「暗喩と対立項に溢れたホラー」ハッチング 孵化 zem_movie_reviewさんの映画レビュー(感想・評価)
暗喩と対立項に溢れたホラー
感想をまとめるとタイトルの通りです。非常に深くて濃い映画だったなあと感じました。
フィンランドの仲良し家族が、ある日、烏が部屋に飛び込んできたことをきっかけにほんとの姿を表してくという作品です。母親の自分本位の欲望と行動から徐々にティンヤの無垢が汚されていく。父親はその奔放な母親をなだめることも咎めることもなく意気地なく自分を誤魔化しながら受け入れ、弟は家族への不満を増幅させる。
ティンヤはある夜、不気味な鳥の鳴き声に導かれるままに林の中を彷徨い、とある卵を拾い、誰にも内緒で育て、やがて不気味な気持ち悪いナニモノかが孵化する。
そんなストーリーです。
・表を取り繕う人って闇も深いよね。
・人って知らず知らずのうちに他人の影響を受けちゃうよね。そして少しづつ変化していくよね。
・結局、家族とはいいながら個人個人、自身が大事だね。でも、その大事のレベルって人によって違うもんだよね。
・ネガティブはネガティブとして認識して対処していくことは大事。我慢するのってそんなに良いことでもない。
・とはいえ、人は、動物は、何かに縋って生きていくものなんだなあ。
・堕ちたことを自覚した時は既に手遅れ。
・母性ってなんだろう?
などと観ながら考えてました。いや、考えろと迫られたような気がします。
なお、主人公の女の子、ティンヤ役のシーリ・ソラリンナさんの演技がぶっ飛んで素晴らしいものでしたし何より可愛い。その可愛い姿が別のものに豹変してしまう。そういうところも見どころでした。
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