちゃうんだよな。
阿部サダヲのうざい感じだけがいい意味で引っかかる。でも他の人は、うまいんだけどいつもの感じ。
これ、劇場にかける必要あったのかな。スペシャルドラマでテレビで流しても良かったのでは
銀行の闇を暴く話。爽快な倍返し
東京第一銀行 長原支店で100万円紛失、10億円不良債権などの事件が起き、営業課の西木が真相を追求していく。
何気無く銀行の仕事をしているけど、工員皆、それぞれ悩みを抱えていて……というか闇が深い人多い。
田端君も北川さんも100万円紛失の犯人にされかけたりと可哀想だった。新規開拓班の遠藤さんは病んでしまうし。
西木役の阿部サダヲは気さくで物腰柔らか且つ、時には誠実な役柄で良い味出していた。あんな上司がいる会社で働きたいと思う人いるだろうなぁ。
真相を追求していく中で、工員同士の繋がりや動機が分かっていき納得感があって楽しかった。
最後の倍返しの策も爽快でした。
ストーリーが分かりやすい
この手の映画は、誰が影の存在か?となり、色々な人を怪しい存在にするため、話が複雑になりすぎて、ストーリーが入ってこない作品が多くあるように思いますが、この映画は、そういった要素はなく、それでいてストーリーもしっかりしていて、うまく話もつながるので、大人から子供まで楽しめる映画だと思います。
また、謎解きから復讐まで、面白要素満載なのもいいです!
なんだよーもらっちゃうのかよ😓
うーむ😅もう少しカタルシスがある作品かと思っていたが、最後のとりで あなたも受け取っちゃうのかよー😱なんだよー
まともな銀行員が一人もいないというお話になっちまったじゃない。
て言うかそれが現実ならおそろしいお話ですな。
話の展開は面白かったのだが勧善懲悪的な展開にならずスカッとしなかったので星みっつ止まりで
上戸彩が…
一部のキャラクター設定に若干無理があるが,あの尺で収めるためなら許容範囲内。それより阿部サダヲはああいうストレート「いい人」役には向いていないと思う。星野源や山本圭ならしっくりくるかも。
ストーリー自体は面白かった。
木南晴夏はああいう役がよく似合う
2023年映画館鑑賞10作品目
3月5日(日)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円
原作未読
WOWOWの連ドラの方は未鑑賞
原作は『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『アキラとあきら』の池井戸潤
監督は『鴨川ホルモー』『超高速!参勤交代 』シリーズ『空飛ぶタイヤ』『居眠り磐音』『大コメ騒動』の本木克英
ツバキミツオ脚本作品初鑑賞
10億円融資した不動産会社社長が消えた銀行を舞台とした人間ドラマ
シャイロックは『ベニスの商人』に登場する強欲な金貸し
イギリスのロックバンドSHYとは全く関係ない
ベニスの商人ってそういう話なのね
知らなかった
そういう点も含めてタメになる映画だった
阿部サダヲ演じる西木が意外にキレもの
人をよく見てる
部下を信じ部下を庇う人間性
不正を暴き黒幕の正体までたどり着く
それだけでなく沢崎と組んで一芝居打ち見事ハメて懲らしめる
マイナーだが昔少年マガジンで連載していた探偵ながら詐欺師まがいに犯罪者を騙しハメる『名探偵Mrカタギリ』を彷彿させた
出所した滝野に迎えに来た家族の存在に泣けてきた
家族のために不正に手を染めてしまった元銀行員だったが家族の絆に感動した
村西とおるは出所後妻に三下り半突きつけられたのに
ビニ本制作販売に加え男優として出演だもんな
やってることがまるで違う
犯罪にも品格があるのね
銀行員を辞めた西木だがまた違う形で金融ミステリーを解決する話を阿部サダヲ主演で観たいものだ
あと木南晴夏はああいう役がよく似合う
玉木宏の妻かと思うと不思議と頭にくるけど
配役
東京第一銀行長原支店営業課課長代理の西木雅博に阿部サダヲ
東京第一銀行長原支店営業課に所属する西木の部下の北川愛理に上戸彩
東京第一銀行長原支店お客様二課の田端洋司に玉森裕太
東京第一銀行長原支店支店長の九条馨に柳葉敏郎
東京第一銀行長原支店副支店長の古川一夫に杉本哲太
東京第一銀行長原支店のエースでお客様一課課長代理の滝野真に佐藤隆太
東京第一銀行長原支店お客様一課課長の鹿島昇に渡辺いっけい
副支店長のパワハラで精神疾患を患う東京第一銀行長原支店お客様一課課長代理の遠藤拓治に忍成修吾
東京第一銀行長原支店営業課に所属する北川の同僚の高島勲に近藤公園
東京第一銀行長原支店お客様二課に所属し北川とは不仲の半田麻紀に木南晴夏
東京第一銀行長原支店お客様第二課課長の松岡建造に西村直人
東京第一銀行長原支店営業課に所属する北川の後輩の所ヒカルに中井千聖
東京第一銀行本部検査部に所属する黒田の部下の堂島俊介に安井順平
司法書士の岡崎法正に前川泰之
滝野の妻の奈緒子に酒井若菜
黒田の妻に森口瑤子
耐震偽装した建築士の枝幸秀夫に徳井優
東京第一銀行長原支店の顧客で問題がある不動産を複数所有している沢崎肇に柄本明
悪徳不動産会社社長の石本浩一に橋爪功
東京第一銀行本部検査部次長の黒田道春に佐々木蔵之介
やっぱり小説にはかなわないか
まず
サダヲちゃんらしさがないーーー
池井戸作品らしいやりとり、展開、面白いんだろうけど、、そこまで
もっと破天荒なサダヲを見たかったーー
いい役者がたくさん出てるのに、なんかもったいない感じがした
小説の方が面白そう
やっぱり痛快!あんな上司がいたらなぁ
やっぱりさすが、池井戸潤さんの世界観で
最初から最後まで、最高でした!
銀行は1円合わないだけで、帰れないって聞いたこと
あったけど都市伝説かなぁなんて思っていましたが、
リアルなんですかね!!
そして、阿部サダヲさんの上司っぷり最高!
あんな風に部下を信じられるって素敵です、、!
こま犬のシーンはちょっと辛かったけど。。
銀行のみる目が変わるというか、
大変なんだなぁっていう、、
社会勉強にもなるし、胸熱だし、
シンプルに楽しかったです!
原作とは違っていたけど楽しめました。
原作小説既読。原作とはだいぶストーリーが変わっていたけど、嫌な感じは全然しませんでしたね。上手く二時間にまとめられている上に、ラストも良かったと思いました。
それにしても忍成修吾って本当にああいう役上手いですよね笑
個人的にはエンディングテーマが宮本さんのソロでなくエレファントカシマシだったのがめちゃくちゃよかったです。
お金は怖い
お金を前にするとダメだとは分かっていても手に取ってしまう…
人の弱い部分にフォーカスした良作だと思いました。でも、悪いことは絶対にバレるようにできてるんですよね。
終盤はそこまでドカンと盛り上がったり、気分がスカッとするわけではなく、若干のモヤモヤは残りましたが十分楽しめる内容でした。
お金は本当に怖い。でも、誰でもお金は欲しい。
誘惑に負けずに悪いことはしちゃダメですね。
全299件中、101~120件目を表示