配信開始日 2022年7月29日

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「ぶっ飛んだディザスタームービー、流石である。」ムーンフォール Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ぶっ飛んだディザスタームービー、流石である。

2022年7月29日
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映画好きに一番分かりやすく本作を説明するならば、ローランド・エメリッヒ監督の「いつもの」映画だといえば納得してくれるだろう。月が地球に落ちてくるなんて、夢のある劇場未公開作を製作するアルバトロス社が好きそうなネタだ。「アルマゲドン202〜」だとか「〜インパクト」等の作品がパッと思いつく。だがそんな小中学生が本気で考えそうな事をいい大人が盛大にやってのける。それがローランド・エメリッヒなのである。

代表作はSF映画の教科書的存在、「インデペンデンス・デイ」だが、どこかB級テイストのある超大作という作風は今も昔も変わらない。ハリウッドの破壊王ことマイケル・ベイ含め、盛大に人類の文明をぶっ壊す人々には感服させられる。その中でアマゾンプライム配信となった本作は、ディザスタームービーという認識を終盤で見事に粉々にしてくれる。何か吹っ切れた様に、彼の過去作が混ざったかの様に物語が舵を切っていく。圧巻の破壊映像は「2012」が最高潮だったが、過去作を観てみると中盤にボルテージが最高になる破壊描写のオンパレードになり、終盤に行くに連れてテンションが下がってくるという特徴があったが、その辺の配分も本作はしっかりと序盤から終盤に向かうに連れて楽しみ度が三角形を描いてくれていた。

これも毎度の事だが、登場人物にそれぞれ別のドラマがあり、窮地に置かれた状況で結ばれていく家族の愛や絆を描き、ただ単に壊す映画とは違う。エメリッヒ作品には毎度警鐘を鳴らすかのようなメッセージが込められているが、このテーマにこのメッセージを入れるとは思っていなかった。次はどのように地球を滅茶苦茶にしてくれるのだろう。その時は劇場で公開して欲しい。

Mina