劇場公開日 2022年8月11日

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「誰もが共感する運動部あるある!」野球部に花束を おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5誰もが共感する運動部あるある!

2022年8月12日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

この時期にぴったりの本作。夏はやっぱり甲子園!高校野球でしょ!って言うほどスポーツ好きではありませんが、予告で見たユーモラスな雰囲気にひかれて鑑賞してきました。

ストーリーは、高校進学を機に野球をやめようと思っていた黒田が、級友たちに流されるように野球部に入部してしまい、運動部特有の縦社会と地獄の練習の中、仲間とのかけがえのない絆を結んでいくというもの。野球部に限らず、運動部の経験のある人なら誰でも共感できる部分が多く、最後まで楽しく鑑賞できます。

本作では、昭和のスポ根を代表する野球部を舞台に、今となってはパワハラやコンプラ違反の見本市のような部活動あるあるネタを、軽いノリでユーモラスに描いています。昭和世代には懐かしく、Z世代には意味不明な慣例やしきたりが、数々登場します。そのため、世代によって受け取り方は大きく異なり、場合によっては不快に感じる方がいるかもしれませんが、少なくとも自分は楽しめましたし、一緒に連れて行った小学生の甥っ子も「おもしろかった」と言っていました。

ただ、正直もっと笑えるかと思いましたが、そこまでではなかったです。むしろ2年に進級してからのほうが笑えました。こうして引き継がれる不条理な伝統に激しく納得です。自分の中学時代の部活動もまさにこんな感じで、1年生ではつらさと苦しさしか感じなかったのに、後輩に同じようなことをしていたという、まさにあるあるです。

一方、夏の大会にかける3年生の思いとそれを支える後輩たちの姿にはちょっと感動してしまいました。共に苦しさを乗り越える中で結ばれる強い絆はやっぱりいいですね。できれば、恋バナの代わりに、苦しくても野球を続けるひたむきさ、そこで深まる仲間との友情、厳しい規律の中で知らず知らず育まれる人間性や社会性、後輩を指導する中で気づかされる立場や役割なんかがもう少し深く描かれれば、もっともっと奥行きのある作品になった気もします。

出演は、醍醐虎汰朗くん、黒羽麻璃央くん、市川知宏くんらで、とても高校生には見えませんでしたが、コミカルな演技でユーモラスな雰囲気を作っています。中でも駒木根隆介さんの演じる亀井はかなりおもしろかったです。脇を固める、高嶋政宏さん、小沢仁志さんも、いい味を出してました。黒田フィルター越しの小沢仁志軍団はサイコーです!

おじゃる
プリズナーN0.6さんのコメント
2022年8月16日

高嶋弟も「ちむどんどん」で孤軍奮闘してますが、高嶋兄もいい味出しまくりですね(^_^)
後ろにステップを踏みながらの「か・い・さ・ん」は素晴らしかったです。

プリズナーN0.6