グッド・ナースのレビュー・感想・評価
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イジメ自殺事件を思い出した
「旭川女子中学生いじめ凍死事件」
「秀岳館高校サッカー部暴行事件」
をあげるまでもなく、
あらゆるイジメ、パワハラ、セクハラは隠蔽される。
隠蔽する側の気持ちは分からなくもない。
「責任を問われる」からだろう。
でもそこには「良心の呵責」との葛藤がある。
いや、上記事件の関係者にそうした葛藤があったかは分からない。
で、本作。
主人公の葛藤は「良き相棒が犯人のハズない。犯人と思いたくない。」ということ。
一方の犯人は(動機が不明だからか)感情は読み取れず、表情から想像するしかない。
そして病院の対応に怒り苛立つ警察官…
動機とは違うが「誰も止めなかったから…」旨の発言をする。
隠蔽って、ある意味「共犯者」なんだな。
本作の病院だけでなく、
イジメ事件、暴行事件の学校も。
タイトルからして謎
演出がちょうど良く最後まで楽しめた
怖くて眠れない…
事実をもとにした作品ーーー
と、初っ端ババーン!!と出されたのでビビった。
そういう映画は大概サイコパスめいて怖いから。
案の定とても怖かった。
患者の突然死が相次ぐ病院が舞台。看護師役はジェシカ・チャステインとエディ ・レッドメイン。
病院は命を救ってくれる所だと信じてる私たち。
でも、もしこんなことが起こったら??と思うと戦慄。
それにしても…あんなエディを初めて見た気がする。
お子さんが産まれてから出演作を選んでると言ってたので、まさかの役にお、ど、ろ、き。
とにかくエディ の役作りには毎回驚かされる。
追い詰められると出てくるチック。急に多動になる精神の危うさ。根は善人かと思わせる笑顔。またまたレッドメインマジックに打ちのめされた〜〜
しばらくは看護師のエディと脳内で暮らすことになりそう。
もちろんシングルマザーの看護師役のジェシカも素晴らしかった。
所謂「事なかれ主義」「見て見ぬふり」が日常にしみついているこの世の中で、間違いを正す事の難しさ。
私の心にもモヤモヤする感情が残る映画でした。
Netflixで鑑賞。
サスペンスとして見ると物足りない
看護師の任務と責務
ストレス値がハンパない仕事と聞いているので、彼のした行動はそのせいなのかそれとも別に理由があるのか。
2児のパパであり、看護師という尊敬される仕事に就き何が彼にそうさせたのか…
最後はハッキリしなかったけど考えさせられた映画だった。
チャールズ・カレンの本性。
実話をもとにした医療サスペンス。その程度の予備知識だった。そして現在、テレビでドラマ「トラベルナース」を放送中のせいか、自販機の前に座り込むエディ・レッドメインとジェシカ・チャステインのチラシを見た時、犯罪に立ち向かう"優秀な看護師"のコンビだとばかり思っていた(事実誤認)。だから、エイミーの不安と恐怖は、自分も共有しながら見た。まさか、という気持ちで。
日本でも似たような事件もあった。そして、今でもどこかで進行中なのだろうな。人知れず。いや、知っているのに知らぬふりで隠ぺい、か。保身に走る医療現場には、モラルなど存在しないのだよなあ。残念ながら。罰は、18回の終身刑を受けて、2403年までの刑期、というアメリカ流の裁き。それでもこういう犯罪を犯すサイコパスは、なくならない。それもまた、残念ながら。
救いは、人の心を開かせるのは圧力や強要ではなく信頼である、というメッセージがあることか。
グッド・ナースは誰か
子どもの頃、母の遺体を病院に放置された経験があると看護士エイミーに明かした新入り同僚チャーリー。
彼は患者の「尊厳を守る」といい、仕事中には亡くなった人のからだをとても丁寧に拭い、冷たくなった顔に近づきじいっとみつめる。あの表情。意味深で息を潜めて観てしまうシーンだ。
チャーリーを演ずるエディは細かな表情や歩き方、姿勢などで、時折コントロールされていないような不気味な雰囲気を醸し出す。
そして明確な理由を示さないまま、チャーリーのまわりで犠牲者が増えていくことにエイミーも気づく。
チャーリーが、生まれ持っての殺人鬼でないなら、
そんな精神性をつくりあげ、物腰柔らかくやさしい微笑みを浮かべる彼の裏の顔として根付かせたのは一体何?
哀れな母の死に心を痛めた少年の深い傷。淀みを残したままの思いは「尊厳を守らなかった」病院を糾弾するための反撃のスイッチになったのだろうか。
はたまた、彼の物差しで「尊厳を守りたい人」を選んで自分なりの正義を尽くしていたのだろうか。
エイミーの不安と同時進行で私も考える。
彼の犯罪を止めることができるのか…
ジェシカ演じるエイミーは心臓病を患い勤務先に隠しているため1人で耐える発作のシーンがこちらまで息がとまりそうなくらいリアルだ。
アメリカの保険制度の厳しさ、母子家庭の働き手として幼い娘たちを養う必死さ、反抗期の子を育てる悩みなどが重なる辛い時期に自分の状況を理解してくれ、心の拠り所になりはじめた同僚への疑惑。辛さがつのるがエイミーの看護士としての命に対する倫理観、母としての正義感、人としての愛の深さに揺らぎはなかった。
不審な死が続き病院を調べていた検事の調査に協力しはじめるエイミー。
やがて今までも病院を転々としながらチャーリーが患者を殺してきたことを知る。
さらにどの病院も、明らかに彼を疑いながら解雇するのみで事件にせず、ただ保身に走る体質を垣間見せるのだ。
しかし、エイミーはチャーリーを見逃すことなく、正面から追い詰め自供させる。
彼のために。
チャーリーは連続殺人の理由を語った。
「誰も僕を止めなかった。」からと。
病院ビジネスの危うさを糾弾しつつ、止まらない坂道を転げ続けていく自分をもうどうにもできなかったことを意味した言葉か。
その本心は、やはり「止めてほしかった」のだろう。
同様の医療犯罪は世界中でたびたびおきる。
本作品も実話を元につくられ、実際の犠牲者は目を疑うほどの数に及ぶというラストの字幕に震える。
保身のための隠蔽、尊厳に対する概念を考えさせる社会派作品のメッセージは、現実感を帯びた主人公二人の静かで壮絶なる巧みな演技により、演技を遥かに超えてスクリーン中にたぎる。(訂正済み)
人の二面性に戦慄し、“白い巨塔”の保身に憤りし、差し伸べられた友の手に救いを…
2020年の邦サスペンス『ドクター・デスの遺産』のモチーフになった、130人の末期癌患者を安楽死させた米医師。
日本でも“黒い看護婦”と呼ばれた看護婦たちによる保険金殺人や点滴中毒死殺人など多々。
その系統に入る医療×殺人サスペンス。
16年間で推定400人の患者を殺した米看護士。
戦慄の実話に基づく。
2003年。ニュージャージー州のパークフィールド病院。
そこで夜勤の看護士として働くエイミー。
患者からの信頼厚いが、激務に連日疲労。
幼い娘二人を抱えるシングルマザー。
さらに心臓に命を脅かす病を抱える身。
体力的にも精神的にも限界であった。
そんな時、チャーリーという経験豊富な男性看護士が赴任してくる。
仕事も手慣れ、患者にも親切丁寧に対応。
別居している妻との間に幼い二人の娘。
真面目で穏やか優しい性格。
エイミーは自分の病気の事も打ち明け、仕事面でもプライベート面でも支えてくれるように。
親友として欠けがえのない存在になる。
突然病院で、患者の急変死が続く。しかもそれは、医療で故意に殺されたような不審死の可能性が…。
実話が基で概要も知っているので、犯人は明確。
チャーリー。
警察も看護士の経歴を調べ、チャーリーの過去に不審な点があった事から、早々と彼をマーク。
なので、犯人は誰か?…というミステリーではない。
エイミーの視点でチャーリーへの疑心暗鬼、チャーリーを通して人の二面性を描く、心理サスペンス。
警察からチャーリーについて聞かれ、疑われていると知らされても、チャーリーを信じるエイミー。それほど彼を信頼していた。
仕事以外でも会うようになり、エイミーの娘たちも彼に懐いていた。
ちなみにエイミーとチャーリーの間に恋愛関係はナシ。あくまで親友で相棒という関係性。
真面目で優しい“グッド・ナース”の彼が患者の命を奪うなんて絶対にあり得ない。
そう信じていた。
が…
患者の不審死はインスリンの過剰投与。
エイミーはチャーリーがそれら医薬品や提供機器“ピクシス”を使っているのを知っている。
さらに投与の袋に注射針で刺したような穴が…。
不審死はチャーリーが来てから起きるようになった。
チャーリーは病院を転々。そのいずれでも、チャーリー在籍時に患者の不審死が…。
彼が、殺したのか…?
信頼が疑念へ。疑念が恐怖へ。
その複雑な心情の変化を、ジェシカ・チャスティンがさすがの名演。
『ゼロ・ダーク・サーティ』『女神の見えざる手』『モリーズ・ゲーム』などパワフル熱演のイメージが強いが、恐怖に怯える不安定演技も絶品。
『博士と彼女のセオリー』や『ファンタスティック・ビースト』などで善良役が定着しているエディ・レッドメイン。
『ジュピター』で悪役も演じているが、間違いなく彼の演じてきた中で、最も怖く不気味な役。
残忍であったり暴力的な役ではない。物静か抑えた演技。それがまた恐怖心を煽る。
ある時エイミーが倒れ、目を覚ますとベッドの横に、チャーリー。仕事から帰宅すると、娘二人と共にいるチャーリー。
この時すでにエイミーはチャーリーに疑念と恐怖を抱いていた事もあり、まるでホラー映画のような怖さ。
物静かだったチャーリーが取調室で「出来ない!出来ない!出来ない!出来ない!…」と豹変したように大声連呼。
対峙した時、普段と変わらぬ様子から一瞬、別人のような雰囲気が垣間見え…。
善人と病的のような心の闇を、圧巻の巧演。
本当にエディを怖く不気味に感じる。
監督はトマス・ヴィンターベア監督作で共同脚本を手掛け、自身も監督として活躍しているデンマーク人のトビアス・リンホルム。
作品雰囲気もハリウッド・サスペンスというより、ダークな北欧サスペンス。
ハラハラドキドキのエンタメ性は薄い。
淡々と静かな演出だが、じっくりヒリヒリと、登場人物の内面と展開の緊迫感を煽っていく。
よくある手に汗握るタイプのサスペンスとは違う、身体が硬直するようなタイプのサスペンス。
チャーリーを自白させ、逮捕。
警察に協力する事になったエイミー。
チャーリーから自白を引き出す、エイミーとチャーリーの対峙が終盤の見せ場。
二大オスカー俳優の見応えたっぷりの演技バトルでもある。
そのシチュエーション下での対峙は二度。
最初の対峙では緊張の余り誘導先走ってしまい、失敗。
が、二度目の対峙では、友と友として向き合う。
彼は私を救ってくれた。それは紛れもない事実。
今度は私が彼を救う番。彼を蝕む心の闇から…。
遂にチャーリーは自白する。
が、動機については語らない。動機は今も不明だそうだ。
ペンシルベニア州の刑務所に現在も服役中で、裁判で終身刑を18回言い渡され、仮釈放は2403年まで無いという。
それほどの極刑。チャーリーが自白したのは40人ほどらしいが、実際は推定400人以上にも上るという。
それが本当なら、単独犯としては史上最多数のシリアルキラー。
何故、彼はこんな事を…?
Wikipediaで調べてみたら、チャーリーの生い立ちは暗い。両親との早い死別、いじめ、妻との不和、元同僚へのストーカー行為、犬を毒殺疑惑…。
ここに彼を歪めた原因があるのか…?
彼の生い立ちは同情する点もある。
が、異常行動には恐ろしさを感じる。
劇中でも、最初は善人に見える。
が、徐々に不気味に見えてくる。
底知れぬ人の二面性に、ゾッとする。
前述の通り、犯行動機は不明。
が、犯行を続けた理由は明かした。
「誰も止めてくれなかった」
チャーリーが転々としてきた病院で、やはり同様にチャーリーに疑いを感じながらも、世間への体裁を考え、病院は疑惑を隠蔽。追求しなかった。
パークフィールド病院でも。警察の捜査に非協力的。事件報告も数週間過ぎてから。遺体も火葬済みで検死のしようが無い。医療記録もほんの一部だけ提出。不条理な理由で即刻解雇。…
当院在籍の看護士が患者を死に至らしめたなんて周囲に知られたら、当院の信用性が…。
“白い巨塔”の保身は古今東西。
そんな中でエイミーだけチャーリーの罪を見て見ぬフリせず、彼を救おうとした。
チャーリーが犯行動機を明かす日はやって来るのか…?
その時こそチャーリーが自身を蝕む心の闇から解放され、真に罪を認め、被害者とその遺族も悲しみの一部が晴れるだろう。
チャーリー
なかなかの作品で、一気見した。
仕事はできるグッドナースなチャーリーだっただけに、最後までどんでん返しを期待もしつつ、せめて真実を口にするのを待っていた。
一度だけ、母親について語ったチャーリー。最後の取り調べでも母親について触れられた時、目がキラリと光った。
しかし最後まで真実は闇の中。
たまに日本でも変な事件が起きるけど、こんなことが容易く出来てしまう…何を信じればいいんだろう、という恐怖も。
「話さない」を異常なまで繰り返すチャーリー。
死ぬ前に話して欲しいものである。
「事実は小説より奇なり」をさせられるモンスター級の怖さ
『PLAN75』なんかにサインせずに、税金や保険は真面目に払いましょう。勿論、自分の為に。
多分、真実は小説より奇なりでしょうね。
アメリカは保険に入っていないと、心電図見たいな検査と問診だけで、$980って円換算で150,000円位!
終身雇用を今の若者は嫌うが、その矛盾がこう言った事になると知るべきだ。つまり、元々財がある階層や、体制に迎合出来る者や、生き残る知恵のある者や、運の良い者が生き残れるのだと思う。
もう、日本では終身雇用が無い上に、少子高齢化に加えて、周辺諸国の状況が一触即発の勢いで、どうにかなるのを待つだけかもしれない。アメリカ以上に状況は悪化しているかもしれない。
『PLAN75』なんかにサインせずに、税金や保険は真面目に払いましょう。勿論、自分の為に。
エディレッドメインがとにかく怖い!
エディレッドメインがとにかく怖い!
実話をもとにしていますし、エディレッドメインにジェシカチャスティンなので楽しみにしていましたが、期待以上でした。
怖いのは、いい人なのか悪人なのかとにかく分からない。
何を考えているのか、動機もわからない。
得体の知れなさ。
“I can’t !!”のシーンが怖かった。
そして、"誰も僕を止めなかった。"
ひたすら静かに犯罪を冒し続ける覚めた狂気に背筋が凍りました。
ジェシカの素晴らしい演技も相まってずっと画面に目が釘づけでした。
女優だとシャーリズセロンやケイトブランシェットがそうなんですが、どんな悪役をやっても品を消せないのと、なんだか可哀想になるんですよね。
特にエディはお育ちがいいから、それは彼が持った人間性だな、と。
しかし、ホーキング博士とリリーの全ての彼と同一人物とはとても思えない。
さすがの一言。
ダーマーのエヴァンピータースもそうだが、抑えた演技がとにかく上手い!
しかし、今まで見たシリアルキラーで1番動機がわからない。
そして1番多くを殺したシリアルキラーであろう。
とにかく気持ち悪い。
エディレッドメインとジェシカチャスティンはこれからの活躍も楽しみだ。
エイミーがどうしてあそこまで警察の捜査に協力したのかわからなかった
看護師のエイミーは心臓病を抱え2人の娘のシングルマザーとして、保険適用されるまでは、と夜勤もこなして頑張っていた。そんな時、彼女の部署にチャーリーが配属になり、エイミーを心配してくれる彼のおかげで自分と娘たちとの生活に希望を持てるようになっていた。しかし病院で患者の突然死が相次ぎ、チャーリーが容疑者として疑われた。証拠は不十分だが、真実を知りたいエイミーは捜査に協力し・・・という実話を基にした話。
まず、保険が使えなかったら、心臓の検査してもらうだけで980米ドルという金額に衝撃を受けた。
今だと1ドル約150円だから、15万円???信じられない程の高額医療費だなぁ、っていうのが一番の驚き。
それと、エイミーがなんであそこまで捜査に協力したのかも不思議だった。下手したらチャーリーに逆恨みされて子供含め狙われる可能性も否定できないと思って観てた。
29人の殺人は自白したらしいが、推定400人を同様の手口で殺した事までは自白しなかったようだ。そして、動機がわからないと言うのも不気味。
なかなかのホラーだったかも。
自らの安穏を捨ててでも彼奴を告発する勇気は有るか?! 周囲の保身によって男の狂気が野放しにされた実話ベースのサスペンススリラー映画
米国ニュージャージー州の正看護師として働いてきた傍ら、80年代後半から00年代初頭の16年間に40人からその10倍近くの患者を殺害したとされる"ヘルスケア・シリアルキラー"のチャールズ・カレンをモデルとしたサスペンススリラー。
彼と同僚となったICUのナースを主人公に、彼女がシングルマザーとしての疲弊した生活と生命にかかわる病で前後不覚となりながらも己の倫理観を奮い立たせ、管理責任を問われて隠蔽しようとする病院側を尻目に告発に動くストーリーです。
作中のチャールズはいわゆるサイコパス的なパーソナリティーとは違った共感性の伴った苦労人であり、彼と友情を結んだ主人公エイミーが苦悩しながらもその裁きを希求する経緯が言いようのないリアリティーに満ちていました。
そもそもの要因は彼の幼少期から受け続けた不遇な扱いと上手くいかない人生のステップへの焦燥や悲憤からのものと思えますが、これだけの夥しい数の被害者を出すに到ったのは病院組織の狡猾なリスクヘッジと秘密主義が背景にあるのは間違い無いでしょう。
そして、出来るだけ相手にリスクを押し付けて利益だけを最大化しようとするモラルを失したビジネスが行き過ぎると巡り巡って人の命までリスク換算されてしまう…そんなメッセージも孕んだ作品だと思いました。
全95件中、41~60件目を表示















