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映画「杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦」 杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦 劇場公開日:2022年4月15日
解説 人間よりも自然に従うという理念を持つ、造園家で環境再生医の矢野智徳を追ったドキュメンタリー。30年以上のキャリアを持つ造園家であり、環境再生医の矢野智徳は、時に「地球のお医者さん」とも呼ばれ、全国を飛び回り傷んだ植物や大地の治療にあたっている。造園業界や現代土木の世界、学術界でも見落とされてきた生態系全体に関わる大地の機能を、矢野は「大地の呼吸」だと言う。1970年代以降からつづく、国土開発という名の人間の土地利用は、大地を窒息させる方向へと突き進んできた。せき止められた自然の循環が長い時間をかけて問題を起こしてきていることに、彼は強い危機感を抱いていた。業界では変わり者と呼ばれながらも、環境改善のやり方を実践し、伝えてきた矢野の活動は東日本大震災をきっかけに共鳴する人が増えていく。しかし、2018年7月、抑圧されてきた自然が牙を剥くように、日本全国の広い範囲を豪雨が襲う。
2022年製作/101分/G/日本 配給:リンカランフィルムズ
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2022年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
主人公、矢野智徳に密着した、「情熱大陸」の長尺版みたいな映画です。そして、もの凄くためになるんです。それは、衝撃的といっていいレベル。土地をコンクリで固めてしまうと、ガスの溜まったグライ土壌になってしまう。水脈を整備し直し、風の通る道を作ると、土地が見事に復活する。今まで誰からも聞いたことのなかった学びが満載です。自然はあるがままに、「LET IT BE.」ってことなんですねえ。人間が手を加えるにしても、加える程度ややり方がちゃんとある。建築や土木や造園に関わる仕事の人や、そういう業界を目指す学生さんたちに見て欲しいと心から思います。
単に緑化のドキュメンタリーかと思いきや、豪雨災害とか思わぬ方向へ 風や水を通すというのは無かった発想 日本全国駆け回っておられるようだが、災害時はボランティアなのか、行政から要請あったのか、ゴミをなるべく出さないやり方も良い あのお寺の住職さん、大掛かりな手入れなのにお任せだったけど、最後の見事な桜がすべて物語っている そもそも間違った方向で都市化しているので、都会ほど大変そうなお仕事だなと思った 北九州の白野江植物公園が元のご実家なんですね それにもびっくり
2022年7月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
30年以上の実務経験を持つ造園家で環境再生医の矢野智徳氏は、全国を飛び回り傷んだ植物や大地の治療を行っていた。造園業界や現代土木界、学術界でも見落とされてきた生態系全体に関わる大地の機能を、矢野は「大地の呼吸」と言っている。1970年代から始まった国土開発という名の人間の土地利用は、大地をアスファルトやコンクリートで窒息させる方向へと進んできた。せき止められた自然の循環が長い時間をかけて問題を起こしてきていることに、矢野氏は強い危機感持ち、業界では変わり者と呼ばれながらも、環境改善のやり方を実践し、伝えてきた活動は東日本大震災をきっかけに共鳴する人が増えていった。また、2018年7月、西日本で自然が牙を剥くような広い範囲を豪雨が襲った。この復旧にも携わった。こんな矢野氏の実践を映したドキュメンタリー作品。 以前より砂防ダムって本当に効果有るのか?一時的な防災にはなっても恒久的な対策ではなく、単に土木業者を潤わすためだけに工事をしているのでは?なんて思ってた自分には、なるほど、と思える内容だった。 コンクリートが全ていけないとは思わないが、大地も空気を流し、水を流さないと、澱んで窒息してしまう、という意見には賛同したい。 その大地が健全じゃないと植物も健全に育たないのも自明だと思う。 何か自分に出来ることで協力していきたい気持ちになる作品。
2022年6月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
風の目線で見て、 風が通り抜けられるように 枝や葉を切り込んでいく。 すると、木々はしっかりと根を張り自立する。 土に水が流れるように、 水はけを良くしてあげる。 すると、大地が呼吸する。 ・・・ 人の体で目指してることとまったく同じ。 呼吸と循環が健全の要。 呼吸が浅くなる要因はそこら中にありますし、時に呼吸を浅くするのは、体の防御にもなりますが、守りすぎて固まると不具合が出てきます。 現代医療も薬の処方も、コンクリで固めたり、ダムを作ったり、といった整備に近いです。 経済も同じく、どこかに集中すると、どこかが破綻し崩壊してしまう。 呼吸と循環がスムーズに行われたら、 代謝が起こり、自然のサイクルが回り出します。 矢野氏の手が入ると、木々達の間に空気が流れだし、スコップ一つで土を掻いていくと、溜まった水はぐんぐん地中へと流れ込んでいきます。まるで水脈が見えているかのように。ユンボの動きですらベテラン治療家と重なりました。 コンクリートも悪者扱いせず、穴を開けたり、組み直したりすることで、大きな岩のような役割を持たせていたのが印象的でした。 "杜"の意味も納得。 矢野さんに惚れ込んで映画デビューしたという監督さんの熱意に感服です。 どうしても、関心の高い人しか観られないテーマでありますが、良質なドキュメンタリーでした。