「土すら持ち帰らせて貰えないもの」野球部に花束を サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
土すら持ち帰らせて貰えないもの
KDDIが制作?ということで、ユナイテッド・シネマのauシネマ割の広告でやたらと宣伝していた本作。そこまで、言うなら...と思って鑑賞です。
なぜだろう。野球部の日常を描いているだけの映画なのに、すごく面白い。ちょっとしつこくて、尺自体は短いんだけど長く感じる部分もあるのだけど、かなり笑えるし、かなり楽しい。主演の醍醐虎汰朗が本当にいい味出していて、おかげでいい映画になっている。
他の球児も良いのだけど、やはり高嶋政宏を語らざるを得ない。あまりにも面白い。あまりにも似合っている。この映画の見どころは、高嶋政宏と言っても過言ではないくらい政宏色に染まっている。こんな監督いるよなぁ、関わりたくねぇよなぁ、でも意外とちょっと優しいんだよなぁ。これ台本用意されてたのかなと思っちゃうシーンもあって、改めて大好きになりました。
予告だと、想定外の大事件が起きるみたいな雰囲気出しているけど、終始あるあるの詰め込みです。が故に、映画館でわざわざ見なくてもいい作品なのだけど、飯塚健パワーで非常に見応えのあるものになっている。野球あるあるじゃなくて、野球部あるあるなのがいい。ちょっとした恋愛要素も組み込んでくるし、見ていて疲れない。
いいセリフ、笑えるセリフ、ちょっぴり感動セリフがたくさんあるのもこの映画のいいところ。急に音楽が止まって突っ込んだり、ぐらんぶる並みにあそこの隠し方が上手かったりして、コメディのセンスもかなり光っている。ラストは、「え、終わり?」って感じだったけど、見たあとがこんなに爽快なのは久々。気持ちのいい映画でした。
まぁ、絶対見て!というほどオススメしたくなる映画じゃないけれど、良かったら是非見て!というほどにはオススメしたくなる映画です。土が無いなら、花束くらいあってもね!