月の満ち欠けのレビュー・感想・評価
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気持ちの焦点が合わせにくい面がある
転生輪廻(リインカーネーション)もの。
時を超えた恋愛を描いているのは分かるし、出演者は皆好演しているのだが、この作品の世界観では、転生するサイクルが早すぎるのと、前世の記憶がはっきりしすぎているのが災いして、神秘性が不足した印象を受けるのが玉に瑕。「再会」の感動がある一方で、ハッピーエンドと言い切れないもやもや感がぬぐえない。
死別した恋人が生まれ変わってくるという設定には、昔観た「愛と死の間で」を想起したが、本作では前世の記憶が年齢に関わらず引き継がれている上に、片割れの方はそのままこの世で年を重ねているので、素直に喜んで良いのか不安が生じる。
せめて、因果応報的な決着があれば、後味もすっきりしたかもしれない。
1980年代の街の様子が描かれているが、私の現実の記憶より古い時代のように感じられた。名画座とか、レトロっぽい趣味の場所が舞台となるので、錯覚してしまうのだろうか。
もっと再会の感動に浸れたかもしれない設定なのに、サスペンスなのかファンタジーなのか、はたまたひねりをかけた恋愛ものなのか、色々な要素が盛り込まれていて、観る側としては気持ちの焦点が合わせにくいのが残念だった。
ファンタジー感がスゴイ!
生まれ変わり、輪廻転生
原作者である佐藤正午氏は
時を題材にしたファンタジー作家として有名だが
その最高評価をいただいているのが
この作品です
色々思うことはあるけど
最終的な着地は
ホテルのカフェで大泉洋言った
「会ってどうなる?」
に集約されてしまう
刹那的に出会った、愛した人を
何十年も思い、やっと会えたとして
その人が年端もいかない少女だったら
どう反応して、どう対処していいのか
自分なら精神を
正常に保っていられないかもしれない
ストーリーはよくまとまっていたが
賛同できる内容ではなかった
映画自体の評価ですが
冒頭の大泉洋が、発泡スチロールの箱を運ぶシーンがやたら軽かったり(魚や氷が入っているように見えない→実際には入ってないのだから仕方ない→詰めが甘い)
1980年の風景を見せるのに
苦心したりと
低予算の中でも、なんとか完成に漕ぎつけた苦心が伺えます
もう少し監督のこだわりがあっても良かった気もします
俳優陣個々の演技力は素晴らしく
子役さんの演技は2人とも
舌を巻く実力です
多少の感動もあるので
(たまたま観た日が、ジョンの命日でした!)
年末におススメできる映画ですが
私が付ける星の数としては
残念ながら一番低評価でした
あんなカレー煮な
『東京暮色』はいいにしても渋い好みだなぁ。一度映画も見たことあるのに、さっぱり覚えてないくらい眠くなった記憶。ビデオを見てたのはアンナカレニナと表記したビビアン・リー主演の48年作品。日本語訳のトルストイ著作は「アンナ・カレーニナ」だ。ところが、劇中ではカレニーナと発音していたような気がしました・・・どうでもいいか。
大泉洋演ずる小山内の幼い娘・瑠璃が登場する場面で伏線張りまくりで、ビデオ屋に一人で行ったり、アキラという熊のぬいぐるみやデュポン、そしてオノヨーコの曲。なんと言ってもジョン・レノンの「Woman」が印象的。
80年、ジョン・レノンが暗殺された年からの10年、20年と時代は変遷し、「瑠璃」という名前が異常に際立つ。要は輪廻転生ファンタジーではありますが、生まれ変わりの対象者を天から選ぶだとか、三代も続くところがユニーク。
時代が飛ぶトリッキーさはあるものの、抑揚がなく平坦といった雰囲気だった。面白いところとしては田中圭が3代のうち2人を自殺に追いやった?DVやらストーカーやら、考えてみればとんでもない男だ。ラストシーンも、有村架純になってはいるけど、周りからすると中年男と幼女のハグなんだから奇妙に映るよなぁ・・・ま、ファンタジーなんだけど。
そんなこんなで2.5点くらいを用意してたのですが、柴咲コウの涙にやられた!これというのも映画『Dr.コトー診療所』の予習のためにTVerで過去作見ていたので乳がんを患った星野彩佳を思い出したためです(結果、3.5)。天間荘の三姉妹、月の満ち欠け、Dr.コトー診療所と、年末は柴咲コウ祭りじゃ~
ちなみにもっとユニークな輪廻転生モノとして韓国映画『バンジージャンプする』を挙げておきます。そして今日はジョンの命日。
傷口に盛り塩
原作は読んでないんで分からないところは多いのですが、予告やあらすじを見る限り喪失と向き合う恋愛ものだと思うじゃないですか…。こんなサイコホラーだったなんていうオチがありますか…。
まず褒めちぎれる点として役者陣の演技はとても良かったです。大泉洋さんに有村架純さん、柴咲コウさん、田中圭さん、伊藤沙莉さんと万全の布陣で挑んでいるので演技合戦は見ものです。子役の方々も内容はともかく、表現力豊かで将来楽しみだなと思える子達ばかりでした。目黒蓮さんだけ滑舌が甘いのか何を言ってるのか分からない場面が多かったのが少し残念でした。
ただ他はトンデモ要素のオンパレードでした。まず転生要素が都合良すぎて超速で冷めました。瑠璃という女性が上手いこと転生を繰り返して、求めていた男性の元へ向かうというテンポの良さ。記憶がぼんやり残っているならまだしも最終的に言動も瑠璃本人だし、記憶もガッツリ残っているし、小山内の事をパパって言ったときには失笑ものでした。アキラに出逢いにいくシーンも側から見たら女児とオッサンが抱き合っているという若干怪しい図になるのも引っかかりました。なんなら事故で亡くなった小山内の奥さんまでも、小山内の母親のヘルパーさんの子供に転生して終盤で正体を明かすとかいうクソみたいな所業をするもんですから、ヘルパーさんが不憫ですし、小山内もきっとその子を見る目線が変わるでしょうし、誰も幸せになれそうにないラストは素っ頓狂でした。あと転生に対して順応するスピードが小山内以外とてつもなく早くて、自分の子供が知っている人物の生まれ変わりだったら信じたくないですし、その記憶を忘れさせたいとも思ってしまいます。いくらなんでもえりが娘に瑠璃と名付けるのはお門違いな様にも思えましたし…。
次に観客をバカにしたような台詞回しです。序盤で乗れないなと確信した理由として瑠璃の親友のゆいの発したセリフが「娘の瑠璃さん、奥さんの梢さん」という言わされている感満載で違和感ありまくりでした。伊藤沙莉は素晴らしい女優さんだと思うので、これは監督の指示に問題があるなと思った次第です。
まだまだありまして、時代が進んでいるのに登場人物の変化の無さにも違和感がありました。柴咲コウさんはかろうじて歳の区別が付きましたが、大泉洋さんはまんま大泉洋さんのまま20年くらい経ちましたし、目黒蓮さんは髪型を少し変えただけでは30代半ばには見えません。大学生の頃のエピソードと何も変わっていなかったです。伊藤沙莉さんの女子高生はさすがに違うかなとも思いましたし…。
田中圭さん演じる正木の狂いっぷりもよく分からなかったです(演技は狂気が宿っていて最高でした)。嫉妬深い人物だとは思うんですが、転生後の瑠璃を見つけてとっ捕まえに行った挙句、交通事故で瑠璃と梢が亡くなるというお前が引き金だったんかい!という都合の良い転生の被害者が量産されていました。
感動のかの字も出てきませんでしたし、泣けるわけもないですし、頭を抱えざるを得ない出来でした。特に期待をしていた訳では無いんですが、ここまで相性が悪いとは…。年末の魔物はこの作品だけだと願いたいです。
鑑賞日 12/6
鑑賞時間 12:25〜14:45
座席 A-5
「しーっ」の口
霊安室で泣き崩れる大泉洋だけはオーバーで浮いていたが、演技面は総じてよかった。
生まれ変わりの話というのも予告で分かってたし、ある程度のご都合主義も許容します。
しかし、細部の雑さがあまりに目についてしまった。
・30年近い期間を同じ役者にやらせるのに、メイクなどの工夫もなく、特に大泉洋に20代は無理がある
・80年代パート、車や小物は旧いものなのに服装が明らかに現代
・大学生で、カメラにもお金を費やしてるのに、三角の部屋や家具がお洒落すぎ
・小山内の個人情報を他人(三角)に漏らす会社
・子連れで仕事に来るヘルパー
・面識ないのに母の転生を確信している三代目
・小学生の瑠璃に、三角の方から気付く etc...
何より、最後の「しーっ」の場面、柴咲コウは口を窄める『す』の形なのに、子役は口を広げる『い』の形で、ここを統一しないのは有り得ない。
有村架純のミステリアスな演技は素敵でしたが、事情を知ったあとはもう少し薄幸そうな人の方が合う気がしてしまった。
しかし、柴咲コウは過去イチで可愛い。
高熱の娘を心配する表情も真に迫っており、少ない出番ながらMVP。
ロリコン・ラブストーリーが始まりそうな締めにも、残念ながら僕の心は揺れませんでしたが、有村架純はめちゃくちゃ揺れてました。(最低)
異色の輪廻転生ラブストーリー
本作は、大胆に仏教思想・輪廻転生(生死を繰り返しながら生き続ける)に踏み込んだことが奏功して、リアルとファンタジーの要素を併せ持つ不思議な雰囲気の作品に仕上がっている。輪廻転生という考え方に違和感が無ければ、感動感涙必至のラブストーリーである。
小山内堅(大泉洋)は、愛する妻・梢(柴咲コウ)と一人娘の瑠璃と幸せな日々を送っていた。しかし、妻と瑠璃を交通事故で亡くし堅の人生は一変する。そんな彼のところに三角哲彦(目黒漣)と名乗る男が訪ねてくる。三角は、かつて、亡くなった瑠璃と同名の女性との禁断の恋の物語について語り始める・・・。
哲彦は不変だが、瑠璃は、不慮の事故での死亡により輪廻転生し3人登場する。やはり、初代瑠璃を演じる有村架純が定評のある演技で、謎めいて影のある瑠璃を巧演している。憂いを秘めた眼に吸い込まれそうになる。哲彦役の目黒漣は、不器用で一途な哲彦を熱演している。連絡先が分からない瑠璃を彼女がよく行く場所で何時間も何時間も待つ場面での表情に、瑠璃に対する一途な想いが溢れていて切なくなる。有村架純・目黒漣編が、本作の主軸であり、ここだけ切り取っても、一つの作品ができるほどの完成度になっている。是が非でも絶対に成就したい愛であると得心できる。瑠璃の輪廻転生に説得力を持たせている。
2代目と3代目の瑠璃と哲彦の絡みはない。ここでは、輪廻転生を際立たせている。何故、それを知っている?それができる?そんな言い方をする?と我々観客を疑心暗鬼にさせ、巧みに輪廻転生に誘導する。但し、3代目の女児の描いた絵はうますぎて納得できない。輪廻転生は憑依ではないので有り得ない画力である。
本作は輪廻転生という斬新な設定に挑んだ意欲作だが、荒唐無稽、粗削りな場面はある。それでもなお、本作は感動的である。
時空を超えても、輪廻転生しても構わない。主軸となる恋物語がしっかりと描かれていれば、感動できる。それがラブストーリーの醍醐味である。
ちょっとやりすぎ。
小山内瑠璃が、前世の正木瑠璃の記憶を持って生まれてきた事は素直な気持ちで見ていられた。
しかし、今度は親友の子としてと言うのはちょっとドン引き。それに二人共、熱に何日もうなされて治った時から人が変わったと言うのは、生まれた時からでは無く、その時に憑依したのでは?と思ってしまう。
生まれ変わる度にアキラ君!アキラ君!って怖くないですか?
ラストシーンで抱き合う二人、初めに出会った頃の二人の姿だから絵になるけど、あれがオジサンと小1の子供じゃ全く別の物でしょ。
そして、正木竜之介に追われて毎回目の前で悲惨な死を迎えてしまうなんて、正木は悪魔か?
ラスト、介護師の娘と車の中での会話は、まるでオカルト映画のラストで、終わったと思ったら墓場から手が出て来た!みたいな怖さを感じた。
大泉洋さんの熱演が可哀想な気さえした。
オカルト感をもう少し抑えて欲しかった。
ホラーだった
幸せな家庭に訪れる不慮の事故。それは前世の絡む壮絶な物語だった。。。
前情報全く無く鑑賞。
見る前は涙無しには語れない、号泣必然の物語と勝手に思ってたが、
見終わった今の素直な感想は
『輪廻ホラーじゃん』
やっぱ子供を使うとちょっとウルッとなっちゃうけど、同じ時代(記憶の中の人間が生きている時代)に転生して、片方は生きてて片方は死んで違う身体。この状況を生きてる方に話したとしても単純に引くと思うし、死んだその人の仕草や知りえない記憶を披露されたら、もうホラーとしか言えない。自分なら怖くてそれ以上関われないし、せっかく生まれ変わったなら新しい人生を送って欲しい。自分はあくまでも死んだ人の、それまでの人生を尊びながら生きたい。
駅で待つ二人。記憶の中では大学生と人妻だが、実際は50近いオッサンと8歳の子供。
有村架純の、ちょっと影のある妖艶で魅惑的な人妻の設定が合わなくて、二人で歩いてたらどう見ても若いカップルにしか見えない。あの革ジャンが…。
伊藤沙莉の、高校生役も8歳の子持ちの役もイマイチイメージしきれなかった。逆だったらもう少し違った雰囲気になったのに。
目黒蓮良かった♪ 田中圭怖かった♪
大泉洋は言うことなし!
面白かったです。
個人的にツッコミどころ満載
原作未読。
某アイドルの方出演をきっかけに鑑賞。
序盤から説明口調な台詞が多いな〜…と思いつつトータルの出来上がりが良ければいいと思ってましたが。
以下個人的感想です。
時代や場面の転換が多いことはストーリー上仕方ないのかもしれませんが、シーンがブツ切りになっていきなり場面が変わるので気持ちがついていけず疲れました。
途中から世界観に没入することを諦め、冷静にツッコミ入れながら観ていました。
以下個人的なツッコミどころです。
・三角、顔で許されてるけど行動がストーカー
・渡したい物持ち歩きがち
・傘返すシーンはないんだ…
・瑠璃(有村架純)は悲劇のヒロイン思考のせいか男にちょろすぎないか大丈夫か…
・瑠璃の親に選ばれてしまった小山内夫妻可哀想すぎる
・不妊体質は気に入らないが束縛して当たり散らす正木(田中圭)、瑠璃に何を求めてるんだ…
・正木の勘鋭すぎ、転生への理解力高すぎ
・正木が車で後をつけるシーンが「え、カーチェイス始まる…?」と何なら笑いそうになった
特に、
・3人目瑠璃が三角に会いに行き(1人で行くんだ…)、途中で有村架純に変わり(え?)、過去の2人が雨の中で抱き合うシーン
私の理解力が足りないからなのか、これはフィルターがかかっているのか?実際に現代で再開した三角と瑠璃はどうなってるのか?と、クライマックスでしたが、混乱して全く泣けませんでした。
ショッキングなシーンや感動シーンがいきなり始まるので(そして余韻もない)、ついていけず口をポカーンと開けたまま唖然。
個人的には3人目の瑠璃はかなり目も座っていましたし、瑠璃の生死を超えて人を想う強さを持ってして正木(田中圭)を呪殺できるのではないかなと期待しています。(スピンオフホラー)
作品を通し「愛する人が生まれ変わりまた出会える」というテーマなのかもしれませんが、愛する人の姿や年齢が変わってしまった場合、どのように向き合い交流を持っていくのか、登場人物の今後にも疑問が残りました。(小山内も三角も)
役者の皆さんは良かったと思います。
やりたいシーンや説明を尺内に収めること自体厳しい作品なのかもしれませんが、脚本演出次第でもう少しまとまった、人物ももっと魅力的に魅せる作品にできた気がします。
原作との相違もあるようなので、原作を読み理解を深め直すべきなのかもしれません。
以上個人的感想です。
後半が…⭐︎
原作未読にての鑑賞。
趣味は読書というわりに偏っているため、佐藤正午の作品は読んだことがなかった。
正直、また「泣き」にいく物語かとあまり期待せずにに見たら、なかなか良かった。
特に前半の、有村架純と目黒蓮の高田馬場でのエピソードはとても雰囲気があり、
有村架純はもちろん、注目株の目黒蓮の演技が素晴らしくて良いなぁ…と言う感じ。
期待値が上がった。
でも、生まれ変わりの物語ということはわかるし、そうか…という感じだけど、最後の方に
なって、個人的に好きな伊藤紗莉の解説のあたりから しつこく感じてしまった。
伊藤紗莉…前半はいつも通り良いなぁ…と見ていたけど、娘が登場して その娘まで
生まれ変わりで、彼女がそれを容認している姿とかナイナイ!と。
…と言って、どう説明するかと言われたら困るがあの解説で前半が台無しになった
ように思った。
それにダメ出しするように、青森に帰ってからケアマネの娘まで生まれ変わり⁈
そこで、ホントに生まれ変わりはもういいよ。
なんだか残念な映画になってしまった。
それでも、前半の二人と柴咲コウはやっぱり良い。
瑠璃の呪いか?執念か?誰も幸せじゃない❗️
直木賞という言葉に私は弱い。そんな方は多いのではないでしょうか。原作は読んでません。
生まれかわりをテーマの作品だと思って鑑賞しましたが、2番目の瑠璃(小山内の娘)は明らかに、生きてる途中で1番目の瑠璃(有村架純)に憑依されてます。その人格を持ったままよく普通に成長したなあと思う。外であんな大きな声で歌うって結構引いた🥶結局その記憶が不慮の事故を招いてしまう。3番目の瑠璃(伊藤沙莉の娘)の将来も心配だし、梢(柴咲コウ)の生まれかわりのヘルパーの娘の将来も心配だし、それを理解してしまった小山内(大泉洋)のこれからも心配だ。あまり身近で輪廻転生すると誰も幸せになれないよ!正木(田中圭)の前世は極悪人だったのでしょう。
時代背景と年齢、配役にかなりの違和感があり、ついていくのが大変。三角(目黒蓮)なんて全く変わらない佇まい。年齢を重ねたシーンも見たかった。
演者の皆さん最高の演技でした。柴咲コウさんは本当に変わらないなあ。伊藤沙莉さん高校生役はちょっともう厳しいっす。
近所で生まれ変わり過ぎ。駆け足過ぎ。
佐藤正午は好きなので、随分前に原作を買ったまま読んでないがこのようなものなのだろうか。にしても細部がまったく効いてない。ちょっと前に見た『母性』も細部が酷いと思ったら同じ廣木隆一監督で、なぜこの監督にこういったストーリーテリングが重要そうな作品がオファーされるのか不思議。
冒頭からずっと映画的な良さが殺されてるような芝居場が続くと思うと『こんな夜更けにバナナかよ』『そしてバトンは渡された』の脚本家なので面白いものを期待する方が間違っていた。いちいち設定の繋がりを「バカにも伝わるように」丁寧に答え合わせのように写していくのがダサい。せっかくジョンレノン流してもダサいものはダサい。もったいない。特に高田馬場の再現は頑張っているのにもったいない。生まれ変わりの話なので「まさか」というぞわぞわさせる必要がある設定も、出演者の「泣かせるお芝居」でそんなもの匂いもしないし、肝心の子役たちがの撮り方が学芸会を正面から捉えるのでシラケるのみ。唯一、有村架純は怪しい魅力を発揮していた。
にしても、もうちょっとミステリーを感じさせる方法はあるだろうに、と思う。さすがに生まれ変わりと交通事故が多発し過ぎるので、中盤以降はもはやサプライズでもなんでもなく、青森のこの町に宇宙からの怪光線が降り注いだのかとしか思えない。しかもふたつの交通事故でふたりの瑠璃を死に至らしめる田中圭のバカ単純な設定紹介はなんとかならなかったか。こいつも怪光線を浴びたのか鼻歌を聞いて「瑠璃…」と言うのは怪し過ぎ。伊藤沙莉の説明セリフのオンパレードもきつい。
と、設定ダイジェスト映画の見本のような映画だった。韓国とか中国でしっかりリメイクしてもらったらいいと思いました。
執着であり、滅せなければならない
想いを残して死んだため輪廻転生するのは、まぁ良しとして、もう一回死んで、また輪廻転生するのは、いかがなものか。現実に願いが成就するまで、やり続けるのか。それは、まさに執着であり、滅せなければならないのでは。
もっと静かな感動がある話かと思ってたら、全然違った。
子供から説得されるというのも、ホラー味があった。近所の子供まで生まれ変わりとは…。『自分以外全員転生』っていうホラーコメディを書きたくなってしまった。
あと、再会のシーンもナゾで、あれは現実には老人と幼女が抱き合っている、仲の良いおじいちゃんと孫のシーンになってるけど、そこは現実に映像化しちゃうとなんなんで、想像してね、という事でいいのかな。
そのほか細かくは…
一応親としては、7歳児を1人で、リーガロイヤルから高田馬場駅前まで歩かせてはいけない、とか(正木がここまで妨害するのにも運命性がありそうだから、心配すべき)。
1981年の名画座の椅子があんなに立派なわけないよな、とか(せっかく頑張って高田馬場駅前を再現してるのに)。
僕だったら、正木をとっ捕まえて、危険運転致死とかでつきだそうと思うだろうな(のうのうと葬式に来やがって、とか)。
色々思いましたが、もう関わらないでくれ!という大泉洋さんの心情が一番分かりました。
映画ならではの有り得ない設定だけどラストで泣ける邦画。 本年度ベスト。
途中で泣けるシーンもあるけどラストのワンカットで大粒の涙が(笑)
愛する妻と娘を事故で亡くした大泉洋さん演じる小山内。
目黒蓮さん演じる三角との出会いから、愛する娘の瑠璃が生まれ変わっている事を告げられる展開。
無くなった瑠璃が生まれ変わっている事を信じない小山内。
そんなシーンに、これは伏線と推測(笑)
それが見事に回収されるラストが予想外で泣ける。
豪華なキャスト陣で皆さんとても良かった。
有村架純さんが準主役って感じ。
田中圭さん演じる正木が最悪。
瑠璃の有村架純さんバージョンのストーリーが1番良かった。
そして伊藤沙莉さん。
母となり瑠璃を生んだんだけど、娘の言動に違和感も無く応援する感じが有り得ないけど優しい母って感じ。
柴咲コウさんも良かった。
ビデオに撮られた旦那に対する思いが素敵で素敵な夫婦。
ラストシーンが素敵なんだけど一歩間違えばホラー的な感じ(笑)
自分は素敵なシーンに一票。
泣けました( ´∀`)
数年ぶりに泣けました。大泉洋さんの演技力はさすが!
後半から涙、涙でした。
ただ、田中圭さん演じる正木がなぜあんなにも瑠璃に対しての執着心が強かったのか……そして、有村さん演じる瑠璃と目黒さん演じる三角さんが、なぜ生まれ変わっても会いたいと思うほど強く惹かれあったのか、その2点はもう少し掘り下げてもらえてると更に良かったのかもしれません。
どのキャストさんもとてもいい演技をされていました。ハマり役だと思います。久しぶりに、沢山泣かせてもらえました。
幸せより少し切なさが勝るお話
目黒蓮くんと過ごす時間、
本当に幸せそうに笑う
有村架純さんが印象的でした。
この2人の時間に説得力がなければ
物語は成立しません。
劇中で何度か
「子供は親を選んで産まれてくる」
という台詞がありますが、
幼児虐待のニュースなど聴くので
一概には受け入れられませんでしたが
そんな悲劇で終えた次の人生は…
と捉えました。
幸せより少しだけ切なさが勝る
優しいお話。
私にはほとんど嵌らなかったので、この映画をお好きな方はどうかスル...
私にはほとんど嵌らなかったので、この映画をお好きな方はどうかスルーしてください。
複数の時間をモンタージュする構成なれど、正直うまくいっていたように思えない。メイク・CGの工夫も特になく、目黒漣などほとんど老けておらず、タイムスリップした設定なのかと思った。高田馬場駅周辺のCGは頑張ったと思うが早稲田松竹は「アンナカレニナ」何週間やってたのか。
役者が悪いのではないと思うが、説明ゼリフが多くて鼻につく。「奥さんのこずえさん」とか「娘の瑠璃さん」とか、観客が容易に想像つく種類の人間関係の説明ゼリフも。事前にお墓で概要を聞かされているのに高級ホテルのカフェで大声を出すというのもありえない。
追い詰めてしまった結果奥さんを目の前で亡くし、精神を病んで会社も解散、十数年後にようやく立ち直るかと思った矢先、どういう理由か歌を聞いただけで生まれ変わりを確信した田中圭、またもとち狂って親子を事故死に追い込む...。田中圭、いやな奴だけど不幸にもほどがある。彼も現生に相当の想いを残してしまっただけに、絶対に記憶を持って生まれ変わるのじゃろう。
八戸が舞台の一つということで震災が絡んでしまうのではと思ったがそこは出てこなかったのですこし安心した。
原作が直木賞とのこと、きっと映画化のどこかでしくじってしまったのではと思う。「ある男」は原作読もうかと思ったけどこれの原作は読まないだろう。
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