二つの光

劇場公開日:

解説

「四月の雪」「八月のクリスマス」など大人の恋愛を繊細に描いた作品で知られる韓国のホ・ジノ監督による短編作品。徐々に視力を失っていくピアノ調律師のインスは、写真同好会を通じて視覚障害を持つアロマセラピストのスヨンと出会う。なにかと悲観的なインスに対して、何事にも前向きなスヨン。2人は次第にひかれあっていき、スヨンは気持ちを率直に伝えるが、インスはそんな彼女に背を向けてしまう。さらに、些細な言葉がすれ違いを生んでしまい……。サムスン電子の視覚障害者支援VRアプリを題材に「愛する人を初めて見る瞬間」をテーマに描いた。映画「ジョゼと虎と魚たち」やドラマ「まぶしくて 私たちの輝く時間」「知ってるワイフ」などで知られるハン・ジミンと、ドラマ「力の強い女 ト・ボンスン」「花郎(ファラン)」などで人気のパク・ヒョンシクが共演。

2017年製作/30分/G/韓国
原題:Two Lights: Relumino
配給:ハルシネマ

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(C)Ho Film Co.,Ltd

映画レビュー

4.0映像の美しさと、視覚障害支援技術の発達に驚く一作。

2022年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

約30分の短編映画だけど、終始映像の美しさに魅せられたひとときでした。2時間を超える長尺の作品が増える中で、本作のようにテーマを絞り込んだ短・中編の劇場公開作品ももっと増えても良いのでは、と感じました。

主人公のスヨン(ハン・ジミン)、インス(パク・ヒョンシク)をはじめとして、主要な登場人物の多くが視覚に何らかの障害を持つ人々で、彼らが所属する写真サークルでのやりとりが綴られます。恥ずかしながら、視覚が不自由な方や失明された方がどのように写真を撮影したり、それを鑑賞したりするのか、本作を観る前は想像がつかなかったので、作中彼らが撮影を楽しみ、作品の感想を聞いて嬉しそうにしている様子を見て、自らの見識の狭さを少し恥ずかしく思うほどでした。なるほど、写真という表現芸術は、視覚にだけに依存する創作活動ではなく、自ら動き、感じ、味わう活動なんですね。

また本作では視覚障害の支援機器として特殊なVRゴーグルが登場しますが、このような技術が発達していることも本作で初めて知りました。そもそもホ・ジノ監督が本作を手がけるようになったきっかけも、VR技術を用いて視力を補正した方の体験談に触れたためだそうです。一方で、新技術の称揚一辺倒ではなく、視覚に依らず構築してきた個々人のイメージ、世界観も、「見えること」に劣らず重要である事もさりげなく示唆しているところも絶妙なバランス感覚だと感じました。

映像的な美しさは特筆に価するもので、その美しさは主に逆光の巧みな活用に負う部分が大きいのですが、これがやりすぎちゃうと良くできたCGに見えてしまうと言う不思議。本作はその「やりすぎ」をぎりぎり回避した絵作りであると感じました。

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yui

4.0深みのある美しいラブストーリー

2022年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

視覚障害を持つ男女の恋愛小説のような短編ラブストーリー。見えない二人が織りなす不器用な恋は見応え充分。
30分とは思えない深みのある美しい作品であり、無駄な部分をすべて排除した名匠ホ・ジノ監督の手腕に脱帽です。
2022-127

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隣組

4.5とても清々しい気持ちになった心温まる映画。

2022年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2017年韓国映画。30分という短編映画で、とても清々しい気持ちになった心温まる映画。
「このシーン」「この会話のやりとり」を見せるだけで本当は十分に伝わるのだ。そこが短編映画の良さだと思う。もし、これを2時間のドラマにすると登場人物の生い立ちや人生、人間関係、家族などをどうしても絡ませないといけなくなる。
視覚障碍者の写真同好会で出会う若い二人の恋愛映画なのであるが、同好会には中年夫婦や家族ぐるみでの参加者、健常者のボランティアがいて、若い二人が入ることで同好会がとてもワクワクしてくる。
何故カメラなのかと思うが、最近視覚障碍者と見る絵画展の体験を綴ったノンフクションの本が出ており、健常者が目の前の絵画を説明することで視覚障碍者のイマジネーションに感化されて、逆に健常者が気付かなかったところまで見えてしまうということなのだそうだ。目の見える人が逆にキチンと見ていないのである。
この映画で、何度が出てくる野外での写真撮影のシーンは、健常者の助けにより視覚障碍者が撮影するのであるが、そこには互いの支え合いと視覚障碍者の研ぎ澄まされた感覚で何かを見ている、または何かを捕らえようとしている「思い」が伝わってくる。
主人公の二人のハン・ジミンとパク・ヒョンシクの演技力と爽やかさで30分間見入ってしまった。

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M.Joe

4.0「美しい」韓国映画と言う、超絶レア作品

2022年7月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

韓国と言えば、喜怒哀楽のデフォルメです。濃い口です。口が尖ります。眉毛が2:50と4:40です。身振り手振りに、首があっちからこっちに動いてと忙しい事と言ったら、ありゃしないにゃん!

率直に言うと「面白い」。でもでもでも。「美しい」と感じる「映画」って、無い。たまにあっても、日本映画のリメイクだったりするんです。「はちどり」も美しい、ってのとはちょっと違う。

内心を緩やかに吐き出す台詞。滑らない言葉のやりとり。表情を印象付けるための間。ひねりもねじれも無い、シンプルな物語り。ふふふ、程度のユーモア。

コレ、ほんまに韓国映画ですか?

良かった。かなり。
30分で終わってくれたのも含めてw

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bloodtrail
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