シャイロックの子供たちのレビュー・感想・評価
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それなりには楽しめる映画
本作より前の池井戸原作の映画は全てスクリーンで観たが、本作は映画館スルーしてDVD鑑賞🎥
相変わらず、池井戸原作の映画は飽きさせることなく全編楽しめるが、これはチョットこじんまりした感じだった。これまでの映画のように「そう来るか~!」という驚きのような感覚がやや薄っすらした感じ😅
今回は某銀行の支店を舞台とした「架空物件の投資資金と偽って、銀行融資(大金)を騙し取る」という詐欺などを扱っており、その詐欺師に加担した者・調べる者・暴く者などを描いていて、キャスティングもナイスで確かに面白い👍
ただ、現在の銀行では、本作で描かれたような杜撰な事務手続きをするはずがなく、「現実離れしたところでの話」と思ってしまう😅💦
そのため、やはり自分の中に「醒めた眼で見てしまう感覚」があったのは事実。
また、予告編にも登場人物が紹介されていて、本編でも存在感はあったが、「パワハラ行員」などという人物も、現在の銀行社員にいるわけがない。
こんなパワハラ社員は、一発アウト!
そこもリアリティ欠けていた感あり…(^^;
……といろんな事を書いてしまったが、現実との比較などしないで観られれば、やはりそれなりに楽しめる映画だったような気がした (^^)
<映倫No.123132>
我々はアントーニオの子供か、シャイロックの子供か
知っている方ならピンとくるであろう“シャイロック”。
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場する金貸し。
強欲な性格で悪人のように描かれているが、開幕この舞台を見ていた夫婦の会話。
お金を返さない方が悪い。金はただ返せばいいってもんじゃない。
夫は銀行マン。ギャンブル狂で、ATMから金を盗み、競馬で当て、戻すという不正を繰り返していた。
ある時その場を検査部の行員に見られるも、気付かれず、事なきを得た。以来、ギャンブルから足を洗った。
企業相手に金を貸す銀行をシャイロックに見立て、行員たち各々の罪…本作を暗示めいている。
お馴染み池井戸潤金融小説が原作。
こちらもWOWOWでドラマ化され、『空飛ぶタイヤ』『アキラとあきら』のように単なるカット&脚色の映画化ではない。
原作小説ともドラマとも違う映画オリジナル・ストーリーが展開。オリジナルキャラも登場。
原作の話を少し調べてみたが、確かに映画の話とは違うようだ。
原作は読んでいないので何処が違うとは指摘出来ないので、この映画版のみの感想を素直に。
話の入りである事件は同じようだ。
東京第一銀行・長原支店。
100万円が紛失する事件が起きた。翌日見つかったと言うが、それは上役たちが金を出し合って“揉み消し”。
営業課の愛理のバッグから帯封が見つかり、疑われる。それも同僚の嫌がらせ。
ゴミの中からある伝票を見つけた営業課課長代理の西木は、ある人物を怪しいと睨む。
お客様一課のエース・滝野。“江島エステート”という会社に10億円の融資を成功させたばかりだった。
この時滝野は一大事に追い込まれていた…。
“江島エステート”は名ばかりの会社。が、話を持ち掛けた石本は、見込みありそうな案を引き合いに出してくる。
何処か胡散臭そうな気がしつつも、滝野は上役からの営業プレッシャーから話に乗る。
印鑑証明も偽造。上役たちはこれに気付かず、受理。
大口案件に支店は喜び沸くが…。
ほどなくして、石本から返済難の電話。とりあえず100万円立て替えてくれ。
滝野は、同僚が顧客先に用意していた900万円から100万円を盗む。それを返済に。
100万円紛失事件の犯人は、滝野だったのだ。
しかしそれっきり、石本とは連絡付かず。本人も会社も姿を消した。
100万円紛失事件はただのきっかけに過ぎなかった。東京第一銀行長原支店は、架空融資で10億円損失という一大事に瀕していた…。
この大事件に真っ先に気付いた西木。
人のいい性格。部下の愛理が疑われた時も庇う。飲み友達の老人の相続問題に振り回されながらも、相談に乗る。この時紹介された訳あり物件、やはり後々ね。
出世コースからも外れ、うだつが上がらず、部下から信頼されてるだけの課長代理と思いきや、なかなかの切れ者。
阿部サダヲが好演。
上戸彩演じる愛理と玉森裕太演じる田端と共に、何か腑に落ちない一連の事件を調べ始める。
すると、銀行内に蔓延る“闇”が明らかになっていく…。
石本は滝野が赤坂支店勤務時からの顧客。
だから話を持ち掛けてきたのだが…、実は関わる人物がもう一人。
長原支店の支店長・九条。石本とは兼ねてからの知り合い。
九条もまたギャンブル狂。金に困っていた。
そんな時、石本から架空融資の話。上手くいけば大金が手に入る。
それには“ピエロ”が必要。まんまと利用されたのが、滝野だったのだ…。
序盤辺り、滝野の案内で江島エステートの架空オフィスで石本と九条が合うシーン。この時すでに騙していたかと思うと、滝野が憐れに思えてくる。
何故滝野は断れなかったのか。それは石本から弱みを握られていたから。
石本から大金を受け取った過去…。
この時から、汚れた金に手を伸ばしてしまった滝野は、真っ当な銀行員じゃなくなった…。
どうしたらいいんですか…?
そう自問する滝野に、西木が投げ掛ける。
それは君自身が決める事だ。俺は石本と九条を許さない。やられたら倍返し!
まさかのあのフレーズが飛び出すが、この時の西木がカッコいい。
西木もプライベートは金の問題を抱えている。兄の連帯保証人になり、借金の肩代わり。ヤクザから借金の取り立て。
絡まれてた時、滝野が助けに入る。この時、うだつの上がらない行員とエリート行員に思えたが、正念場で逆転。
本当に真っ当な銀行員に相応しいのは…?
終盤で西木は謝礼金を提示される。西木は…。
一つの事件がきっかけとなって、その裏に隠された巨大事件へと繋がっていく。
小難しい金融システムや用語はあるが、さほど苦にはならない。
『半沢直樹』のようなスカッとする勧善懲悪ではなく、やるせなさ、苦さ、哀しさも滲ませる。忍成修吾演じる行員のパワハラとノルマ課せられた果て…。
それだけに、西木が仕掛ける一世一代の“倍返し”。滝野がやられた事をそっくりそのままやり返したようで、ここはやはり痛快。
石本=橋爪功と九条=柳葉敏郎の憎々しさも見事。
個人的には、昨今の映画やドラマで黒幕に欠かせない橋爪と柄本明の“対決”も見応えあった。
佐藤隆太や佐々木蔵之介ら豪華キャストのアンサンブル。もう一人個人的に、木南晴夏のやる気のなさ&嫌な女っぷりもオマケポイント。
『空飛ぶタイヤ』に続く本木克英監督の手腕も手堅く。
話の面白さ、役者陣の好演、ユーモアとスリル、社会派テーマと行員たちの裏の顔と銀行の闇…。
見始めたら引き込まれる、いつもながらの池井戸金融エンタメ。
人は誰しも金に翻弄される。
ならば翻弄される我々は、アントーニオか…?
金を貸す者、借りる者、返さない者、盗む者、甘い汁を啜ろうとする者、手を伸ばしてしまう者…。
“シャイロックの子供たち”の欲が蠢く金の世界。
そんな世界を見せつけられ、本当に銀行や行員は信用に値するのかと疑念すら沸いてくるが…、
作品を通じて、何もそれだけじゃないという事を訴えているのを感じた。
こんなこと結構ありそう
紛失したお金なくなって上層部で補填
どこでもあるのね
よく聞く話 まあなくなったら面倒だもんね数万円くらいならいいかなってってあるよね
玉森くんだっけジャニーズのぴったりの役だったね
とにかく上戸あやが可愛すぎて可愛すぎてこんなの会社にいたらいっぺんで惚れてしまう自信がある
それに引き換え玉木宏の嫁さん 木南遥香もうちょっと重要な役どころとして使ってやって欲しかった
ストーリーとしては淡々と進んでいって終わりも結構あっさりしてる
とにかく上戸彩が可愛すぎるに限ります
欠点なし、面白かった!!
金、書類、設計図、実印証明などをじっと見る目、目、目
池井戸さん関連の原作もテレビも映画も何も知らずに見ました。阿部サダヲさん目当て。
銀行勤務って大変だけどあまり感じのいい仕事じゃないなあ。私の父親も銀行相手に苦労してたことかなりあとになって知ったけれど。私は銀行員には絶対になれないしなりたくない。
いい役者さんが沢山出ていたし過去に遡ってという話も面白かった。阿部サダヲと佐藤隆太がとても良かった。ネチネチと覚えているって大事なことかもしれない。あと銀行員が競馬とかにはまるって自分の偏見かも知れないけれど想像したことなかった。
どんな人がどういう意思なり夢を持って銀行に就職しようと思うんだろう?知り合いや友達の女性の場合、優秀な人が銀行に就職してたように思うけれど私には残念ながら意味がわからない。女性だけ着用する制服の意味もよくわかんない。
邦画で苦手で好きでないのは、いい大人(大体男性)が大きな声で人に対して怒鳴るシーンがすごく多いところです。この映画では副支店長が最初から真ん中あたりまでワーワー叫んでいて見苦しく耳が辛かったです。あれが実態なのか、演出上のことなのか、どなたかに教えて頂きたいです!
銀行員には、つくづく向かないと思った!!
電卓でたまにレシートを足し算したりする。
2回やると合計が前と合わない、3回目をやると更に合計が、
ありゃりゃ、3回とも違う。
(これ、盛った話ではない、事実だ)
それに正直に言うと人様のお金を預かる自信がない。
「オーシャンズ8」のサンドラ・ブロックに憧れる。
けどあんなかっこいい犯罪者になれるわけないから、
右の通帳から左の通帳に移し、埋め合わせに別の通帳から下ろす
・・・てな手口のセコイ横領だろな?
銀行に勤めてたら、きっと塀の中に居る・・・
そんな気がしてならない。
この映画はとある銀行を舞台に、銀行員の玉森裕太が
取引先にお客さんに届けた900万円を客が確かめると
800万円しかない。
この紛失した100万円が、とんでもない巨額損失事件の引き金だった!!
とても面白かった。
どの登場人物にあるある!!だろうな!!が多くて身につまされる。
共感出来るのだ。
私でも正義感は多少なりとも持ち合わせている。
上戸彩のロッカーのカバンに百万円の帯を入れた木南晴夏。
あの手の悪知恵は心から憎んでいる。
絶対にやらない・・・と思う。
うん、あれ!?どうだろう・・・許せないほど悪い奴には、やるか?
ますます自分が、怪しいくなってきた。
なので佐藤隆太の気持ちは良く分かる。
佐々木蔵之介のイントロダクション・エピソードは、
ありそうな話だ。
【返せば良い・・・ってもんじゃ無いんだよ】
と彼は何度も言う。
序盤の重要なシーンで佐々木蔵之介が検査係の黒田として登場。
結構キーポイントの役で、エンドクレジットを見ると、蔵之介の名前が
最後に出た!
(そんな重要な役だったのか?)
面白かった。
どのエピソードも身につまされ、身近に感じる。
阿部サダヲの兄貴の保証人の件。
分かっていても保証人って断りきれないことが、
あるのだろうな!!
橋爪功・・・コイツだけは許せない。
ペーパーカンパニー???
こう言う手口、詐欺師、素知らぬ顔で悪事を働く奴。
心底憎い!!
柳葉敏郎も珍しく裏のある役で面白かった。
《やられたら倍返し》の言葉も聞けた。
阿部サダヲはやはり、美味しい役。
人間的で憎めない。
エンディングにも佐々木蔵之介が出てきて締める
(嫌、特に閉めてない?)
もう少し胸の空くラストでもいいとおもう。
ちょっとカタルシスが足りないから、
悪い奴をとことんやっつけた爽快感は薄いけれど、
それだけリアリティはある。
【人間の弱さ!!金の魔力‼️】
それを強く感じた。
(それにしても佐々木蔵之介、「嘘八百」にしても、この映画も、
(色気ダダ漏れ!!・・・やめてくれー‼️)
俳優さんたちすごいね
金融機関に勤めていた身として
2時間があっという間!ではありません
主演阿部サダヲ、原作池井戸潤。
このパワーワードに惹かれ、観に行きました。
しかも消えた10億円!
それはそれは、ハラハラドキドキもんの映画だろうと期待し過ぎてしまいました。
まず、阿部サダヲさんのキャラクターがどこかで見たことある阿部サダヲさんなのです。
そこでまずストーリーが入ってこなくなり、
キャラクターもよく掴めませんでした。
次に消えた10億円ですが、開始そうそうどこにどう消えるかわかります。
そこから実は、、と種明かしのような展開がありますが、大きな驚きはなく。
むしろ100万円消えた時の方が支店内は大騒ぎ。
金融機関あるある(副支店長が詰めがち、メンタル病む営業マンがいる、何か決まりそうな時粗品多めに持って行きがち、等)は楽しめました。
けれど、映画館で観る価値があったのか、というと疑問が残る作品でした。
個人的一番の盛り上がりは、エンディングでエレカシの曲が流れた時でした。
期待し過ぎはよくないな、、と反省しました。
掛け値なしに面白い作品です。
全体の大きなストーリーの流れとは別に登場する一人一人が抱える人間模様が描かれており掛け値なしに面白い作品です。特に自身も問題を抱えつつ鋭い観察眼で闇を暴いて行く姿と部下を想う阿部サダヲさんと時には笑いを誘う柄本明さんとの掛け合いは最高です。
予想をかなり裏切る面白さ
阿部サダヲが主演。池井戸潤の映画だから安心感はあったし、逆にいうと似たようなワンパターンな話なのではないかという懸念があった。ワンパターンももちろんOKで見に来ている。
しかし、、今回のは違ったなあ。勧善懲悪の物語ではない。
全くはしおってしまいますが、「自分を取り戻すチャンスだ」、佐々木蔵之介の言葉に尽きるかな。かなりズシンときた。
私は、、、なにかとんでもない罪はしてないですが、やはり人生にやり残していること、過去の出来事に回収していかないといけないことはある。
人生って。。。考えさせられます。半沢直樹みたいなカッコ良さはないんだけど、全体的にほのぼのとコメディタッチで描かれていましたね。
また佐藤隆太の息子の言葉に、涙腺崩壊、感涙必至である。
僕は、全体的にかなり高く評価します。また見たい。やや間延びはある。
俳優陣、豪華すぎる。だから締まるのである。
お金のグレーゾーン
「ベニスの商人」のシャイロックをタイトルに付ける銀行員たちのお金にまつわる群像劇。
お金の魔力に取り憑かれた人間たちの顛末を、ある融資から裏の顔が紐解かれる。
「お金には名前がない」という言葉もあるけど「お金」の怖さをしみじみ感じさせられた。
また人の倫理観のグレーゾーンを上手くくすぐるところは面白く感じた。
リアルな金融裏側に過去の過ちの根強さ
期待以上のエンタメ作品
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