燃えあがる女性記者たち

劇場公開日:2023年9月16日

燃えあがる女性記者たち

解説・あらすじ

インドで被差別カーストの女性たちが立ちあげた新聞社「カバル・ラハリヤ」を追ったドキュメンタリー。

インド北部のウッタル・プラデーシュ州で、カースト外の「不可触民」として差別を受けるダリトの女性たちによって設立された新聞社カバル・ラハリヤ(「ニュースの波」の意)は、紙媒体からSNSやYouTubeでの発信を中心とするデジタルメディアとして新たな挑戦を開始する。ペンをスマートフォンに持ちかえた女性記者たちは、貧困や階層、ジェンダーという多重の差別や偏見にさらされ、夫や家族からの抵抗に遭いながらも、粘り強く取材して独自のニュースを伝え続ける。彼女たちが起こした波は、やがて大きなうねりとなって広がっていく。

2022年・第94回アカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたほか、2021年サンダンス映画祭ワールドシネマドキュメンタリー部門で審査員特別賞&観客賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波部門で市民賞を受賞するなど高く評価された(山形国際ドキュメンタリー映画祭上映時のタイトルは「燃え上がる記者たち」)。

2021年製作/93分/G/インド
原題または英題:Writing with Fire
配給:きろくびと
劇場公開日:2023年9月16日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第94回 アカデミー賞(2022年)

ノミネート

長編ドキュメンタリー賞  
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映画レビュー

5.0 報道するのに学歴はいらない

2023年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ジャーナリストのあるべき姿を描いた素晴らしい作品。カーストの最下層民である女性たちだけで運営される新聞社のデジタル転身を描いたドキュメンタリー映画なのだが、報道のために必要な志が何かをまざまざと見せてくれる。スマホを触ったこともなければ、中には読み書きが得意じゃない人もいる。それでも今はスマホがあれば世界に情報を届けることができる。彼女たちは、地域の人々と同じように生活し、同じ目線で社会を見ているがゆえに、問題の本質をきちんとわかっている。取材スキルも高くて度胸もある。ジャーナリストに必要なのは高学歴でも高い機材でもないのだ。
インドの中でも家父長制的価値観の強い地域に暮らす彼女たちは、家のこともやらねばならない。若い記者は結婚のプレッシャーにさらされ自身のキャリアを危惧する。そもそも女性が一人で外を出歩くことが珍しい地域で、世間からの差別的眼差しとも彼女たちは戦わねばならない。後半、ヒンドゥーナショナリズムの台頭するインド社会での選挙戦の取材が描かれ、現在のモディ政権下でインド社会がどういう問題を抱えているのかも浮き彫りにする。インドのメジャー映画ではこうした批判的眼差しを観ることはなかなか難しい。その意味でも貴重な作品だった。

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杉本穂高

5.0 インド映画の応援が、差別の助長につながらないよう学びたい

2025年9月15日
スマートフォンから投稿

インド映画が、数多く日本でも観られるようになって、インドに親近感を覚え、何となく国内の様子もわかったつもりになっていたことが恥ずかしい。
カバル・ラハリヤ社内の様子や、家のそばでの取材場面を除いて、画面に出てくるのは男ばっかり。それも、インド映画に登場しそうなカッコつけ男は女性記者を揶揄し、取り巻き連中たちは、それをニヤニヤしながら見ているなど、情けなさすぎる。彼女たちを支えてくれていると思った夫たちも、家事は全くしてない上に、仕事で遅くなったことを責める様子に心底ガッカリ。それなのに、この上、更にヒンドゥー至上主義を唱えて男たちが盛り上がっている様子には、本当に背筋も寒くなった。
義勇団の彼も、よく取材を受けてくれたと思うが、政治家になろうとしているのに、訴える中身は余りにも空っぽ。
それを鋭く咎めることはせずに、微笑みながら、じっくりと話を聞くミーラ記者の構えは素晴らしいが、批判な視点を持ちながらも、そのような相手の感情を害したりプライドを傷つけたりしない姿勢は、自分の命の危険を避けるために身につけた防衛的な振る舞いなのかもと思うと、やるせない。
あと、世間体とか、ケガレ意識とか、日本特有みたいな言われ方をされることがあるが、インドでもあるんじゃんと思ったら、余計に根深さを感じてしまった。

いずれにしろ、ダリトという被差別階層の、しかも女性記者たちの視点から見たリアルを報じ続けるという姿勢が、今後も守られ続けていくことを願いたい。

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sow_miya

4.0 母なるインド

2025年9月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

驚く

インドのカースト最下層、不可触民とされている人たちが発行する新聞の女性記者たちを追ったドキュメンタリー。
差別というより命の問題なのがよくわかる。
彼女たちの覚悟も伝わってくるが、何と言っても、その純粋さに感動、懐かしさを覚えるのが不思議。

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いやよセブン

5.0 映画偏向報道に負けない

2025年6月14日
PCから投稿

オールドメディアなんて浅はかな言葉に頼らずに誠実さを武器に挑む庶民の目線。これこそジャーナリズム。

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fmovie2

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