LOVE LIFEのレビュー・感想・評価
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幸せな時間は一瞬にして悲しい過去になる
愛と人生に向き合う夫婦の姿を描いた人間ドラマ。どこにでもあるような身近な問題を題材にしているので非常に共感しやすい。幸せな時間は一瞬にして悲しい過去になってしまうことを改めて考えさせられた。
2022-156
LOVE LIFEってタイトルからは全く想像もつかない不穏な雰囲気の作品
とにかくオープニングから不穏な雰囲気が漂いまくっていた。
表面上は平和そうに見えて、どこか不協和音が鳴り響いているような人間関係。
そして、全く予想もつかない悲劇的な出来事。
この映画は常に観客の予想を裏切る展開が繰り広げられていた。
そのなかでも特に驚いたのは木村文乃が元夫と一緒に韓国に行くシーン。
危篤の父親に会いに行くと思ってたら、実は前妻との間の息子の結婚式に参列するという時点でかなり意外性があるが、凄いのは結婚式の長回しのシーン。
韓国歌謡が流れるなか木村文乃の背中を映し出す。
だんだんと雨が降ってきて参列者たちは屋内に駆け込んでいくが、木村文乃は雨に打たれながら曲に身を任せて踊り続ける。
このシーンを見れただけでも凄い映画を観たという気持ちになれました。
全体的に不穏な雰囲気の漂う深田晃司監督らしい作品だと思いました。
君は敬太の死を乗り越える必要はない。敬太のことを忘れてはいけない。君の人生にとって大事なことだから。
深すぎて意味不明のエンディング。だけど、こういう観客を試すラストは嫌いじゃない。なぜなら、その後もじっくりと味わえるから。あれはどういう意味か、あのあとどうなるのか、そんな放置がごろごろしているけれど、それは日常だって同じだ。隣の家族、自分の親兄弟、どんな過去を抱え、どんな気持ちで暮らし、どんな秘密を隠して生きているのだろう。つい、そう振り返ってしまう。
はじめから、なにか良からぬことが起きそうな空気に満ちていた。そして、事件の起こったあとも、まだまだ何かが潜んでいるように怯えてしまっていた。その警戒は杞憂に終わったようにも見えるし、波乱の人生がリスタートしたとも見える。それは、当人同士でしかわかり得ないことかもしれない。
とにかく、不穏。慎ましげに見える奥に潜む闇。なのになぜだろう、嫌悪感は薄い。それは、妙子の性根が善人だからだろうか。しょせん、庶民に起こる程度のさざ波だからだろうか。
それにしても、元夫役の砂田アトム、いい役者をつかったものだ。誰だ?と思って検索すると、そこには全く別人にしか見えない本人の動画がいくつか上がっていた。そして思う。あの演技はニワカ仕込みではないのだろうなと。映画に深みを添えていたのは、この役者の人間味なのかもしれない。
ふと感じるのは、「怒り」の感情の根源には「愛」があるということ。愛があるから、怒りが湧く。愛があるから、関わらざるをえない。そして「愛」がなくなってしまったとき、人は興味も薄れ、秘事のやましさも芽生え、「目を合わさなくなって」いくのだろう。
心地よい感じ
「愛とは…」といった押し付け感がなく、まさに矢野顕子さんの音楽のように、心地よい流れのなかで鑑賞しました。あえて言うと、「許容すること」がテーマにあったでしょうか。
あの喪失感を埋められるのは元夫だけだとは理解しつつも終盤にそんな選択する?、いろんな場面で何で二郎は怒らないの?、元夫も妙子に許容されるなかで勝手過ぎるんじゃないの?とか理不尽にみえるところも少なくありませんでしたが、そこにリアリティを感じました。実際の生活も理路整然と流れることって少ないですよね。
雑然と流れる日常を許容しても良いんだと思わせてくれて、そんな日々を過ごす自分を応援してもらえた気がしました。
守ってあげなきゃいけない理由は?
「彼は弱いんだから、私が守ってあげなきゃダメなの」
このセリフの気持ち悪さがずっと残ってる。
なぜ弱いのか?
外国籍で耳が聴こえないから?仕事も家もないから?
そう言っているようにしか見えなかった。
なんというエゴ。
とはいえ、人間誰しもそういうエゴを知らず知らずのうちに抱えているものなのかもしれない。
ろう者の役を実際にろうの役者さんが演じたのは素晴らしいことだと思うけど、
わざわざ韓国籍とする必要性はあったのかなあ…というのも疑問。
その設定がマストだったのなら、韓国のろうの役者さんをキャスティングすべきだったのでは?
物語・映画としての構成はすごくいいし、考えさせられた、でも共感できない
観る人の人生遍歴に依拠するのではないかと思われる物語。
所謂ダメ男の定義、代表例はお金か異性。社会との関り(納税実績など)というマクロ的視点からすれば自分はお金は最悪と思う。
でも前者に囚われる女性も世の中多いのが事実。だから自分には共感は得られなかった。シングルマザーのため実直に働き守る男性への同情が。
物語・映画としての構成はすごくいいし、考えさせられた、でも共感できない自分には評価はできなかったかな
思いは一方通行
偶然にその時代・その空間・その場所に生まれ、またどこかで日常を死ぬまで紡ぐ、それこそが人生。
いわゆる〝両思い〟や〝運命の人〟と出逢えれば運がよく(もちろんうまく生涯を共に出来るかは別)、いくらでも人間は考え巡り妄想や欲が迷いを応じさせ、それが人生を狂わせることもあろう。
近代から現代は如何に個の自由の最大化するのかの過程であったし、それらが皮肉にも迷いをより混沌とさせるのだろう。
本来結婚は偶然そこにいた人とするだけのものじゃないのか。
「目は人間のマナコなり」岡八郎
全夫の猫と一緒に再び夫とLIFE再開と言う事は、現夫と前夫と三人でのLIFE、て。成程、二人の男と息子の写真とのLOVE LIFE。全てのLOVEとのLIFE。題名の意味が分かりました。
神野三鈴さん
今作も深田さんの脚本は独特な世界観で目が離せません。
予定調和な展開はなく、適度な複雑さとカルト味。容赦のない残酷さと、グッとくる展開からの、意外な可笑し味。そしてまた日常と現実。
盛り沢山なんだけど、きっちりまとまっている物語は「ザ・深田ワールド」と言っていいでしょう。
そして、深田映画のもう一つの妙は「外れのないキャスティング」。
主演の木村文乃さん。どんな役も器用にこなす印象があり、意外と「代表作」が思いつきませんが、今作こそは単に「主演」ではなく、彼女の「代表作」になるのではないでしょうか。
そして、やはり似た印象がある永山絢斗さんも今回は「内面」と「外面」を巧く演じ分けるなど、この物語にしっかりとした厚みを持たせています。
さらに、こういう役はまさに「鉄板」と思わせる存在感の神野三鈴さん、実に素晴らしい。効いてます。
ヴェネツィアは残念でしたが、日本の映画賞はきっちりこういう「映画らしい作品」をノミネート出来るかな?
あえて
LOVELIFEと言うタイトルなのでしょうか?誰から誰に対する愛も本当の愛を感じられなく、出てくる人が全て表面上の愛を追っかけている様な感じが否めません。木村文乃さんの大ファンなので、0.5ポイント増しです。
愛情と同情の違いって何なんだろう
自分を満たしてくれる存在=いつも傍にいる誰かとは限らない場合、人は一体どちらを取るのが正解なんだろう?と悩みながら最後まで観ていました。
結果的にこの作品では答えまで出ていましたが、現実世界ではこんなに綺麗なオチを迎えるような終わり方はしないわけで。
まあ、なんかいろいろ考えてしまいました。
愛情と同情の違いって何だろう。
深田監督の穴
観ていてこの監督の一筋縄ではいかない、ストーリーテリングが気になり、15分でもいいから頭の穴に入ってみたくなる映画でした。
よこがおや淵に立つも観ていて、ここぞというところで、ガツンとくる展開は、さぞや激しい人間観察をされる方なんだろうなと・・
恐くもありしかし人生 人間の業について考えてみると個々の孤独が浮かび上がるという今までの深田映画の集大成みたいな映画だと感じた次第。
好きなシーンは木村さんが釜山の結婚式の雨に佇むシーン
ラストシーンの散歩に行く二人を俯瞰したシーン まだまだありそうで
嘘をつく人というもの 目を合わさない関係性 まことに現代にマッチングした主題でした。とにかく観てみて下さい。
ソーシャルワーカーと集合団地のシーンも、ありえないんだけどすべて伏線だし、参りました。
色々な「愛」が感じられる自分的良作! 本年度ベスト!!
若い方には刺さらない作品かも(汗)
好き嫌いの別れる作品って感じ。
出だしは幸せの家族を表現していたけどそれ以降は終始クソ映画(笑)
観賞後、冷静になって振り返り実は愛に溢れた作品だと感じた時の「やられた!」感がハンパ無い!
観賞中は登場人物達がみんなクソ。
気分が悪くなる程の展開。
全く共感出来ないままに進むストーリー。
そんな中、実は世の中には色んな愛が溢れている事を表現したかった作品と解釈。
振り返ってみれば全てのシーンに愛に溢れていた感じ。
木村文乃さん演じるオセロの上手い子持ちのバツイチの妙子。
っか木村文乃さん。
こんなに素敵な役者さんだったっけ(笑)
元カノを捨て妙子と結婚した旦那。
旦那の両親。
妙子が捨てられた元旦那。
色んな登場人物の行動が実は愛に溢れている。
それを裏付ける終盤に絶妙なタイミングで出てくる
「LOVE LIFE」
のタイトルにやられました。
愛に溢れた作品の認識でもう一度、登場人物の目線を意識しながら鑑賞したい作品でした( ´∀`)
目と目で通じ合う、そ~ゆ~仲になりたいの?
少し前に流行った{楽曲インスパイア系}も、
最近はあまり目にしないなと思っていたら、
本作のようなカタチで繰り出されるとは、
完全に意表を突かれた。
『矢野顕子』の〔LOVE LIFE〕は聴いたことがあるものの、
内容はかなり抽象的。
それをよく、ここまでのストーリーに膨らませたな、と
先ずは感心する。
連れ子の『敬太』と
新しい夫『二郎(永山絢斗)』と幸せに暮らしていた『妙子(木村文乃)』だが
ある日不慮の事故で愛息を亡くしてしまい、
そのことが夫婦の関係に影を落とす。
果たして二人は悲しみを乗り越え、
互いの間にできた溝を埋め、
再生することができるのか?がテーマ。
そこに前夫の『パク・シンジ(砂田アトム)』が不協和音の様に絡む。
『パク』は妻と息子を捨て、数年前に突然失踪。
必死に捜したにもかかわらず、行方は杳として知れなくなっていたのに、
息子の死を契機に、突然姿を現す。
『パク』は聾唖であり、
単独では他者とのコミュニケーションがかなり不便なことも背景にあり、
最初は戸惑っていた『妙子』も、前夫の今の境遇を知り、
人が変わったように面倒を見だす。
昨今言われている「ケアラー」としての役割を
率先し果たす元妻の姿は
息子を失ったことの「代償行動」や「昇華」或いは「母性」の発露にも見え。
一方の『二郎』も結婚前に付き合っていた元カノ『山崎(山崎紘菜)』と
再び交流を持つように。
しかしこちらの方は、やや淡い関係にも見え。
入れ込み過ぎた『妙子』の『パク』への思いは、最後には痛烈なしっぺ返しを喰らう。
彼女が考えていたほど、元夫は弱者ではなく、かなりしたたかに生きて来たのだ。
そのことを理解した後の彼女の行動は、傍目にはかなり欺瞞に映る。
が、自身も後ろめたさがある『二郎』は、果たしてそれをどう受け取るか。
余地をたぶんに残したラストシーン以降の解釈は、
どうやら鑑賞者に委ねられたよう。
現夫と前夫には、演出でも科白でも散々示されている通り、
視線を合わさない・合わすとの、大きな違いがあり。
製作サイドは
交わすこと=善
交わさないこと=悪、と
ステレオタイプに切り分けたいようだが、
聾唖であれば、
限られたコミュニケーションの手段として必然的に向き合わざるを得ないだろう。
ましてや己の体験として
「※※クンは、話す時に目を真っ直ぐに見るので、こちらの方が気恥ずかしくなる」と
言われたことがある身としては、全く肯定できぬのだが。
鑑賞前に何本かの評を読んだが、
その何れもが『敬太』が亡くなるくだりを暗喩としている。
しかし前後の文脈からは、そうした事件が起きたことは明らかで、
何故そのような書き方にこぞってするのか、隔靴搔痒の感あり。
それが制作サイドの要請の結果だとしたら、
正鵠を射ていない気もするが。
日常生活の悪くなる雰囲気が見事‼️
TOHOシネマズ錦糸町にて鑑賞。
日常生活を描いているにも拘わらず、悪い雰囲気を生み出す物語。それを捉える手腕は天下一品の深田晃司監督作品🎥
ある夫婦(木村文乃&永山絢斗)と5歳の息子が暮らしている。
何かを祝う準備をしているが、どうやら息子がオセロ大会で優勝したらしい。
そこに夫の父母がやって来るらしいが、「お義父さんは、私達の結婚を認めてくれるかしら?」などと話す夫婦を見て、「えっ!」と思いながら観ていくと、ドンドンと物凄いことが起こっていき……という映画😱💦
いやぁ~、深田晃司監督作品の劇場映画の前作『よこがお』や、もともとテレビドラマだった『本気のしるし』などと同様、先の見えない展開が楽しくて仕方ない(^-^)
そもそも、深田監督を初めて映画館で観た『淵に立つ』以来、そうした雰囲気を感じる傑作ばかり。
意外性が見所の映画なので、詳しい物語展開は記載しないが、素晴らしい映画である✨
<映倫No.123365>
素晴らしかった。あまりに暴力的なトラウマ事件。それに触らないように...
素晴らしかった。あまりに暴力的なトラウマ事件。それに触らないようにする人々。優しいとはいえ、本質的なところでは寄り添えない夫。地震の中でやりかけのオセロ盤を守る母。永山、木村の人選だけで、既に一定のキャラを想像させるうまさ。物語はほとんど何も説明しない。韓国人のろう者を好きになるキャラに背景がないとは思えないけど、わからない。本当に好きな人をボロボロになって探す彼女にひかれる設定や、猫が彼を選ぶこと、乗船前の彼の言葉など、至極のシナリオだと思う。さらには、オセロゲームが続いていることや、危篤は嘘で結婚式だったことや、義母が孫が部屋に戻るのを嫌がることとか、物語をはみ出る現実界の要素がリアルに散りばめられているところがすごい。風船の重なり、長いカラオケの歌の間でお風呂での事故の音がかき消されること、CDがキラキラして戯れる元夫婦たちを見つけさせること。焦る夫。部屋の中にCDの光がキラキラ入ること。そして極めつけは雨の中で踊る彼女。重すぎるトラウマを軽くするのはこのような騒ぎであり、雨である。20年ぶりに息子に会ったとする元夫。今まで生きてきてるので本当に自分ダメな奴だったのか、お金も借りておいて字もかけて、一人で結婚式に行けなかったのかはわからないけど。
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