「面白いし感動もしますけど「謎」と「テーマ・メッセージ」がバラバラな気がしました。」かがみの孤城 nyaroさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いし感動もしますけど「謎」と「テーマ・メッセージ」がバラバラな気がしました。
謎解きのストーリー、城の意味、オオカミさん誰?7人は誰なの?など非常によくできていました。キャラ造形も個性的なキャラを上手く作ったと思います。
テーマ・メメッセージであるイジメ・不登校の部分もリアリティがあります。いい子ちゃん女子や教師など、正直胸がムカムカするくらいリアルでした。そしてヒロインの絶望も分かります。親の取るべき態度なども良かったです。
最後に感動もカタルシスもあるし、2時間があっという間なくらい面白い作品でした。
ただ、ただです。この「謎」と「テーマ・メッセージ」の2つの要素が上手く絡んでいたかなあという気がします。イジメ不登校問題とルールの関係は?なんでオオカミさんなの?学校に行きたいという理由とイジメ不登校問題を関連付けていいの、どこでつながっているの?鍵の設定的な意味とテーマ的な意味は重なるの?という気がしました。
なんといいますか、謎とテーマメッセージが上手く融合できてないというか、重なっていないというか。ストーリーそれ自体は1つの大きな物語としていいんですけど、含意というかアナロジーというか…7人とオオカミさんがバラバラな感じがしてしまいました。それを無理やり糊付けするために設定を上書きした感じです。
ですので、エンドロールやおまけのいいところでモヤモヤが残りました。正直、少しだけですけどエモい場面を無理やり挿入した感動ポルノと取れなくはない気がしてしまいました。
面白いです。良くできた話です。中だるみもなく本当にいい話だとは思います。ただ「謎」と「テーマ・メッセージ」がお互いを薄めてしまった気が…読み取れてないのかなあ?原作確認してみます。